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政策と提案

運輸・運送業、建設業の労働者の賃金引上げ、労働条件の抜本的な改善を求める申し入れ

国土交通大臣 斉藤鉄夫 様

2023年12月21日

                            日本共産党国会議員団

 

運輸・運送業、建設業の労働者の賃金引上げ、労働条件の抜本的な改善を求める申し入れ

 

 運輸・運送業、建設業の労働者の時間外労働規制が2024年4月1日から適用になります。そもそも過労死などの労災事案のトップは職種別では自動車運転従事者、業種別では道路貨物運送業となっており、早期の労働時間の短縮が求められていました。
 ところが、政府や一部メディアは、「2024年問題」と称して、時間外労働規制が適用されれば、物流や旅客運送、建設の分野が「人手不足」で滞るなどと大合唱をしています。
 人手不足の原因は、労働者の低賃金、長時間労働にあります。政府は、「物流革新政策パッケージ」等で対応しようとしていますが、全く不十分であり、逆に労働者の労働強化につながるものもあります。
 運輸・運送業、建設業の労働者の賃金引上げ、労働条件の抜本的改善を行ってこそ、「人手不足」は解消されます。
 以下の事項について政府に申し入れ、早急な取り組みを求めます。

 

 

【自動車運転従事者】
1. トラック労働者の賃金を抜本的に引き上げること
・トラック労働者の賃金の原資となっている運賃について、政府は2020年4月、事業者が荷主との運賃交渉をする際の参考として「標準的な運賃」を告示した。政府の「政策パッケージ」では、現下の物価高騰の反映や荷待ち・荷役の対価等を加算した「標準的な運賃」の引き上げを行うとしているが、不十分であり、高速道路料金等も加えたうえで、運賃交渉においてはそれを下回らないよう荷主に徹底すべきである。また、荷主との運賃交渉すらできないトラック事業者をなくすために、運賃交渉は、荷主の側からトラック事業者に持ち掛けることを義務付けること。
・トラック事業における多重下請構造が、実運送事業者のドライバーの低賃金の要因となっており、その是正は急務である。政府は、「政策パッケージ」で、下請状況を明らかにする実運送体制管理簿の作成、契約時の(電子)書面交付を元請事業者に義務付けるとしているが、より透明性を高めるために、管理簿は、下請事業者名とともに下請事業者が収受する運賃も明記し、下請事業者も閲覧できるようにすること。また、国は、運送契約の標準的な書面項目を作成・公表すること。荷役、高速道路料金など運送とは別の作業内容等とその料金の明文化を荷主に義務付けること。

2.自動車運転従事者の休息期間は11時間を確保すること
・改正されたトラックドライバーの改善基準告示は、1か月284時間(最大310時間)、1日原則13時間、最大16時間の拘束時間を定め、依然として過労死ラインを超えている。特に焦点となったインターバル(就業から始業までの休息時間)については、バス、タクシー、トラックのいずれも労働者側が現在の8時間から11時間以上を求めたにもかかわらず、11時間は努力義務にとどまり、最低9時間とされた。働き方改革関連法の衆参附帯決議は「過労死防止のため」改善基準告示の見直しを求めたものであり、その趣旨にのっとり、休息期間11時間の確保を徹底すること。

3.トラック事業における規制緩和の是正をはかり、労働者の安全衛生を脇に置く新たな規制緩和を行わないこと
・一般貨物自動車運送事業法により営業区域規制が廃止されたことがトラックドライバーの長時間・長距離運転の要因となっている。当該規制を復活させること。
・改正改善基準告示において新たに設けられた車両内ベッドは、走行中の使用における安全が確保されていないのであり、その使用は停車中の休息に限り、走行中は使用しないよう、荷主及びトラック事業者に徹底すること。
・悪質事業者を市場から排除するために、トラック事業に許可更新制を導入すること。
・トラックの高速道路における最高速度の引き上げが政府の「政策パッケージ」に盛り込まれているが、これは、ドライバーを危険にさらし、身体的精神的負担がさらに増大し、「働き方改革」に逆行するものである。トラックの高速道路における最高速度の引き上げは行わないこと。

4.バス、タクシーのドライバーの賃金、処遇を改善すること
 ・バス、タクシーのドライバーの賃金、処遇が改善されないもとで、人手不足は解消されず、マスコミの調査でもこの1年5か月で約8600kmのバス路線が廃止されるなど、地域の足が確保されない深刻な事態が進行している。バス運転手は平均年齢50歳で全産業平均よりも高く、年収で86万円も低い。担い手確保のためにも、抜本的に賃金を引き上げること。
・タクシー運転手は平均年齢59歳と全産業の中で最も高齢化が進み、年収で80万円以上も低い低賃金である。担い手対策としても抜本的に引き上げるよう見直すこと。

 

 
【建設業就業者】
 建設業は、技能と熟練が必要で危険を伴う現場が多いにも関わらず、年間実労働時間が全産業平均より300時間以上も長い一方、労働者の賃金は公共事業の設計労務単価の上昇に伴って上がっているとは言えません。この事態を放置したままでは、担い手不足の解消はできません。
 安心して入職し、安全に働き続けられる建設業にするため、以下の事項について早急な取り組みを求めます。

1.2024年4月から一般労働者への規制と同じになる建設業の時間外労働規制が現場において徹底されるとともに、設計労務単価を反映させた賃金を保障すること
・月単位での週休2日制実施を推進すること。発注者及び元請に対し、法定内労働時間で作業できる工期を確保するよう、建設業法に基づいて強力に指導すること。
・11年で65.5%上昇した設計労務単価を反映させた賃金水準を、全ての建設業就業者に保障すること。また、技能に見合った賃金制度を確立するため、公共工事で国が率先して水準を示すこと。末端の労働者・一人親方の適正賃金額や労働条件を決めて元請け業者に支払い等を義務づける「公契約法」を制定すること。
・法定福利費および安全経費を、労務費と別枠で確保させること。これらの費用を工事費に含めた形でダンピングがされる事態を根絶すること。
・重層下請構造を前提としていることが、現場の建設労働者の賃上げを阻害している。まず公共工事での多重下請けを規制するなど、本格的な対策に踏み出すこと。

2.大阪・関西万博の関連工事について「時間外労働規制の除外」扱いは労基法違反であり断じて許されない
・工期が間に合わないとして、大阪・関西万博の関連工事について、残業時間規制の除外を求める声があるが、公共事業において、労働基準法違反を前提とすることは断じて許されない。

 

以上

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