国会質問

質問日:2021年 4月 12日 第204国会 決算行政監視委員会

【TV質問】原発汚染水の海洋放出問題

原発汚染水 海洋放出の撤回迫る

高橋氏「漁師継げずに復興なし」 衆院決算行政監視委

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質問する高橋千鶴子議員=4月12日、衆院決算行監委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は12日の衆院決算行政監視委員会で、東京電力福島第1原発事故に伴う汚染水の海洋放出について、10年たって本格操業へ踏み出す福島の漁業者の声を突きつけ、放出の撤回を迫りました。

 菅義偉首相が「処分はいつまでも先送りできない」と強弁したのに対し、高橋氏は地元紙が「官製風評」と批判していると指摘。「息子に漁師を継がせてもいいか」との声を代弁しました。

 「風評被害の影響を丁寧に説明する」とはぐらかす菅首相に、高橋氏は「継いでいいとの一言さえ言えないのか」と批判。「若い人が漁業に就けずに復興はありえない」と重ねて強調しました。

 高橋氏が、合計約1千基あるタンク内の汚染水の放出期間をただすと、東電の文挟誠一副社長は事故前の年間放出管理基準22兆ベクレルを基本に、約40年かかることを事実上認めました。高橋氏は、40年間で汚染水の放射性物質トリチウムが減衰し、別の道が見付かる可能性も示し、「放出ありき」の姿勢を批判しました。

 さらに、“海水で薄めて放出する”と言っても、トリチウムの放出量は変わらないことや、燃料デブリなど高レベル放射性廃棄物の最終処分場も決まっていないのに、その保管場所をつくるためタンクをどけようという拙速な計画をただしました。

 高橋氏が、「廃炉と復興は一体」が政府方針なら「廃炉とはどういう姿か」とただすと、菅首相は「現時点で最終的な姿を描くのは困難」と答えました。高橋氏は、「ゴールが決まらず、どこまで、どのように走るのか。『40年で廃炉』がひとり歩きしている。汚染水放出も急ぐ必要はない」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2021年4月13日付より)


ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 本日は、東電福島第一原発事故汚染水問題について質問します。
 明日、関係閣僚会議で海洋放出することを決めると聞いています。七日、総理と面談した全漁連の岸宏会長は、反対という考え方はいささかも変わるものではないと述べたといいます。
 先週末、私も福島県いわき市に行って、漁業者の声を聞いてきました。福島では、今、三月末に試験操業が終わり、いよいよ本格操業に向けた移行期に入ったんです。すぐ隣が茨城という勿来漁協では、四、五年かけて買受人らと話合いを重ね、準備をし、九月には市場を開く、やっとそこまで決めたばかりでした。なぜ今かと、皆さん口々におっしゃいました。
 また、総理が全漁連と会った同じ七日、東電の小早川社長は、福島市内の本社ビルで会見を行っています。前日まで、内堀知事や浜通り六町村を訪問して、一連の不祥事についてのおわびを行ってきました。会見では、総理と全漁連との会談について問われ、政府の動きについては承知していないと答えたと報じられています。
 十日付河北新報は、原発の安全に関わる相次ぐ不祥事を首長らに謝罪したばかり、トップ会談が翌七日に決定されたことは間の悪さだけでなく、処理水問題への東電不在を印象づけたと指摘をしました。
 漁業者にとっては、十年たってようやく本格操業に道をつけたというとき、そして、東電の原発を扱う資格そのものが問われる一連の不祥事続きの中、誰にとってもまさに最悪のタイミングと言えるのではないでしょうか。
 総理、明日、海洋放出を決めるのですか。そして、なぜ今か、伺います。


