衆院委分科会/コロナ差別由々しき事態/ 子宮頸がんワクチン副反応被害者の実態つかめ
日本共産党の高橋千鶴子議員は2月25日の衆院予算委員会分科会で、新型コロナウイルス肺炎の感染者らへの偏見や差別などが起こらないよう政府がメッセージを発信するよう求めました。
日本災害医学会の声明でも、「職場において『バイ菌』扱いされるなど、いじめ行為や、子どもたちが登園自粛を求められる事態などが報告されている」としています。
高橋氏は「新型肺炎の市中感染が次々と明らかになる中、感染者を犯人さがしのように扱ったり、命がけで救援のために奮闘された方々を差別、いじめたりするような状態が起こっているのは由々しき事態だ」と指摘。「政府がこうしたことがないようにしっかりメッセージを発してほしい」と訴えました。
加藤勝信厚生労働相は「献身的な方々の家族に対するいじめなど由々しき問題だ」との認識を示し、「閣議決定した新型コロナウイルス対策の基本方針でもいじめ防止対策など人権に配慮した取り組みを書いており、理解を深めていきたい」と表明しました。
( 「しんぶん赤旗」2020年3月2日付より )
日本共産党の高橋千鶴子議員は2月25日の衆院予算委員会第5分科会で、HPVワクチン(子宮頸=けい=がんワクチン)の副反応が疑われる症状を発症している被害者の救済について政府の姿勢をただしました。
HPVワクチンは2013年4月に定期接種が始まり、副反応疑い症状を訴える少女たちが相次ぎ、2カ月後に中止されました。
高橋議員は失明を告げられた被害者の声を紹介し、「ワクチンの副作用はない」などと決めつけて被害者を詐病扱いして診察もしない協力医療機関もあった実態や、被害者が平均14カ所の病院を回ったことを指摘。被害を受けた少女たちの実態を直接つかむよう求めました。
加藤勝信厚労相は「年1回の講習をしている」と答えるにとどまりました。
高橋議員は、HPVワクチンについてのリーフレット改訂の動きについて「対象となる子どものいる家庭に全戸配布すれば、積極勧奨とみられても仕方ない」と指摘し、ワクチンの再開ありきの姿勢をただしました。
(「しんぶん赤旗」2020年3月2日付より)
ー議事録ー
○高橋(千)分科員 日本共産党の高橋千鶴子です。大臣、きょう最後ですので、よろしくお願いいたします。
まず、新型肺炎対策で一言だけいただきたいと思うんですけれども、心配しているのは、市中感染が次々と明らかになる中で、もはや感染経路をたどることが意味のないことになっているにもかかわらず、今、感染者イコール犯人捜しのような状態になって、差別やいじめなどが起こっているのはゆゆしき事態だと思います。
災害医学会の声明にもあるように、命がけで救援のために奮闘された方々が非難をされたり、クルーズ船のクルーの方たちも一緒だと思います、こうしたことがないように、政府がしっかりとしたメッセージを出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 本日、本部決定いたしました基本方針の中にも、一つは、中国から一時帰国した児童生徒へ、学校の受入れ支援、いじめ防止等の必要な取組の実施と、加えて、患者や対策にかかわった方々等の人権に配慮した取組を行うということを明記させていただいております。
やはり、まずは、こうした取組に本当に献身的に取り組んできていただいたにもかかわらず、それぞれの病院に戻ったり、あるいは中には御家族に対してそうしたいわれなき誹謗中傷が行われているということ、これは大変ゆゆしき事態だと私どもも思っております。
そうしたことに対して、やはり大事なことは、正確な情報をしっかり発信をしていきながら、皆さん方のこの病気に対する、あるいはどう対応していくべきなのかに対する理解をしっかり深めていく、そういった努力を更に続けていきたいというふうに思います。
○高橋(千)分科員 ありがとうございます。現場の皆さんにその思いがしっかり届くように、政府の姿勢を求めたいと思います。
次に、きょうはまさに差別がテーマと言えるかもしれないんですけれども、先日、地元青森市の松丘保養園、ハンセン病療養所でありますけれども、百十周年式典に行きました。在園者が既に五十八名になりまして、十年後のことを考えずにはいられませんでした。
代理で読まれた大臣の祝辞には、昨年の臨時国会で成立したハンセン病家族補償法に触れて、ハンセン病基本法第十一条の医療及び介護に関する体制の整備及び充実、この充実という一言が入ったことを紹介して、改めて療養体制を維持、充実させることに言及していただいたことを心強く思いました。
そこで、ハンセン病基本法の第四条、国は、第五条、地方公共団体は、元患者及び家族の福祉の増進等を図るための施策を策定、実施する義務を明記しております。そして、第十二条でハンセン病療養所の土地や建物、設備などを地方公共団体や地域住民の利用に供することができると規定がありまして、つまりは、入所者が最後の一人になっても、地域社会の中で、住みなれた療養所で送ることができるようにとの思いを込めたものでありました。
