ちづ子へのエール住民とともに(質問のエピソードと会議録など)
政策と提案

改正高齢法に基づく高年齢者雇用確保措置に関する質問主意書

平成十八年十二月十二日提出

質問第二三八号

提出者  高橋千鶴子

 

四月一日より改正高齢法に基づく高年齢者雇用確保措置の導入が、すべての事業者に義務付けられた。厚生労働省への「六月一日報告」によれば、中小企業で八二%、大企業で九四%が実施しており、さらに普及している。このうち、法改正の趣旨に則り「希望者全員の雇用」を採用したのは四八%で、過半数の企業が選定基準を設けて再雇用している。また、一部には選定基準の導入をめぐり、労使の意見対立がつづき、紛争状態になっている企業もある。今後の制度の円滑な普及と運営のため、以下質問する。

一 高年齢者雇用確保措置の導入をめぐって、労使の話し合いが不十分、又は困難な事例が見られる。つぎのような場合には、どのように判断されるのか、見解を示されたい。

 1 「所属する工場又は部局に業務がある場合」とするマッチング条項について、仮に業務がない場合には誰一人として再雇用されないことになる、こうした基準も許されるのか。

 2 「勤務態度」「健康」「能力・経験」に関する基準を多数設け、「すべてを満たすこと」を再雇用の条件としたために、誰一人として対象者がいない場合はいかがか。

 3 同様に、六十歳時(又は五十五歳時)の賃金水準に比較して、大幅な賃金減額や生活不能な最低賃金ぎりぎりの時間給としたり、退職金を大幅に減額するなどして、再雇用の賃金原資に充てるような労働条件のために、誰一人として対象者がいない場合はいかがか。

 4 対象者に係る基準について、意欲・能力等の具体性、過去に遡る査定基準に見られるように予見可能と客観性に不備があり、「望ましい基準」に抵触する場合、改善指導の対象になるのか否か。

 5 子会社に再雇用させる場合、本社内に雇用確保措置を設けず、一〇〇%丸投げ方式でもよいのか。また、日常的に資本関係が希薄な関連会社や無関係な一般会社でもよいものか。

二 労使合意が成立しなかった場合の就業規則の届出に当たり、添付する「労働組合又は労働者代表の意見書」を含め不備がある場合、労働基準監督署の窓口でのチェック体制、ハローワークとの相互通報制はどのような形で行われているのか、具体的に示されたい。

三 違法または脱法的な個別案件に係る行政指導、勧告などの情報公開については、「公表の規定がない」ことを理由に公表されない場合があるが、少なくとも直接の利害関係にある当該労働組合からの要望があれば、公表すべきと思うが、いかがか。

四 高年齢者雇用確保措置の導入状況を踏まえ、今後の行政目標として、厚生労働省では「導入したところについては、より良い制度づくり、制度の充実に努めていきたい」としている。そこで、「より良い制度づくり」「制度の充実」とは、どのような内容を想定しているのか、具体的に示されたい。

 右質問する。

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