国会質問

質問日:2020年 4月 15日 第201国会 国土交通委員会

祭り中止支援策必要 UR住宅家賃猶予を 

共産党議員ら奔走 祭り中止 支援策必要

衆院国交委 高橋議員、国に求める

 日本共産党の高橋千鶴子議員は15日、衆院国土交通委員会で、新型コロナウイルス感染症拡大で中止になった全国各地の祭りへの新しい支援策を政府に求めました。

 高橋氏は、緊急事態宣言で青森県のねぶた祭、宮城県の仙台七夕まつり、秋田県の竿灯(かんとう)まつりの、東北三大まつりが中止になったことを取り上げました。「8月のことを今決めざるを得ない関係者のつらい思いに応えたい。影響がどれだけ及ぶのか。祭りは、その地域の人々にとってなくてはならないもの。新しい支援の仕組みが必要ではないか」と主張しました。

 赤羽一嘉国土交通相は「全国各地で中止となり、大変大きな影響がある。2020年度の補正予算案に、観光イベントを支援する事業に約100億円を積むこととしている。しっかりと取り組んでいきたい」と答弁しました。

 高橋氏は「祭りの中止でバスツアー、ホテル、商店街、さらに花見の中止以来困っていた出店など、もっといろんな産業にも影響していることが考えられる。例えば大型のグループ補助金の応用のような支援を考えていく必要があるのではないか」と指摘しました。赤羽氏は「制度設計はこれからなので、今日の意見もしっかり受け止めて進めていきたい」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2020年4月17日付より)

新型コロナ UR住宅家賃払えぬ

高橋氏が猶予求める

 日本共産党の高橋千鶴子議員は15日、衆院国土交通委員会で、新型コロナウイルス感染症拡大をうけて、UR(都市再生機構)の賃貸住宅居住者への支援を政府に強く求めました。

 高橋氏は、新型コロナ感染症拡大の影響で家賃の支払いが困難になった人々への支払い猶予や減免の処置を取るべきだと主張。「2月分の家賃の猶予を申し出たが、拒否されたという話も出ている。機械的な対応がされているのではないか」と追及しました。

 URの里見晋理事は「個別の事情に応じて家賃の支払いを猶予している。改めて現場に周知したい」と説明しました。

 高橋氏は、コロナ問題で住まいを失った人たちへのUR住宅入居あっせんも重要だと強調。里見氏は「厚生労働省の住居確保給付金の支給を受ける場合に、収入要件の特例を設ける等して受け入れる」と答えました。

 高橋氏は、「住まいは人権」「憲法25条に基づく健康で文化的な生活の基盤」という点での国土交通相の認識をただしました。赤羽一嘉国交相は「憲法25条で保障されている人間の尊厳は守られるべきであり、そのベースは住宅・居住だ」と答弁しました。

 高橋氏は、ミニバスに対する特定被災地公共交通事業の定額補助が来年3月末に期限を迎えるとして「地域公共交通維持のため、定額補助期間の延長が必要だ」と訴えました。

 国交省の瓦林康人大臣官房公共交通物流政策審議官は「地域の実情を把握して、しっかり対応していきたい」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2020年4月16日付より)

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは一般質疑ですので、この間、通告しながらできなかった質問も含めて、質問させていただきたいと思います。
 最初に、祭りをどう見るかという問題です。
 緊急事態宣言が出た翌日の八日、私の地元青森のねぶた祭りの中止を実行委員会が決めました。今のような大型の形になったのが一九五八年、それ以来のことで、初めてのことで、実行委員会は、安心、安全にやり切れる根拠はないとして中止を決めました。昨年の集客数は二百八十五万人にもなる本当に大きな祭りでもあり、ホテルやらツアーやらさまざま波及するという、全産業どれだけあるのかということがまだちょっと想像つかないくらいの事態だと思っています。
 また、その後、仙台七夕や秋田の竿燈祭りなども相次いで中止を決めて、東北三大祭りが中止ということになっておりまして、委員の皆さんの地元も含めほかのところでも、当然広がっていく、決断を迫られるということになるのではないかと思うんですね。
 さっき、全会一致で決めたと言ったんですけれども、本当にどんなに悔しいかと思うんですね。もしかしたら、八月というのはひょっとしたら収束しているかもしれない、でもそこになってから決めるわけにはいかなくて、今からもう準備をしていかなきゃいけないし、既に発注しちゃっているところもいっぱいあるんですね。そういう意味では、今決断をせざるを得なかったという意味では、本当に関係者の皆さんの悔しい思いに応えていきたいな、こういうふうに思っております。
 祭りという、地域にとって、人々にとってなくてはならないもの、観光というくくりだけでは言えないかもしれないんだけれども、ただ、これを中止せざるを得なかった、このことによる影響をどう見るのかということと、やはり、既存の制度、枠組みでは対応し切れない新たな支援の仕組みが必要じゃないか、このように思うんですが、大臣の認識を伺いたいと思います。

