○消費税増税の根拠ゆらぐ/勤労統計不正 実質賃金伸びに影響
野党合同ヒアリング
毎月勤労統計の不正調査の影響で、昨年の実質賃金の伸び率が引き下がる可能性が高いことが分かりました。17日に国会内で開かれた野党合同ヒアリングで、厚生労働省の参事官が「実質賃金についても(上がり)幅が少なくなることが予想される」と答えました。(関連2面)
同省は、新たな数値を出すには再計算が必要になるとしています。立憲民主党の長妻昭代表代行は、政府は実質賃金の伸び率も消費税増税の判断材料の一つにしていたはずだと指摘。野党側は、昨年の実質賃金が上がっているか下がっているかも分からずに18日にも消費税増税を前提とした来年度予算案を決定していいのかと追及しました。
厚労省は、全数調査の対象から東京都分の一部を除いた不適切な調査や、それを隠すかのように行われたデータの補正がなぜ起こったのかなど核心部分については、「調査中」だと繰り返しました。
日本共産党の笠井亮衆院議員は「なぜこんな偽装が行われたのかは何一つ明らかにしていない。その中で、修正した予算案を閣議決定しようとしている。こんなことは許されない」と批判。国民民主党の原口一博国対委員長は、18日に予定される与野党の国会対策委員長会談の前に資料を提出するよう求めました。
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は、厚労省からは労働時間や雇用にかかわる統計への影響の説明もないとして、「再計算の結果を示すめども示さないのか」と批判。塩川鉄也衆院議員は「調査で除かれた大企業は労働時間が長めに出る。昨年の『働き方改革』法の審議にもかかわる」と指摘しました。
(しんぶん赤旗 2019年1月18日)