GoToトラベル/補正予算案ただす/住宅確保待ったなし/家賃減免迫る
高橋千鶴子議員は10日の衆院国土交通委員会で、政府の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策と補正予算案についてただし、「今困っている人に直接すぐに届く支援を」と迫りました。
補正予算案には、1兆3500億円もの規模で、感染収束後に旅行商品を購入すると、その半額、最大2万円のクーポンを付与する事業が盛り込まれています。
高橋氏は「7割も売り上げが減り、観光業者は生き延びることも難しい」と批判。収束後に使える予約商品券を今購入してもらう制度への転換を求めました。
赤羽一嘉国交相は、慎重に判断する必要があると述べつつ「ご意見として承る」と答弁。高橋氏は「“今”を励ますことが大事だ」と重ねて求めました。
(「しんぶん赤旗」2020年4月12日付より)
高橋千鶴子議員は10日の衆院国土交通委員会で、新型コロナウイルス感染症の影響による失業や派遣切りで、住居を失う労働者が出ているとして「住まいの確保は待ったなしだ」と緊急の対応を求めました。
高橋氏は、公営住宅について、家賃の減免や住まいを失った人の入居あっせんを行うべきだと訴えました。
国交省の眞鍋純・住宅局長は、収入が減り家賃滞納中の入居者への支払い猶予・減免を地方公共団体に要請し、入居要件の弾力化等も求めたと答弁。住宅確保に配慮がいる高齢者等の入居も拒まない「セーフティネット住宅」の家賃低廉化に対する補助を、緊急経済対策に盛り込んだと述べました。
高橋氏は、「住まいの確保と家賃の補助は一体だ」と述べ、各省の連携を強化した取り組みを求めました。
(「しんぶん赤旗」2020年4月12日付より)
ー議事録ー
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
緊急事態宣言が出されてから三日目になりましたが、感染者が日々広がっております。休業を要請する事業者が国と東京都で意見が一致しないというわかりにくい状況がありましたけれども、その根っこはやはり補償だと思います。
補償を渋るために休業を強く求められないのだとしたら、感染を封じ込めることができません。経営難や仕事を奪われるという大変な犠牲を払って休業に従っている人たちの苦労を無駄にしてしまいます。自粛と補償は一体で、政府の、絶対に封じ込める、そのために休業補償に責任を持つから休んでほしいという明確なメッセージを求めていきたい、このように思っております。
そこで、まず、国交省所管の業界がコロナでどのような影響を受けているのでしょうか。国交省がつかんでいるのはどんな業種か、また、そのうち観光関連について具体的に伺います。
○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省におきましては、アンケート調査や聞き取り調査等によりまして、新型コロナ感染症による所管の各業界における実情の把握に努めているところでございます。
現時点で、宿泊業、旅行業、貸切りバスといった観光、運輸業界におきましては、大変厳しい影響が出ているものと認識しております。
具体的には、三月三十一日時点におきまして、宿泊業につきましては、予約が七〇%以上減少と回答した施設が、二月の約二%から、四月は約七割まで大幅に増加する見込みでございます。
旅行業につきましては、中小事業者で見ると、三月の予約人員は前年同月比で七四%減、四月は七〇%減と、ともに大幅な減少の見込みでございます。
貸切りバスにつきましては、運送収入が七〇%以上減少と回答した施設が、二月の約二%から、三月以降は約八割に急増する見込みでございます。
タクシーに関しましては、前年同月比の輸送人員が、三月は約四割減、四月は約五割減となる見込みでございます。
今後も更に減少が続く可能性が高く、経営に極めて大きな影響を与える深刻な状況であると受けとめております。
また、建設業界に関しましては、民間建築工事におきまして一部設備機器や建築資材の納入におくれが生じた影響が出ているものの、現時点では新型コロナウイルス感染症による深刻な影響は出ていないものと認識しておりますが、今後の民間投資の落ち込みなどを懸念する声もございます。引き続き、状況をしっかりと注視してまいりたいと考えております。
国土交通省といたしましては、引き続き、新型コロナ感染症による所管業界への影響等の状況把握に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