全国十三園の入所者自治会が何らかの将来構想を策定していると承知をしていますが、その実現の見通しはどうでしょうか。描くのはいいけれども、実現するにはたくさんの規制もあると思います。高齢の入所者たちに丸投げでは難しいし、自治体が熱心なところもあれば、そうでもないところもある、アンバラのままでよいのかということなんです。
厚労省が、様子見ではなくて、行政と自治会との間でイニシアチブを発揮して進めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 今委員が引用されましたハンセン病問題の解決の促進に関する法律では、「国は、」「ハンセン病の患者であった者等及びその家族の福祉の増進等を図るための施策を策定し、及び実施する責務を有する。」と規定をされておりまして、厚労省としても、入所者自治会が地方自治体などの協力を得て策定した将来構想の実現に向けて、しっかりと取り組んでいく必要があると考えております。
全部で十三の療養所において将来構想をつくられておりますが、中身はさまざまであります。それぞれの策定の経緯、各療養所の歴史的背景や立地条件、地元自治体のニーズなどの差によって中身はさまざまでありますし、また進捗状況にも違いがあります。厚生労働省の職員も直接現地に出向き、入所者の皆さんの御意向をお伺いしながら、地元自治体に対して積極的な協力を求めてきているところであります。
また、やはり、高齢化が進む中で、もう時間がないんだという強い要望を私どももいただいているところであります。将来構想の早期実現を図るため、国立ハンセン病療養所の運営管理を行っている担当部署については、令和二年四月に、訓令室から省令室に拡大させていただき、人員も定員を三人から七名へ拡充するなど、体制強化を図ることとしております。
○高橋(千)分科員 三名しかいなかったんだと今ちょっと驚いて聞いておりましたけれども、体制を強化しながら、時間がないという中で積極的に国が関与していくというお答えだったと思いますので、それを本当に前向きに受けとめたいと思いますので、まさに十年後が展望できるようにお願いしたいと思います。
さて、きょうは、あと残りはHPVワクチン問題について質問していきたいと思います。
二〇一三年四月に予防接種法に基づく定期接種となっていますが、わずか二カ月後の六月十四日、健康局長通知で積極勧奨しないということになりました。あれから七年、ワクチンが世に出てからは十年です。当時中高生だった少女たちが二十前後となり、なりたかった夢を果たせずに、出口の見えない闘病生活を送っています。大臣は、こうした少女たちの声を直接聞いたことがありますか。
○加藤国務大臣 HPVワクチン接種後に症状が生じた方々の御意見に関して、毎年八月、全国薬害被害者団体連絡協議会との協議の際にHPVワクチン薬害訴訟の原告団の方々から事務方が話を伺っておりますし、私自身も、これは前のときですけれども、当事者の方にお会いをしたことがございます。
○高橋(千)分科員 毎年大臣が聞いていると言ってくれればとてもよかったんですけれども、大臣になる前にはお話を聞いたことがあると。(加藤国務大臣「いやいや、前の大臣のときに」と呼ぶ)ではなくて、大臣のときに一度は聞いたことがあるという意味ですか。わかりました。
では、それをやはりこれからの議論に生かしていかなきゃいけない。どんなふうに思っているのかということを次に聞きたいと思うんですけれども。
今月五日に行われた院内集会で発言した森さんという女性は、大変お話もはきはきとして、理路整然とお話をされました。一見、どこも悪くないように見えるんです。それだけ体調に波があるんですよね。発言をしたその日は寝込んでいたと聞きました。十四歳で接種し、一回目以降、あらゆるところに痛みが起きて、二百ミリリットルの牛乳パックさえも持てなくなったと言います。記憶が飛んで、母親の顔がわからなかったり、家に帰れなくなったりします。森さんは、左目が失明したと医師から診断をされてうれしかったと言ったんです。これは、友達にも信じてもらえない中で、初めて自分がうそを言っていたのではないとわかってもらえるからだという意味でうれしかったんだと言うんですね。大変衝撃でした。
その意味がわかるでしょうか。痛みや不自由な体のつらさよりも人に誤解されることのつらさの方が上回るという、この現実を受けとめるべきだと思いますが、いかがですか、大臣。
○加藤国務大臣 何といいますか、感覚的なものというのは、要するに機能的に明らかに出てくれば外から見てもわかる、ただ、中身の痛みとか倦怠感とか、こういったものは外からはなかなかうかがい知れない。場合によっては違った意味でとられることもあるわけでありまして、そういった意味での御苦労の中で今のお話があったんじゃないかなというふうに思って、聞かせていただきました。
