首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス(以後TX)は、秋葉原とつくば市を最速45分で結ぶ第3セクター鉄道です。沿線の開発と一体整備する特別措置法を根拠に2005年開業。建設費約1兆円は国や自治体の無利子融資と出資、1都3県などが株主です。ATOという自動運転装置と全線に可動式ホーム柵があるため、事故とは無縁とされ、4回連続で無事故無違反の表彰を受けました。
そのTXの労働者から相談されたのは昨年末。共産党のブラック企業のチラシをみて、「うちの企業もブラックそのもの」と思ったと。労働者の名前を明らかにしないため、根気強く慎重なやりとりを重ねながら2回質問を行いました。トラブルが相次いでおり、その背景に深刻な人員不足や長時間労働があると指摘したのです。
2月の予算委分科会で太田国交大臣は、「安全は経営よりも優先する」ときっぱり答弁。3月の厚労委員会では田村前厚労大臣も、「国交省と連携する」と答えました。皮肉にもこの質問の翌日、初の人身事故が起きました。ホーム柵を乗り越え、自殺とみられます。議員団で「緊急停止装置をつけるべきではないか」と求めました。国交省は「ホーム柵があるから必要ない。」とし、自殺だし、「ほかにどうしろというんだ?」と開きなおったのです。
9月11日、田村智子参院議員、地元県議らと現地調査をしました。TXに乗り、ホーム柵やSOSボタンなどを確認。実は本社に視察を申し入れましたが、「国会議員はいれたことがない」と、断られました。一方、党茨城県委員会が、乗客アンケート結果を届けたいと言ったら、「一般の方は断っている」!?
当日は、行くと通告し、姿はモニターにばっちり映っているので、会社側が「どこへ行った?」などと監視していたらしい。私の質問が会社内で話題となり、「売店から聞いた」などという労働者や関連業者とも懇談。一枚のビラ、一人の告発が今、大きな広がりとなっています!
※しんぶん赤旗9月19日付「北海道・東北のページ」に掲載されたコラムです。