○データ補正で統計偽装/野党合同ヒアリング
毎月勤労統計の不正問題で、野党は18日、国会内で合同ヒアリングを行い、東京都分の抽出調査で、昨年1月から実施したデータ補正の問題点や閣僚の関与、統計法違反が疑われる問題などを追及しました。
昨年1月、厚生労働省は、実際は抽出調査だったものを、全数調査にみせかけるため、データ補正をしていました。野党側は、昨年6月にその影響で2・5%も実質賃金が上がったかのようにしたことを問題視。補正前のデータを提出するよう強く迫りました。同省は昨年9月の統計委員会でデータの信ぴょう性を問われたにもかかわらず、「抽出」や「補正」について報告しなかったと認めました。
また野党側から、昨年1月のデータ補正を安倍晋三首相や加藤勝信厚労相(当時)がいつ知ったのかと問われた同省参事官は「引き続き調査している」と繰り返しました。
国民民主党の階猛衆院議員は、抽出調査について「統計法第60条2にいう真実に反するのではないか」と指摘。総務省担当者は、「厚労省の監察結果に基づいて判断せざるを得ない。どこまでが真実であり、真実に反するか、詳細は分かっていない」「程度による」と回答しました。
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は、「程度によるという答弁は重大だ。総務相が承認しているやり方で全数調査となっているものを抽出で調査した。これは程度の問題ではない」と指摘すると、総務省の担当者は「われわれも怒りを感じる。なめられたと思う」と述べました。
(しんぶん赤旗 2019年1月19日付)