避難所対策も必要/マスク把握など求める
高橋千鶴子議員は20日の衆院国土交通委員会で、新型コロナウイルス感染症対策について、避難所でのマスクなどの備蓄状況の把握や発熱した人のための「専用スペースの確保」などの具体化を求めました。
消防庁の小宮大一郎国民保護・防災部長は、内閣府が避難所ごとの状況をつかめるシステムの運用を4月に始めたと報告しました。
高橋氏は自治体の物資備蓄への財政支援も要求し、感染症対策に必要な段ボールベッドやパーテーションについて「備蓄や一刻も早く届く仕組みはできているのか」と質問。内閣府の村手聡審議官は「昨年の台風の検証をふまえて国が2000セット備蓄している」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2020年5月23日付より)
ー議事録ー
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
新型コロナウイルスの感染者数が、東京で一桁台が続くようになって、緊急事態宣言の全面解除も近づいている気がします。とはいえ、秋ごろには第二波が来るとも言われており、警戒を解くことはできません。
そうした中、震度四程度の地震が続いたり、豪雨などがことしも来たらどうするか、そういう話題がふえたと思います。
資料の一枚目は、四月二十八日付の毎日新聞、「避難所 悩ましい「三密」」というタイトルで、四月十三日、土砂災害警戒情報が出された千葉県鴨川市で、三十四世帯八十人に避難勧告を出して三カ所の避難所を開設をしたものの、避難する人はいなかったと報じています。やはり三密を避けたのではないかという指摘ですね。
一方、避難者同士の距離を保つ枠をつくって受け入れた北海道の標茶町では、五百人収容の体育館に二百十人、要するに距離を開いた分だけそれでもう満杯になっちゃった、そういうことが報じられております。
なので、今この時期に大きな災害が来たらどうするのかというのは、多くの人が考えているところではないかと思います。
そういう中で、四月七日、資料の2にありますけれども、内閣府、消防庁、厚労省が連名で、「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」を発出しております。ちょっと字がちっちゃくて申しわけないんですが、ここの三段落目というんでしょうか、「なお、」のところ、「発災時には政府としても、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に基づき、感染症対策に必要な物資・資材の供給等必要な支援を行う」というふうにあるんですね。
それで伺いますが、まず消防庁に伺います。
指定避難所には感染症対策に必要な物資、資材の備蓄というものがどの程度されているのか、また、現状を把握されているのかを伺います。
その上で、内閣府に、備蓄をするための地方自治体への財政支援が必要と思いますが、どのような支援を検討しているのか伺います。
○小宮政府参考人 地方防災行政の現況調査におきまして、毎年四月一日現在の各地方公共団体における備蓄状況について調査をしておりますが、指定避難所ごとの備蓄状況につきましては把握をしておりません。
市町村の各避難所における物資の備蓄状況につきましては、内閣府防災が先月四月から運用を開始いたしました物資調達・輸送調整等支援システム、これによりまして把握することが可能ですが、情報の市町村への登録の依頼をしたばかりでございまして、さらに、市町村は、現在、新型コロナウイルス対策で多忙をきわめているということから、現段階では指定避難所ごとの備蓄状況の取りまとめは困難な状況にございます。
○村手政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま消防庁からお話ありました、物資調達・輸送等支援システムでございますけれども、内閣府防災から、四月二十三日に、自治体宛てに備蓄物資の情報登録等の依頼について通知を発出するなどしてシステムの利用を促しているところでございます。引き続き、出水期に向けて、利活用状況を随時把握いたしまして、必要な入力を促すなど、関係省庁とも連携して活用促進に取り組んでまいります。
