国会質問

質問日:2019年 5月 28日 第198国会 本会議

児童虐待防止法改正案可決

高橋議員「親権者体罰禁止に意義」/衆院本会議

 児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等改正案が28日の衆院本会議で全会一致で可決されました。同案は政府原案を与野党協議で修正したもの。採決に先立ち、日本共産党の高橋千鶴子議員が賛成討論を行い、修正可決は「大変意義あること」だとしつつも、求められる水準からは遠いとして、さらなる抜本改正を主張しました。
 討論で高橋氏は、国連子どもの権利条約批准後25年を経ても、児童虐待の相談は毎年増え続け、命まで失われる事態があとを絶たないと指摘し、同案で親権者による体罰の禁止を明文化した意義を強調しました。
 その上で、体罰を明確に禁止すべく、民法の「懲戒権」の削除も視野に2年以内の検討を行うことになった一方、今後「体罰」を定義するガイドラインづくりで参考とする学校教育法は「正当な懲戒」を認めており、「懲戒と体罰の境目はあいまいで、許される体罰の余地を残している」と指摘。同条約の精神にのっとり、「子どもの品位を傷つけるあらゆる行為を禁止すべきだ」と主張しました。
 また、野党案が求める児童相談所設置基準の法定化と中核市・特別区での相談所設置の義務化で一致できなかったものの、身近な自治体での児相設置の意義は共有されたとして、国の思い切った支援を要求。児童福祉司や児童心理司の増員、専門家の養成について国の責任を果たすべきだと指摘しました。
 高橋氏は、家庭内暴力(DV)と児童虐待対応の連携強化が明記されたことも示し、実効あるDV法への抜本改正を求めました。
( しんぶん赤旗 2019年05月29日付より)

―議事録ー

○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました児童虐待防止法等改正案に賛成の討論を行います。(拍手)
 日本が子どもの権利条約を批准して二十五年、残念ながら、子供の権利は脅かされ続けています。児童虐待の相談件数は毎年ふえ続け、命まで失われる事態が後を絶ちません。
 この世から虐待をなくしたいという思いは与野党共通のはずです。私たち野党は、昨年に続き対案を提出し、五月十日、本会議で閣法と同時に審議入りしました。このたび、与野党協議が調い、全会一致で修正可決されたことは、私たちの求める水準からはまだ遠いとはいえ、大変意義あることと考えます。
 法案の最大の論点は、親権者による体罰の禁止を明文化したことです。しつけを口実に繰り返される体罰をなくすために、法律ではっきりと禁止することは不可欠です。また、しつけの根拠とされた民法八百二十二条の懲戒権については、削除も視野に入れた二年以内の検討を行うとしました。
 しかしながら、体罰の定義は今後ガイドラインで示すといい、その参考とする学校教育法十一条は明確に正当な懲戒を認めています。懲戒と体罰の境目は曖昧で、許される体罰の余地を残しています。
 国連子どもの権利委員会は、体罰はどんな場合にも品位を傷つけるものであるとし、有形力ではなくても、子供をけなし、辱め、侮辱し、身がわりに仕立て上げ、脅迫し、怖がらせ、又は笑い物にするような罰についても、残虐かつ品位を傷つけるものであり、条約とは両立しないと指摘をしています。
 民法の懲戒権規定は速やかに削除し、子どもの権利条約の精神にのっとって、子供の品位を傷つけるあらゆる行為を禁止するべきです。
 なお、子供が精神的苦痛を訴えても、肉体的苦痛を伴わなければ体罰とみなさず、逆に、肉体的苦痛を訴えても、客観的に見れば体罰とまでは言えないと学校側が判断する場合もあり得るのです。この学校教育法の考え方についても、今こそ議論するときではないでしょうか。
 論点の二つ目は、児童相談所の増設と体制強化についてです。
 野党案は、児童相談所設置基準の法定化と中核市、特別区での児童相談所設置の義務化を求めましたが、一致できなかったことは残念です。ふやすことと身近な自治体が設置する意義は共有されており、さらなる国の支援を強く求めます。
 また、児童福祉司の増員、児童心理司の倍加など、人材確保と専門家の養成には国による思い切った財政措置が不可欠です。子供の命と権利を守る最前線で働く職員が確実に育ち、現場を支えることができるように、国が責任を果たすことが求められています。
 第三に、この間の虐待死事案を受け、転居に伴う児童相談所間の確実な引継ぎ、関係機関の連携強化について、法案でも強調されたことは重要です。あわせて、検討事項となった保護者支援プログラムの確実な実施や、児童の意見表明権の保障などについても、各地の貴重な実践に学び、確実に進めていただきたいと思います。
 子供を守るためには、ちゅうちょなく保護をすることは必要です。しかし、保護はイコール親子分離ではなく、親子関係改善のプロセスと位置づけるべきです。そのためにも、一時保護所は子供にとって安全で安心の居場所であること。残念ながら、職員による虐待や子供間の性トラブルなども判明する中、管理と支配の関係ではなく、心を開ける信頼関係を築くことは一層重要です。
 なお、DVと児童虐待対応の連携強化が明記されました。DV被害者が加害者になることがないよう、縦割りではない連携を求めるとともに、実効あるDV法の抜本改正を求めたいと思います。
 終わりに、何が体罰に当たるのか知らなかった、自分の家が虐待家庭だとは気づかなかった、虐待されて育った子供たちの声です。子供が権利について学び、嫌なことは嫌だと声を上げられること、その声を大人が正面から受けとめることが、真に子供の権利を保障することにつながるのではないでしょうか。
 そのような社会を目指し、国として全力で取り組むことを求め、私自身も奮闘する決意を述べて、討論といたします。(拍手)

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