「保育所がほしい」数年前石巻市で、震災から工場を再建した水産加工会社を訪ねた時に言われました。販路が戻らない。元々人手不足の業種であり、津波被害区域に工場だけがあっても人はこないと。復興とは、建物だけではなく、人も地域も一体でなければと改めて思いました。ところが先月行くと、「同業者が保育所をつくり、利用できると募集したら、すぐ2人決まった」と?!それはっ!と、今月9日その会社を訪問しました。
たらこ一筋30余年の湊水産。津波から2か月後に再開し、1人も解雇しませんでした。たらこの成型は熟練の技術だから。その後3名の欠員が出て、募集するなら地域に定着してほしい。若い人に技術を伝承したい。元々育休後復帰率100%の同社で、この5年間に10人も赤ちゃんが生まれた。社長夫妻は保育所をつくることを決意、保育士5人を採用しました。すると枠3人に21人も応募が?!まさに「保育所があれば働きたい」という声は多数あったのです。
いつも子どもの声が聞こえるというのは、イライラよりもほっと和むのよ、と。愛情「たらこのみなと」という名の通り、子どもにも社員にも愛情込めた社長夫妻の話にぐーっと引き込まれました。