○菅内閣総理大臣 処理水に関するこれまでの議論を踏まえた上で、近日中にその方針を決定したいと思っています。具体的な日程は、現在、最終的な調整を行っているところであります。
 福島の復興に当たり、処理水の処分は、避けて通れない、いつまでも先送りをすることができない課題だと認識しています。こうした中で、これまで、六年以上にわたる有識者の検討など、議論を積み重ねてきました。また、経済産業省を中心に、これまで、立地自治体、農林水産事業者、流通事業者や観光事業者、皆さんと多くの意見を交換も行ってきたということです。先日、七日には、私自身も、特に風評を強く懸念されている漁業関係者の方々のお話を伺いました。
 さらに、これまでにいただいた御懸念を踏まえ、現在、関係省庁において、風評影響に対する対策を検討をしているところであります。こうした対策を積み重ね、政府としては方針を決定したいと思います。


○高橋(千)委員 まさか、近日中にとだけおっしゃるとは思いませんでした。ここまで報道されていて、あしただということさえ認めない。
 じゃ、海洋放出だということもまだ決まっていない、そういう方針をまだ出すつもりかどうかも分からない、そういうことでよろしいですか。


○菅内閣総理大臣 今申し上げましたように、具体的な日程は、現在、最終調整を行っているというところであります。


○高橋(千)委員 具体的なことをおっしゃらないので、私は、だったら明日決めるべきではない、そして海洋放出ではない、この立場で質問したいと思います。
 資料の1を見てください。
 九日付福島民報は、一面トップで「政府が風評作る恐れ」と報じました。これまでも県民は風評被害にさらされてきたのに、政府は有効な手だてを講じなかったばかりか、新たな風評を自らつくり出そうとしている、まさに官製風評と言える、ここまで厳しく指摘をしています。
 経過が左上に明記されておりますが、二〇一五年八月、第一原発の原子炉建屋周辺のサブドレーン、井戸みたいなものですが、地下水をくみ上げ、海洋放出する計画を受け入れた際、県漁連は、漁業者、国民の理解を得られない海洋放出は絶対に行わないことと政府に求め、政府は、関係者の理解なしにはいかなる処分も行いませんと約束しています。
 今回、完全にこの約束はほごにされたことになります。これで理解を得られたと思っているのでしょうか。
 総理にどうしても聞いてくださいと言われましたので、是非聞いてほしいんです。
 いわきで水揚げされる魚は、常磐物と築地の目利きたちから選ばれ、おいしさのあかしでもあり、高値で取引されていました。原発事故で操業自粛に追い込まれて以降、試験操業でようやく常磐物を代表する魚、ヒラメが初水揚げしたのは二〇一六年九月のことです。それから徐々に、震災前の水準に引けを取らないところまでこぎ着けてきました。ところが、海洋放出の話が出た途端に、既に仲買人らからは、もう福島の魚は買わないと言われました。それは仲買人が悪いのではなくて、現場で現実に敬遠され、売れなくなるからです。
 二十九歳と三十一歳の息子さんがいるという漁師さんが言いました。震災後、息子さんと一緒に瓦れき撤去をやっていた。その仕事がなくなったときに、ほかの若い世代はみんな船を降りたんだけれども、息子さんだけは漁師をやりたいと言ってくれたんです。本当は継がせたくない。でも、この若い人たちに漁師を続けさせてもよいのかと総理に直接聞いてくれと言われました。
 総理は、福島の復興なくして日本の復興なしとよくおっしゃいます。若い人たちが引き継いでいけなければ、復興なんてあり得ないのではありませんか。若い人に漁師を続けてもよいと言えますか。


○菅内閣総理大臣 漁業者を始めとして、風評影響の懸念から、処理水の海洋放出について反対の声があること、当然認識をしています。
 政府としては、こうした声を受け止めて、懸念や不安の払拭に向けて、安全性について科学的な根拠に基づく徹底的な情報発信や説明を尽くすための広報活動、これを丁寧に実施をし、関係の皆さんの声に真摯に向き合い、更に万全な対策を講じていくということが大事だと思っています。
 処分方針を決定した場合、実際の処分開始までには二年程度の期間があります。この間にも、安全性に問題ないことを国民の皆様に理解をいただけるよう、また世界に向けても引き続き努力をしていきたい、こういうふうに思います。


