「BSE(牛海綿状脳症)全頭検査は世界の非常識」という発言を撤回、謝罪する気持ちはありますか--。15日に開かれた衆院農水委員会で、日本共産党の質問に、島村農水相は「適当でなかったということは、(謝罪の)意志が含まれている」と答弁し、発言を撤回しました。
高橋議員は、日本初の変異型ヤコブ病(vCJD)確認で、「英国に一日でも滞在すれば献血を禁止する措置をとったことは、世界でもないこと」として、食品安全委員会は「急ぐべきだという論調に断じてひるむことなく、審議すべきだ」と強調。米政府から圧力を受け、町村外相はじめ、国内でも審議が遅いと声が出ていることに対して、「政府は米国の圧力で、食品安全委員会の審議を急がせたり、結論ありきの対応をすべきでない」と批判しました。また、期限を区切るようなことを行うべきでないと、政府の対応をただしました。
(2005年3月16日(水)「しんぶん赤旗」より転載)
――― 議事録 ――――
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
最初に、十七日にも諮問が出されると言われております来年度の畜産、酪農対策についてまず伺いたいと思います。
農水省は加工原料乳の限度数量について削減を検討しているということが報道されておりますが、生産者団体の強い要望にこたえ、限度数量と補助単価は少なくとも現状維持するべきと考えますが、その点について伺います。
○白須政府参考人 お答えいたします。
まず、限度数量につきましては、加工原料乳の限度数量の設定の基礎となります生乳の需給でございますが、大変な脱脂粉乳の需要の減退によりまして、脱脂粉乳の在庫、消費量の六カ月分を超える九万二千トンとなる見込みというふうなことで、大変過剰な状況になっているわけでございます。こうした過剰在庫、乳業メーカーの経営にも大きな負担になりますし、ひいては生産者の皆さん方の乳価にも影響を及ぼすというふうなことでございますので、早期に解消していく必要があるというふうに私ども考えているわけでございます。
したがいまして、十七年度の限度数量につきましては、生産者団体によります生乳の需要拡大対策、こういったものを考慮しながら、過剰在庫の早期解消に道筋をつけられるような、そういう水準に設定する必要があるというふうに考えているわけでございます。
それから、補給金単価につきましても、これは一定の算定ルールが定着をしてきているわけでございます。したがいまして、これに従いまして適切に決定したいというふうに考えているわけでございますが、いずれにいたしましても、この加工原料乳の限度数量あるいは補給金単価につきましては、三月十七日に食料・農業・農村政策審議会の畜産物価格等部会において審議されることになっているわけでございます。この部会の意見を聞きまして、適切に設定をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○高橋委員 昨年は、補給金単価が十円五十二銭、前年比二十二銭引き下げられました。これに続いて限度数量の削減では、悲鳴が上がるのは当然であります。
先ほど、過剰在庫、乳価にも影響があるなどというお話がありましたが、確かにそれが指摘されているのは十分わかっております。ただ、生産者自身が費用を捻出して消費拡大対策にも努力をしてきている、そうしたことも、当然政府として認め、奨励するべきかと思います。国の政策に従って規模拡大を図ってきた、その生産者の皆さんが、今そのことを逆に重荷としている。規模拡大のツケを生産者にツケ回し、はしごを外すようなやり方は断じてやめるべきだと私は考えます。
そこで、もう一つ伺いますけれども、酪肉近代化方針における担い手とはどのような要件を考えているのか。また同時に、酪農、畜産における経営安定対策をいわゆる担い手に対して絞り込むつもりなのか。その点、伺いたいと思います。
○白須政府参考人 お答え申し上げます。
畜産につきましては、委員も御案内のとおり、他作目に比べまして総じて認定農業者の割合が高いわけでございます。
その中で、やはり畜産、酪農それぞれ経営に特色がございまして、例えば、品質向上でございますとかコスト低減、統一的な出荷といったことに取り組む生産組織、これは農協、JAの中の酪農部会でございますとか肥育あるいは繁殖部会といったようなことで、そういった生産組織がそれぞれ相当芽生えてきております。したがいまして、こういった生産組織におきましては、組織内の既存の認定農業者を核といたしまして、新たな認定農業者の育成、あるいは組織全体の生産性向上といったものに積極的に取り組む事例というものも見られているわけでございます。