また、避難所において感染症対策を行うに当たっては、マスク、消毒液、段ボールベッド、パーティションといった物資や資材が必要となります。その確保が重要な課題となってまいります。災害発生時には、被災地のニーズを把握した上で、マスク、消毒液、段ボールベッド、パーティションのプッシュ型支援の実施や、災害救助法が適用された自治体に対しましては、これらの必要な物資、資材の購入費用を国庫負担の対象とするなど、地域の実情に応じて避難所における感染症対策がなされるように、自治体の取組を支援してまいります。
引き続き、新型コロナ感染症の感染状況等も踏まえつつ、関係省庁と連携して、自治体の意見を伺いながら、適切な助言を行うことを通じて、自治体の取組が進むように支援してまいります。
以上でございます。
○高橋(千)委員 今の答弁両方を受けて、内閣府に確認をさせていただきたいんですけれども。
消防庁の年報は見せていただきました。避難所の備えるもの、要するに、毛布ですとか乾パンですとかお水ですとか、そういった基本的に備えるものを把握していて、そうはいっても、四十七都道府県が全部同じものをそろえているというわけではないな、これからだなというふうに私も見たんです。
ただ、今回、四月から内閣府の方で指定避難所ごとを把握しようというその趣旨は、やはり、プッシュ型にするにしても、何があって何がないかをちゃんと把握して適切にやるということが目的なんだろう、それはすごく前進したというか、この間の取組を通じて前進したことじゃないかなと思うのが一つ確認なのと、それにあわせて、災害救助法になったときに、今度は感染症に必要なものもきちっと支援していくんだよという意味で、確認をさせてください。
○村手政府参考人 お答え申し上げます。
物資調達・輸送等支援システムについてのお尋ねがございました。
まさに先生がおっしゃるとおり、年に一回のそうした調査ということだけではなくて、避難所ごとにそうした入力が可能なシステムというのをつくって、もし発災時にはそういった情報も生かしながらプッシュ型支援を行っていこう、こういった形で活用を考えた上でのシステム整備ということでございます。
また、プッシュ型支援の対象ということでございますけれども、現下の状況でございますので、避難所において必要な感染症対策に要する資材等については、プッシュ型支援、必要なものについてはしていきたいと考えてございます。
以上でございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
コロナの最初のころに私は予算委員会でも何度も質問しているんですけれども、やはり、医療機関で、今、マスクやゴーグルやフェースシールド、あるいは防護服などが不足して、ごみ袋で代用したりとか、本当に必死な思いで頑張っていらっしゃる、本当に敬意を表したいと思うんですが、本来なら、新型インフルエンザ行動計画の中にきちっと備えなさいということが書いてあって、それを把握していますかというのを聞いたんですよね。把握していないから、なかなか、何がすぐ必要かというのが出てこない。
逆に、災害の場合も、指定避難所というのがあるんだから、そこでしっかり、当然、マスクというのは災害のときはいつでも使うんですね、それが備わっていれば、一定そこを使ってもらって時間稼ぎにもなったのにな、そういう思いがあって質問をさせていただきました。今後はそれが回っていけばいいなというふうに思います。
それで、先ほどの通知の続きなんですけれども、何をしろという指示の中の最初のところで真っ先に書いているのが、「可能な限り多くの避難所の開設」というふうに書いていて、親戚や友人宅への避難も推奨しています。昨年の台風十七号や十九号のときも、指定避難所が満杯で別の避難所へ行かざるを得なかった。ところが、そうなると、臨時の避難所だったために、食事なども届くのがおくれた、そういう事案があったと思うんですね。ここをどうするかというのが一つあります。
それで、資料の三枚目は、日本災害情報学会が五月十五日に発表した提案であります。右側の方に、「「避難」とは」「避難所に行くことだけが避難ではありません。」と書いて、避難所以外の、在宅避難や、ホテル、親戚や友人宅への避難というのを書いています。ただし、大事なのは、二点目のところに、「あらかじめハザードマップ・防災マップ等で危険の有無や程度を確認しておきましょう。」と指摘していることは重要だと思うし、これはやはりセットだと思うんですね。
