国会質問

質問日:2020年 3月 18日 第201国会 国土交通委員会

土地基本法改定案 衆院委可決

住民無視の土地利用/ハザードマップ活用を/改定案に高橋氏反対討論

 衆院国土交通委員会で18日、土地基本法改定案が採決され、日本共産党以外の賛成多数で可決されました。

 改定案は所有者不明土地の解消や災害対策等を目的に、土地の適正な利用と管理、円滑な取引等を盛り込むものです。

 高橋千鶴子議員は反対討論で「住民無視の再開発事業のような土地の高度利用を促進し、民間資本のもうけに奉仕する施策となる懸念がある」「所有者に行政の土地施策への協力義務を新たに規定することは認められない」と訴えました。

 高橋氏は質疑で、東日本大震災被災地などで地籍調査の経験がある職員が退職している問題を指摘し「経験を継承する観点で人材と予算確保へ国の支援を」と求めました。赤羽一嘉国交相は「必要な予算確保に努める」と答えました。

(「しんぶん赤旗」2020年3月24日付より)

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 新型インフルエンザ等対策特別措置法が十三日に成立しました。この点で、一点、大臣に質問したいと思います。
 第四十九条、特定都道府県知事は、当該特定都道府県の区域にかかわる新型インフルエンザ等緊急事態宣言の実施に当たり、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋又は物資を使用する必要があると認めるときは、当該土地等の所有者及び占有者の同意を得て、当該土地等を使用することができるとあります。
 問題は第二項で、前項の場合において土地等の所有者若しくは占有者が正当な理由がないのに同意をしないとき、又は土地等の所有者若しくは占有者の所在が不明であるため同項の同意を求めることができないときは、特定都道府県知事は、臨時の医療施設を開設するため特に必要があると認めるときに限り、同項の規定にかかわらず、同意を得ないで、当該土地を使用することができるとあります。
 極めて厳しい、財産権に踏み込む条文だと思います。特定都道府県が主語とはいえ、緊急事態宣言に基づく土地の使用を県単独で決めるというのは到底考えられないわけで、緊急事態宣言を行う政府の考え方と一体であるのではないかと思います。
 この四十九条二項の発動について、大臣の認識を伺います。

○赤羽国務大臣 今回の新型インフルエンザ等対策特別措置法につきましては、総理の答弁にもありますように、これはあくまで万々々が一の備えをするための法律でありまして、さまざまな私権を制限することとなる緊急事態の判断に当たっては、当然専門家の御意見も伺いながら慎重な判断を行っていくとの考えが示されておりますし、私もそのように思っております。
 また、同法五条では、「新型インフルエンザ等対策を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならない。」と規定されておりまして、その趣旨にのっとって、土地の使用も含め、私権等の制限に十分配慮して、適切に判断が行われるものと認識をしております。
 以上です。

○高橋(千)委員 万々々が一ということで、さまざまな私権を制限するということの問題意識を述べていただいたと思います。
 二〇一二年当時の内閣官房の質疑応答集によれば、今私が読み上げた条文の正当な理由について、それに応ずることが極めて困難な客観的事情がある場合に限られると。具体的には、対象となる家屋が老朽化等により使用に適さない場合、不能というそうですが、当該家屋において住民に対する予防接種を実施するなど他に使用することが決まっている場合、競合などが該当すると。
 つまり、正当な理由というのはこれだけなんですね。そうすると、本当に、問答無用の強力な権限行使にほかならないと思っております。
 本日議題の土地基本法には、第二条、「土地についての公共の福祉優先」がもともと書かれております。また、土地の収用や行政代執行という制度がもともとあります。しかし、あくまで財産権を守るという立場を貫きつつ、最後の手段と受けとめております。逆に、だからこそ、これ以上の強い条文は必要ないと思うんです。
 今大臣が紹介した特措法第五条で、必要最小限という一定の歯どめはあるものの、やはり発動すべきではないと思います。土地を所管する大臣として、閣内で適切に発言していただきたい。やはり、万々々が一でもまずないぞということで、役割を発揮していただきたいことは、これは要望にしたいと思います。
 さて、本題に入りますけれども、現行の土地基本法の基本理念は、バブル時代に制定され、地価が右肩上がりに上昇するというのが常識のような時代でありました。今回は、人口減少の中で、所有者不明土地などが焦点となっており、この三十年間で土地をめぐる状況は大きく変わったと思っております。
 そこで、現行法第四条、「土地は、投機的取引の対象とされてはならない。」この条文が残っている理由としてどんなことが考えられますか。