したがいまして、私どもといたしましては、この担い手というものは、もちろん認定農業者を基本とするわけでございますが、認定農業者に準じた一定の要件を満たす営農形態というふうなことで、ただいま申し上げました、直ちには認定農業者となれないにしても将来的には認定農業者となると見込まれる者の存在というものも十分にこれは考慮する必要があるのではないかというふうに考えている次第でございます。したがいまして、こういった形態を認定農業者に準ずる担い手として位置づけるかどうかにつきましては、こうした実態も十分踏まえながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
それから、担い手と経営安定対策の関係でございますが、これにつきましては、それぞれ畜産につきましては、また別途、品目別の経営安定対策を行っているわけでございますので、それにおけます担い手のあり方ということにつきましては、引き続きまして検討を私ども進めているわけでございますので、さらに引き続き検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○高橋委員 一概に認定農業者だけではないというふうなお話がされたと思います。
本当に酪農、畜産の経営に当たっては、政府が言っている、例えばコスト削減の努力ですとか、ありとあらゆることをやってきて今に至っている、そういう感じがするんですね。
昨年の夏に、九月でしたけれども、北海道の釧根地域の酪農調査に参りました。まさにそういう認定農業者であり、家族経営を幾つか集合して法人経営をやっていたり、あるいはさまざまな機械化を導入してコスト削減の努力をされている、そういう方たちにお会いをしてきたわけなんですけれども、皆さんが一様にお話をされたのは、堆肥の処理施設の矛盾が非常に起きている。
施設はつくってはいるんですけれども、見込みが全然甘くて、三カ月分は丸々余ってしまうんだ、キャパを超えているんだということで、そこが非常に悩みになっているとか、やはりこの規模拡大を進めてきて借金もかなり抱えているわけですけれども、それが回っていかない、今日の乳価のもとではとても回っていかないというようなこともそれぞれ言われて、いずれにしても、彼らのそういう規模拡大なりコスト削減のさまざまな努力は、やはり国が指導して、今言った堆肥施設だってそうなんですね、国が指導した中でそのとおりやってきて、一億もかかる施設をつくったりしているわけなんですよね。そういう中でこういう矛盾が起きているということは、私は強く指摘をしておきたいんです。
きょうはほかの問題があるのでここは指摘にとどめますけれども、そういう、規模拡大を進めてきたけれども、今起こっている矛盾をまず国としてしっかり把握をしてほしいということです。それと同時に、今の食料自給率の向上の中で、飼料自給率の向上というのが最大のかぎになっていると思うんですけれども、その点でも、輸入飼料に頼っている、それがやはり規模拡大と比例してといいますか、そういう事情が起きてきているということもまたこれありでありますので、その点をしっかり見ていただきたいということを、まず指摘にとどめたいと思います。
次に、BSE問題に移りたいと思うんです。
このことも本当に改めて私は言いたいんですけれども、日本の生産者の皆さんが二〇〇一年のBSE国内発生を受けてどれだけつらい思いをされたのか、苦労をして育てた牛を食べてもらえない、処分をしなければならない、それこそ、国の指導に従って言うことを聞いてやってきたのに、それが間違いだったと言われてどんなに悔しい思いをされたのか、そういう悔しい思いをされて今全頭検査を確立し、トレーサビリティー制度も始まり、本当に日本の牛肉は安全、安心して食べられるんだということが確立してきたわけなんですよね。そういう中で、今、米国の圧力が強い、そして審議が遅いんじゃないかという声も国内から起きる、そういう中で先般の島村大臣の非常識発言ということがあって、本当にこれは私残念きわまりない、このように思っているんです。
二月十七日の予算委員会で島村大臣に私はこの問題を質問しているんですけれども、そのときに大臣はこのようにおっしゃいました。「我々は、何遍も御答弁申し上げているように、あくまで日本がとっている措置と同じことをしていただく。」「あくまで食の安全、安心を大前提として」「これからの輸入再開に向けての努力をしなければならない。そのことの確認ができるまでは、だれが何と言おうとこれはどうしようもないことだということをはっきり向こうに申し上げて、理解をしていただいた。」と。私は、この大臣の「だれが何と言おうと」というこの強い発言に大変励まされた、そういう思いをしているんですね。
それで、二十四日の農林水産委員会の所信質疑の中でも同様の答弁をされていたかと思います。ところが、その次の日、二十五日の予算委員会の分科会では、全頭検査は世界の非常識だなどという発言をされて、どうして急に変わってしまったのか、いや、それが本心だったのかと、さまざまなことを思うわけですが、改めて大臣のその発言の真意を伺いたいと思います。
