○強制不妊手術 被害者救済幅広く/超党派議員の骨子案
旧優生保護法(1948~96年)下、「不良な子孫の出生を防止する」として、国が特定の病気や障害のある人に不妊手術を強制していた問題で、被害者の救済に向けた法案策定などに取り組む超党派の議員連盟(尾辻秀久会長)は7日、国会内で総会を開き、被害者に一時金を支給する立法措置の骨子案を公表しました。
骨子案前文で、多くの被害者が「生殖を不能とする手術や放射線の照射を強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきたことに対して、我々は、率直に反省し、深くおわびする」と強調。今後、同様の被害を二度と繰り返すことのないように、障害などの有無にかかわらず、すべての国民が人格と個性を尊重される共生社会の実現に「努力を尽くすことを決意する」とのべています。
一時金支給の対象は、妊娠や分娩(ぶんべん)によって母体に生命の危険が及ぶなどの理由だけによる例を除き、同法に定められた優生手術を受けた人のほか、同法施行期間中に本人や配偶者が、同法に規定された病気や障害があることなどを理由として放射線照射などを受けた人も含むとしており、「救済をどこまで広げられるか」(西村智奈美・法案作成プロジェクトチーム座長)について引き続き検討されます。
総会後の勉強会で、全日本ろうあ連盟の唯藤節子理事が、連盟として行ったろうあ者の被害調査について説明し、旧優生保護法に詳しい立命館大学の松原洋子教授は客観的な知見もないまま対象を拡大して優生手術が行われた実態をふまえ、「救済はできるだけ広範に行われるべきだ」と提言しました。
日本共産党からは高橋千鶴子衆院議員が出席しました。
(しんぶん赤旗 2018年11月8日付)