○青木政府参考人 お答えいたします。
 今お話ございましたように、現行の土地基本法が平成元年に制定されましたとき、これはまさに、投機的取引の抑制を始めとした土地対策、地価対策をやっていく、こういう時期でありました。近年、人口減少等の進展に伴いまして大きく状況が変わったということで、今回、土地基本法について、適正な管理の確保、こういったことを内容とする改正を行うこととしております。
 他方で、今後の社会経済状況の変化に応じまして、例えば地域等によっては投機的取引が起こる可能性、これはあり得るものというふうに考えております。したがいまして、本法案において、投機的取引の抑制は引き続き重要な基本的理念として維持したいというふうに考えているところでございます。

○高橋(千)委員 あり得るものという認識は、あるということであったと思います。
 今回の法案の土台となった国土審議会土地政策分科会企画部会の議論の中でも、例えばリゾートホテルに対する外資の参入などがありますよねと、やはりそういう意味では投機的取引というのはあり得ますよねという議論がされていたと思うんです。やはりそこが、抑制しなければならないという観点であるということをまずは確認させていただきたいと思います。
 そこで、今言ったのは四条なんですけれども、これは二項であって、一項には円滑な取引と書いてあります。今の企画部会の中間取りまとめでは、「第四章 新たな方向性を踏まえた当面の施策展開」として、一つに、土地、不動産の最適活用を図るための土地利用の推進、二つに、土地、不動産の最適活用を図るための取引の円滑化に関する施策として、不動産投資市場の活性化や不動産流通の活性化といった施策が並んでおります。
 円滑な取引とは、土地を開発や投資の対象として、取引の対象とすることを念頭に置いているということでよろしいでしょうか。

○青木政府参考人 お答えいたします。
 今回の法律改正は、空き地、空き家など低未利用の土地、放置された土地、利用の意思が薄弱になっている、こういう状況の中で、土地の有効活用、適正な管理を確保するためには、そういった土地を利用、管理する意思と能力を持っている方、そこに土地などを円滑に移転することが重要ということに鑑みまして、御指摘の四条一項に円滑な取引を基本理念として新たに規定をいたしました。
 加えて、国、地方公共団体が講じる施策の中でも、円滑な土地取引に資するための不動産市場の整備に関する措置、これを規定させていただいているというところでございます。
 この規定に基づきまして、例えば、最近よく見られておりますが、古民家再生のためのクラウドファンディングの活用、こういった不動産投資市場の整備でありますとか、あるいは既存住宅の流通のための不動産市場の整備、こういった低未利用の土地の有効活用に資する取組を推進する、こういったことを想定しているところでございます。

○高橋(千)委員 最初に所有者不明土地の説明を受けたとき、やはり地方に多いなということを印象として思ったんですね。だけれども、それは都市部の問題でもあるということなんだと思うんですね。
 今お話しした企画部会中間取りまとめによりますと、「平成三十一年地価公示では、全国の平均変動率は住宅地で二年連続、商業地で四年連続の上昇となり、地方部においても、住宅地が二十七年ぶりに上昇に転じ、商業地は二年連続の上昇となった。」つまり、新たな土地、不動産活用の需要が生まれているということじゃないでしょうか。
 この企画部会の取りまとめ、土地政策の基本的方向は、今おっしゃった、所有者不明土地の、いわゆる地方の問題ではなくて、都市部の問題から先に書かれているはずです。インバウンド投資、アクセスのよい鉄道と駅前大規模開発、マンション、オフィスビル等、インバウンドの受皿としてのホテル建設ラッシュなどが都市部では期待されております。
 本法案の改正部分は、所有者不明土地解消や災害対策の公共目的であるということも言われていますが、そのための権利の明確化や情報の提供、これも言われております。でも、同じことは都市部においても言える、これを排除できませんね。