要するに、指定避難所じゃないところ、友人宅が危険かどうかということがよくわかっていないのに、分散避難ですよと呼びかけられてそっちに行っちゃったとか、被害が迫っているのに、避難をちゅうちょして、自宅が危険なのに閉じこもっているとか、そういうことがあってはならないので、やはり体制が整っていないもとで分散避難だけが走ってしまうと逆にリスクが高いと思いますが、その点で内閣府にまず伺います。
○村手政府参考人 お答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の現下の状況において大規模災害が発生いたしまして自治体が避難所を開設した場合、三つの密を回避するなど感染症対策を徹底する必要があるということで通知も出させていただきました。
三密の回避にも寄与するという観点から、避難とは難を避けることであり、安全な場所にいる人は避難する必要がないこと、また、避難先は避難場所、避難所に限るものではなく、安全なということで、親戚、知人宅も避難先となることなどについて住民の理解を促すためのチラシを、住民が災害時にとるべき行動ということで示した避難行動判定フローとあわせて内閣府のホームページに掲載したところでございます。また、全国の市町村にも住民への周知をお願いしているところでございます。
また、四月には、新型コロナウイルス感染症の基本的対処方針を踏まえて、可能な限り多くの避難所の開設ですとか、ホテルや旅館の活用等の検討など、発災時における留意事項について関係省庁連名で自治体宛てに通知するとともに、受入れ可能なホテル、旅館等のリストをあらかじめ策定するよう依頼しているところでございます。
今後とも、関係省庁と連携して取組を推進してまいりたいと思っております。
以上でございます。
○高橋(千)委員 今の質問の趣旨で大臣にも伺いたいと思います。
昨年も台風被害を受けてさまざま議論をしたわけですが、マイ・タイムラインやマイ避難カードなど、やはり自分に引き寄せて使えるハザードマップ、安全だということがわかっていなければだめなわけですから、それがいよいよ重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○赤羽国務大臣 言うまでもなく、これほど激甚災害が各地で頻発化している現状の中で、国民の皆様の命と暮らしを守るには、自助、共助、公助という観点、それぞれまたハード、ソフトの両面で避難体制、防災・減災のあり方ということを考えなければいけないというふうに思っております。
さまざま課題はございますけれども、やはりハザードマップということが、全市町村で一生懸命やっていながらなかなか活用されていないというのは現実だと思いますので、加えて、災害もさまざまな種類の中でそれぞれのハザードマップがある、これを統一的に、また可視化できるような、わかりやすいものをつくらなければいけないというのも国交省の課題として今取り組んでいるところでございます。
同時に、スマートフォンなんかも使いまして、リスク情報を視覚的にもわかりやすく表示するという努力もしていかなければいけないし、昨年のさまざまな災害のときの情報発信とか共有についても課題があるということで、今懸命にやっているところでございます。
こうした中で、やはり自分の身は自分で守るというか地域で守るというような観点から、マイ・タイムライン、またマイ避難カードというのは、やはり実際にやってみると、いいことはわかるけれども自分はやったことがないみたいな人も結構多いと思いますので、そうしたことが、一人じゃなかなかできないので、お隣さんとか地域でそうしたことを重ねることが地域の防災力の向上になり、結局、お一人お一人の命と暮らしを守ることにつながるものだというふうに思っておるところでございます。
○高橋(千)委員 時間との競争だとも思いますけれども、大事なことですので活用が進むようにお願いしたいなと思います。
東日本大震災のときも、実はインフルエンザや破傷風、レジオネラなどの感染症がありました。
私自身も鮮明に覚えていますけれども、初期のころは被災者で密集しているというだけではなくて、泥だらけの長靴で歩いたりとか、水が出なくて手が洗えないとか、トイレが流せないなどの衛生問題が本当に深刻でした。
何もかも足りない中で、全国の支援物資やボランティア、まさに今もコロナの前線で頑張ってくださっている方たちのように、医療機関、保健師さんらが活躍し大流行とまではいかなかった、そういう取組があったと思っています。
資料の4は、二〇一一年、まさに震災の当時に、東北大学大学院の感染制御・検査診断学分野のチームらが避難所生活における感染管理上のリスクアセスメントを作成して、予防マニュアルですとか予防八カ条とかを推奨していたものであります。
