2013年、過去最大の生活保護費削減がありました。いま全国で違憲訴訟が取り組まれていますが、そこで浮かび上がったのが「物価偽装」です。25日、厚生労働委員会で徹底追及しました。
憲法25条を保障する生活保護制度のはずですが、最近は一番所得の低い層の消費支出と比べて、生活基準が高いか低いかを議論しています。低い層と比べると最低限度を国が引き下げることになります。13年はそれだけでなく唐突に、審議会抜きで、デフレだからと580億円もの引き下げを決定。その根拠となったのが生活扶助相当CPI(消費者物価指数)です。
問題は二つ。10年の消費水準に合わせて変化をみるパーシェ式と10年から11年は総務省と同じラスパイレス式。併用したことを厚労省は認めました。直近の指標を使っただけですと開き直る厚労省に、「式が悪いと言っているのではない!違う算式で比べたらダメでしょ?」と迫ると、また同じ答弁。では一般論でどうか、と総務省に聞くと「適切ではない」と!
さらに10年は地デジ化への駆け込み需要で、テレビの割合がぐっと高まり、物価指数も大きく引き下げることに。「物価下落幅が大きいからといって恣意(しい)的に調整するのは適切ではないから」と厚労省。私のトドメの一言は、「生保世帯は買い替え困難と、チューナーを補助したんですよ。分かっていながら恣意的に数字が使われた!」。
※しんぶん赤旗2019年4月27日付「北海道・東北のページ」掲載のコラムです。