ちづ子へのエール住民とともに(質問のエピソードと会議録など)
お便り紹介

TPPには断固反対――kaze

TPPにより農業は破壊されると考えます。

 

TPP は、あらゆる農産物を特別扱いすることなく、除外を設けることもなく、

一切の物品を関税撤廃の対象としている。今回関税撤廃とならない品目についても、7 年後には

農産物輸出大国との間で見直し協議が義務付けられている。見直しの対象には、関税、関税割当、

セーフガードが含まれる。複数の国との間で市場アクセスの全面的見直し協議を約束しているの

は日本だけである。

 「物品の貿易に関する小委員会」が、物品全体の貿易を促進するため、貿易障壁に対処するが、

このほかに農産物貿易促進に特化して「農業貿易に関する小委員会」も設置される。

 加えて、関税撤廃まで猶予のある品目についても、撤廃時期繰上げを求める圧力が恒常的にか

けられる。農産物のセーフガードは一定の期限が来れば撤廃される。

 さらには極めて異例なことに、遺伝子組換え(GM)農産物を第 2 章 C 節(農業)で取扱い、農産物

市場アクセスの枠組みでどのように貿易を拡大していくかという文脈に位置付けている。GM 農

産物の貿易が安全性を無視して拡大していく危険性が高い。

TPP は、農産物の貿易を特別扱いしてない点で WTO を上回り、関税削減でなく撤廃を主目標

としている点で WTO や日豪 EPA を上回り、「除外」を設けていない点で日豪 EPA や米韓 FTA

をも上回る全面的な農業破壊の仕組みである。

関税品目でみた場合、日本の農林水産品の関税品目 2328 のうち、関税を撤廃するのは 1885 品

目(81%)。このうち 1195 品目で即時撤廃(51.3%)。関税撤廃の例外は 443 品目(19%) 。ただし、

この中には、税率は維持したが関税割当を設けたものや税率を削減したもの、税率維持が一部に

とどまったものもあるため、税率を完全に維持したのはこのうち 156 品目に過ぎない(農水省の資

料より)。

重要品目を構成する 7 つのカテゴリー(コメ、麦、牛肉、豚肉、乳製品、砂糖、でん粉)について

も無傷のものはなく、関税品目 586 のうち、174 品目(約 30%)で関税を撤廃した。重要品目以外

では、98%の関税を撤廃した。

TPP は、与党自民党が「ぎりぎりの越えられない一線」とした日豪 EPA と比べても、ウルグア

イラウンド農業合意(農産物全体で平均 36%の関税引き下げ)と比べても、これらをはるかに上回

る史上最悪の農業つぶし協定である

 

条文の問題点

 

あらゆる農産物の関税を撤廃

 

 関税の撤廃――日本の農林水産物を標的にした見直し

 

第 2.4 条第 2 項で「漸進的に関税を撤廃する」ことを規定。現行の関税の引き上げ及び新

たな関税の採用も禁止(同第 1 項)。7 年後の見直しは、アメリカ、オーストラリア、ニュー

ジーランド、カナダ、チリの要請で行われ、関税、関税割当、セーフガードまで含まれる全

面的なもの(附属書:日本の表の一般的注釈)。一方、これらの 5 カ国はそれぞれの表の一般的

注釈で、日本の要請があれば 7 年後に見直し協議をすることを約束しているが、農産物関税

撤廃率が日本に次いで低いカナダ(94.1%)も含め、日本のように複数国の見直し要請に応じ

ることを約束している国は他に存在しない。今回日本が関税撤廃を約束しなかった 443 品目

は全て農林水産品であるため、見直し協議で日本は当然、主要農産物輸出国であるアメリ

カ、オーストラリア、ニュージーランドなどから、農産物のさらなる関税撤廃を迫られるこ

とになる。日本政府は、史上最悪の農産物市場開放の約束をしながら、さらなる関税撤廃の

見直し協議に応じる約束を、TPP の他の交渉参加国が行っていないにもかかわらず、複数

の農産物輸出大国に対して行ったことになる。

加えて、TPP には、WTO にあるような農産物に対する特別扱いは存在しない。日豪

EPA にあるような「除外」「再協議」の対象も、米韓 FTA にあるような「除外」の対象も

存在しない。TPP は、日本を後戻りできない関税撤廃への道に進ませる。

 

関税撤廃時期の繰上げ――2 つの仕組み

 今回の TPP 合意の下での日本が関税撤廃を約束した 1885 品目のうち、即時撤廃するのは

1195 品目。撤廃まで猶予のある 690 品目についても、関税撤廃時期を繰り上げるように求める

圧力が恒常的にかけられる仕組みが存在する。1 つ目は、締約国の要請があった時には関税撤

廃時期の繰り上げを検討するため協議を義務付ける第 2.4 条第 3 項に基づく協議によって、2

つ目は、第 2.18 条に基づいて設置される「物品の貿易に関する小委員会」を通じて TPP 全体

規模で行われる。

 

TPPには断固反対です。

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