特に、感染対策のポイント四番を見ていただきますと、避難所の居住区では、個人間、若しくは少なくとも家族間の距離を一メートルから二メートル程度保つことが望ましい。今ならソーシャルディスタンスだとみんながわかっている話ですけれども、当時からやはりこういう呼びかけをしてきたんだ、それが生きていたんじゃないかなと思いますが、これが今に生きていると思いますが、内閣府の認識を伺います。
○村手政府参考人 お答え申し上げます。
東日本大震災のときの教訓を生かしてということで、感染症のマニュアルとしては、厚生労働省で平成二十三年に、避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドラインや、また、厚生労働科学研究費の補助金によって研究者さんたちが策定いたしました、避難所における感染症対策マニュアルが作成されてございます。
また、平成二十五年に東日本大震災の教訓を踏まえて内閣府が作成いたしました、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針というものも策定してございまして、自治体においてそうしたマニュアル等を活用して対策を講じているものと承知してございます。
新型ウイルス感染症対策については必ずしもこのマニュアルでは対応できない部分もあることから、新型コロナウイルス感染症対策に係る留意事項等について四月に関係省庁連名で通知を行ったところでございますが、引き続き自治体において適切な対応が進むよう助言を行ってまいります。
以上でございます。
○高橋(千)委員 今紹介してくださったマニュアルがまさにこれなんですね、今私が資料で配った。やはりこのときの取組が今も生きている、もちろん、コロナ対策でバージョンアップする必要はあると思いますが、やはり基本は一緒だということだと思うんです。
それで、大震災のときにレジオネラなどが発生した要因に下水処理が困難だったことがあります。トイレを流せない、汚物をティッシュごとビニール袋にまとめる、そういう処理をせざるを得なかった、私自身も経験していますけれども、そういう地域もあります。今回も、コロナで院内感染につながったのが実はトイレだったという指摘があるわけですけれども、仮設トイレが多い中で、それを衛生に保つことはもちろんのこと、やはり下水処理の復旧というのは大変急がれることだと思います。
この点についての認識と国交省の取組を伺います。
○五道政府参考人 お答え申し上げます。
感染症対策を含む公衆衛生の観点から、地震時においても下水道の機能が確保されることは大変重要であると認識しております。
東日本大震災におきましても、九百八十四キロメートルの下水道の管渠が被災するとともに、百二十六カ所の下水処理場が被災し、このうち四十九カ所が停止をしたところでございます。
このような観点から、地震時においても下水道の機能を維持し、市中への下水道の流出等を防ぐために、下水処理場における建屋の補強や液状化によるマンホールの浮き上がり防止対策などの耐震化について、下水道総合地震対策計画を策定し、防災・安全交付金により重点的に推進しているところでございます。
また、施設が被災した場合でも下水道の機能が維持できるように、仮設ポンプなどの応急資機材の確保や早期復旧に向けた手順などを定めたBCP、業務継続計画の策定を進めるとともに、避難所におけるトイレ環境の確保のためにマンホールトイレの整備もあわせて推進をしているところでございます。
国土交通省では、最終年度となる防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策を着実に進めるとともに、今後とも引き続き必要な予算の確保に努めまして、ハード、ソフト両面から下水道の地震対策を強力に推進してまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 大震災のときにそれだけの大きな被害があったということがお話ありました。
後ろの方に国総研の当時のレポートをつけておりますのでリアルにわかるかなと思うんですけれども、さっき紹介した東北大学の研究の中でも、やはり下水が破損したことによってトイレが流せない、そうすると上水も使えない、そういう中で感染症対策にとって極めて危機的な状況だったという指摘もあったわけで、これは非常に大事なことではないかと思います。
