東電福島第1原発事故の避難者らの原発訴訟で17日、初めて最高裁の判決が出されました。まさか国の責任を一部も認めないとは!報告集会では、各地から集まった原告・支援者らの表情から、怒りと落胆が伝わってきました。
弁護団は「肩透かし」の判決といいます。政府の地震調査研究推進本部が2002年に発表した「長期評価」で、福島沖を含む太平洋側の広い範囲での津波地震の発生を予測。2008年東電が第1原発に最大15.7mの津波が来ると試算しました。その対策をとっていれば、防げたのでは?
裁判では政府が政府の長期評価を否定する自己矛盾に陥りましたが、判決はそこをスルーし、「仮に対策をとっても防げなかった」としたのです。ならばあの事故を受けた新規制基準にもとづいて審査してきた原発も、万一の事故があれば防げなかったと言うつもり?
私は新規制基準のできる過程をずっと見てきました。「これで事故が起きたら国が責任取るのか?」と何度も聞いたものです。万が一の事故を防げないなら、原発は全て廃炉しかありません。
小池書記局長と会った原告らは、「9年間闘ってきたが、うち4名が死亡した。何の補償もなく、夜も働いていることをうわさされ、子どもは激しいいじめにあった」などと訴えました。胸が苦しい。でも、これで終わりにしない。この参議院選挙で、福島の代表、いわぶち友議員の再選を必ず勝ち取らなければ。
※しんぶん赤旗2022年6月25日付「北海道・東北のページ」のコラムのタイトルを変更し、掲載しています。