52名の犠牲者(7日現在)を出した御嶽山噴火は、行楽日和のお昼時、というのが災いして、数百人もの登山者が突然の噴火に襲われました。直近では鹿児島県霧島の噴火と比べても10分の1の規模であったにもかかわらず、です。
火山の観測体制や、登山客も想定した避難計画など、課題が浮き彫りになりました。東北だけでも、奥羽山脈にはりつくように秋田焼山、栗駒山、秋田駒ヶ岳、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山と並び、全国47ある常時観測火山のうち10もあります。噴火前に地震が頻発したのに?と聞くと、気象庁は「情報は送っており、あとは自治体が判断する」。地震は噴火前に減っており、過去の噴火とも違っていた、と平然!?火山噴火予知連の藤井敏嗣会長は、全国で火山観測の研究者が40名程度にすぎない、として「火山観測研究は危機的状況」と以前から警鐘を鳴らしていました。東日本大震災を受けて昨年1月、「大地震の発生やそれに伴う巨大津波の発生の可能性を事前に国民に十分に伝えられなかった」と研究を防災・減災に生かそうという建議が出されています。台風の後にまた台風。だからこそ教訓は次につなげなければ。(ちづ子記)