○青木政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のように、土地は、やはり所在するところの土地の利用のニーズ、これに基づきまして、いろいろな有効活用策というのが出てまいると思います。
 既に利用されている土地あるいは不動産を最大限有効活用していくということは、その地域にとってそれ自体経済的な意味を持つという重要性がございますとともに、今後、低未利用の土地の発生を、そういった土地がある意味そういったところに来ないようにする、抑制する観点からも重要な施策というふうに考えてございます。

○高橋(千)委員 抑制だけではなくて、今さりげなく言いましたけれども、需要を呼び込む、そういう政策でもあるということはお認めになったかなと思っております。
 第六条三項の、「土地所有者等は、国又は地方公共団体が実施する土地に関する施策に協力しなければならない。」とあります。これは、いわゆる義務規定、協力義務規定なわけですよね。これを義務にした理由が何かということと、では、具体的にどのような場合を想定しているのか、お答えください。

○青木政府参考人 お答えいたします。
 御指摘ございました規定についてでございますけれども、近年、申し上げておりますように、空き地、空き家それから管理不全の土地の発生、こういったことが顕在化している中では、まずは土地所有者自身によって管理の取組をやっていただくことが最も効果的ということで、済みません、何度も紹介しておりますけれども、土地所有者の責務ということで、土地の適正な利用、管理に一次的な責務を負うということにいたしました。
 一方で、国、地方公共団体についても、同じく、こういった土地の適正な利用、管理の確保について施策を実施すべきことということで、責務として明確化したものでございます。
 そして、それに合わせた形で、御指摘の六条三項で、国、地方公共団体の施策に対して協力するということを所有者の責務として規定をさせていただくということにしたものでございます。
 そこで私どもが想定しておりますものは、例えば、公共団体が中心になりまして地域で行われる草刈り、見回りといったような地域を維持する取組への協力でございますとか、あるいは、空き地、空き家、こういったものをコミュニティーの施設とか広場に活用していくような取組、地域づくりへの協力でございますとか、あるいは、今回改正をお願いしておりますけれども、国、地方公共団体が行う地籍調査への協力など、未利用土地の有効活用、管理不全土地の適正な管理を確保した施策への協力を想定しているところでございます。

○高橋(千)委員 地方公共団体がさまざまな施策をやるに当たって、事前に責務規定、管理規定を書いておいて、それをちゃんと言っているじゃないかと、裏返しの関係になっているという説明だったのかなと思っているんですけれども。
 でも、現行法には国民の努力義務が既に書かれてあります。これもやはり、そういう趣旨であれば努力義務で十分じゃないのか、あるいは、誤解がないように、何々の場合に限りとか、何々を除くという、一定限定をかけた条文でよかったんじゃないかと思いますが、いかがですか。

○青木政府参考人 お答えいたします。
 実は、現行法の中で申し上げますと、事業者については協力責務というのを置いてございます。現行法ができたときには、事業者にやはりそういったことに協力していただく責務を置いたということなんでありますけれども、これは審議会でも議論があったんですけれども、昨今の空き地、空き家などが発生していく、利用圧力が低下していく中では、やはりまず所有者の責務ということをしっかり明示していくことが重要であろうというふうに考えたものでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、今、何か直接的なような条文の使い方のお話がございましたけれども、土地基本法の性質上は、この規定にある程度沿いまして、いろいろな仕組み、これは関係省庁、地方公共団体が個別施策によって措置していく、こういう事柄の性格になっております。

