CS(化学物質過敏症)を知っていますか。芳香剤、漂白剤、殺虫剤など身近な化学物質に微量でも反応します。病院を転々とし「精神科へ行け」と言われた人もいます。2月の予算委員会分科会でCS問題を質問すると、全国から声が寄せられました。「救急車から降ろされた」「癌なのに何もできない」「歯科に行けず、家族にペンチで抜いてもらった」など悲痛です。
2日、厚生労働委員会。CSの子どもの学習環境のために文科省が作った手引に、なぜ「いわゆる化学物質過敏症」と書いているのかを問いました。「患者は『いわゆる』がつらい。削除すべきだ。今も答弁でつけなかった」。文科省は「削除の是非も含め検討します」と答弁した後、「なお、ご指摘については本日の答弁の冒頭に『いわゆる』とつけました」と?!…
シックハウスが社会問題になった頃、2004年3月手引の完成めざし、専門委員会が立ち上がり、全会一致で実態調査もやると決めました。しかし今も調査せず、手引完成まで8年もたったのはなぜか。当時の資料はほぼ、削除されています。何らかの力が働いたのでしょうか。
8日、水俣病第2次訴訟の原告が来室しました。水俣病公式確認から61年。「当初病名がわからず、あちこち行った。精神病扱いされた」と。CS患者と同じだと思いました。原因物質は必ずあるのです。昔も今も、国は誰をかばっているのか。
※しんぶん赤旗2017年6月11日付「北海道・東北のページ」に掲載されたコラムです。