七日に緊急経済対策と二〇二〇年度補正予算案が発表されました。五つの柱があるんですけれども、一つ目の感染拡大防止策と二つ目の雇用の維持と事業の継続、ここには国交省の予算がないということであります。もちろん、きょうずっと出ていますように、各種給付金や資金繰り支援などは、厚労省や経産省のメニューあるいは総務省の臨時交付金、こうしたメニューがあることは理解をしておりますが、本当にそれだけでよかったんでしょうか。
例えば、先月視察したはとバスは、プラズマクラスターイオン発生装置を装備しておりました。みんなでバスに乗り込んで録画を見せていただいたわけですが、バルサンをたいて真っ白になった車内をエアコンを入れるだけで九分でもとに戻すという録画を見せていただきました。また、実際に座席を一つ一つ消毒するなど、大変な苦労をされていたんですけれども、そのときにバス協会として要望されていたのは、統一的な車内の消毒作業方法などの基準を示してもらいたい、これによって、事業者の行う消毒作業が十分に効果的であることを示すことができるようにしてほしいというものでありました。
これについてのお考えを伺いたいのが一点と、また、もし、これはバスに限らないんですけれども、そうした感染予防対策で設備導入や改修などが必要になった場合、こうしたことに対しても本来支援をしていくというのが必要だと思いますが、伺いたいと思います。
○赤羽国務大臣 まず最初の一次補正予算に関しましては、今高橋さんおっしゃっていただきましたように、バス、タクシーにおける感染予防対策を含めた公共交通機関における感染症対策を推進する費用を盛り込むことを検討しています。これが一つです。
また、バス事業者については、現在、エアコンにより外気を導入することですとか、乗客降車後にドア、窓を開閉して換気する対策に加えて、除菌シートで手すり、つり革、肘かけ等を清掃することなど、車内消毒に自主的に取り組んでいただいていると承知をしております。
バス協会からは、こうしたバス事業者の行う消毒作業が十分に効果的であるということを周知していただきたいという要望が当省にもありますので、バス事業者の皆さんは車内消毒をしているということをしっかり国交省のホームページに掲載することといたします。
消毒のガイドラインというのは、今やっていただいているので十分だと思いますが、より精緻なものをということになりますと公衆衛生上の知見が必要でありますので、厚生労働省に情報提供、これはもう依頼をしているところでございますので、その結果を待ちたいと思っております。
以上です。
○高橋(千)委員 今、予算を検討しているということを明確にお答えいただきました。ありがとうございます。
自粛と補償は一体と我が党も訴えてまいりましたし、全国知事会なども要望している、今や大きな声になっていると思っております。
七日の衆参議院運営委員会での質疑で、総理はこのような答弁をしておりました。例えば飲食店等々についてそういう、要するに休業要請をしたとすると、飲食店そのものだけではなくて、そこに仕入れをしている人たちもこれは当然大きな影響を受けていくわけであります、だから要請された人だけに補償することはできない、こういう答弁だったわけです。
私、関連業種がさまざまあるという認識自体は大事だと思うんです。学校が休んだときに、例えば給食の食材を納入している業者とか輸送している業者だとかさまざま関連しているのに、子供を持つ保護者への支援しかできていなかった、そういうところに政府が気づいてくれたんだとするならば、私は、これは歓迎すべきことであって、それに合わせた仕組みをちゃんとつくっていくということが必要なのではないかと思うんですね。
今回の二百万円あるいは百万円の事業者支援、あるいは一世帯三十万円という支援が実際に必要とされるところとうまくかみ合うのか、これは見ていかなければならないと思うんですね。
例えば、国交省所管の業界でいいますと、建設業。最初の答弁ではまだ影響は余り出ていないなどということが言われておりましたけれども、一人親方が多い、多重下請構造の中で救済の道があるかという問題や、きょう随分出ておりましたタクシー運転手の方は、休業はしていないんだ、でもほとんど売上げがなくなった、固定給があるので、歩合制の部分のところはほとんどなくなっちゃっているんだけれども、半減とまでは当たらないということなんですね。
ちょっと聞いてみたら、六万の、一日の分が二万円になって三分の一だとか。そうすると半分ではないわけなんですね。五時間空で走っていたとか、あるいは、大手のタクシー会社は、都内の話ですけれども、交互に一定期間をまとめて休ませる、だけれども、そうすると六割しか出ないので、到底これはやっていけないなというふうな、こうした深刻な声が出ております。