○島村国務大臣 アメリカ側からもいろいろお話などいただいた際にも、私はあくまで、我が国に輸出をなさるならば我が国と同等の措置を講じていただく、そして同時に、我々はあくまで食の安全、安心ということを大前提にこれからも科学に基づいて食肉の提供の道を開く、したがって、その道に従っていただくと強く申しまして、それ以降は、少なくも私に対してはアメリカ側は極めて紳士的にいわば圧力めいたものは一切ないで今日まで来ている。
そういう経過の中で、いわゆるBSEが我が国で発生した平成十三年九月以降、翌月からは全頭検査という大胆な緊急避難的な踏み込みをいたしまして、それで約三年で三百五十万頭のいろいろな検査の経験を経た、そして、その中間とりまとめを得て我々は少なくも今諮問をしているという過程でありますが、私たちの姿勢の中に、いいかげんで手を打ってしまおうとか、そういう妥協に似た気持ちは全くありません。そして、食品安全委員会に現在諮問中でありまして、その結果を心待ちにしているというのが率直な私の感想です。
ただ、あのときに、私は再三申し上げているように、私がなぜ非常識と言ったかというと、少なくも全頭検査をやっている国は日本以外にはどこにもないわけです。ですから、これは世界の常識にあらずということで、私はしゃべる際にちょっと言葉がきついかなと思いつつも、常識にあらずという判断、だから非常識かなと思って言ったところですが、その後いろいろ冷静に考えてみると、やはり非常識という言葉を使ったことは適当でなかったということでこれを訂正したわけでありまして、私自身の側には何らやましい考えが裏にあるわけではありません。
○高橋委員 大臣がその常識にあらずだと述べただけだということをほかの委員会で答弁されているのを聞きました。改めて私議事録を読んでみたんですね。その非常識という言葉がどういう過程の中で出てきたかということを考えたときに、やはりそれは予算委員会の分科会の、公明党の委員さんですけれども、この方は、農水委員会の、私たち野党が共同提案をしたBSEの問題に対しての質問の中でも、焼き肉関連業者がばたばた倒れているじゃないかとか、安全はリーズナブルでなければならないとか、そういうことを発言されていた方であります。そのことを、それは私はどうこう言いませんよ、個人の見解ですので。
そういうことをさまざま述べる中で、大臣は、どうして今までそういうことを言ってくれる方がいなかったんだろうか、そういう趣旨のことをおっしゃっていますね。つまりは、大臣は同じ気持ちだったんだと。自分だって非常識だと思っているけれどもだれもそう言ってくれないから、ようやっと言ってくれた、そういう中で出てきた発言ですよ、これは。常識にあらずとかそんな意味じゃありません。そもそも非常識というのは、一遍に使っちゃったらそういう意味にはならないんです。ですから、さっき訂正とおっしゃいましたけれども、そうではなく、きちんと撤回あるいは謝罪するつもりがありますか、伺います。
○島村国務大臣 これも何度か繰り返されたことですが、きちんと撤回もいたしました。
○高橋委員 謝罪という気持ちはないんですか。
○島村国務大臣 適当でなかったということと撤回したということは、その意思が含まれていると御理解いただきたい。
○高橋委員 適当でなかったということをお認めになったかと思います。
そこで、この方はもう一つこういうことを言っているんですね。安全委員会は神学論争をやっているようだと。きょうは寺田委員長にもおいでいただいていますけれども、科学者の皆さんが、さっきちょっとお話にあったように、少ないデータの中で持てる知見を本当に尽くして議論をしているときに、ほとんどないリスクのためにこれだけいつまでも議論しているなんて神学論争のようだ、こういう話さえ指摘をしているんですよ。
しかし、幾ら何でも、そういう言い方は大変失礼ではないかと思いますね。当然、科学者の議論には時間も必要だ、データを集めるだけの時間も必要だ、決してそういう指摘は当たらないと思いますけれども、これを受けて、大臣、一言感想を伺えますか。
○中川政府参考人 食品安全委員会に対しまして農林水産省は諮問をしている立場でございます。食品安全委員会では科学的な知見に基づいてきちっと審議をしていただく、私どもとしては、その帰趨を慎重に見守っているところでございます。
○高橋委員 仮にもそういう科学的知見を持って審議している委員会に対して、やはりそういう議論はふさわしくないだろうというふうに受けとめたいと思います。
そこで、クロイツフェルト・ヤコブ病が発生をしたことで、それが英仏に一日でも滞在をすれば献血を禁止する措置を決定しました。逆に言うと、一日でも禁止をするというのは、これも世界にないことであります。
厚生労働省に伺います。なぜこのような措置をしたのでしょうか。
