秘密保全法制は非常に問題があると考えております。
日本弁護士連合会のホームページに秘密保全法制の問題点
掲載されていますので紹介します。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/secret/problem.html
秘密保全法制の問題点!
プライバシーの侵害
報告書では、「特別秘密」を取り扱う人のプライバシーを調査し、管理する「適性評価制度」というものが提案されています。
調査項目は、住所や生年月日だけでなく、外国への渡航歴や、ローンなどの返済状況、精神疾患などでの通院歴…等々、多岐に渡ります。
秘密を取り扱う人というのは、国家公務員だけではありません。地方公務員も当然に含まれますし、一部の民間事業者や大学等で働く人も含まれます。
その上、本人の家族や恋人、友人などにも調査が及ぶ可能性があり、個人情報を収集・管理される人の範囲は知らない間に際限なく広がってしまうおそれがあります。
「特別秘密」の範囲
「特別秘密」の対象になる情報は、「国の安全」「外交」「公共の安全と秩序の維持」に関する情報です。
これはとても範囲が広く、曖昧で、どんな情報でもどれかに該当してしまうおそれがあります。「特別秘密」を指定するのは、その情報を管理している行政機関ですから、何でも「特別秘密」になってしまうということは、決して大袈裟ではありません。行政機関が国民に知られたくない情報を「特別秘密」に指定して、国民の目から隠してしまえるということです。
例えば、国民の関心が高い、普天間基地、自衛隊の海外派遣などの軍事・防衛問題、私たちの生活に関わりの深いTPPなどの外交問題、今私たちが最も不安に思っている、原子力発電所の安全性や、放射線被ばくの実態・健康への影響などの情報。これらが、行政機関の都合で「特別秘密」に指定され、主権者である私たち国民の目から隠されてしまうかもしれません。
その上、刑罰の適用範囲も曖昧で広範です。どのような行為について犯罪者として扱われ、処罰されるのか、全く分かりません。
マスコミの取材・報道の阻害
「特別秘密」を漏えいする行為だけでなく、それを探る行為も、「特定取得行為」として、処罰の対象になります。
マスコミの記者、フリーライター及び研究者等の自由な取材を著しく阻害するおそれがあります。正当な内部告発も著しく萎縮させることになるでしょう。
検討過程の非公開
報告書を取りまとめた有識者会議の議事録や録音データは残されておらず、会議の際のメモなどは廃棄されたと発表されています。
それだけでなく、「配付資料」とされるものが、政府官邸ホームページ上では別のものに差し替えられていたことが分かりました。
検討過程の詳細は、国民の目から一切閉ざされています。
いま、日本で必要なことは、国民を重要な情報から遠ざけ、疎外する秘密保全法制をつくることではなく、情報の公表・公開を進めること、情報公開法の早期改正であると、日弁連は考えます。