国交省の所管する業界の特徴というんですか、業界の特徴と実態をつかんで、今回の制度が合わなければ、合うような制度を提案していくということが必要だと思いますが、大臣に伺います。
○赤羽国務大臣 今御指摘の一人親方とかタクシーの運転手というのは、多分いわゆる弱い立場にいらっしゃるというふうに思います。ただ、一人親方とタクシーというと、立場が少し違うと思っております。
まず、建設業につきましては、感染拡大に伴う工事の一時中止などによりまして、経営基盤が脆弱な下請建設企業に追加費用の発生等のしわ寄せが生じることのないように対応しなければいけない、こう考えて、そうした対応をしているところでございます。
また、国交省としても、下請契約においても、工期の見直しまた一時中止の措置等を適切に講ずるとともに、適正な請負代金の設定及び適切な代金の支払い等を行うなど、元請と下請の間の取引の適正化、これはもう法律もつくっていますので、このより一層の徹底に努めるように求めているところでございます。
加えて、一人親方の場合、今週七日の緊急経済対策において、多分、個人事業主として対象としている、給付金の制度の創設ですとか納税の猶予の特例などが対象となるところだと思いますので、そうしたことについても周知をしていきたい、こう考えております。
他方、公共交通機関であるタクシーの運転手さんにつきましては、これは公共交通なので、雇用をしっかり維持してもらいたい、こう思っております。
確かに、歩合制の賃金の部分があって、日ごろから運転手さんの収入自体大変な状況であるということはよく承知をしておりますが、雇用を切ってとか、ちょっと、先ほど質問のやりとりもありましたが、偽装的なところというのは感心しませんので、こうしたことが起きないように、雇用調整助成金を始めとする支援策がしっかり活用していただけるように、関係省庁とも連携しながらしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
雇用調整助成金について、他省庁の所管ですけれども、いろいろなヒアリングをしますと、やはり申請が難しいとか時間がかかるといったことも指摘をされておりますので、政府の一員として、厚生労働省等、しっかりと検討をお願いしていきたい、こう考えておるところでございます。
国交省は大変所管の広い分野でありますので、立場的に弱い方も少なくないと承知をしておりますので、できるだけ寄り添いながら、この難局を乗り越えられるように、最大の努力をしていこうと決意をしておるところでございます。
○高橋(千)委員 大事な答弁をしていただいたと思います。
制度の中で、しっかりと守らせることで逆に労働者を守っていく、一人親方も守っていく、そういうふうなことができるということを大臣におっしゃっていただいたので、そこはそこでしっかりやっていただいて、もしかしたらいろいろな給付金、納税猶予を使えるんじゃないかと思っていても、周知されていなかったり、どこかが突っかかっていたり、半分のところがひっかかったり、そういうことがありますので、よく見ていただきたいということを重ねてお願いをしたいと思います。
資料の一枚目は、七日に決定した改正基本的対処方針の中で示された事業の継続を求める事業者の一覧であります。
やはり、医療が必要だよね、介護などの福祉が必要だよね、そして、国民の安定的な生活の確保としていろいろなインフラや食堂や金融やというふうなところが出てきて、社会の安定の維持という点で、今言ったような交通、輸送などが本当に大事だよねということで入っていると思うんですね。ですから、社会を支える役割を果たしながら、感染リスクを負いつつも実は減収になっている、こういうことにならないように、しっかりと捉まえていただきたいということを重ねて述べたいと思います。
次に、資料の二枚目なんですが、補正予算の目玉ともいうべきゴー・トゥー・キャンペーン、一兆六千七百九十四億円、これが経産省の予算の中に、ゴー・トゥー・トラベルが観光庁の予算なわけでありますが、ただ、一兆三千五百億円と聞いていますので、これは自治体に対する臨時交付金よりも多い、大変な規模なわけであります。
それで、感染の流行が収束した後に、半年間などと聞いていますが、キャンペーンを打って、旅行商品を購入すれば、その半額、最大二万円のクーポンなどを付与するというキャンペーンなんですけれども、出口の見えない感染流行と、七割、八割売上減だと言われている観光業者にとっては、そこまで生き延びるかどうかが難しいわけですよね。なぜこういうメニューにしたんでしょうか。