○黒川政府参考人 御説明申し上げます。
平成十七年三月七日に、クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会において、バリアント・クロイツフェルト・ヤコブ病患者の英国滞在歴が二十四日程度であったこと、それからフランス滞在歴が三日程度であったことが報告されました。バリアント・クロイツフェルト・ヤコブ病は輸血により感染する可能性が指摘されていること、及び短期間でも危険部位の高濃度暴露によりバリアントCJDに感染する可能性が否定できないことを踏まえまして、世界的に見て最も安全性に配慮し、予防的に、一九九六年以前に英仏におのおの一日以上滞在した場合は献血制限を行う措置を当面暫定的に講ずることとしたものでございます。
この当面の措置については、献血の減少による血液製剤の安定供給に対する影響も調査し、専門家の意見を聞いて実施することとしております。
○高橋委員 血液製剤の安定供給ということが最後にお話しされておりましたけれども、かなり思い切った措置だと思うんですね。要するに、たとえ一日でもとなると、数十万という数になるだろうと。ですから、血液製剤の供給にも影響を与えるかもしれない。しかし、その可能性を否定できないから、やはり予防的にこれはやらざるを得ないと。それはもう本当に重要なことだと思うんですね。
日本人の遺伝子型の問題、九一・六%がM・M型というBSEに感受性が強い遺伝子型を持っている、そうしたこともあると思うんですね。やはりそういうことが影響して今回の方が発生したということも見る必要があるのではないか。薬害エイズの二の舞を踏まないためにも、こうしたことはきちんと対応しなければならない。今とれる最善の策をとるべきだと思っているんです。
ですから、私は、やはりこの観点は、あの全頭検査に踏み切った時点もやはり同じだったんではないかと思うんですね。厚生労働省は、当時、三十カ月齢以上の検査で十分でないか、そういう立場だったのではないか。しかし、そうしたことを含めて、検出限界としては、二十カ月以下のところはなかなか出てこないけれども、しかし、それは徐々に徐々に下がっていくわけだし、あるいは予防的な意味でも、国民の安心という意味でも、やはりそれは最善の策として今は必要なんだというふうに見るのは道理があると思うんですけれども、この点で、厚生労働省に伺いたいと思います。
○外口政府参考人 血液対策については、vCJD感染の有無をスクリーニング検査できないということや、異常プリオンたんぱくを輸血用血液から効果的に除去する技術が確立されていないという状況も踏まえた対応と理解しておりますが、既に一定のリスク軽減技術等が確立したBSEの場合におきましては、昨年九月に食品安全委員会が取りまとめた国内BSE対策の評価、検証の結果において、検出限界以下の牛を検査対象から除外するとしても、全月齢の牛からのSRM除去措置を変更しなければ、それによりvCJDリスクが増加することはないとされております。
また、この評価、検証結果においては、BSE国内対策を検討する上で十分考慮に入れるべき事実として、二十一カ月齢以上の牛については、現在の検査法でBSEプリオンの存在が確認される可能性がある等とされております。
厚生労働省としては、これらのことを踏まえ、食品安全委員会に諮問を行ったものであり、同委員会からの答申に基づき対応してまいりたいと考えております。
○高橋委員 今の答弁は、私は、その諮問はさておきとして、考え方としてもう少し厚労省として誠実な答えがいただけるのかなと思ったのに、ちょっと残念でありました。
そこで、重ねて伺いますけれども、今お話しした諮問をするきっかけとなった中間とりまとめですけれども、そこの最終の部分で、「我が国における約三百五十万頭に及ぶ検査により二十ヶ月齢以下のBSE感染牛を確認することができなかったことは、今後の我が国のBSE対策を検討する上で十分考慮に入れるべき事実である。」これが、言ってみれば諮問をする、二十カ月齢以下でいいですよということの諮問の決め手になったかなと思うんですけれども、これが一体どこから来たのか、だれがこの案を入れたのか、伺います。
○寺田参考人 お答えいたします。
この中間とりまとめの結論の部分に関しましては、プリオン専門調査会から取りまとめを一任された、これは九月の六日だったと思いますけれども、座長が座長代理とも相談して文章を確定したものでありまして、それの報告を私ども、親委員会と言ったらちょっと口幅ったいですけれども、委員会が九月九日にそれを受け取り、了承したところでございます。
○高橋委員 今委員長からちょっとお話あったんですけれども、この修正二次案の中にその経過について書いているんですよね。
