「私のおばさんの若い頃に似ている」と、シズカさんが私の耳元でささやきました。彼女はボリビア出身、日本語も上手なキュートな女性です。ユニオンみえの事務所で、シャープ亀山工場から解雇された4人の日系人から話を聞きました。
ブラジル専門誌やお店の看板などで、広告「シャープで働ける」を見て、安定した仕事に就けると思ったと言います。
「顕微鏡でiPhoneのボタンを検査するのよ」。日本語ができるファビオラさんは教える側になり、あちこちから「ファビオラさ~ん」と呼ばれました。でも2カ月契約で派遣元を次つぎ変えられ、変わるたびに条件が悪くなり、あげくの果て雇止めに!
シャープ亀山工場の大量解雇問題で、藤野保史、本村伸子両衆院議員とともに三重県津市に入りました。県当局は春に750人の離職があると聞いていましたが、判明したのは3938人!主力部品の生産が鴻海(ホンハイ)の中国拠点に移るための減産なのに、「自己都合」退職扱いはおかしいと県や労働局に迫り、実態調査や違法派遣の摘発、シャープの再就職に対する責任などを指導するよう求めました。
使い勝手のよい「雇用の調整弁」。政府が進める新たな外国人材の受け入れも、同じことです。日系人の彼らが「シャープのエライ人」「私たちはクビ」と、日本語を流ちょうに話すのが悲しく、このひどい労働実態を変えたい!と強く思いました。
※しんぶん赤旗2018年12月28日付「北海道・東北のページ」掲載のコラムです。