厚労委員会の視察でイギリス、イタリアを7日間巡ってきました。帰国してすぐ理事懇があったのは、国の行政機関における昨年末公表の障害者雇用数6867人が実は3460人も水増しされていたことが判明したからです!
企業に対しては賃金台帳や手帳までチェックするのに、国の機関は自主申告のみ。納付金を出し、違反時は課徴金を徴収するためで、国の機関にはそれがないからチェックする権限がないという。これで企業を指導できるわけがありません。
イタリアで、精神障害者が働くレストランを訪問しました。店内もおしゃれで、壁には彼らの描いた絵が飾ってあります。知らずにふらっと入り、美味しいのでまた来てくれる客が多いといいます。お酒は一滴も飲めないのにソムリエになった男性がいました。彼はラベルをよく読み、香りで見分けます。話を聞き出すのが上手で、料理とのマッチングも上手だと店主のマルコ・ヴェドロ医師は褒めていました。イタリアでも法定雇用率はあるが、あまり守られていません。だからこそ、就労の場がほしかったといいます。
厚労省のパンフレットには、「障害者はどのような仕事に向いて」いるのか、とあり、「障害者に向いている、向いていないはありません。一人一人の状況やスキル、本人の希望・意欲に応じて様々な職種で雇用」と、ちゃんと書いてあります。
※しんぶん赤旗2018年9月1日付「北海道・東北のページ」掲載のコラムです。