山内委員から、BSE検査月齢の線引きは科学的根拠に欠けるとして結論では勧告しなかったにもかかわらず、月齢見直しを諮問した目的についての質問があった。これに対して、厚生労働省は「中間とりまとめ」の結論部分の文言にもとづいて、科学的合理性を確保するためであると回答した。
この結論部分の文言は、座長一任後に修正されたものであった。この文言に関連して、金子座長代理から科学者と行政の立脚点の相違により異なる受け止め方がなされたこと、「中間とりまとめ」の作成作業を少し急ぎすぎた感のあったことを指摘する総括的発言があり、吉川座長からは、この総括を評価する発言があった。
ということで、つまり、委員の中からも何でこれが出てきたのかがわからないと。「座長一任後に修正されたものであった。」つまり、座長に一任されて、この結論を出そうということは委員会の中では合意されていなかった。だけれども、それは、言ってみれば厚生労働省だと思いますけれども、最終的に入ったというふうに読める文章ですけれども、違いますか。
○寺田参考人 九月六日のプリオン専門調査会の議事録を見ていただければわかりますように、会の終わる直前になりましてですが、これは大変いいセッションだったんですけれども、ある一人の委員の方が、これは結論に入れるのはおかしいのではないか、本文中はそのままでいいのではないかという話で、結論の部分からは外す、しかし、本文中には今まで三百五十万頭やって云々の文章を入れた、そういう経過でございまして、その間にどなたかが入ってきて文章をこういうふうに変えたとかというようなことは、私は考えられないような気がしておりますので、この話が出るたびごとに、どうしてそういう話が出るのか、これは金子委員それから実際にいました佐多委員とか、それを指摘したのは佐多委員なんですけれども、その場でのいろいろな議事録、そのほかの方も言われた議事録を見ていただければ本当にわかると思います。これは僕は大変残念なことだと思います。
○高橋委員 今委員長が残念なことだとおっしゃったのは、私は非常に大事なことだと思うんですね。確かに、私、今改めてここを読みましたけれども、その中間とりまとめの部分、結論の前に出ているんですよね。ですから、いろいろな意見、確かにそういうことをお話しされた方もいたけれども、でも、それは決してみんながそれを結論としてやろうというのではない。そういう、集団的な議論の中でなってきたものだ。だけれども、それが何かもう既に、線引きでもないということがさんざん言われているのに、結果として諮問になったということが、やはり非常に拙速ではなかったのかということを指摘せざるを得ないなと思っております。
それで、時間が非常になくなってきたわけですが、この間、食品安全委員会の審議が非常に遅いのではないかと外務大臣などが発言をしたりして、私は非常に問題であると思うんですね。先ほど来お話ししているように、たくさんのデータを読んだり集めたり研究したりして、十分な時間をかけてやらなければならないし、まして、それが国民の命と健康に影響するものである、それに対して時間をかけるのは当然だと思うんですね。
そこで、改めて委員長に伺いたいんですが、十一日の委員会が終わりました、次の委員会をいつというのはまだ決まっていないと思うんですけれども、それまでにどれだけの作業が必要になるでしょうか。つまり、委員の皆さんに案を送ったりとか意見を受けたりということが必要だと思いますが、どれだけの作業と時間が必要になるでしょうか。それと、そういうことを踏まえて、時間を区切る、いつまでに結論を出せというのは非常に難しいことだと思いますが、その点、いかがでしょうか。
○寺田参考人 十一日の会議のときにも皆さん、プリオン専門調査会の方が言っておられましたけれども、結局、結論の部分はあいたままになっているわけですね。結論の部分に関しましては、座長と座長代理が相談して、それの案をつくって皆さんに回して、多分それが返ってきて、そのときに話して、これは合わないとか合うとか、それ以外にもいろいろな問題点が出てくると思いますけれども、それをまた皆さんにお返しして、それからもう一度返ってきたものを次の専門調査会に出す。そこで、手紙とかのやりとりでないところの場でみんな顔を合わせながら議論する、そういうことになると思います。
時間に関しましては、なかなかわからないので。それから、非常勤の先生方ですから、なかなかタイミングが合わない場合がありまして、これは、私ども、範囲内で、プロセデュアの上では早い方が私もいいと思っておりますので、そういう努力はしたいと思っております。
以上でございます。
○高橋委員 時間が来ましたので。
決して、時間を区切って、いついつまでに結論を出せ、そういうことはあってはならないと思う。そういう意味で、これまで大臣がお話しされてきた安全、安心、同等の措置ということで、強くこれからも堅持をしていただきたいということを述べて、終わりたいと思います。
ありがとうございました。