ただ、予算を見ますと、今の水準が四十年前の水準に戻っているということで、管の老朽化などが非常に指摘をされている中ではありますので、ここは頑張っていただきたいと要望だけにとどめたいと思います。
そこで、国民自身が、三密を避けるとか、マスクや手洗いなどはこの間身につけてきたと思います。ただ、避難所での感染症対策は無理としないで、やはり成功させてほしいと思うんですね。パーティションやこの間活躍している段ボールベッド、さっきも報告がありましたけれども、備蓄や一刻も早く届く仕組みづくりはどのようになっているのか、お願いします。
○村手政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の段ボールベッド及びパーティションにつきましては、避難所における健康の確保や生活環境の改善、また感染症予防対策にも資するものでございます。ただ、受注生産のため調達に時間を要するということで、支援までに一定の時間を要するとしていたところでございます。
このことは、昨年度の台風第十五号や十九号の検証でも指摘されてございまして、これを踏まえて、より速やかに国のプッシュ型支援が実施できるように、事前に国が二千セットを備蓄することといたしました。令和元年度補正予算及び令和二年度当初予算において、既に調達及び配備を行ったところでございます。
今後、災害発生時において被災自治体において必要な段ボールベッドやパーティションのニーズを的確に把握いたしまして、国で備蓄している段ボールベッドの速やかな発送、必要な追加の物資についてのプッシュ型支援など、被災地の迅速な支援に努めてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
昨年も、すぐ届いたところとかなり時間がかかったところと差がありましたものですから、やはりあるとないとでは、被災者の環境とか寝起きや立ち上がりが大分楽だという点でも大事なものがあると思いますので、二千セット今既に備蓄をしているということだったので、機動的に動くことを期待したいと思います。
そこで、ちょっと時間の関係で一問飛ばしまして、続けたいと思うんです。
なるべく体育館型の避難所は避けるべきではありますけれども、ただ、災害の規模や地域によって避けられない場合もやはりあると思います。その際、換気の徹底と、体調を壊した人あるいはリスクのある人には専用のスペースをつくるように通知では呼びかけております。
これまで見てきた避難所では、公民館のように大中小の部屋があるところもあるんですけれども、でもそれはそれなりに使うわけですよね。例えば、心のケアの相談室ですとか、応援に来た人たち、介護支援員の人たちが来ているとか、いろいろな形で詰所になったりとか、あるいは仮設保育所になったりとかして、専用のスペースというのはやはり言うだけではなかなか確保できないというのがあるのではないか。同時に、コロナがこれほど広がった中で注目もされている。
そういうときに、私は、本来は、もともとこれはなければならないものだったと思うんですが、一つですね、芳香剤や柔軟剤あるいは殺虫剤などに反応して身体症状が出る化学物質過敏症の方たちというのは、年じゅうサージカルマスクを必要とする人もいらっしゃいます。そもそも人が集まる避難所には入れません。
そこで、私、二〇一七年の二月二十二日の予算の分科会で質問したことがあるんですが、熊本地震ではトレーラーハウスを福祉避難所として活用した例もあります、これを応用してクリーンルームのように使うことができるんじゃないかという質問をしているんですね。
そのときに内閣府が、そういう方も含めまして、健康上の理由から一般の避難所での生活に支障がある場合については、被災自治体が柔軟に対応するというか、福祉避難所としてやることもできるというふうなことをお話ししてくださっているんですが、その後の取組や検討はどうでしょうか。
○村手政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のトレーラーハウスにつきましては、導入した自治体や企業側にお話を伺いますと、製造側に平時からのストックがないということで納品に時間を要するという課題、また、トレーラーハウスの設置だけではなく給排水設備や電気工事などは別途発注することが必要なため、手間と時間を要したというような課題もあるということを伺ってございます。
