ちづ子へのエール住民とともに(質問のエピソードと会議録など)
活動日誌

志位委員長と、復興大臣に東日本大震災と原発事故から10年で申し入れ。

志位委員長とともに、平澤復興大臣に東日本大震災と原発事故から10年にあたっての申し入れ。穀田恵二国対委員長、紙智子、岩渕友両参議院議員と。10年で区切りをつけない。同時に10年たってようやく、東電の賠償請求をやったり(ADRセンターでは3割が新規受付)様々。一人一人に寄り添ってと話しました。


東日本大震災きょう10年

くらしと生業再建まで支援の継続・強化を

志位委員長が提言

 日本共産党の志位和夫委員長は10日、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から10年を迎えるにあたり提言を発表。内閣府で平沢勝栄復興相と会談し、提言を手渡し、政府に対応を求めました。穀田恵二国対委員長、高橋千鶴子衆院議員、岩渕友、紙智子両参院議員が同席しました。

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(写真)平沢勝栄復興相(左から3人目)に申し入れる志位和夫委員長(その右)ら党国会議員団=10日、内閣府

 提言は、この間行った岩手・宮城・福島の被災3県の自治体や住民らとの懇談などをもとにまとめたものです。(1)期限を切った支援策の縮小・廃止をやめ、被災者に寄り添い、くらしと生業(なりわい)の再建へ支援の継続・強化(2)原発推進のために福島を切り捨てる政治を変える(3)東日本大震災の教訓を生かす政治に変える―の3本柱からなっています。

 平沢復興相との会談で志位氏は、「10年の節目にあたり、政府として被災者と被災地の実情をしっかり調査し、把握してほしい。そうしてこそ支援の継続・強化をはかることができる」と強調。「現状は十分な調査・把握ができているとは言えない」と述べ、「宮城民医連の20年度の調査では災害公営住宅の住民の『3割が健康状態悪化』であり、『6割が抑うつ傾向』の状態にある。健康状態を国として調べる必要がある。在宅被災者の実態もつかまれていない」と指摘しました。とくに福島については、「実態にそくした避難者数すら把握されていない」と述べ、「県は3万6000人と言っているが、実際は8万人以上だと言われている。国として避難者数、悩みや苦しみについての実態調査が必要だ」と求めました。

 産業と生業については、「政府のグループ補助金の返済の時期がきている。水産業では大不漁にコロナ禍が加わるなど、返済できない実態がある。実態を把握していれば返済猶予の結論が出てくるが、十分に実態がつかまれているとは言えない」と述べました。

 平沢氏は「(被災者は)一人として忘れてはならない。全ての人を支援していく立場で対応していきたい」と述べました。

 志位氏は3県の個別の事情を踏まえるべきだとして、福島について、「特に2点申し上げたい」と発言。「1点目は汚染水の海洋放出の問題だ。全漁連や地元自治体が反対しており、到底容認できない。当面、タンクを増設し、問題解決に向けて科学的英知を結集して対応に当たるべきだ」と述べました。

 「2点目は、賠償の問題だ。政府が決めた賠償の指針があるが、この間の訴訟の判決は国の賠償指針を上回っている。指針自体の見直しが必要だ」と求めました。

 平沢氏は「これからは個別対応の支援が大切になってくる。しっかりやりたい」とのべました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月11日付より)


提言 東日本大震災から10年を迎えるにあたって

2021年3月11日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫

 日本共産党の志位和夫委員長が政府に申し入れた「提言 東日本大震災から10年を迎えるにあたって」は次のとおりです。


 東日本大震災から10年を迎えるにあたり、あらためて犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者のみなさんにお見舞いを申し上げます。復興にむけてたゆまぬ努力をされている被災者のみなさん、自治体のみなさん、被災地への支援を行ってきた全国のみなさんに、心からの敬意を表します。日本共産党は、被災者のくらしと生業(なりわい)を再建し、復興を成し遂げるまで、国民のみなさんとともに力を尽くす決意です。

1、期限を切った支援策の縮小・廃止をやめ、被災者に寄り添い、くらしと生業の再建への支援の継続・強化を国に求める

 10年が経過し、道路や防潮堤などのハードの整備はすすみましたが、被災者のくらしと生業の再建はなお道半ばであり、被災から長い時間を経過したことによる新たな困難も生じています。とくに、コロナ禍は被災地の主要な産業である漁業・水産加工業、観光業に大打撃となり、気候変動によるサケ、サンマ、スルメイカなど主要魚種の大不漁も加わり“三重苦”と言われる苦境に陥っています。被災者の心のケア、災害公営住宅などでのコミュニティーづくりも、被災者の高齢化がすすみ、コロナ禍も加わって、これまで以上の困難に直面しています。

