国会質問

質問日:2020年 4月 14日 第201国会 国土交通委員会

地域公共交通活性化再生法等改定案 修正案趣旨説明

ー議事録ー

○高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表し、持続可能な運送サービスの提供の確保に資する取組を推進するための地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案について、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。
 地域住民の足、移動を支えてきた路線バスは、この十年間で一万三千キロが廃止され、地域鉄道は、二〇〇〇年以降、全国で八百九十五キロ、四十一路線が廃止されました。鉄道もバスもない交通空白地の面積は日本全体の三割にも及びます。モータリゼーションが進行するもと、規制緩和政策によって加速された地域公共交通の衰退は、住民の生活に深刻な影響を及ぼすとともに、人口流出を加速させ、大都市と地方の格差拡大に拍車をかけています。
 国、自治体が、住民の移動する権利を保障して、全国で取り組まれているコミュニティーバス、ディマンド型タクシーなどを思い切って支援し、地域公共交通活性化、再生へ本格的に踏み出すことが今ほど求められているときはありません。
 地域公共交通のマスタープランとして地域公共交通計画の作成を地方自治体の努力義務とするなど、国、自治体の関与を強めることは必要なことです。
 しかしながら、道路運送法の改正のうち自家用有償旅客運送の運送対象の追加及び事業者協力型自家用有償旅客運送の新設については、旅客運送事業の根幹である利用者、運転従事者の安全性確保等に重大な懸念が拭い切れません。
 自家用有償旅客運送は、第二種運転免許のない者が運転して料金を取るいわゆる白タク行為に当たることから、運送対象や運送地域について厳しい制限が設けられています。今回の改正は、対象や地域の限定を事実上なくすことにつながり、もともとの自家用有償旅客運送制度を変質させ、際限ない白タク行為の拡大に道を開くものであります。
 交通空白地等の地域公共交通を維持、再生するために必要なのは、自治体等が主体となり、安全性確保を最優先に、通常の運送事業として運行を実施することです。
 こうした理由により、自家用有償旅客運送の運送対象の追加等の改正部分を削除する修正案を提出します。
 以下、修正案の主な内容について説明します。
 第一に、道路運送法改正のうち、自家用有償旅客運送の運送対象の追加に係る部分及び事業者協力型自家用有償旅客運送の新設に係る部分を削除することとします。
 第二に、その他所要の規定の整理を行うこととします。
 以上であります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げ、修正案の趣旨説明とさせていただきます。

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