○高橋(千)委員 だから、さっきの答えはどうなりますか。漁師を続けてと、総理、おっしゃいますか。


○菅内閣総理大臣 今、私申し上げましたように、風評被害の影響というものの実態について丁寧に説明をして、科学的根拠に基づく中で御理解を得ていきたいというふうに思います。


○高橋(千)委員 本当に残念ですよね。その一言さえも言えないのかと思いました。
 今、あんたらはどうせ賠償をもらうからいいべと電話が来たりするといわき漁協の職員は悔しがっていました。船を出してこその漁師なんです。賠償では後継ぎはできないんです。そのことを本当に分かってください。安心して漁ができる環境をつくるべきです。
 政府は、トリチウム水は安全だから海に流しても大丈夫と言いたいのでしょう。そうは思いません。反対しているのは単なる風評被害を恐れているのだというのも違うと思います。
 以下、具体的に質問していきます。
 本日は、東電の文挾副社長に出席をいただいております。ありがとうございました。
 最初に、通告しておりませんが、簡単なおさらいです。
 政府の中長期ロードマップでは、復興と廃炉の両立を大原則として打ち出しています。汚染水処理問題は、廃炉と一体として、第一原発の廃止措置終了までに終了するということになっています。そのため、燃料デブリを取り出した後の一時保管施設や廃棄物の保管施設などを建設するためのスペースを確保する必要がある。これは昨年十二月一日の復興特別委員会でエネ庁が私に答えています。
 タンクを処理したいのはそういう理由もありますね。一言で。


○文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。
 一言で申し上げれば、これから四十年の長きにわたりまして福島第一原子力発電所の廃炉作業をやっていきます。そのためには、廃炉から出てきます廃棄物の置場というものについても確保しなければなりません。そういうところを勘案した上で今回のトリチウムの貯蔵については検討してございますので、先生のおっしゃるとおり、そういうことも含めた上での、今回、二〇二二年の夏頃以降基本的に満杯になるというような計画ではございますので、それを踏まえた上での処分ということの検討かというふうに認識してございます。
 以上でございます。


○高橋(千)委員 確認をしました。
 今までは、タンクの置場が満杯になるんだ、そこだけが強調されていたと思うんですが、そうではなくて、取り出しをしたら置く場所がない、まずそこが、スペースを空けるということが大きな理由でもあるということ、それがどういう意味をもたらすのか、続けて質問していきたいと思います。
 それで、海洋放出するとした場合です。現在サブドレーンで実施しているのは、千五百ベクレル、リッター当たりを基準とする、これを今後もやるということでありましょうか。もしそうした場合、海水で希釈をしながら、現在のタンクが実際になくなるのはおよそ何年かかるでしょうか。お答えください。


○文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。
 処理水の処分方法につきましては、いずれの方法によりましても、当社は事故の当事者でありますので、しっかりと責任を持って対処していきたいというふうに考えております。
 その上で、先生御指摘の、仮にということでございますが、仮に海洋放出するとした場合のトリチウム濃度につきましては、これは二〇二〇年三月の処理水の取扱いに関する検討素案というものでお示しをしてございますが、地下水バイパス及びサブドレーンの排水の運用基準としてございます水一リットル当たり千五百ベクレル、これは法令で定める告示濃度の四十分の一というふうになりますが、これを参考に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 もう一つの御質問でございます、処理年数に何年程度かかるのかという御質問でございますが、これは、タンクに保管している水の放出に関する期間というのは、トリチウムの濃度ということではなくて、一年当たりのトリチウムの放出量により決まってくるというふうに認識してございます。ですので、一年当たりの放出量につきましては、一度に大量に放出をするということではなくて、既存の原子力施設を参考といたしまして考えていきたいというふうに思います。
 そうしますと、廃止措置に要する三十年から四十年というのがありますので、これの期間を有効に活用してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。