 ところが菅政権は、国が決めた「10年の復興期間」の終了にともない、支援策を縮小・打ち切る方向を打ち出しています。被災者・被災地の実態を無視し、支援を打ち切ることは許されません。いま必要なのは、被災者に寄り添い、どこまでも一緒に復興に歩んでいく政治姿勢です。被災者のくらしと生業の再建、「人間の復興」に国が責任を果たすことを求めます。

 ――(被災者の実態調査)

 被災者のくらしと健康、生業などの実態、悩みを大震災から10年の時点で、国の責任で調査し、実態に即した支援を継続・強化することを求めます。災害公営住宅入居者の「3割が健康状態悪化」「6割が抑うつ傾向にある」(宮城民医連 2020年度災害公営住宅訪問調査)など、被災者の体と心の健康の悪化が心配されます。くらしが困窮している被災者も少なくありません。在宅被災者など被災当初から行政が実態をつかんでいない被災者もいます。被災者の実態をつかんでこそ、被災者に寄り添った支援ができます。

 ――(住まいとくらしの支援)

 住宅再建支援の継続・強化と災害公営住宅の家賃値上げの中止、「収入超過者」の家賃軽減、医療・介護、子育てと教育への支援など、住宅とくらしへの支援の継続・強化を求めます。

 ――(産業と生業の支援)

 グループ補助金に伴う借入金や災害援護資金の返済猶予をはじめ、コロナ禍など新たな困難を踏まえた被災地の産業、生業への支援の継続・強化を求めます。苦労を重ね、多くの人たちの支援と協力で再建された事業が立ち行かなくなれば、10年間の復興に向けた血のにじむような努力が水泡に帰してしまいます。

 ――(心のケアとコミュニティーの支援)

 被災者の心のケアは、ますます重要になっています。災害公営住宅での孤立化・孤独化がすすむなど、時間が経過するに従って被災者が抱える問題が複雑化、多様化しています。子どもも、震災そのものだけでなく、避難生活の長期化、転居・転校などの環境変化などによるストレスを受けています。被災者の苦しみによりそった心のケアを強めることを求めます。災害公営住宅の集会所への支援員の配置、見守り・相談・診療体制の確立、専門スタッフの確保やスキルアップなどコミュニティーづくりへの支援を強めることが必要です。

 ――(まちづくりへの支援)

 被災地では120年間に3度の大津波を経験しており、盛り土や高台移転など「二度と津波で人の命が奪われないまちづくり」をすすめてきましたが、被害が大きかった地域ほどまちの再建には時間がかかり、困難も大きくなりました。将来を見据えたまちと住宅の再建をすすめるために、被災自治体の要望をふまえた支援の強化が必要です。

2、原発推進のために福島を切り捨てる政治を変える―原発事故を収束し、被災者の生活と生業、壊された地域が再建されるまで、国と東電が支援と賠償の責任を果たすことを求める

 東京電力福島第1原発事故は収束のメドさえ立っていません。10年が経過しても、核燃料が溶け落ちた高放射線のデブリは、どこに、どれだけ、どんな状態で存在しているかさえつかめておらず、取り出し可能なのかさえわからない状態です。増え続ける汚染水と海洋放出問題、先の福島県沖地震後に明らかになった原発施設のタンクのずれ、格納容器のひび、機器の損傷など、事故は現在進行形です。「廃炉完了まで30~40年」という計画は破たんし、事故収束まで長期間かからざるを得ません。

 避難指示が解除された市町村に帰還できた住民はわずかで、居住者は住民登録をしている人の3割程度にとどまっています。「原発事故前には1700人以上いた児童・生徒が小学生25人、中学生6人、高校は閉鎖中」(浪江町)など、地域のくらしとコミュニティーはズタズタにされたままです。

 国には、廃炉を完了し、事故を収束させ、問題が解決するまで、長期にわたって福島への支援を継続・強化する責任があります。

 ――(避難者の実態把握)

 国は原発事故による避難者数さえまともに把握していません。福島県は避難者数を約3万6千人としていますが、故郷に帰還できない人でも「仮設住宅を退去し、安定した住まいがある」とされた人は除外されるなど実態と乖離(かいり)しています。県内の各市町村が避難者とする総数は6万7千人に上り、実際は8万人以上とも言われます。避難者数さえ正確に把握せず、避難者の実情をつかもうとしない、ここにも「福島切り捨て」の政治姿勢が表れています。国の責任で避難者の実態をつかみ、実情に即した支援を行うことを求めます。

