○実質賃金マイナス裏付け/衆院調査局の「予備的調査」結果
衆院調査局は5日、厚生労働省の毎月勤労統計調査のうち2018年の実質賃金の対前年比の変化率がマイナス0・3~0・4%だったとする調査結果を明らかにしました。これまで同省は共通事業所の実質賃金の変動を明らかにしてきませんでしたが、調査結果は、総務省の西村清彦統計委員長も「実感に一番近いもの」だと認める共通事業所での伸び率をみたもの。実質賃金はマイナスだとの野党側の主張を裏付けています。
今回の調査は、野党が5月に「衆議院規則」に基づいて衆院に「予備的調査」を要求したのに応じて実行されたもの。明らかにされた調査結果は、10月に予定されている消費税率10%への増税の是非を国会審議などで議論するために不可欠な景気動向の評価に関わる重要な情報です。
調査結果を受けて、同日、国会内で野党合同ヒアリングが開かれました。厚労省の担当者は調査局の調査結果について、「有識者検討会を設けて議論をしている」「統計をつくる側としては、コメントを差し控えたい」と発言。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は「政府は、野党が試算した実質賃金の変化率がマイナスということを、トレンド(傾向)としては認めると答弁してきた。今、機械的な試算としての数字がでてきたのだから、結果を素直に認めるべきだ」と主張しました。
(しんぶん赤旗 2019年8月6日付)