○赤羽国務大臣 今回の新型コロナウイルスの感染症の結果、今御指摘の東北三大祭りを始め、全国各地で観光イベント、大型イベントが中止になったり延期となっておりまして、大変大きな深刻な影響が出ているのはもう御指摘のとおりであります。
 加えて、私も東日本大震災の福島の原発事故の現地対策本部長を二年弱やらせていただきましたので、東日本大震災からの東北の復興の中で、やはり、この三大祭りを始めとする地域の祭りというのは、それぞれの地域の歴史ですとか文化を理解していただく本当に大変絶好の場、観光だけではなくて、そうした意味で大変意味のあることだというふうに思っておりまして、このことはこれからも引き続きしっかりとした支援を講じていかなければいけないというふうに思っております。
 今回、令和二年度の補正予算に、実は、観光イベントを磨き上げた上で実施するということを支援するための、誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成、何か全然事業の名前は違うんですけれども、これは百億前後を積むことにしておりまして、具体的には、外部専門家と連携してアドバイスすることなどを通して地域のイベントの魅力を向上させるですとか、そうした場合はその実施費用を支援させていただく、また、そのプロモーションもしっかりこれを使っていただくということ、そうしたことも用意しておりますので、東北三大祭りを始め、そうしたこともぜひ利用していただきたいと考えております。
 また、加えて、その時期に、きょうの委員会でもいろいろ出ておりましたが、ゴー・トゥー・キャンペーンの、大型の需要喚起策、このこともうまく使っていただいて、全国各地の観光地を元気にしていくことをしっかり取り組んでいきたい、こう決意をしておるところでございます。

○高橋(千)委員 今お話ししてくださったことは、それ自体は、磨き上げ、それも、いろんなことをやらなきゃいけないので確かにありがたいなと思っているんですね。
 やはり、今、既存の制度ではなくと私言ったのは、既存の制度だとどうしても、今売上げが減っている、これからやめるんだから減るのは決まっているんだけれども、そういう仕切りではなかなか補助の仕組みはつくれないですよね。そういうことも含めて新しいことを考えてもらいたい。
 ただ、魅力アップではなくて、魅力あることはもうわかっているわけですよ、二百八十万人も集客するイベントなわけですから。それを本当にどう支援していくかといったら、例えば、バスは近県も回ってのツアーをやられているとか、ホテルだとか商店街、お土産、それから花見も中止になったので、出店の方たちはもう本当に困っています。
 資材がいっぱいあるわけですよね。いろいろ思いつくんだけれども、ただ、その思いつくだけで議論しちゃうと、もっといろいろな産業が実は絡んでいる、連携しているというふうに思うので、やはり、地元でいうと観光協会ですとか商工会ですとか、いろいろそれを束ねているところに行って委ねながら、今、連休明けに向けて要求をまとめているという、地元でもそういうことをやっていますけれども、行って委ねながら、直接、例えばグループ補助金の応用みたいな、大型のものみたいな、そうしたことを考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思っておりますが、もう一言、あったらお願いします。

○赤羽国務大臣 余り頭がよくないので、にわかに理解しているとはちょっと思えないんですけれども、そうしたことも踏まえて、今、ゴー・トゥー・キャンペーンのパッケージというのは、地域全体が底上げできるようなふうに使っていただけるような柔軟性も持って仕組みづくりを考えていかなければいけないかなと思っております。
 今まだ詰めている段階なので、きょうの意見もしっかりと受けとめたいと思っております。