○高橋(千)委員 どういう答え方をするかなと思っていたら、廃止措置への三十年から四十年を有効に使うというお答えでございました。
 これ、パネルで、皆さんのお手元にも資料があるんですけれども、福島第一原発の事故前の年間放出管理基準が二十二兆ベクレルなんですね。今たまっているタンクは約一千トンなんですけれども、八百六十兆ベクレルだと。これ、当然これから増えていくとか、タンクによっていろいろ違うとか、そういうことはあるんですが、単純計算すると、割り算すると、それは四十年かかるわよねという話なわけ。そして、そのタンク一個を薄めるのには五百基分の海水が必要であるというふうになるわけで、ということは、一個のタンクを薄めて放出するのに、今あるタンクの半分のタンクくらいの海水を使わなきゃいけない、途方もない計画だということです。
 ですから、今急いで決めても、たった今、あるいはたった数年でタンクが目の前からなくなるんじゃないんだと。廃止措置の四十年も私、疑っていますが、そのくらいの時間がかかるんだということを今、確認をさせていただきました。
 問題は、トリチウムの総量規制がないわけです。海水で薄めても、海水に戻すんだから一緒でしょうとよく聞かれます。絶対そうだと言ってくださらないんですが、五百倍に薄めても、五百倍の量を放出していたら同じことじゃないんでしょうかと。これ、二十二兆、今言ったベクレルに合わせた場合のやつを既に東電は資料として出していますが、原発から南北三キロ、沖合〇・七キロという狭い範囲に収まると。だからアンダーコントロールと言いたいんでしょう。だけれども、そうすると、どこまで狭いと。そこまで濃縮されると、出た水、また取り込んじゃうよね、そういう議論もしてきたじゃないですか。本当に大丈夫なんですか。これは経産大臣に聞きます。


○梶山国務大臣 仮に海洋放出をした場合という前提でお話をさせていただきますと、こういった形で、この方法、また分量についての正確な評価というものを、IAEAを始めとする国際的な機関、また第三者の目も含めて確認をしていくということになりますので、そういった前提で様々なことを考えていくことになるかと思っております。


○高橋(千)委員 私が言った、五百倍に薄めても五百倍の量を出しちゃったら一緒だよねということはイコールですか、違いますか。


○梶山国務大臣 先ほど申しましたけれども、もし仮にそういうことであれば、どういう方法を取ったらいいのか、その方法についても、また、そのモニタリングについても、どういう拡散の状況になるかということも含めて、IAEAを始めとする原子力の第三者的な機関、そしてまた国内においてもそういった第三者の目を活用しながら確認をしていくということになると思います。


○高橋(千)委員 お認めになったんだと思います。
 もう一度東電の文挾副社長にお伺いしますが、先ほど、汚染水タンクをどかすのは、取り出した燃料デブリなどの一時保管場所をつくるということを御答弁いただいたと思います。
 燃料デブリというのは、様々な化学物質を取り込んで、事故を起こした、溶けた燃料ですから大変な高濃度で、正確に線量を測ることも、どこにどれだけあるかも正確には分かっていないはずです。一号機から三号機までで総量八百トン程度という試算がありますけれども、今回、来年までに試験的にちょっと取り出してみるのは一グラムだということです。本当に取り出すことが正解なのか、それすら解明できていないのではありませんか。


○文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。
 端的にお答えさせていただきますが、基本的には、それはできるというふうに会社としては認識しております。
 以上でございます。


○高橋(千)委員 できるとおっしゃいましたが、高レベル廃棄物の置場、それは簡単につくれるものではないし、処分場ももちろん決まっていません。今の原発の高レベルでさえも決まっていないわけですから、それは、それ自体が本当に正解なのかも私は分からないと思いますが、いかがですか。


○文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。
 会社としては、当然ながら検討を進めます。今、できると思っておりますので、具体的な検討はこれから進めたいというふうに考えております。
 以上でございます。


○高橋(千)委員 大変な話かなと思いました。
 実は、この問題、東電が外に出すんだという話をしたときに、規制委員会はまだそのことを承知していなくて、驚いたということがありました。これだけの重大な決定を重ねて、四十年では実は進まないだろうと、私は正直に認めるべきだと思います。
 総理に伺います。
 復興と廃炉はセットといいます。しかし、東電福島第一原発事故の廃炉の最終的な姿がどういう姿なのか、これまで私、何度も質問しているんですが、どなたも答えていただけませんので、総理から是非答えていただきたいと思います。