〔委員長退席、工藤委員長代理着席〕
○田端政府参考人 委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症で、旅行業、宿泊業はもとより、バス、ハイヤー、タクシー、飲食業など全て、地域経済全体に影響が出ています。
そのため、まずこういう事業においては雇用の維持と事業の継続が喫緊の課題である、こう認識をしていますので、そういう認識のもと、雇用調整助成金の助成率引上げ、それから民間金融機関による無利子無担保融資の実施、また、いろいろな税制の支払い猶予とか延滞税の減免、あるいは中小企業に対する固定資産税の減免など、こういうもう一段強化した業種横断的な対策を盛り込んでいるところであります。
こういう対策をしっかりとるということがまず大事で、こういうことによって雇用の維持と事業の継続ということを図った上で、その上で、新型コロナウイルスの状況が落ちつき次第、間髪入れずに反転攻勢に転じていく、そういうことで、かつてない規模の観光需要喚起策、こういうことにしていきたいという中身であります。
具体的には、資料でも書いてありますように、観光需要をきちっと強力に喚起をするということ、V字回復の実現を図っていくという政策をここに取り込んで、入れているところであります。
○高橋(千)委員 大臣にこれは提案として質問いたします。
V字回復ということをずっと大臣もおっしゃってきたわけなので、言いたいことはよくわかるんですね。ただ、今言ったように、まだ出口が見えないという中で本当に生き延びられるかということ、そこを励ましていくことが本当に大事なわけです。
そのときに、例えば、同じ企画だとしても、ちょっと考え方を変えて、今同じ旅行商品を買っていただく、それで、収束したら実際に旅行に行くんですよという予約をすることにすれば、今困っている観光業者の収入にもなり、かつ、収束後に集客が見通せる、そういう励ましにもなる、そういうキャンペーンというふうな形でやったらどうかなと思うんですが、いかがでしょうか。
〔工藤委員長代理退席、委員長着席〕
○赤羽国務大臣 今高橋さんのおっしゃっていることは、多分目の前のキャッシュをふやすという意味だと思います。そうしたことを一部の料亭がやっているというようなことも承知をしております。
この今回のキャンペーンは、全国津々浦々で地域の消費に結びつくように、地域の関係の皆様へどういう仕組みなのかというのを十分御説明をさせていただいて、幅広い関係者と丁寧に準備を進めるためには、やはり一定の期間が必要だというふうに考えております。
加えて、今、現状では、よく御承知だと思いますが、ほとんど旅行関係は予約が入っていないような状況でございまして、政府としても、国民の皆さんに今外出自粛を全面的に御協力いただくことを要請している段階で、なかなか、国交省が旅行を今キャンペーンする、始めるということは、国民の皆さんから理解が得られるかどうかというのは、これは大変ナイーブなというか、慎重に判断する必要があるというふうに思っております。
このキャンペーン自体も、収束をして間髪と言っていますが、具体的にその辺が一番難しいというふうに考えていますので、御意見は御意見として承って、このゴー・トゥー・キャンペーンのゴー・トゥー・トラベル・キャンペーン、このことをどういいものにするかというのはしっかりと検討していきたい、こう考えています。
○高橋(千)委員 最初に言ったように、予算の規模が物すごく大きいんですよ。だけれども、どのくらいかかるかわからない期間を乗り切った人だけがそのゴー・トゥー・キャンペーンが来るんだよというのではなくて、今励ますという意味で提案をしています。
これは実は、仙台市の商工会議所のアイデアを伺ったんです。売上げが落ちて本当に大変だという牛タン屋さんが、予約商品券、収束したら食べに行くよというので、一口二千円から十万円の形で、クラウドファンディングのような形になるんですけれども、募ったら、一日で百四十万円も集まったんだそうです。それだけ支えようとする人がいた。この発想というのを少し応用したらどうかなということを考えたんです。
今本当に困っている人たちに直接キャッシュが入る、同時に、この先、今頑張ったらお客さんが来てくれるんだというのが見えてくる、そういうことがいいのかなと思って提案をしましたので、一言述べさせていただきたいと思います。
それでは次に進みますが、コロナ肺炎を契機にリストラされた労働者が一千人を超えると発表がありました。更にふえていると思います。年度末に重なったために、直前に契約を短期に切りかえるなどして派遣切りされた労働者も多いんです。