 ――(汚染水の海洋放出は許さない)

 福島県民多数が強く反対し、県議会をはじめ県内41市町村議会が反対もしくは慎重な対応を求める意見書をあげている汚染水の海洋放出は絶対に認められません。海洋放出には全漁連も反対するなど、漁業・水産加工業への打撃は福島にとどまらず宮城、岩手をはじめ広く及びます。くらしと生業の再建にも新たな障害を持ち込み、復興を妨害するなど許すことはできません。“海洋放出ありき”でなく、当面、タンクを増設し、汚染水問題の解決に向けて英知を結集することを求めます。

 ――(完全賠償へ指針見直しを)

 被害者への完全な賠償とくらしと生業再建への支援を継続・強化することをはじめ、福島の復興に国が責任を果たすことを求めます。国と東京電力は、避難指示の解除などを口実に、支援と賠償を無慈悲に打ち切っています。長期にわたる原発事故被害には「時効」などあってはなりません。原発事故をめぐる集団訴訟で、国が賠償基準を決めた「中間指針」を上回る損害を認めた判決が相次いで出されており、国の賠償基準が実態にあわないことはもはや明瞭です。「中間指針」を見直して、精神的損害への賠償を含めた完全な賠償を行うことが必要です。

 ――(原発ゼロの日本を)

 国民多数の意思であり、福島県民の切実な願いである原発ゼロの日本を実現するために、日本共産党は広範な方々と力をあわせます。

 10年が経過しても、原発事故被害者のくらしと生業の再建、地域の再生がすすまない根底に、国の原発推進の政治があります。原発再稼働のために、原発事故が甚大かつ長期にわたる被害を及ぼすという実態を覆い隠し、「終わったもの」としようとする安倍・菅政権の政治です。原発にしがみつき、原発事故で甚大な被害を受けた福島に多大な苦難を押し付ける政治を変えなければなりません。

 原発ゼロの日本への政治決断を強く求めます。

3、東日本大震災の教訓を生かす政治に変える―住宅再建・被災者支援の抜本強化、災害関連法の抜本改正を

 東日本大震災の復興に、被災者と被災地に多大な困難と負担をもたらした原因は何か、被災者一人ひとりの幸福を追求する権利を尊重したかという視点で10年間の復興の過程を検証することが求められています。

 ――(被災者生活再建支援法の改正)

 生活再建のかなめである住宅再建への支援は、最大でも300万円と少ない上に、「半壊」や「一部損壊」は対象外にされています。緊急に500万円に引き上げるとともに、被災の実情に応じた支援ができるように、額も対象も拡充することを求めます。

 ――(大規模災害に対応した制度)

 国が、被災者の生活再建、被災地の復興を目的としない区画整理事業など既存の再開発事業に固執したことによって、復興事業に多くの時間と労力が費やされる結果となりました。被災地の判断で、震災後の復興を実情に即してすすめるために、大規模災害に対応した制度の整備・確立と必要な権限を被災自治体に移譲し、国は、それを全面的に支援していくことが求められます。

 ――(救助・救援体制の強化)

 3700人を超える震災関連死も繰り返してはならない問題です。避難所や応急仮設住宅の改善は、コロナ禍でも大きな問題になり、避難生活におけるジェンダー平等も重要な課題です。医療、介護などを被災者の実情に見合って充実させなければならないにもかかわらず、国が被災者の医療費・介護保険利用料等の減免措置を早々に打ち切っていったことも重大です。災害時における救助・救援体制の見直しと抜本的強化を強く求めます。

 ――(生業再建への本格的支援策)

 市街地や商店街、中小企業・小規模事業所、農林水産業などの事業を再建する支援策も貧弱で、被災者の運動でグループ補助金などが実現しましたが、本格的な支援策の構築が求められています。

 ――(防災のまちづくり)

 公共事業を大型開発優先から、防災・老朽化対策に転換し、防災のまちづくりを進めることも必要です。

 東日本大震災後も、毎年のように災害による大きな被害が起きています。東日本大震災を上回るような大規模災害の危険もあります。東日本大震災で被災者、被災自治体のみなさんが費やした大変な苦労に真正面から向き合い、その教訓を災害対策に生かす政治に変えることが求められています。

 日本共産党は、東日本大震災の教訓を胸に刻み、災害から国民の命とくらしを守る政治にするために全力をあげます。

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