○高橋(千)委員 きょうは認識を共有することが目的でございましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、先週、コロナの影響で仕事を失った方、減収になった方、派遣切りで住まいごと失った方、そうした方への住まいの確保について質問いたしました。その続きで、今、全国七十二万戸あるというUR、都市再生機構の公団住宅についてもお聞きしたいと思います。
 きょうは機構の方から来ていただいているわけですが、同じように、コロナの影響で家賃の支払いが困難になった方に、UR住宅は家賃の支払い猶予や減免をするべきだと思いますが、どのようにされますか。

○里見参考人 お答えいたします。
 新型コロナウイルスの感染症の拡大に伴いまして、今後生活にお困りになるお客様の居住の安定を確保することは、我々UR、都市再生機構にとっても大変重要なことと認識しております。
 私どもとしましては、これは従来からやっていることでございますけれども、家賃のお支払いが困難となった方につきましては、個別の事情に応じまして、行政の福祉窓口の紹介、そして、御指摘のございましたような家賃の支払いを猶予した上で家賃の分割払いの御提案をさせていただくなど、必要な配慮を行いながら対応しているところでございます。
 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に当たりましても、これまで以上に丁寧に対応するよう機構内で指示をしているところでございます。
 今後とも、お客様の立場に立ちまして、支払い家賃の猶予、分割払い等の御相談に丁寧に対応してまいりたいと考えているところでございます。

○高橋(千)委員 まず、今、従来どおりやっているというお話だったんですけれども、実際そうなっていないから要望がいっぱい出ているんだと思うんですね。
 昨日も、西日本のUR団地にお住まいの方からメールが来ました。やはり、コロナの影響で、イベントに関係している仕事をしているものですから、三月、四月、丸々収入がゼロになって、二月分の家賃の猶予をURに申し出たんだけれども、あっけなく拒否をされた、あげく、おくれればその分の延滞金利まで乗せて請求する、そういう言われ方をしたと。やはり現場ではこうした機械的な対応がやられているのではないかと思うんですね。
 公団自治協からも同様の相談が来ておること、既に機構にも要望が届けられていると思いますけれども、こうした、家賃のまず猶予を求めていることに対してちゃんと応えていくのか、そして、それが全体の方針だけれども、現場がそうだというのであれば現場に徹底すること、このことを伺います。

○里見参考人 お答えします。
 確かに我々としてもきちっと指示をしたつもりでございますが、もしそういうことが起きているということであれば、改めまして、強く現場の方にも改めて周知をしたいと考えております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。周知をしたいということでしたので。
 やはり、この方はわかっていて二月分というお願いをしているわけですよね。現実的にそういうことが各地でも起きて、とりあえず、ずっと払わないと言っているんじゃなくて、今ここだけこらえたいからお願いしたいと言っている方に対して、しっかりとそれを認めていただくということでお願いしたいと思います。
 やはりもう一つ、さっきお話の中で、分割払いもできるという話があったんですけれども、ただ、分割払いして、例えば六万を一万ずつ払うといっても、毎月毎月家賃は発生するので、たまっていっちゃうわけなんですよね。そうすると、本当にこの家賃では払えないんだという実態がある場合に、減免制度がやはり必要だと思うんですね。
 都市機構法の二十五条四項に、規定の家賃支払いが困難と認められるものという規定と、災害その他の特別の事由が生じた場合ということがあります。そうすると、今まさに特別の事態である、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。

○里見参考人 お答えいたします。
 家賃の支払いが困難となった方に対する家賃減額というお話でございますけれども、我々、機構法、確かに減免の規定もございますが、一方で機構法では、近傍同種家賃を基準とする、市場家賃を原則とするという規定もございます。
 そういう機構法の趣旨、あるいは、低額所得者を入居対象として低廉な家賃で住宅を供給しております公営住宅、これとの役割の違い、あるいは現在ほかにもいらっしゃる民間の賃貸住宅の居住者の方との公平性、あるいは我々の有利子負債削減というような健全な経営の確保等を踏まえますと、家賃の減免ということにつきましては、現在、国の支援もいただきながら高齢世帯の方を対象に既に実施しているものもございますけれども、現時点でなかなかそれ以上の実施というのは難しいのかなと考えているところでございます。

