○「該当範囲を拡大解釈」 野党ヒアリングに各省 障害者雇用水増し
水増しが起きた原因について、各省からは「ガイドラインを広くとらえ障害者手帳を確認していなかった」(国土交通省)、「該当範囲を拡大解釈し、手帳を持っていない人間も対象に含めていた」(文部科学省)などの報告が相次ぎました。
厚生労働省は昨年まで各省庁に対し、障害者雇用に含まれる身体障害者の定義を「原則として身体障害者福祉法に規定する身体障害者手帳の等級が1級から6級に該当する者」と通達していました。同省は「原則」の文言がいつ入ったか現時点では確認できないが、5月ごろに水増しの疑いを認識し、今年削ったことを明らかにしました。
「健常者を障害者として申請したケースもあるのではないか」との質問には、「そうした部分もあるかと思うが、その割合、大きさは把握できていない」と答えました。
今回の調査で障害者雇用率が2・49%から1・19%に下がったことについて、日本障害者協議会の藤井克徳代表は、障害者雇用促進法の制定翌年の1977年が1・09%だったとし「40年前に戻ってしまった」と批判。他の障害者団体の出席者からも「調査結果は本当に残念でならない。さかのぼれば何万人という人の働く場が奪われ、人生を大きく変えられたかということを真摯(しんし)に受け止めてほしい」(佐藤聡・DPI日本会議事務局長)などの発言が相次ぎました。
(しんぶん赤旗2018年8月29日付)