七日のNHKクローズアップ現代でユニオンみえの取組が紹介されておりましたけれども、ここは、二〇一八年の末にシャープの日系外国人大量雇いどめがあって、私も国会で取り上げました。この人たちに、せめてマスクをつくるんだったらつくらせてという申入れなどもして、継続して支援をしているんですね。
ところが、そのユニオンにひっきりなしに労働相談がありまして、一昨日も、愛知県の自動車工場で百人弱のリストラがあった、コロナ切りで住まいを奪われ、中には、妊娠、出産、小さなお子さんを抱えた状態で身動きのとれないまま途方に暮れているなどという相談もあって、リーマン・ショックを上回る規模なんだという指摘がされております。しかも、リーマン・ショックのときと違って、一時避難するネットカフェも今はコロナだから休業しているんですね。だから、本当に、いきなり路上ということもあるんです。そういう意味で、住まいの確保は待ったなしだと思っております。
それで、大変申しわけないですが、厚労省にここだけ質問させていただきます。
通告の順番を変えておりますので、資料の6に飛ぶんですけれども、住居確保給付金、二〇一三年の生活困窮者自立支援法によって必須事業とされました。つくったときから私は、大変条件が厳し過ぎると指摘をしてきたわけです。離職者で六十五歳未満、若い人が自立して働くまでの短期的な支援であって、月二回以上ハロワに通い、職業相談を受け、自治体での月四回以上の面接を受けるというのが要件となって、今はコロナなので相談には行けない、それは認めてくれているわけですけれども。
制度をつくった当初の実績と法定化してからの現在の実績を伺います。その上で、緊急経済対策にある支給対象見直しによる支援の拡充がどういう中身なのか、そしてそれをどのくらい活用を図っていく考えか伺います。
○辺見政府参考人 住宅確保給付金の支給決定の実績でございますけれども、予算補助として開始いたしました平成二十一年度は約二万件、平成二十二年度は約三万七千件、二十七年四月に生活困窮者自立支援法において制度化されたところでございますが、平成二十七年度は約七千件、平成二十八年度が約五千件、平成二十九年度が約四千件、平成三十年度が約四千件という実績となっております。
この住宅確保給付金につきましては、四月七日の緊急経済対策におきまして支給対象の見直しによる支援の拡充を盛り込んだところでございますが、具体的には、現行、離職や廃業した方で住居を失うおそれがある方を支給対象としているところでございますが、現下の状況を踏まえまして、離職や廃業に至っていないが、こうした状況と同程度の状況に至り住居を失うおそれが生じている方についても対象とする予定でございます。新たに対象となる方々については、四月二十日から申請を受け付ける予定としております。
また、これらに必要な経費として、リーマン・ショック時における支給対象決定数等も踏まえまして、令和二年度当初予算に加えまして補正予算案に二十七億円を盛り込んでいるところでございまして、支援を必要としている方に適切に支援を行ってまいる所存でございます。
○高橋(千)委員 予算措置で始まったものが、法定化されると実績がぐんと下がっちゃったと。つまり、必要ないようになってしまったというんだったらいいんですけれども、実際は、私は、住居に困っている人たちというのはまだまだいると思っておりますので、今回、コロナ切りに対応して、離職と同程度の状況を踏まえながら、また、リーマン・ショックくらいの対応ができる予算をつけるというお話でしたので、これはぜひ活用していただきたい、使えるものにしていただきたいと思っております。
それで、その通知をつけていましたけれども、ちょっと時間の関係で飛ばします。
8を見ていただきたいんですが、社協が窓口になる緊急小口融資の紹介リーフであります。右側の上の方は主に休業された方向け。特例で二十万円、その他十万円以内。下は失業された方向けで、二人の世帯であれば最大月二十万円を三カ月ということで、無利子、無保証人。さらに、今回の特例措置では新たに、ちっちゃく下に書いていますけれども、償還時においてなお所得の減少が続く非課税世帯の償還を免除することができる。
これは非常に踏み切ってくれたなと感謝をしておりますが、さまざま制度がある中で最も早く手に入り、効果も期待できるのではないかと思っているんですけれども、どうでしょうか。