○高橋(千)委員 なのであれば、なおさら努力義務でよかったと指摘をしたいと思います。
 それで、少し具体の話をしたいと思うんですが、三・一一から丸九年、この日に宮城県の石巻市に行ってきました。同市は、東日本大震災での浸水面積が七十三平方キロメートル、被災六県六十二市町村の浸水面積のうち一三%を占めて、ことし一月末現在で死者・行方不明者三千九百八十七名という、最大の津波被災地であります。
 復興事業としての土地区画整理事業は来年度でほぼ終了する見込みで、そのうち、未利用地は一二%の十五ヘクタールにとどまっています。被災三県の土地区画整理事業の二十一市町村の合計で見ますと、宅地造成したうちの約三割が未利用と言われている中で、この石巻市は、広大な被災地でありながら、非常に効率がよい取組が進んでいると思っております。
 一番の特徴は、地籍調査が九五%の進捗率であったことです。国全体では五二%と言いますから、大変高い進捗率ですし、合併前の旧六町でいいますと一〇〇%なんです。そのために、甚大な流出等被害で困難をきわめつつも、境界が迅速に復元できたと言われています。
 そうした点で、地籍調査を進める意義は強く実感しているところですが、教訓としては、大震災発災後は復旧復興事業に集中しているために、地籍調査は休止をしています。今後再開するに当たっては、経験ある職員が既に退職して、技術の継承が難しいということでありました。
 法案では、地籍調査を前に進めるための改正案が用意されておりますけれども、地籍調査の経験を継承するという観点からの人材と予算の確保という点で国の支援がどのようになっているのか、大臣に伺います。

○赤羽国務大臣 私も、三・一一以降何度も石巻に足を運びまして、海辺の「がんばろう!石巻」の、本当にもう何もなくなってしまった地域の中で復旧復興をどれだけできるのかといった思いがありましたが、今、高橋委員御指摘のように、この石巻、実は地籍調査進捗率が大変高くて、そうしたことで復興事業も大変な勢いでというか、進捗しておると思います。
 ただ、その中で、今言われたように、地籍の調査、地籍調査の再開をするに当たりましては、御指摘どおり、担当職員の流出とか、そのための知識、技術の継承が途切れているといったことも課題となっているということも私どもも承知をしているところでございます。
 こうした観点で、今回、先ほど他の委員からの御質問にもお答えしましたが、測量事業者ですとか土地家屋調査士の、民間事業者の専門家の皆さんに包括的な業務委託をするなど、専門家の知見や技術のさらなる活用を促進する。また、今回の法改正で、専門家を地籍アドバイザーとして、国の職員の派遣とともに、そうした援助を法律的に位置づけてもおりますので、こうしたことを再開しながら、市町村への支援を一層強化してまいりたいと思います。
 そして、それに加えまして、大事なことは予算の確保でございまして、東日本大震災を始め、昨今の災害発生状況等を背景に、全国の地方公共団体から地籍調査の予算に関する要望も増加しておりますので、それを受けとめて、国交省としても引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 予算の確保と人材の確保、よろしくお願いしたいと思います。
 被災地で最も苦労したのが、土地の共同所有者の了解を取付けするために全国を捜さなければならなかったことです。石巻でも、青森、北海道、九州、また海外もあったということであります。今回の議題にもなっている登記の問題でも、登記がされていないために、相続人をたどっていくと家系図がA3の紙二十枚分もう延々と残っている、そういうケースもあったと聞きました。
 私は、限られた人材の中で、本当に手間のかかる困難な事業を、しかし、あくまで私的財産権を守るという立場で、大変な御苦労をされていると思いました。市街地で八地域の土地区画整理事業でしたけれども、本来の所有者が死亡して、相続者の最後の一名と連絡がつかず、土地収用手続に入る予定が一件だけあるということでございました。できるだけ土地収用制度は避けたいと繰り返しおっしゃっていたわけです。
 大臣、こうした現場の苦労をぜひ受けとめていただいて、財産権を尊重しつつ、用地取得を円滑に進めていく方策について見解を伺います。