○高橋(千)分科員 理解をしてくれていると思いたいわけですが。
それで、続けて聞きたいんですが、大事なことは、彼女たちあるいは保護者たちに対して、反ワクチン派のレッテル張り、これは間違いだということなんです。
HPVワクチンも、定期接種になったときに、今のうちだと学校から勧められて、素直に受けただけなんです。これまでも、彼女たちは国が推奨するワクチンを信じて、真面目に全て打ってきただけなんです。まして、今現在PMDAを通して報告がある大半は、定期接種が始まる前の二〇一一年ごろ、つまり自発的に受けた方たち、この方たちもいるということです。だとすれば、ワクチン反対とか、そういう議論をしているんじゃないんだということをわかっていただきたいんです。
詐病だ、演技だと言われ、冷たい言葉を浴びせられ続けた少女たちが何でわざわざ演技をする必要があるのか。それも十年間ですからね。弁護士や社会福祉士、看護師、介護職、幼稚園教諭、なりたかった職業です、理学療法士になりたいな。さまざまに夢を持ちながら、しかし記憶障害になって進学を諦める、センター試験を受ける体力がない、断念せざるを得なかった。彼女たちは治りたいだけなんです。このことを本気で議論していくべきだと思うんです。
そこで、まず伺いますが、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議が、長いのでこの後は合同部会と呼ぶようにしますけれども、開催されてきましたけれども、販売開始された二〇〇九年十二月以降、ガーダシルは二〇一一年八月ですけれども、合同会議に報告された昨年八月末までの接種延べ人数は、九百万二千八百六十三回、平均接種回数がありますので、三百四十三万人が接種をしていると言われています。このうち何人の副反応報告が報告されて、うち重篤な例は何人か。他の定期接種ワクチンと比べるとどうなのか。伺います。
○樽見政府参考人 HPVワクチンの副反応疑い報告というものについて、御指摘の合同部会で定期的に評価を行っているわけでございます。そこに副反応疑いの報告を上げていただいているわけでございますけれども、その報告件数につきまして申しますと、最近の数字とこれまでの数字を持っておりますので申し上げますが、直近では、令和元年五月から八月までの四カ月間に、製造販売業者から十四件、医療機関から四件という報告がされておりますが、販売開始から令和元年八月までの累計ということでいいますと、製造販売業者から千百十一件、医療機関から二千九十五件というものが報告をされているという状況でございます。
ほかのワクチンと比べてというお話でございますけれども、ほかのワクチンといいますと、そもそも、医薬品医療機器総合機構法で、健康被害の方の迅速な救済を図るという制度の趣旨を踏まえまして、厳密な、医学的な因果関係というよりは、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とするということで報告をとっているということがございますし、また、接種の種類によってその接種の回数が違ったりということもございますので、ほかのワクチンの割合と比較して高いか低いかということについては、なかなかこれは論ずることが難しい問題であるというふうに考えております。
また、それぞれのワクチンによって、それによって防ぐ感染症というもののリスクと予防接種によって引き起こされるリスクというものについても比較をして考える必要があるということになりますので、単純に副反応の件数が多い、低いということでの議論というのはなかなか難しいというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)分科員 今、重篤な例を聞きましたが、答えていません。
○樽見政府参考人 失礼いたしました。
販売開始以降の累計で、副反応報告が、先ほど、製造販売業者から千百十一件、医療機関から二千九十五件というふうに申し上げましたけれども、重篤ケースということでの数字は、この重篤例というのは、死亡、後遺障害、入院などのほか、報告医が重篤と判断したものということでございますけれども、製造販売業者からのケースは千百十一件が重篤例ということでございます。医療機関からのケースについては七百四十二件が重篤例ということでございます。
○高橋(千)分科員 合わせて千八百五十三件になると思うんですけれども、これは十万人当たりで見ますと五十四人で、定期接種のワクチンと比べれば、比べるのは意味がないとおっしゃいますので、ここでけんかする時間がもったいないですので、同じワクチンで見ますと、これは二年前と比べて一・五人ふえております。有害事象報告も十万人当たり九十三・四人で、一・三人ふえています。同じワクチンだけれども報告はふえているということでいいですよね。それは事実ですから。単なる数字の話です。