○辺見政府参考人 お答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、収入の減少等により当面の生活費が必要な方について、生活福祉資金貸付制度に特例を設け、従来の低所得者の要件を緩和し、償還時に所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができるなどとしたところでございます。
さらに、緊急経済対策におきまして、必要な貸付原資の積み増しとして三百五十九億円を計上したところでございます。
この特例貸付けにつきまして、必要とされる方々の相談をしっかりと受けとめて迅速な貸付けを行うことが重要と認識しておりまして、市区町村社協の中の他の部署からの応援職員の配置ですとか、社協の元職員の臨時職員の雇用による相談体制の強化、また、当座の生活費が手元になく生活が切迫しているケースにおける事務の前倒しによる貸付けの迅速化などを行っているところでございます。
こうした取組によりまして、支援が必要な方にスピード感を持って対応してまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 ありがとうございました。制度がさまざまできても時間がかかるというのがやはりあるので、まず当座をしのげるという点で活用していただきたいなと強く思っております。
厚労省はこれで退席していただいて結構です。大変お忙しいところ、申しわけありませんでした。
公営住宅について今度は質問したいと思うんですけれども、現在入居している方で離職や休業などを余儀なくされて家賃を払うのが困難になった方への支援策、それからもう一点は、コロナ切りで住まいを失った方への優先提供あるいは入居あっせんを行うべきだと考えますが、どのように取り組むでしょうか。
○眞鍋政府参考人 公営住宅における取組について御質問いただきました。お答え申し上げます。
公営住宅におきましては、これまでにも、やむを得ず家賃が支払えない状況にある世帯に対しては、各事業主体、つまり地方公共団体において、収入などの状況や事情を十分把握した上で、家賃の支払いの猶予あるいは家賃の減免の適用などの負担軽減策を講じてきたところでございます。
今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いまして、収入が減少し、家賃を滞納している現在の入居者に対しましても、家賃の支払いの猶予あるいは家賃減免の適用などの負担軽減策を講じるなど、適切に対応していただくよう、三月の二十三日に国土交通省から各事業主体に要請しました。
あわせて、これから公営住宅に入居を希望される方々もおいでになります。こういう方々のために、各事業主体が条例で独自に設定している入居要件の適用などについて弾力的な取扱いを要請した、またさらに、四月の七日には、一時的な利用のために公営住宅を目的外使用するときの簡便な手続についても示して、要請したところでございます。
以上のようなことで、公営住宅に対する対策を更に事業主体において取り組んでいただくよう、私どもも指導に努めてまいります。
○高橋(千)委員 今答弁いただいた通達については、資料の3につけておきました。家賃の減免というのは本当に大事なので、しっかりと対応していただきたいというふうに思っております。
それから、セーフティーネット住宅も今回緊急経済対策に盛り込まれていますが、具体的にどういう中身か、一言でお願いします。
○眞鍋政府参考人 セーフティーネット住宅についての御質問にお答えします。
高齢者、障害者、子育て世帯、低額所得者などのいわゆる住宅確保要配慮者の入居を拒まないものとして登録されているセーフティーネット住宅でございますが、今回の経済対策におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した住宅確保要配慮者の住まいの確保を図るために、要配慮者の一時的な収入減などに対しまして、セーフティーネット住宅の家賃低廉化に関する支援について、現行制度の同一入居者への補助総額を超えない範囲内で一定の柔軟な対応を可能とする、こういう制度にしたところでございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございました。
最後に、本当は大臣に住まいは人権についての認識を伺う予定でしたが、残念ながら時間が来てしまいました。
今いろいろな取組をしてくださっているんですが、いずれにしても、連携をうまくとって、やはり住まいの確保と家賃の補助と一体じゃないとだめだということもありますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思って、また次に譲りたいと思います。
ありがとうございました。