長時間労働規制法案
野党4党 共同提出
民進党、日本共産党、生活の党、社民党の野党4党は19日、長時間労働や過労死をなくすために、残業時間の法規制などを盛り込んだ労働基準法改正案(長時間労働規制法案)を衆院に共同提出しました。安倍内閣が提出している、労働時間の規制を撤廃する「残業代ゼロ」法案への対案です。
法案は、労使協定を結べば青天井となっている労働時間の延長について、上限規制を設けます。具体的な時間は、労働者の健康や仕事と生活の調和が守られるものになるよう、労働政策審議会で議論して、厚生労働省令で決めます。
次の勤務時間まで一定の休息時間を設ける「インターバル規制」を新たに導入します。ヨーロッパ諸国で既に導入されています。
事前に決めた時間分しか賃金を払わない裁量労働制について、会社にいた時間や社外で働いた時間を使用者が把握・記録し、省令が定める時間を超えないように義務付けます。
また、使用者に、事業場ごとに「労働時間管理簿」を作成し、労働者ごとに始業・就業時刻と労働時間を記入する義務を課しています。さらに、厚労相は労基法等に違反した者の名や違反行為内容を公表できるとの規定を盛り込んでいます。
提出後の共同会見で民進党の井坂信彦議員は「今の日本の働き方の改革に一番必要な法案だ」と強調。インターバル規制は、ヨーロッパ並みの11時間を目指すと述べました。日本共産党の高橋千鶴子議員は、党としてブラック企業規制法案を参院に提出し、衆院では残業時間の上限規制とインターバルの規制を柱とした案を野党に示し、共同を目指してきたことにふれ、野党の一致点で法案を出せたのは「大きな前進だ。実現させるために頑張っていきたい」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2016年4月20日付)