ちづ子へのエール住民とともに(質問のエピソードと会議録など)
政策と提案

子どものアレルギー対策に関する質問に対する答弁書

衆議院議員高橋千鶴子君提出子どものアレルギー対策に関する質問に対する答弁書

平成二十年十一月十八日受領

答弁第二一四号

  内閣衆質一七〇第二一四号

  平成二十年十一月十八日

内閣総理大臣 麻生太郎

 

衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員高橋千鶴子君提出子どものアレルギー対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

 

一の1について

 文部科学省としては、御指摘の「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」(以下「アレルギー疾患ガイドライン」という。)については、財団 法人日本学校保健会(以下「保健会」という。)から、各都道府県教育委員会等を通じて、すべての幼稚園、小中学校、高等学校、共同調理場等に配布されてい るものと承知している。また、文部科学省において、各都道府県医師会及び各郡市区医師会に対しアレルギー疾患ガイドラインを配布するとともに、社団法人日 本医師会に対し、同会会員への周知及び普及について協力を依頼している。アレルギー疾患ガイドラインの作成経費は、約三千二百万円である。

一の2及び3について

 文部科学省としては、保健会において、アレルギー疾患ガイドラインに加え、教職員、保護者及び主治医用の「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)活用のしおり」を作成し、ホームページに掲載し誰もが閲覧できるようにしているものと承知している。

 また、文部科学省としては、学校における説明会の実施や相談体制の確立等により、アレルギー疾患への対応の充実を図ることが重要であると考えており、教 職員等を対象とした「学校におけるアレルギー疾患に対する取組に関する講習会」(以下「アレルギー疾患講習会」という。)を開催することとしている。

 厚生労働省としては、アナフィラキシーショック症状の児童生徒がアドレナリン自己注射薬を注射することができない場合において、その現場に居合わせた教 職員が救命を目的として注射することは、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)に違反しないものと考えている。このことについては、アレルギー疾患ガイド ラインに記載されており、アレルギー疾患講習会においても説明することとしている。

一の4について

 学校において定期の健康診断を行ったときには、アレルギー疾患に関する情報も健康診断票に記載し、進学又は転学の際には、健康診断票を進学先又は転学先に送付することとされているところである。

 また、保育所においても、アレルギー疾患に関する情報については、保育所保育指針(平成二十年厚生労働省告示第百四十一号)の制定により、平成二十一年四月以後、保育所児童保育要録に記載し、保育所から小学校へ送付することとされたところである。

一の5について

 文部科学省としては、アレルギー疾患については、治療に長期間を要すること等から、御指摘の「学校病」に加えることについては、地方公共団体の財政負担を勘案しつつ、慎重に検討する必要があるものと考えている。

二の1について

 厚生労働省としては、市町村における乳幼児を対象とした健康診査において、アレルギー疾患を含めた各種疾患の早期発見に努めるとともに、当該健康診査の結果等を踏まえ、適切な事後指導を行っているものと承知している。

二の2について

 文部科学省としては、幼稚園に対しては、保健会からアレルギー疾患ガイドラインが配布されているものと承知しており、また、アレルギー疾患講習会は、幼稚園の教職員等も対象としている。

 また、厚生労働省としては、保育所におけるアレルギー疾患ガイドラインの活用について、今後検討していくこととしたいと考えている。

三について

 厚生労働省としては、アレルギー疾患に係る相談については、保健所において健康相談等が適切に実施されているものと承知している。また、厚生労働省とし ては、地方公共団体におけるアレルギー疾患の乳幼児等に対する治療費の助成については把握していないが、アレルギー性気管支炎やアレルギー性細気管支炎に ついては、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象として、治療費の一部を助成しているところである。

四について

 厚生労働省としては、御指摘の負荷試験をより多くの医療機関で実施できるようにすべきとの要望を踏まえ、平成二十年度の診療報酬改定では、「小児食物ア レルギー負荷検査」について、入院患者だけでなく、外来患者についても診療報酬の算定対象としたところである。また、その算定に係る施設基準を満たしてい る旨を社会保険事務局に届け出た保険医療機関の数は、平成十九年七月一日現在で四百二十三である。

五について

 文部科学省としては、アトピー性皮膚炎の児童生徒への対策として温水シャワーを設置している学校の事例を収集し、各学校に対してその周知を図ってまいり たいと考えている。また、養護教諭は、学校におけるアレルギー疾患への対応の中心的な役割を担っており、その定数については、これまでも改善を図ってきた ところであるが、今後の定数の在り方については検討してまいりたい。

六の1について

 文部科学省としては、平成十九年三月に作成した教職員用指導資料「食に関する指導の手引」において、食物アレルギーを有する児童生徒の家庭に対しては、 事前に学校給食における使用食品等を周知し、保護者の注意を喚起することとしている。また、アレルギー疾患ガイドラインにおいても、献立の詳細な内容の保 護者及び学級担任への提示がすべての対応の基本であると示されているところである。文部科学省としては、今後とも、学校給食の献立表への使用食品の表示を 促進してまいりたいと考えている。

六の2について

 文部科学省としては、学校給食の実施方法については、学校の立地状況、児童生徒の状況、各地方公共団体の財政状況等に配慮しつつ、各学校の設置者が適切 に判断すべきものと考えているが、学校給食の実施に当たっては、食物アレルギーを有する児童生徒に配慮すべきものと考えている。

 また、政府としては、本年度、物価上昇に対応して、学校給食に係る保護者負担の軽減等のための特別交付税措置を行うこととしている。

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