○高橋(千)委員 今、確かにあるがというふうにおっしゃいました。ある以上は使ってもいいのだ、そういう場合もあるのだということで、確認したいと思います。

○里見参考人 これは、法律の問題というよりは、どういうふうに対応するかというお尋ねでございますので、我々といたしましても、今回のコロナウイルスの感染の拡大で支払いの困難な方がふえている事態に対しまして、政府で各種とられている対策あるいは取組なども踏まえつつ、適切に対応を検討すべき問題ではないのかなというふうに考えているところでございます。

○高橋(千)委員 急に政府の責任になってしまったのかなと思いますが。
 公営住宅との役割の違いなどもおっしゃいました。やはり公営住宅を補完する役割があること、それから、住宅セーフティーネット法に位置づけられたのは二〇〇七年のことでありまして、弱者に対する住宅セーフティーネットとして位置づけるとなっているわけですから、そうすると、家賃低減事業というのも、先週、私、ここで質問したわけですけれども、当然対象になると思いますので、規定もあり、かつ政府としてもそういう方向であるということを踏まえていただきたいなと思います。これは後で大臣にも考え方を伺いたいと思います。
 それで、続けますけれども、二〇一七年の全国公団自治協の調査では、世帯主六十五歳以上が六八・四%、七十歳以上は五五%に当たって、七割が年金受給世帯であるということです。同じく、七四%が公団住宅に住み続けたいと答えていること、だから、家賃値上げや収入の減少で家賃が払えなくなっている、そういう悩みが一番多くて、六三・六%ということであります。ただ、一方では、公団の方で、建てかえ、集約、売却などで進めているため、十万戸を減らすという計画があると思うんですが、移転を求められている、これが四割、答えているわけですね。
 やはり、最初に御答弁の中でもあったと思うんですが、高齢者に優しい住宅という役割もあるわけでありまして、こうした実態を踏まえた対応をしていく必要があるんじゃないかと思います。
 それで、具体的に聞きますが、URは今、家賃滞納もふえて、明渡し要求や孤独死なども問題となっています。最近の家賃の滞納や退去の実績について、お答えください。

○里見参考人 当機構の賃貸借契約におきましては、家賃等の滞納が三カ月以上となった場合に契約解除となる旨を約定しておりますので、三カ月以上の滞納という件数についてお答えをさせていただきます。直近三カ年で申し上げますと、平成二十八年度が約四千三百件、平成二十九年度は約三千八百件、平成三十年度におきましては約三千件と減少傾向となっております。
 また、家賃滞納に伴う法的措置により明渡しを求めて退去に至った実績につきましては、平成二十八年度が約二千百件、平成二十九年度は約二千件、平成三十年度におきましては約千九百件と減少傾向となっているところでございます。

○高橋(千)委員 今、ざっと数字を言ってもらったわけですが、家賃が、確かに規定上、三カ月で明渡しというふうなことになっているわけですよね。ただ、柔軟に行政サービスに結びつけるとか個別に相談するとおっしゃっていたんだけれども、滞納した方の人数と、その半分くらいは明渡しというふうなことになっているということが事実だと思うんですね。非常に厳しい数字ではないかと思います。
 その中で、やはり孤独死あるいは孤立死と言われるような状態が、二百件前後、毎年あるということも極めて厳しい状況ではないか、このように指摘したいと思います。
 それで、今度は、コロナで住まいを失った方への入居のあっせんについてどのように考えているか、お伺いします。

○里見参考人 お住まいを失った方に対してURとしてどう受けとめるかということでございますが、リーマン・ショック後に制度ができたわけでございますが、解雇などにより住宅の退去を余儀なくされ、UR賃貸住宅に新たに入居されるような方につきましては、住居確保給付金、これは厚労省の制度でございますけれども、住居確保給付金の支給を受ける場合に、収入要件の特例を設ける等の対応をして受け入れるという制度が引き続きございますので、そういうものを改めて周知しまして、御相談を受ける体制を整えておるところでございます。