○菅内閣総理大臣 福島第一原発の廃炉については、原子炉内の状況など不確定な要素が多く、世界でも前例のない困難な課題であることから、現時点で最終的な姿をお示しすることは困難であります。
 いずれにせよ、廃炉に当たっては、技術的な問題、課題を解決するだけでなく、地域の復興の将来像も見据えながら検討していくことが重要だと思っています。地元の皆さんの思いを受け止めながら、廃炉にしっかり取り組んでいきたいと思います。
 詳細は経産大臣から答弁させていただきます。


○高橋(千)委員 地域の声を聞きながらと言いますが、ゴールの姿が見えなくて、いつまで、どうやって走るのか。そういうことなんですよ、問われているのは。首長さんは、更地にしてほしいと言っている方もいらっしゃいますよね。でも、更地にするためには、今ある取り出したもの、廃棄物、これはデブリとかという高レベルじゃないですよ、本当に瓦れきとかのものだけでも、十年後の姿、やっと、大きな廃棄物処理建屋を造るというところが見つかっています。ただし、事故を起こした廃棄物ですから、持っていくところも決まっていません。
 そういう中で、四十年という数字だけが独り歩きしているのが現実なんです。もし大臣がお答えできるんだったら、お答えください。


○梶山国務大臣 福島第一原発の廃炉は、福島の復興の大前提であります。国も前面に立って取り組んでおり、中長期ロードマップに基づいて、二〇四一年から二〇五一年までの廃止措置終了を目指して、安全かつ着実に進めていくこととしております。
 この目標に基づいて、例えば、三号機の使用済み燃料取り出しが今年二月末に完了をし、また、二〇三一年内に全ての号機で取り出し完了をできるように取組を継続中であります。
 燃料デブリの取り出しにつきましても、英国において、取り出しに使用するロボットアームの開発が進むなど、一歩一歩前進をしております。
 一方で、福島第一原発の放射性廃棄物については、性状の把握を目的に、瓦れき等の分析を進めているところであります。全体像の把握は、燃料デブリの取り出しなど、これから廃炉作業が進捗していく中で初めてできるものと考えております。
 今後明らかになる廃棄物の全体像について、廃棄物の処理、処分方法を検討していくこととなりますけれども、国としては、福島第一原発から発生する廃棄物が適切に処分されるように、最後まで責任を持って対応してまいりたいと思っております。
 不確定の要素が幾つかございます。そういった中で、三十年から四十年というものがもし変更されるのであれば、そのときには、やはりしっかりと皆様に説明をした上で考えていくということになろうかと思います。


○高橋(千)委員 三十年から四十年という数字だけが独り歩きするのはやはりおかしいということが、今のお答えが明確でなかったことからも言えると思います。逆に言うと、タンクを、海洋放出だけを急いで決める必要はないんです。それだけの時間があれば、トリチウムはもっと減衰していくわけですから、新たな道も決まります。ですから、焦って決めるべきではない。重ねて指摘をしたいと思います。
 一方で、ちょっと時間がなくなったので、はしょって東電に質問しますけれども、二月十三日の福島沖地震によって、地震計の故障の問題が明らかになりました。この地震計というのは、元々は規制庁が指摘をして、原子炉建屋の長期健全性、つまり、長い廃炉の工程に耐えられるかという意味で設置を指導されたんですけれども、これは、三号機の一階と五階に一台ずつ設置して、昨年の四月に設置したら、たった二か月で大雨で水没しちゃって使えなくなった。それを何で、分かっていながら今年まで公表しなかったのか。一つです。
 もう一つ。資料の4、5がありますが、屋外の一時保管エリアで、約八万五千基のコンテナのうち、内容物が把握できていないコンテナが約四千基残されているということが判明しました。これはゲル、コンテナが腐食して、コンテナは一般の産業用のコンテナなものですから、腐食して地面に落ちちゃって、これが十三ミリシーベルトだったということが確認をされたわけです。なぜ今になって、内容物の分からないコンテナが四千基も判明したのでしょうか。


