衆院厚生労働委員会が18日、与党のみで強行開催されました。日本共産党の高橋千鶴子、立憲民主党の西村智奈美、希望の党の岡本充功の3議員が会見し、野村不動産の過労死問題の解明が審議の前提だと主張しました。
野党はこの間、厚労省の野村不動産に対する「特別指導」が恣意(しい)的で行政の中立性が疑われること、端緒として過労死があったのであれば違法な裁量労働制を適切に取り締まった事例にはならないことなどを追及していました。中でも、特別指導について加藤勝信厚労相に説明した資料の黒塗りを外すよう強く要求。同日は午前中に集中審議を求めていましたが、与党に拒否されました。
高橋氏は会見で「事の重大性の認識が足りない」と批判。「異常な国会の発端は、裁量労働制のデータねつ造だった。野村不動産への特別指導も根っこは一緒。裁量労働制は過労死につながる長時間労働を招くという野党の批判をかわし、きちんと指導できるとPRするためで、あいまいにできない」と指摘しました。
西村氏は「働く人の命と生活を守る審議をする前提を確立するために、断腸の思いだが委員会を欠席するに至った」と説明しました。
野党としては政府・与党の「誠意ある対応」がない限り審議に戻れないとしており、高橋氏らは信頼が得られない今の政府に「働き方改革」一括法案を出す資格がないと主張しました。
(しんぶん赤旗2018年4月19日付)