○根絶デー/国の薬害なくして/厚労省前に250人
薬害の根絶と被害者救済を願う薬害根絶デー実行委員会が23日、厚生労働省前でリレートークを行いました。薬害エイズなどの反省を記した「誓いの碑」建立を機に毎年行い、今年で20回目です。
薬害被害者や運動を支援する市民ら約250人が参加しました。時折小雨が降るなか、自身が受けた被害や、遺族の苦しみを訴えました。
息子がタミフル服用後にマンションから飛び降り亡くなった秦野竜子さん(59)は「新たな悲しみが生まれないようにしてほしい」と訴えました。
大阪の民医連から参加した薬局で働く男性は「自分も被害者にも加害者にもなりかねない」と話し、薬害の連鎖を断ち切るよう行政に求めました。
薬害肝炎全国原告団の山口美智子さん(63)は国による薬害は「私たちで最後に」と裁判をたたかってきましたが、たびたびくり返されていることへの怒りを語りました。根絶に向け「薬害の存在を訴え、根絶デーの行動を広げていきたい」と決意を話しました。
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は「皆さんの声を伝え、話し合いながら力を合わせていきたい」とあいさつ。立憲民主党の阿部知子、本多平直両衆院議員と川田龍平参院議員がそれぞれ訴えました。
厚労省敷地内にある「誓いの碑」の前で、根本匠厚労相に医薬品の早期承認制度などに関する要望書を手渡しました。
実行委員会は同日、文科省と厚労省に要請を行いました。
(しんぶん赤旗 2019年8月24日付)