障害者採用「配慮不足」/高橋氏、統一選考など質問/衆院厚労委
日本共産党の高橋千鶴子議員は26日の衆院厚生労働委員会で、中央省庁での障害者雇用率の水増し問題を受けた政府の対応についてただしました。
政府は今回、初めての障害者統一選考試験を行い、3月に正職員として754人の合格者を出しましたが、知的障害者は0・4%(1人)しか合格していません。高橋氏に、人事院の三田顕寛人材局審議官は「障害の種別にかかわらず同一の筆記試験で障害の特性によってはなじみにくいところもあったかと考える」と認めました。
一方で三田氏は、今回の同試験の第一選考では受験申し込み者数8712人のうち1524人が配慮を希望し、視覚障害者には点字での受験、拡大鏡や音声読み上げパソコンの使用、聴覚障害者には試験官の発言事項を書面で提出するといった配慮が行われたと紹介。高橋氏は、2015年に厚労省が出した指針には試験時間の延長や支援機関の職員等の同行なども書かれていたとして、試験段階でのいっそうの合理的配慮を求めました。
その上で、各省が採用時点でどのような配慮をしたか厚労省の責任で把握し、次の試験に生かすべきだと要求。根本匠厚労相は「関係閣僚会議のもとでフォローアップを行って着実に取り組みを推進していきたい」と述べました。
高橋氏はさらに、難病や発達障害が雇用促進法の障害者の範囲には入っているのに、なぜ試験の対象外かと追及。難病は就労中に発症することが多いが、合理的配慮があれば働けるはずで、障害者雇用率をかせげないから採用しないという「逆の意味で差別が起きている」と改善を求めました。
( しんぶん赤旗 2019年04月28日付より)
―議事録ー
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
きょう、朝からの質問を聞いていまして、多くの委員の皆さんと部分的にダブる質問もあったなと思っておりますけれども、全体の私の質問の流れもありますので、ダブるところも御了解いただきたいと思います。
それで、まず最初に伺うのは、水増し問題を受けて、ことし初めての統一選考試験が行われました。七百五十四名が採用されたということがわかっておりますが、そのうち障害の種別割合はどのようになっているのか、お願いいたします。
○三田政府参考人 お答えいたします。
今回の障害者選考試験につきましては、委員御指摘のとおり、合格者七百五十四名を発表したところでございます。この合格者のうち、障害の種別ごとの割合を申し上げますと、身体障害者手帳等を有する方が四二・三%、療育手帳等を有する方が〇・四%、精神障害者保健福祉手帳を有する方が五七・三%となってございます。
○高橋(千)委員 それで、先ほどから、知的障害が、今で言うと〇・四%、少ないねという指摘がございました。〇・四%ということは、七百五十四名に掛けると一人、要するに一人なんですよね。それで、申込みの時点では、いただいた資料でいいますと三・二%。八千七百十二人に掛けますと二百七十九人になるわけです。
それで、私が思ったのは、申込みの時点で既にかなりの差がついています。つまり、無理だろうと、そもそも申込みを諦めている方がたくさんいらっしゃる。そして、さらに、それでも頑張って申し込んだ中でも、合格にたどり着いていないということがはっきりしたのかなと思っています。
これは、知的障害のある方たちについて、始まる前に、高卒程度の筆記試験をやるんだということが発表された時点で、これは絶対無理だよということは指摘をされていました。私自身も、発達障害だったと思いますが、議員連盟で一緒に議論したときにもそういう指摘があって、政府の側としても予想された事態ではなかったのかと思いますが、率直な感想を伺いたい。大臣、いかがでしょうか。
○土屋政府参考人 お答え申し上げます。
昨年、不適切な計上が見つかりまして、多くの機関で未達成であるということがわかって、その後に基本方針を関係閣僚会議で十月に策定をしているわけですが、その基本方針においては、障害種別を問わずに広く採用を進める、こういうことでやってきたわけでございますので、そういった中で、結果として今御指摘があったような形になっているということかと思います。
なお、私どもの数字の把握では、この四月一日までの採用数というのを各省に調査をしたわけでございますけれども、その中においては、全体で二千七百五十五・五人ですが、障害種別で見ますと、身体障害は千三百二人、知的障害の方は五十三・五人、精神障害の方は千四百人ということで、知的障害の方は五十三人ほどの採用が実際にあったということになっております。
○高橋(千)委員 そうです。今言ってくれたんですけれども、まさか、全体だと一人じゃないからいいんだって言いたいんじゃないですよね。わかっていたことですよねと聞いています。それは、試験の前に既に当事者団体から指摘があり、我々国会議員もそのことを政府の前、団体の前で指摘をしているから、全体の共通認識となっていたはずです。いかがでしょうか。
○三田政府参考人 お答えいたします。
今回実施いたしました障害者選考試験は、身体障害者手帳等、それから療育手帳等又は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方を対象といたしまして、統一的に実施したものでございます。