○赤羽国務大臣 用地取得を円滑に進めていく、その方策につきましては、所有者不明土地の公共事業のための活用の円滑化等を内容とします所有者不明土地法が平成三十年に制定されまして、昨年六月に全面施行されたところでございます。
 同法におきましては、土地収用法の特例措置が講じられておりまして、建築物が存在せず、利用されていない土地につきまして、大変な努力を払われて今のような、捜索をしても所有者が不明である場合には、補償金額等について異議のある権利者がいない場合については、収用委員会ではなく都道府県知事の判断によって土地を取得できることとする、そうした特例措置を講じておるところでございまして、財産権を尊重しつつ、用地取得の円滑化を図っていくということを期待しておるところでございます。
 国交省としましては、所有者不明土地が増加している現状に鑑みまして、この特例措置を含めた所有者不明土地法を適切に活用していただきたい、こう考えております。
 加えて、地方整備局と地方公共団体との協議会がございまして、この協議会のさらなる活用をし、技術的な支援を行うとか、また、先ほども申し上げました地方整備局の職員の派遣を通じた人的支援を行い、技術面、人材面から地方自治体へのサポートをしっかりと行ってまいりたい、こう考えております。

○高橋(千)委員 それで、少し古い話をさせていただきますが、二〇〇四年の中越地震のときに、長岡市に、山を切り崩して上から見るとひょうたん形に盛土した、高町団地というところがありました。私有地であり、人工の擁壁が崩れたので何の支援策もないと、ある被災者が私の部屋に飛び込んできたのであります。でも、長岡市の市道と崩れた擁壁が入り組んでいるということで、これは公共土木として復旧工事を行うということで国交省の答弁をいただき、団地の再生につながっております。当時は北側大臣でございました。
 この方式を応用して国交省がつくったのが、大規模盛土造成地滑動崩落防止事業。これが初めて適用されたのは、二〇〇七年、中越沖地震の柏崎市山本団地でありました。これは階段状に住宅が建って、上の宅地を補修しなければ下の宅地だけを直しても意味がないというところになっているわけですね。でも、川が流れているということで、今言ったような考え方で、公共とのミックスということで団地の再生にこぎつけました。
 ただ、四分の一住民負担というのがありまして、自治会全体がまとまるまで大変険しい道のりがありました。上物である住宅の再建と宅地改修への自己負担という点で、住民の負担は大きなものがありました。
 そこで伺いたいのは、法案では所有者の管理責任を明記したのは、今るる議論してきたことで理解をできるわけですけれども、影響を与えている側の宅地の所有者が、自分は別に危険でも何でもない、つまり、上にいるので、下の人は危険なんだけれども上の人は危険でも何でもないから必要ないと思っている場合、それをまずどう調整するか。それからもう一点は、危険だというのはわかっているんだけれども、資力がない、お金がない、どうしようもありませんと言われる場合に、管理責任を書いただけではなかなか解決しない、このような問題をどう処理していくんでしょうか。

○青木政府参考人 お答えいたします。
 今お話ございましたように、今回創設しました土地所有者の責務だけではなかなか問題解決しないケース、これは審議会などでも議論させていただいたんですが、こういった場合には、必要に応じまして、地方公共団体それから地域住民、所有者以外の方が役割を担って、周辺地域への悪影響を排除する取組が推進されるということが重要だということでございます。
 そこで、本法案では、七条二項になるんですけれども、国、地方公共団体が、今申し上げた、土地所有者以外の方による土地の利用、管理を補完する取組を推進する措置を講ずるように努める、こういった規定を創設したところでございます。
 国土交通省といたしましては、こういった措置を含めまして、今般新たに創設をいたします土地基本方針の策定、更新、これを通じまして、関係省庁と連携を図りながら、土地の管理をめぐるさまざまな課題に対応するための施策について検討を進めてまいりたいと思います。