○樽見政府参考人 済みません、ただいまちょっとそれに相当する数字を手元で確認することができませんので、恐縮でございますけれども、今はちょっとお答えすることができません。お許しください。
○高橋(千)分科員 じゃ、後で確認してください。私が今言った二年前の数字というのは、厚労省が二〇一八年一月に出したリーフレットの中に書いております。ちょうど二年たったかなと思って、それと比較しましたので、お願いします。
それで、ちょっと時間がもったいないので次に進みますけれども、そもそも合同部会では重症例についてどのように選択し、どのような議論を行っているんでしょうか。
例えば、今、HPVワクチンの訴訟を行っている全国の原告百三十一人の方が、合同部会の資料がありますから、それを見て、接種の日とかを見ると自分のことだとわかるわけですよね。そうすると、実際に重症とカウントされたのは十九人だけだ、その百三十一人の方たちのうちで。だけれども、カウントされていない百十二人の原告の中にも、少なくとも三十六人は障害認定をされています。
さっき、どういう人が重篤な例かと質問する前に答えたので、障害のある方、後遺障害ということもおっしゃった。だけれども、そういう障害を持っておりながらもカウントされていない人がいるわけですよね。一人が持つ症状が多くて、カルテも大変な、膨大な量になります。それが実際には審議会の中ではスルーされている。見られていないということでしょう、厚労省が選んだ例しか資料として報告されていないわけですから。そういうことじゃないですか。
○樽見政府参考人 まさにこの合同会議の場で、重篤例ということで報告された症例につきまして、個々の症例の概要について報告をし、評価をいただいているということをやっているわけでございます。
重篤例ということにつきまして、先ほど申し上げたとおり、死亡、後遺障害、入院のほか、報告医が重篤と判断したものということでございますが、それ以外の症例を含めまして、一旦報告した症例、あるいはそれ以外のものも含めて、経過が悪化したというようなことで追加報告があった場合は、改めて審議会にそれも報告して評価をしていただくということはやっているところでございます。
○高橋(千)分科員 悪化したという場合はとおっしゃいました。でも、私が言ったことには答えていませんよね。障害として認定された方たちでさえも、重症例として報告、きちっと、こういう例がありますよという議論には供されていない。やはりそれは問題じゃないですか。因果関係がある、ないの問題の前の話なんです。まず、その実態をちゃんと見るべきだ。それは違いますか。
○樽見政府参考人 この合同会議の運営ということになってまいりますので、これについて合同会議の先生方とも相談してまいりたいと思います。
○高橋(千)分科員 運営を変えてください。この方たちの声を聞いてください。そうして、どこに違いがあるのか、しっかりと見てください。実際に診療している方たちの声を聞かずに、カルテだけで議論しているんですよ。そのカルテさえもスルーされているんです、厚労省が選んで。こういう実態なんだということなんです。
そして、こういう中で合同部会が今何をやっているか。HPVワクチンの情報提供に関する評価についてということで、さっき言った二〇一八年作成のリーフレット、この内容見直しについて検討を始めています。これは積極勧奨を再開したいためですか。大臣に伺います。
○加藤国務大臣 HPVワクチンの積極的勧奨の差し控え以降、審議会においてHPVワクチンの有効性、安全性に関する評価を行うとともに、HPVワクチンについて審議会での議論を踏まえてリーフレットを作成し、国民に周知を行ってきました。これは過去形であります。
自治体や国民への調査の結果、必ずしも十分にワクチンに関する情報が行き届いていないということであります。例えば、ウエブ掲載や窓口設置、配布をしていないというような自治体は約七割、リーフレットを見たことがないというのは、調査対象者、これは十二歳から六十九歳ですが、そのうちの八六・三%、こういう数字もあります。情報提供のあり方について審議会において議論を行っているところであります。
HPVワクチンの情報提供については、公費によって接種できるワクチンの一つとしてHPVワクチンがあることを知っていただくとともに、ワクチン接種について検討、判断するための有効性、安全性に関する情報等を接種対象者及びその保護者に届けるという方向で議論がなされているというふうに承知をしておりまして、決して積極的勧奨の再開を行うための議論ではないというふうに認識をしております。