障害の種別にかかわらず同一の筆記試験による第一次選考を行っておりまして、障害の特性によってはなじみにくいところもあったかと考えております。
○高橋(千)委員 このこと自体をきちんと捉えて、障害者雇用の分野は労働局の側なんですけれども、しかし、障害の特性を知っているのは厚生の分野であるわけですよね。やはりそこを、本当に力を合わせて、その採用試験の段階でどう本当に差別の禁止ということをできるのか、あるいは合理的配慮ができるのかということを議論して、今回の反省を次につなげなければ、検証というのが不十分だということは私は今でも思っていますが、とてもじゃないが再発防止策にはつながっていかない、このように指摘をしたいと思います。
それで、そういう立場で話を続けていきますけれども、高卒程度の筆記試験で受験上の配慮を申し出た方がどのくらいいたのか、そしてどんな配慮が得られたのか、具体的にお願いいたします。
○三田政府参考人 お答えいたします。
障害者選考試験の第一次選考におきましては、試験時に能力を発揮していただけるよう、受験上の配慮を行っており、配慮を希望された方は、受験申込者数八千七百十二人のうち千五百二十四人となっております。これらの方には、障害の内容、程度等に応じて必要な配慮を提供したところでございます。
配慮の具体例といたしましては、視覚障害のある方につきましては、点字での受験、拡大鏡の使用、音声読み上げパソコンの使用といった配慮を提供し、聴覚障害のある方につきましては、試験官の発言事項を書面で提示するといった配慮を提供し、また、上肢機能障害等のある方につきましては、作文試験においてパソコンを使用するということを認めるという配慮などを提供したところでございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
昨年も、この試験をやるに当たって、そうした配慮をしていただきたいということを要望したわけですけれども、やはりやればできるんだなって思ったんですけれども、ただ、二〇一五年に既に厚労省は合理的配慮指針を出しておりまして、その中に、今おっしゃった、例えば視覚障害であると、点字や音声等による実施や試験時間の延長を行うこととか、聴覚・言語障害であると、就労支援機関の職員の同席を認める、面接を筆談により行うとか、知的障害の方に対しても、面接のときに就労支援機関の職員の同席を認めるなどということが書いてあって、もう指針を出していたんだったらそれがもっと早くに徹底できたなということを強く思っておりますので、そのことを指摘したいと思うんですね。
その上で、先ほど既に答弁があったんですけれども、各省庁全体の試験の中で、知的障害が一・九%で、身体が四七・二%で、精神が五〇・九%であった、千九百九十一人を非常勤として雇用したということがわかっている、そこまでは厚労省がつかんでいる。
では、全体としてどのような配慮がされたのか。つまり、統一試験というのは、あくまでも、どこに配置するかを決めないで、一応事務という形でこういう採用試験をしているわけですね。だけれども、各省庁いろいろな、どんな仕事をしてもらいたいのかというので特徴ある試験をやり、かつ、その中で、もっとそういう障害に応じた試験の仕方というのは考えられるはずだったと思うんです。それを把握をしていますかということをお聞きします。
○土屋政府参考人 全体の採用という意味では、人事院の統一的な試験のほかに、各府省で試験を行ったり、あるいは非常勤職員としての採用ということがあるわけでございます。
こういった各省庁での個別の試験あるいは非常勤採用の状況について、恐縮でございますが、今の段階では十分に、現状、把握ができておりませんので、今後、課題を検証していくためにも、いろいろ各省から事情を聞いていきたいというふうに思っておりますが、例えば厚生労働省ということで申し上げますと、都道府県労働局において独自の選考採用、これは常勤職員としての採用ということで行いまして、一般職員と軽易な業務に従事する職員というふうに募集を分けた上で、軽易な業務に従事する職員への適性を判断する試験というのを別途実施をして、この四月一日で十七名の知的障害の方を常勤職員として採用しているという状況がございますので、こういったことも含めて、各省での取組を促していきたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 済みません、大臣にこの点確認をしたいと思うんですが、今、厚労省のお話がされました。ただ、実際に各省庁のことはつかんでいないということなんですね。だから、これからは厚労省がどういういわゆる強制力を発揮していくのかということが問われていくわけなんですよね。
そういう意味で、関係閣僚会議でもフォローアップを行うことは明記をされております。採用の時点でどのような配慮がされたのかを厚労省の責任で各省庁の内容を把握をして、次に生かすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○根本国務大臣 委員がまさに御指摘あったように、要は、関係閣僚会議で政府一体となって推進する体制をつくっておりますので、このもとでフォローアップを行って着実に取組を推進していきたいと思います。