○文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。
 地震計の故障の公表の遅れにつきましては、これは社会の皆様に御不安あるいは御不信を与えてしまったということにつきましては、改めて深くおわびを申し上げたいというふうに思います。
 今後は、故障原因が不明でありましても、直ちにその不備の地震計については交換をし、そのときに公表するということをしたいというふうに思いますが、今先生の御指摘の、今回公表が遅れたのはなぜかということでございますが、これは、故障した際の、大変申し訳ございませんが、原因調査を優先してしまったということでございます。ですので、故障の事実の公表並びに、そういうことから、地震計の交換というものが遅れてしまったということでございます。
 もう一つ御質問でありますコンテナについてでございますが、これも先生御指摘のとおり、まだ原因は特定されているというわけではございませんが、瓦れき類を収納したコンテナの容器の腐食箇所から放射性物質が容器外に流出した可能性が高いというふうに考えてございます。これは引き続き調査をしてまいります。
 その上で、なぜ四千基もの確認をされていないコンテナがあるのかということでございますが、この廃棄物につきましては、廃棄物の管理に関する実施計画というものがございます。これで表面線量率とかあるいは内容物に応じた保管エリアを設定して、管理をしてございました。
 御指摘のコンテナ四千基でございますが、これにつきましては、内容物が不燃物瓦れきであることは分かってございますけれども、実はシステム上の管理ができていなかったというのがございます。ですので、システム管理をする前の不燃物のものにつきましては、その不燃物が金属瓦れきなのか、あるいはコンクリート瓦れきなのか、あるいは土砂類なのか、その他のものかということが、済みません、ひもづけされておりません。コンテナと内容物をひもづけする管理ができていないということであります。
 この点、この約四千基につきましては、現在、内容物の確認とか点検を行う準備を進めてございます。
 以上でございます。


○高橋(千)委員 地震計については原因調査を優先すると言いながら一年近くも放置をしていた、またもこういうことを繰り返しているということを厳しく指摘をしなければならないと思うんです。
 このコンテナは、実際はひもづけされていないものがあったというのは、事故直後の本当に混乱した中で取りあえず入れちゃったということが結局十年間分からなかったということの結論だと思うんですね。だからこそ、十三ミリシーベルト、こういうことが、開けたら怖いというものがあるかもしれない、そういうこと自体が大きく問われるんじゃないか。私は、パトロールをしている協力社員は分からず測っています、この安全性も問わなきゃいけないと思っています。
 時間がないので、規制委員会の更田委員長に最後に伺いたいと思うんですね。委員長、今の問題にも触れながら答えていただきたいと思います。
 大震災と原発事故から十年に当たって、委員長は職員訓示を行っています。本当に規制のとりこになっていてはいけないんだ、事業者を守る立場ではいけないんだということを改めて、委員長、お話しされたと思いますが、その趣旨を一言伺います。


○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。
 優れた独立性を備えた規制当局であったとしても、規制のとりこへの恐れは意識され続けるべきであるという旨を訓示の中で申し上げました。そして、事業者のトラブル、不始末ができれば小さく収まってほしいと考えることや、本来追及すべき事業者の責任を自分たちも共有してしまうかのように考えてしまうのは、規制のとりこにつながりかねないマインドであるというふうに注意を喚起したものであります。


○高橋(千)委員 そのことが絶えず絶えず問われてくるのではないか。重ねて指摘をしたいと思います。
 今回、実は海洋放出をしたとしても四十年かかるんじゃないかという指摘もいたしました。本当に、自治体の皆さんにしてみれば、本当にきれいにしてもらいたい、それが本当の気持ちだと思います。それに応えたいけれども、そんな簡単じゃないんだ、それが原発事故というものなんだ、そのことをしっかりと皆さんがお認めになるべきだと思いますし、だからこそ、同じことを繰り返してはならない。原発ある限り、同じことを繰り返す可能性があるんだという立場に立って、やはり再稼働はすべきでない、全国の話です、そういうことを指摘をして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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