2007年2月7日
日本共産党被爆者問題対策委員会
厚生労働大臣 柳沢伯夫 殿
原爆症認定問題に関する1月31日の名古屋地裁判決は、昨年の大阪、広島地裁判決につづき、国の機械的な認定行政をきびしく断罪するものとなった。この間、10回もの判決すべてで国が敗訴したことを、今こそ真摯に受け止めるべきである。名古屋地裁で認定却下は不当とされた2人について控訴をおこなわないこと、大阪、広島高裁への控訴を取り下げることをはじめ、認定訴訟の全面的な解決と認定基準の抜本的改善を要求する。
名古屋地裁判決は、厚労省が採用する審査の基準の問題点を指摘するとともに、その形式的適用によって放射線起因性を判断するなら、誤った結果を招きかねないと批判し、被爆時の状況や前後の健康状況、急性症状の有無などをそれぞれ具体的に判断するよう強く求めた。これは、いまだ原爆による健康被害が未解明なこととともに、この間の裁判で明らかにされた、最近の医学的科学的解明を真剣に検討しての判断に他ならない。厚労省がこれらを一顧だにせず、はじめに拒否ありき、の態度をとり続けていることは、絶対に許せない。
被爆から60年余の痛苦に加え、いままた冷酷な仕打ちを重ねることを、直ちに改めるよう強く要求する。
以上