厚生労働省としても、各府省の基本方針に基づく取組状況について可能な限り把握し、必要に応じて適切に助言指導を行っていくことを考えておりますが、採用に係る事項については、人事院など関係機関ともよく相談して対応を検討していきたいと思います。
○高橋(千)委員 そこはしっかりお願いしたいと指摘をしておきます。
それで、国等に対して、障害者雇用の促進等の業務を担当する障害者雇用推進者、これは官房長が予定されているということでありますが、それと、職業生活に関する相談指導を行う障害者職業生活相談員、この選任義務を課すとしています。これが何人くらい、省庁にどのくらい配置をしようとしているのかということと、どのような人を選ぼうとしているのか、伺います。
○土屋政府参考人 御指摘の点ですが、障害者の職場環境の整備などに取り組むために、今回の法案の中では、全ての国の機関及び地方公共団体において、障害者雇用促進の業務を担当する障害者雇用推進者と、職業生活に関する相談指導を行う障害者職業生活相談員の選任を義務づけるということにしているところでございます。
具体的には、障害者雇用推進者につきましては、任命権者ごとに選任するということでございますので、国の機関で申し上げれば、各府省ごとに選任することになります。今御紹介いただきましたように、国の行政機関に関しては、先般三月の閣僚会議において策定した方針において、各府省等の官房長を選任するという申合せをしているところでございます。
また、障害者職業生活相談員につきましては、雇用する障害者が五人以上の事業所において選任するということになります。具体的な数がどうなるかということについては今の段階では判然としておらないところでございますが、どういった方をという点については、まず一つは、資格の認定講習というものがございますので、それを受講した方、それから、それに準ずるような方ということで、省令で定める相談指導等の能力が認められる資格を有する者といった、一定の条件を満たす人の中から選任していただくということを予定をしているところでございます。
また、法令上、その事業所に義務として選任されるのは一名ということになるわけでございますが、今でも民間におきましては、事業所の規模や障害者の数、障害の種類などに応じて複数の選任を行うよう求めているということでもございますので、国や地方公共団体に対しても同様の扱いを求めていくことにしたいというふうに考えておりまして、この点は障害者活躍推進計画の作成指針において示すことを検討しております。
○高橋(千)委員 指針において示すといっても、やはり議論の時点で一定の目安を出してくれないと、五人以上の事業所といったら、このばかでかい厚労省に一人いればいい、法的にはそういうことになっちゃうわけですよね。それは全然役に立たないだろう。それはその人の能力という意味じゃないですよ、とてもじゃないが手が回らないだろうということになりますので、せめて局ごととか課ごととか室ごととか、そのくらいのイメージはお話をしてくださってもいいんじゃないのかと思って、どうですか、お答えいただけますか。
○土屋政府参考人 まず、例えば厚生労働省でということで申し上げれば、地方の出先機関もございますので、そこはそれぞれの事業所ということでございますので、それぞれの単位ごとで考えていくという面があると思います。
また、厚生労働省本省の中でということについては、先ほども申し上げましたように、事業所の規模やそこで雇われている障害者の方の数、あるいは障害の種類によって相談体制を丁寧に組んでいく必要があるかどうかというようなところで見て考えていくということになろうかと思います。
部局ごとなどの御指摘も一つの考え方ではないかと思いますが、いずれにしても、今後、作成指針をつくる中で検討し、より具体的に各省に取り組んでいただけるように示していきたいと思います。
○高橋(千)委員 時間の節約でここは要望にとどめますけれども、本会議で質問した趣旨というのがちょっと伝わっていなかったなというふうに思ったんですけれども、要するに、本来雇用しなければならなかった障害者の方を一定程度常勤で雇用して、その分は、人事局が全て定員管理という形で、定員の中で要求は応えましたというふうにおっしゃいました。
でも、そこから先なんですけれども、その方たちが本当に定着をしていくためには、それこそそれを支えていく相談員などが必要なわけで、それも含めて、環境づくり、定着支援ということでは、全体としては定員がふえるというふうなイメージを持たなくちゃいけないと思うんですね。
局ごと、課ごとに全部一人ずつ採用しろとはいけないかもしれないけれども、少なくとも、当事者でそうした経験がある方を採用していく、その上で各部署の責任者と連携をとっていく、そういうことをやっていかなければ、それこそ数合わせがそのまま数合わせのままで終わってしまうんじゃないかなと思っています。
それから、初鹿委員がナカポツセンターの質問をされて、国の機関は対象にならないんだというふうなお話をされていたんですけれども、私も、それもすごく残念だなと思って聞いていたんですね。
