宮城 震災と教育考えるつどい / 子どもを防災の主体に
宮城県の教育3団体が9日、「大震災と学校・教育を考えるつどい」を仙台市で開きました。
県教職員組合の高橋達郎委員長は、いまなお県内で他行を間借りしている小中学校が12校、仮設校舎が14校あり、「子どもたちの命輝く学校をどうつくるか考えよう」とよびかけました。元小学校教師の千葉保夫さんは、高橋氏やみやぎ教育文化研究センターの春日辰夫、清岡修の両氏と震災で亡くなった宮城県の小中学生261人の状況を情報開示請求して調べた結果を報告。大津波の危険を予知し避難行動をとった子どもは36%にとどまった、と述べました。
60人が下校中に亡くなり、引き渡し後に保護者と亡くなった子どもが74人いた一方、学校が子どもを引き渡さないので保護者も学校にとどまり助かった事例があり、学校の防災力を高める意味と課題を提起しました。
数見隆生東北福祉大教授は、東南海地域7件の小中815校を調査し、海岸から1キロメートル内、海抜5メートル以内が約半数あり、ハザードマップで津波浸水域にある学校が43.5%あったが、自校の防災マニュアルに「津波」規定があるのは37.8%で、うち33.8%しか避難場所を明記していないと紹介。「子どもたちを防災と非難の主体に育てる教育を」と話しました。
日本共産党から、高橋ちづ子衆院議員が参加しました。
(しんぶん赤旗 2014年3月10日付より)