○高橋(千)分科員 しかし、昨年十一月二十二日の合同部会の中で、日本医師会の常任理事である長島委員は、最も有効な方法は積極的な接種勧奨を再開することだと思います、こう言っていますね。この後のヒアリングで、十分な広報を行う中で、第一歩として、積極的勧奨の再開というところに向いていただくことを希望しますとはっきり言っています。そして、国立感染研名誉所長だった倉根委員は、再開に向けての議論、少なくとも議論を始める時期に来ているのではないか、こういうことを合同部会の中で言っているんですよね。
その中で、今までは自治体にお任せしていたこのリーフレットを対象年齢のお宅に全戸配付するというわけでしょう。これは積極的勧奨と見られたって当たり前じゃないですか。
○加藤国務大臣 一月三十一日の審議会資料、HPVワクチンの情報提供の目的及び今後の方向性ということにおいて、一つの方向性として、自治体からリーフレットの個別送付を行うことにしてはどうか等々について、それを踏まえて議論がなされたということは承知をしております。
○高橋(千)分科員 ですから、全戸に配るんでしょう。
○宮嵜政府参考人 一月三十一日の審議会の状況について御報告させていただきます。
今委員御指摘のように、HPVワクチンのことについて情報が行き届いていないということで、個別に送付をするということも議論されたところでございますけれども、あくまでもそれは情報提供を個別に行うということであって、積極的勧奨を行うというような議論ではなかったというふうに承知しております。
○高橋(千)分科員 一月三十一日の議事録がまだアップされておりませんので、早くアップしてください。
ただ、ネット上で流れている情報などでは、全戸配付はする、しかし、ただし書きで積極的勧奨ではないと書くというふうなことで一応決着をしているというふうに聞いております。そうすると、どういう情報を出すのかというのが大変重大なんですよね。
十一月の合同部会で、博報堂とか、広告宣伝のプロを招いて議論をしているわけですよ。すばらしくわかりやすい広告の仕方というのは学んでわかると思います。だけれども、何を伝えようとするのかがはっきりしなかったら、どんなにプロがやったってわかるわけがないじゃないですか。そこが求められているんですよ。
この、HPVワクチンは積極的にお勧めすることを一時的にやめていますという言葉を、これは意味がわからないよ、どっちなのと聞かれたときに、皆さんはどう説明するんですか。この二〇一七年のリーフレットには、ワクチンを受けた人も二十を過ぎたら二年に一回は必ず検診を受けてください、ワクチンで感染を防げないタイプのウイルスがあります、そのため、ワクチンを受けても子宮頸がん検診は必要です、こう書いています。すごく大事なことですよね。これをちゃんと書きますか。
さらに言えば、十一歳の少女がワクチンを打っても、二十を過ぎたらもう効果はなくなっていますよね、臨床結果では九年と言われていますから。そのことをどこにも書いていません、今のリーフには。書きますか。お答えください。
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
まず、国民の皆様に広告をするというわけではなくて、情報提供をいかにしていくかということで、その情報提供、リスクコミュニケーションとかの専門家の御意見もお伺いしたところでございます。
そんな中で、今のリーフレットでわかりにくいところもあるので、情報が欲しい人に簡単にわかるものと、更に知りたいときには詳しくわかるものとか、あるいは、これを見て更に考えたい人はどういうリーフレットが必要かとか、そういうようなリスクコミュニケーションの手法というのが必要じゃないかというような御議論があったやに聞いてございます。
それを踏まえての一月三十一日の議論でございましたが、リーフレットにつきましては、今の段階で、こういうものにするというのを、確定的に決まったものはございませんで、これから更に審議会で議論をしていって、どういう内容のものをつくっていくかというような段階だというふうに承知しております。
○高橋(千)分科員 わかりにくい、わかりやすいと今おっしゃいましたけれども、正しい判断ができる情報を隠しちゃだめなんですよ、ゆがめちゃだめなんです。
時間の関係で紹介だけにしますけれども、大臣の地元の岡山県が出しているリーフレット、これは問題があると思いますよ。検診を三年前に受けたのに、異常なしと言われたけれども、子宮頸がんがわかって赤ちゃんごと子宮を取ってしまった、これは実例なんですけれども、お話を書いています。
だけれども、三年前じゃだめでしょう。三年前に検診を受けたら、その一年前にも受けていなきゃいけなかった。そういうことをきちっと教えるための症例ならいいんですよ。そうじゃない。これだったら、まるで、ワクチンを打っていないからこんなことになっちゃうよというふうなメッセージが伝わっちゃうんです。正しいことをきちっと書かないで、ここだけ強調すると問題なんですよ。そういうことを私は指摘しています。