○高橋(千)委員 その点もぜひ周知を、わかるようにお願いしたいなと思っております。
 それで、今度は国交省に伺います。
 総務省の二〇一八年一月の、公的住宅の供給等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告というのが出されております。
 これは、二〇〇六年の住生活基本法に基づき、「都道府県が策定する都道府県住生活基本計画において、区域内における多様な住宅困窮者の居住の状況や、民間賃貸住宅の需給状況等を踏まえ、公的な支援により居住の安定の確保を図るべき世帯の数を的確に把握した上で、必要な公営住宅の供給の目標量を設定する」ということになっているわけですけれども、「その際、区域内に存する公営住宅以外の公的賃貸住宅ストックの活用も図ること」として、そういうのを全体的にわかった上で計画をつくるんだと。当たり前のことだと思うんですね。そのときに、UR賃貸住宅も公的賃貸住宅計画に位置づけられているということは明記しています。
 その上で、調査した十五都道府県のうち、URの公団住宅について、管理戸数は提供されたものの、空き家募集戸数が経営上の理由から提供されず、その活用想定戸数を独自に想定して、いわゆる想像して書くしかなかったという指摘があるんですね。
 国交省に対して、URに対し、都道府県による公営住宅の供給目標量の設定に向けた確実な情報提供についての協力を要請することと勧告をしています。
 国交省はどう動いたのか。大臣も直接要求を受けたりしていると思うんですが、公営住宅を補完する公的賃貸住宅としてのURの役割をどう考えるのか、情報提供を求めていくべきだと思いますが、見解を伺います。

○赤羽国務大臣 今御指摘のあった総務省からの勧告を受けまして、国交省として、都市再生機構に対しまして、都道府県による公営住宅の供給目標量の設定に向けた情報提供の依頼等があった際には適切に対処するよう要請をしたところでございます。この勧告後、地方自治体からの情報提供要請に対して、URは全て回答していると承知をしております。
 国交省としては、引き続き、必要な協力を行うよう指導してまいりたいと思っております。

○高橋(千)委員 全て回答しているということでしたが、そうしたら住民にもわかるようになっているんでしょうか。

○眞鍋政府参考人 今大臣が御答弁したように、地方公共団体からの要請に応じて、UR、都市再生機構の方から情報提供をしてございます。
 住民に対する御説明については、地方公共団体の方で、それぞれ公営住宅の供給目標を策定する際にどのような取扱いになるのかということで、独自で御判断いただいているものだと思います。

○高橋(千)委員 なるほど。独自でということですね。
 そうすると、計画のときは確かにこの数が上がってきているかもしれないけれども、そこが表には見えてこないので、こうした質問をさせていただきました。
 重ねて、情報提供について住民に対してもお願いをしたい、ただ、勧告を受けてすぐ動いてくださったということは評価をしたい、このように思います。
 それで、二〇一七年四月の住宅セーフティーネット法の審議の際に、我が党の本村伸子議員の質問に対して石井啓一前大臣は、公営住宅は、住宅に困窮する低額所得者の居住の安定を確保する住宅セーフティーネットの根幹をなすものというように答えていらっしゃいます。地方公共団体が地域の実情を踏まえて必要な公営住宅を整備できるよう、引き続き、社会資本整備総合交付金、これは何でもいいんですが、支援を行ってまいりたいという答弁をされているんですね。
 このときの附帯決議にも、「本法による住宅セーフティネット機能の強化とあわせ、公営住宅をはじめとする公的賃貸住宅政策についても、引き続き着実な推進に努めること。」というふうに決議がされております。
 公営住宅法第一条あるいは住生活基本法第六条に照らしても、住まいは人権、住まいは憲法二十五条に基づく健康で文化的な生活にとっての基盤だと思います。
 この点での大臣の認識を伺うとともに、公営住宅について、これからも建設も含め必要な供給を進めていくべきと思いますが、いかがでしょうか。

