ちづ子へのエール住民とともに(質問のエピソードと会議録など)
ちづ子通信

夏休み自由研究の話ではありませんが

 テレビのコメンテーターが「国会議員は2カ月も夏休み!」と話したのに腹がたちました。憲法53条にもとづき臨時国会の召集を野党が求めていることを知らないはずはないのに。しかし平時でも、閉会は夏休みとはいいません。有権者の声を聞き、調査のために地元を回るから。

 お盆前に山形市門伝七ツ松にいきました。7月末の大雨で崩れたのは民地だから補助できないと言われたと。国交省は「地すべり」に該当しないと言います。定義ではなく目の前の崩れをどうするか、なのです。

 そこは「地すべり地形分布図」の中にあるはずと教えてくれた人がいました。そこで文科省の防災科研にお願いし、なんと33年かかった分布図作成に関わった最後の現役研究員が来ました。分布図は国土地理院の空中写真を判読し、日本地図に40万カ所、過去の地滑り地点を落としたものです。

 とくに門伝は5世紀の古墳や朝鮮由来の刀剣が発見された歴史的な地域でした。空中写真によると70年代には棚田が広がっていたのに、90年代でほぼ耕作放棄地に。

 分布図は警戒区域指定や開発計画の予備調査に使われます。しかし、全て断定はできません。「科学は誠実になろうとすればするほど、不安定になります」と研究員。さまざまな分野で「安全」と言い切る学者が多い中で、なんと「誠実な」言葉でしょうか。基礎研究こそ守らなければ。

※しんぶん赤旗2020年8月29日付「北海道・東北のページ」コラムのタイトルを変更し、掲載しています。

山形市門伝七ツ松の被災現場を視察=12日、山形市内
国立研究開発法人防災科学研究所の研究員から説明を受ける高橋千鶴子=26日、国会内

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