8日、いわゆる「アルプス処理水」の海洋放出について質問しました。2015年8月、政府と東電は福島県漁連に対して「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わ」ないと文書で約束しました。西村経済産業大臣は「一定の理解は進んだ」と述べ、東電小早川社長は「政府によると一定の理解が・・・」と答えました。東電は政府が決めた、と言い、政府は漁業者が理解した、として互いに責任をなすりつけあっているのです。
党議員団で2013年8月に県漁連や単協を訪ねた時のことが忘れられません。原子炉建屋に触る前の水をくみ上げて排水する地下水バイパス、サブドレンなどについて、県漁連は汚染水を減らすことが復興のためには不可欠だと、「苦渋の決断」をする用意がありました。ところが私たちが訪問した日の前日、汚染水がタンクから300トン洩れていたということが判明しました。「また裏切られた」と悔しそうに訴える皆さん。そういう思いを重ねたうえでの約束であって、なぜそれを平気で破るのか。
信じられないことに社長は、「海洋放出が完全に完了したその先に、子々孫々までしっかりと生業(なりわい)が継続していることをもってご理解が完了したことになる」と答弁!誰がその答弁に責任をもち、それを見届けられるでしょうか。完全に完了(廃炉)がいつか、そしてどのような姿になっているかは誰もわかりません。しかも30年たったら汚染水がゼロになるのか?それすら東電は答えられなかったのです。
※しんぶん赤旗2023年9月13日付「北海道・東北のページ」のコラムのタイトルを変更して掲載しています。