○赤羽国務大臣 石井前大臣が御答弁されたように、公営住宅は住宅セーフティーネットの根幹であるということは私も全く同感でございます。
 また、住まいは人権、社会保障の基盤ということ、今おっしゃられました。
 私は、二十五年前の阪神・淡路大震災で、数多くの兵庫県民、被災者が住宅を失い、また、その結果、全く縁のなかった土地で、小さな仮設住宅で、新しいコミュニティーの中で生活をせざるを得なかった、そうした苦難を、私も被災者の一人でありますので、似たような状況で被災生活をしました。そのときに思ったのは、やはり被災者であろうと、憲法二十五条で保障されている人権というか人間の尊厳というのは守られるべきだということを私はそのときに強烈に思ったわけでございます。
 その人間の尊厳を守られるベースはやはり住宅、居住だというふうに思っておりますので、今、高橋委員からも言われておりましたが、住宅に困窮する方々の居住の安定の確保のために、公営住宅というのはセーフティーネットの根幹であるというふうに承知をしております。
 現在、地方公共団体において、公共団体もそれぞれ行財政の状況も大変厳しいわけであるのと、公営住宅のストックも相当老朽化も進んでおりまして、その改修ですとか建てかえも鋭意進めていただいているところでございます。
 国としても、社会資本整備総合交付金等を利用しながらしっかりと支援をするということと、加えて、重層的な住宅セーフティーネットを構築するということが重要でありますので、公営住宅はもとより、先ほどるるやりとりがありましたURの賃貸住宅等の公的賃貸住宅ですとか、住宅セーフティーネット法に基づいて登録されております住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅、また、サ高住等々の民間の力もかりながら、しっかりとした住宅セーフティーネット機能の強化を図っていきたい、こう決意をしております。

○高橋(千)委員 大臣から心のこもった答弁をいただきました。
 今、この最後のところにURについてもというふうに言っていただきました。昨年の公団自治協の決起集会のときに、その直前に赤羽大臣に会ってきましたよということで、大臣がしっかり受けとめていただいたということで皆さんが期待をしておりますので、こんなときに追い出しされるような方が実際に起こっている、これはもうあってはならないことでありますので、本当に尊厳が問われる事態が実は起こっているということを受けとめていただいて、しっかりとお願いしたいし、きょうせっかく機構からも来ていただいていますので、重ねてお願いをしたいと思います。
 残った時間で、きのうやり残したことで、地域交通のことをもう一回質問したいと思います。
 二〇一一年、地域交通の補助事業がちょうど始まった年でしたけれども、東日本大震災があって、私が、瓦れきの中でもミニバスなら走れるということで被災地の特例を求めました。
 その後、特定被災地域公共交通調査事業という名目で、三千五百万円から最大六千万円の段階があって、定額補助ということで制度がつくられました。その三千五百万と六千万、四段階くらいあるんですが、その差は何かというと、立ち寄る仮設住宅がどれだけあるかということで決まったわけであります。三年の期限とやっていたものがずっと延長していただいて、来年三月末が、つまり今年度末が期限となっているわけです。
 仮設住宅はほぼなくなってきたわけですが、実際には、公営住宅やあるいは高台移転で、本当に、路線バスから外れ、ほかにマイカーがなければ通えないような、そういう条件も新たに生まれてきているんですね。やはりそれに応えて延長していくべきだと思っております。
 現在の実績と、それから、特に避難解除を順次行ってきた福島などは今後も必要だと思いますが、今後の延長、拡充に向けて答弁をお願いします。

○瓦林政府参考人 お答え申し上げます。
 地域公共交通確保維持改善事業の被災地特例の実績につきましては、地域内コミュニティーバス等の運行につきまして、補助対象の自治体数といたしましては、これは先ほど委員御指摘のとおり、応急仮設住宅が令和元年九月時点で六百程度になっているということなどもございまして、最大時は、平成二十七年度、三県三十二市町村、二百二十系統でございましたが、令和二年度現在は、福島、岩手両県の五市町村、そして系統数では二十八系統となってございます。
 今後につきましてでございます。被災地の方々に寄り添って、どういうふうな形で足を維持していくか。公営住宅になりました場合につきましては一般会計の方の補助ということでやっておりますけれども、いろいろな特例もございますので、それも活用しながらどのようにやっていくか。これは運輸局も通じまして、地域の実情を把握しながらしっかり対応してまいりたいと考えてございます。

○高橋(千)委員 時間になりました。
 これはぜひ、今実情を踏まえながらとお答えいただきましたので、実態はまだまだ必要とされておりますから、これに応じていただいて、延長してやっていただきたいということを強く要望して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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