原告らが一番訴えている学習障害や記憶障害、これも症状の中で書いていないんですね。医療用には書いているんです、医療従事者用には書いているけれども、お子様、保護者の皆様に配るものには書いていません。こういうところが、やはり配付されてしまったら大変なことになるなと思います。
そして、最も大変だと思うのは、今出されているリーフの囲み記事の中に、ワクチン接種後に起こり得る症状として、「痛みやしびれ、動かしにくさ、不随意運動について」という囲みがあります。この中で、HPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の多様な症状を有する方が一定数存在したことが明らかになっていますと。つまり、打っても打たなくても同じ症状が出るのよというメッセージなんですよ。
でも、これは、二〇一七年三月十七日の厚労委員会で私は指摘しています。いわゆる祖父江班の調査ですよね。でも、これは、このとき、十二月二十六日の合同部会、そして四月十日の合同部会、二度、追加調査をやって報告していますけれども、これで因果関係を言及することはできないと。つまりは、あるともないとも言えない、不十分である、バイアスがかかっているということが結論なんですよ。その結論を省いて、同様の症状がある、ここを書かれたら本当にそれこそ動揺するじゃありませんか。そうじゃありませんか。
これは不適切な表現だと思います。いかがですか。
○宮嵜政府参考人 現在のパンフレットも含めて、どういう形にするか、審議会の方で議論していただく予定としております。
○高橋(千)分科員 全部これから検討するという議論にしてしまいましたけれども、私が指摘したことを、結局、審議会になったらそのままやっちゃったということがないように、これは重ねて指摘をしたいと思います。続きを見せていただきたいと思います。
それで、大臣に最後に伺いたいんですけれども、今も原告の少女たちは八八%が何らかの入院、通院をしています。だけれども、受診した医療機関は平均で十三・九カ所、五人に一人は二十カ所以上を回っているんです。過去に一度でも協力医療機関を受診している方は半分います。
ところが、協力医療機関であるのにもかかわらず、詐病だと言われて、別の病院に行けばと。指定された病院に行っているのに、別の病院に行けばと言われる。子宮頸がんワクチンの副作用はない、そんなのはない、認めてほしいのか、こう言われて通院できなくなった、仕方がないから交通費をかけて遠くの病院に今通っていると。
おかしくないですか。因果関係がわからなくても、否定できないという事例がある、それに類似の事例もある。それを積み上げていって、治療法に結びつくんじゃありませんか。これでは結びつきようもないんです。協力医療機関がしっかりと全都道府県にありますから、この方たちの声を受けとめて、向き合って、そして治療法を見つけていくように努力をするべきだ、国が改善すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 HPVワクチン接種後に症状が生じた方に対しては、平成二十七年九月、HPVワクチン接種後に生じた症状に対する当面の対応に基づき、医療面の支援も含めたさまざまな支援の充実に取り組んでいるわけでありますし、具体的な取組としては、身近な地域において適切な診療を提供するため、平成二十七年十一月以降、各都道府県に一カ所以上の協力医療機関を選定して、ホームページで公表し、地域における医療、診療体制の中核的な役割を担っていただきたいと考えているところであります。
接種後の症状に不安のある方々が安心して医療を受けられるよう、協力医療機関における医師等に対する研修を、これは平成二十八年から毎年一回実施をしていると聞いておりますが、実施し、診療内容の向上を図ることで、受診される方の訴えの内容にかかわらず、適切な診療がなされていくよう支援をしていきたいと考えております。
また、厚生労働科学研究班においては診療の経験を集積、共有する取組も行っているところでありまして、いずれにしても、関係者の御意見も踏まえながら、協力医療機関がやはりそうした医療の担い手の中核にならなければならないわけでありますから、そうした整備に向けた支援をしっかりと行うとともに、そうした医療機関の周知等にも努めていきたいと考えております。
○高橋(千)分科員 残念ながら時間が来ましたが、もし研修を毎年やっているんだったら、こんなことは起きないんですよ。続いているから指摘をしています。どんな研修をしていますかと聞いて、その資料を公開していただけませんでした。
大臣、約束していただけますか。これで終わります。
○加藤国務大臣 よく中で検討させていただきたいと思います。
○高橋(千)分科員 お願いします。
終わります。ありがとうございました。
ー資料ー