2008年2月21日
日本共産党国会議員団
厚生労働大臣 舛添 要一 殿
児童扶養手当は母子家庭の生活の維持に欠かせないもので、現在の受給者数は約96万人です。
2002年の法改定で、今年三月末で5年以上手当を受給している母子家庭の場合は、四月から最大で半分に給付が削減されることになり、約26万世帯が削減の対象になります。この間の運動の反映もあり、政府は削減対象を「母子の障害や病気など就業が困難な事情がないにもかかわらず、就業意欲が見られない者」に限定し、手当の削減は事実上「凍結」であると説明してきました。
ところが、この三月末で受給開始後5年以上等に該当する母子家庭には、すでに「お知らせ」が順次届くことになっており、そこでは「就業意欲が見られない人」を探し出す内容にもなっています。
例えば、手当の受給者には、(1)就業中、(2)求職活動中、(3)障害の有無、(4)病気などで求職が困難、(5)介護で求職が困難など、就業意欲や就職困難理由を証明する書類の提出を求め、提出できない場合は市町村に相談するように指示しています。
このような煩雑な手続きを求め、書類を強要することは、経済的困難と不安を抱えながら生活している母子家庭にとって、いっそうの不安を押しつけるものと言わざるを得ません。
以下のように要望するものです。
1、この四月以降、就労していることや求職中などを「証明」しないと支給が削減されるが、母子家庭の八割は就業しており、その多くが有期雇用やダブルワークなど不安定雇用の下に置かれている。「就労意欲」で線引きするような措置は、ただちに中止、撤回すること。
2、煩雑な手続きを迫られ、「支給停止」の対象ではない人までも支給停止される懸念がある。「支給停止」ありきが前提ではないことを明確にし、自治体にも文書で徹底すること。
3、雇用証明書などの提出を求めているが、母子家庭の就労実態を見れば、そのような書類の提出自体が困難であり、求職活動の証明も面接だけの企業から面接証明書の提出を求めることは現実的でなく、状況説明などの自主申告を認めること。
4、本人の病気や事故の証明、子どもや親の介護などの証明方法は簡便なものとすること。とりわけ「うつ病」や更年期障害などは証明が困難な場合があり、自主申告を認めること。
5、今回の措置について、わかりやすく当事者に説明すること。地方自治体に相談窓口を整備し、手続き漏れや期限に遅れた場合でも柔軟に対応すること。
6、診断書などは有料であり、診療明細書などで代用できるようにすること。
以上