○高橋(千)委員 所有者以外の方たちが、例えばまちづくりNPOとか、いろいろなことが議論の中であったと思うんですが、それを補完するというのはすごく大事なことだと思うんですね。ただ、今言った資力の問題というのは一つネックになるかなと思うんですが、その点、いかがでしょうか。

○青木政府参考人 お答えいたします。
 今申し上げましたのは、地域の住民それから公共団体も含めて地域をどうしていくかということで、これは個別具体の制度の中で、今御指摘あったような住民負担のあり方、こういったことも議論されていくことになるのだろう、こういうふうに認識してございます。

○高橋(千)委員 そうなんですね。この山本団地も、実はいろいろな形の交付金で支えていって、自己負担を少しずつ少しずつ減らしていったというふうなプロセスがございました。やはり、参加する人たちがふえることによって負担も減らすということができるというのが大事だと思いますし、今回の土地基本法で土地のいわゆる公共的な役割というのを再認識して、やはり土地所有者の責務ということ、管理ということも書かれてきたわけですから、その点では、私有財産であるけれどもやはり財政的な支援もするということもあわせてこの間ずっと議論してきたことでありますが、検討していく必要があるのかなと思って、きょうはここは指摘にとどめたいと思います。
 そこで、企画部会の中間取りまとめでは、災害リスク情報の提供についても指摘をしております。
 昨年、台風被害で注目された河川のハザードマップなどを活用していく必要があると思っているんですけれども、現状では、津波被害の想定地域、土砂災害それから造成宅地の危険性というのは、不動産取引にかかわる重要事項説明に書かれているということになっていると思いますけれども、この趣旨と効果について伺います。

○青木政府参考人 お答えいたします。
 宅地建物取引業につきましては、取引に対して義務的に説明すべき事項、これを重要事項説明として法令上規定してございます。
 お話ございました造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域につきましては、住民の生命身体等に危害を生ずるおそれがある区域でありまして、災害リスクを事前に提供することで取引の相手方の保護を図る必要があることから、不動産取引の際の重要事項説明として説明しているということでございます。

○高橋(千)委員 最後に大臣に伺いたいと思いますが、滋賀県方式とも言われておりますが、ハザードマップの浸水地域に当たるということは、やはり重要事項説明に明記するべきだと思います。
 既に検討がされていると思うんですけれども、やはり、そうした災害リスク情報を真面目に提供した不動産業者とそうじゃない人がいるということは、真面目に提供した人が逆に不利になっちゃうということがあってはならないので、やはり制度化していくということが必要なんじゃないかなと思いますので、大臣の決意を伺いたいと思います。

○赤羽国務大臣 この件につきましては、実は、本年一月二十七日の衆議院予算委員会で、公明党の國重委員からも同様の質問がございまして、今回、一連の水害で、ハザードマップでの浸水想定区域どおり洪水被害が起きたという事例を踏まえまして、義務化、重要事項として義務づけるという方向で指示を出しているところでございます。
 今、具体的な説明方法など、現場の実態も踏まえながら、詰めの作業を行っているところでございます。
 以上です。

○高橋(千)委員 明確な答弁だったと思います。ありがとうございます。
 やはりこれまでも、私、きょう幾つか造成宅地の話をさせていただきましたけれども、もともと宅地造成した業者が既に破産をしていなくなってしまって、結局相手方がいない、そういう中で災害リスク情報が十分に提供されていなかった、争うべきか、あるいは直す方が先か、そういう立場に被災者が置かれているという状況がございました。
 この間も本当に災害が続いたという中で、このリスク情報をまず制度化していくということは非常に大事なことだと思っておりますので、この点では一致したと思いますから、よろしく要望しまして、問いが本当は一つ残っていたんですが、時間が中途半端になりますので、ここで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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