3月31日、国交委でバリアフリー法参考人質疑がありました。まず、コロナ肺炎への心配、要望をお聞きしました。尾上参考人は「差別や排除につながらないか。かつての無らい県運動(ハンセン病強制隔離)の教訓もある。」とのご指摘。山城参考人からは、「あんま、はり、きゅうの仕事が激減。支援を」 との要望がありました。
バリアフリー法改正のポイントは、心のバリアフリーだといいます。国民の理解や協力を責務だとするが、国や行政の責任は?障害者の権利条約にてらして意見を。
秋山参考人「ユニバーサルデザインと合理的配慮が2条。しかし欧米はDoor to Doorだ。日本は国民まかせ、国民依存じゃないか」 と。 尾上参考人からは、「障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという『障害の社会モデル』の理解は確かに進んだ。しかし11人乗りのエレベーターに車椅子の人が乗るには何回も待たないと乗れない。17人乗りにすれば乗れるというように、気持ちだけで解決できない問題はある。」
山城参考人からは、「駅のホームから転落した人を3人かかりで助けた。駅員さんにハシゴ出してもらった。ひと、の配置大事。国民の理解、配慮として声かけ、なども言うか、それとは違う」駅の無人化すすみ、遠隔操作だが、乗り換え切符買いたいがそれごできる駅に条件あるなど、当事者の声聞いて」 と。
UDタクシー(ユニバーサルデザインの略。車椅子のまま乗れる)のビデオみたが、時間かかりすぎて、運転手も、じっと待つ利用者も気の毒だ。人的支援必要では。尾上参考人は「確かに3〜5分かかる。ビデオ見ておきなさいと、研修したことにしているところも。インセンティブになる支援必要」 とのご意見でした。
バリアフリー 全駅に可動柵設置を
高橋氏質問 障害者団体参考人
衆院国交委
衆院国土交通委員会で31日に参考人質疑が開かれ、高齢者や障害者らの移動の円滑化を促進するバリアフリー法改定案に関連し、研究者や障害者団体代表らから意見を聞きました。
全日本視覚障害者協議会の山城完治代表理事は、視覚障害者の駅ホームからの転落事故は「毎年60~70件も起きており、異常事態だ」と陳述。転落事故の事例を詳しく報告し、「すべて可動柵がなければ防げない事故です。ぜひご理解を」と語り、全駅に可動柵を設置するよう求めました。転落者を救出した実体験も紹介しながら、可動柵がない駅の場合は転落防止と救出のための人員配置の必要性を強調しました。自動車事故防止のため、横断歩道は音響式信号機とエスコートゾーンの設置を基本とすることも訴えました。
日本共産党の高橋千鶴子議員は質疑で、同法が「国民の協力」を強調していることをあげて「国民の理解や協力は必要だが、国や行政の責任でやるべきことがあるのではないか」と指摘。障害者権利条約との関係で、「心のバリアフリー」について考え方を聞きました。
中央大学の秋山哲男教授は、欧米と比べ日本の障害者の移動に対する行政の支援は手薄で「国民にまかせている」と発言。NPO法人ちゅうぶの尾上浩二代表理事は、車椅子で狭いエレベーターに乗る苦労を紹介し「ハード(設備)面で足りない部分をソフトで補うのは無理がある」と語りました
(「しんぶん赤旗」2020年4月1日付より)