2024年7月4日
旧優生保護法に対する最高裁大法廷の違憲判決について
日本共産党・障害者の権利委員会責任者 高橋千鶴子
旧優生保護法のもとでの強制不妊手術を強制された被害者が国に賠償を求めた裁判で、最高裁判所大法廷は、旧優生保護法について、個人の尊厳と人格尊重の精神に著しく反し、障害者などを対象者に定めることは差別的取り扱いだとして、憲法13条・憲法14条に違反すると断じた。国が賠償責任を免れることは著しく正義・公平の理念に反するとして、不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用せず、国に賠償を命じた。宮城県の原告については、訴えを退けた二審判決をとりけし、高裁での審理のやり直しを命じた。
差別的な優生思想による違憲立法によって、戦後最大の人権侵害をもたらした国会と政府は、最高裁判決を真摯(しんし)に受け止め、深い反省にたって、すみやかに被害者らに謝罪し、被害者の尊厳回復、被害者ら全員に対する人生被害を償うに足りる賠償、差別や優生思想の解消など、旧優生保護法問題の全面解決に向けて責任を果たすべきである。
旧優生保護法は1948年に議員立法で全会一致で成立した法律であり、52年に優生手術の適用範囲が拡大された際、わが党も賛成するという重大な誤りをおかした。日本共産党は、心からの深いおわびを表明するとともに、最高裁判決の指摘を真摯に受け止め、旧優生保護法問題の全面解決に向けて誠実に取り組む決意である。