災害時におけるトレーラーハウスのクリーンルームとしての活用の有用性を考えるに当たっては、まずは活用事例を自治体において積み上げていただくことが必要と考えているところでございます。それらの活用事例の蓄積を踏まえて、被災自治体と連携して、その必要性についても勉強してまいります。
以上でございます。
○高橋(千)委員 そこで国交省にも伺いたいと思うんですが、さっきお話ししたのは、トレーラーハウスならどうというのはあくまでも一つの例なわけですね。当事者の中からいろいろな意見が出てきてそういう提案もさせていただいたんですけれども。
国交省の場合は、建設の分野で簡易なクリーンルームなどがさまざま使われていると思うし、例えば今のコロナの発熱外来なども一つの応用なわけですよね。あるいは、三宅島や桜島などのように、火山灰とずっとつき合っていく住民の方たちは、玄関の風除室みたいなところをそもそもクリーンルームとして整備をしているわけですね。
そういうことが、さまざま、やはり、技術というんでしょうか、応用が必要だ、そういうのを知恵を出し合って、災害時に避難所にそういうクリーンルームのような場所を確保することを標準装備にしていかなきゃいけないんじゃないかな、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。
○眞鍋政府参考人 クリーンルームについてのお尋ねについてお答え申し上げたいと思います。
一般的な事務所や住宅の居室とは異なりまして、医療や工業などの現場で空気を高い水準で清浄に保つための部屋として活用されているというものだというふうに思います。
避難所については今内閣府の方からも御答弁がございましたが、このクリーンルームにつきましては、関連する社団法人日本空気清浄協会が原案作成者となりまして、クリーンルームの設計施工あるいは管理、清浄化などのJIS、日本産業規格が制定されているというふうに承知してございます。
また、この社団法人において、クリーンルームの運転管理指針、清浄化の指針、性能試験の方法の指針、あるいは運転時の管理と清浄化の指針など、さまざまな指針が多数策定されて関係者に提供されているというふうに伺っております。
これに加えまして私どもの方で特段の知見を持ち合わせてはおりませんけれども、こうした技術的知見についてお問合せがある場合には、こうした指針やJISについて情報提供させていただきたいというふうに考えてございます。
○高橋(千)委員 国交省にこの質問をしたのは初めてですので、ぜひ検討していただきたいという提案でございます。
やはり、避難所に行きたくても行けない人がいるんだ、でも、自宅が危険だった場合、じゃ、どうしますかという問題があるわけですよね。それが必ずしもレアではない、たくさんいらっしゃるんです。私がこの質問をしてから全国からたくさんの御相談が寄せられております。ですから、まず技術的なことで検討を始めていただきたい、このように思っております。
最後に大臣に伺いたいと思うんですが、やはり体育館型の避難所というのはできるだけ短期間にとどめて、仮設住宅も、木造仮設のように、一定長期も住めるけれどもその後の応用もきくようなところに転換していく必要があるんじゃないか、その間があく場合に、やはりホテルなどは二次避難だよというふうな形で整えていくのが望ましいかなと思うんですが、そのためにやはり間に立つ国交省が力を発揮してほしいなと思うんですが、一言お願いします。
○土井委員長 赤羽大臣、簡潔にお願いします。
○赤羽国務大臣 私はかねてから、体育館の雑魚寝型の避難所というのは極力短くするべきだということは主張してまいった一人でございます。人としての尊厳というのをやはり守らなければいけないという思いからでございました。
できるだけ短くするために、平時より、空き家を登録するですとか、賃貸住宅で貸し出してもいいというようなことを掌握するですとか、また、私は、旅館、ホテルも、被災地の旅館、ホテルというのは実質営業ができなくなるので、用意しても結構遠慮する方がたくさんいらっしゃって余り利用されないんですけれども、これももう堂々と利用してもらうというようなことをしっかり進めていって、やはり憲法で守られている最低の福祉というのが災害時でも守られるようにするべきだというふうに思っております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
ー資料ー