結局、本当に実績があって、例えば、県庁のようなところに仕事を紹介した後に、センターの方が訪ねていっていろいろ相談に乗ってあげる。大丈夫ですかと相談に乗ってあげる。でも、それは受け入れる側にとっても助かるんですよ。つまり、障害の特性をよく知っている人が来てくれて、どういう対応をすればいいのかと悩みながら企業の方もやっているので、そういう意味でとても助かっているという関係になっている。だから、そういう人を省内できちんと雇用していく、そういう立場に立つべきだと思っておりますので、ぜひ大臣に要望しておきたいと思います。
それで、これも本会議で質問しましたが、同じ法律の中で、障害者の範囲には難病や発達障害が入るのに、雇用率で対象とされない。これは、何人かがきょうも指摘をされておりましたけれども、やはり納得がいかないところなんですね。
難病や発達障害でも、身体障害の手帳を持っていたり精神障害の手帳を持っている方、その方は当然対象になるわけですけれども、でも証明するものはあるんですよね。例えば、指定難病医療受給者証。こういう方たちもなぜ対象とできないのか納得がいかないんですが、もう一度お願いします。
○土屋政府参考人 雇用率制度におきましては、障害者の方々の就労機会という観点から、社会連帯の理念のもとで、全ての企業に雇用義務を課しているものでございます。
したがって、企業が、事業主が社会的な責任を果たすための前提としては、その対象となる方について、雇用という形での一定の環境が整うノウハウがあるというようなこと、理解の促進であるとかあるいは雇用促進のための支援策の充実といったことも含めてそういった環境が整っていることとあわせて、対象範囲が明確であって容易に判断ができ、公正、一律的に制度を運用できることが担保できることが必要であると考えております。この点から、手帳によって確認をするという制度にしているという面がございます。
一方、御案内のとおり、障害者雇用促進法の障害者には、手帳に限らず、職業生活において困難があるという方は定義の中に含まれておりますので、職業相談や職業紹介の支援の対象という意味では、今お話があった方も含めて広く対象にしておりますので、そういった方々に対しては、障害者雇用促進法全体の支援策の中でしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 やはりこれは受け手の都合みたいな感じがありますよね。範囲が明確というのに対して、だから指定難病医療受給者証もあるでしょうという指摘をしているのに、そこを何で排除する理由には全然なっていなかったと思います。
それで、続けますが、新難病法施行により、これは二〇一五年に施行されました、三年間行っていた経過措置が終了したということで医療費補助の対象から外れてしまった方たち、これは、そのとき私は質問していますが、当時、七十二万七千人のうち二割が不認定若しくは申請なし、そういう状況だったと思うんですね。
その後の生活実態調査を行うというふうに大臣が報告をしておりますので、その中で受療動向なんかがどのような変化があったのか、伺います。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
お尋ねいただきました難病患者の生活実態調査につきましては、もともと、難病法施行後の、経過措置対象者に限らない、難病患者全体の支援ニーズなどの生活の実態を把握するためのものでございます。これを活用いたしまして、今般、経過措置対象者の経過措置終了後の受診頻度の変化などの生活状況の変化を把握するための調査も実施したということでございます。
この調査は、経過措置終了前後の変化を見るため、平成二十九年、三十年度の二カ年にわたりまして実施したものでございますが、これを含む厚生労働科学研究事業につきましては、研究報告書の提出期限をおおむね翌年度五月末までとしてございますため、この調査につきましても、平成三十年度分はまだ研究班から最終的な報告を受けてはございません。
そのため、確定的なことは申し上げられませんが、研究班からは、経過措置終了前後の受診頻度を見ますと、経過措置終了後も引き続き認定された患者、不認定となった患者、いずれにいたしましても、受診頻度が減少していたということを聞いているところでございます。
ただし、先ほど申し上げましたとおり、この調査は、もともと、経過措置対象者のみを対象とした調査ではないことから、経過措置対象者の回答割合が非常に低くなってございまして、統計的な観点から調査結果の有意性を検証する必要があるところでございます。
また、受診頻度の減少には、日常生活の自立度や症状の改善も一定程度寄与している可能性も推測されるところでございます。
そのような点も含めまして、現在、研究班におきまして、調査結果の有意性の検証も含む詳細な検証、分析を実施しているところとの報告を受けているところでございます。
○高橋(千)委員 きのう参議院で受診抑制だろうと追及されたので、随分そういう防衛的な答弁をされたなと思っておりますけれども、私は、別にそういう問題ではなくて、実態をどうつかんでいるのかということを聞きたかったわけであります。
四百七十九名、この研究事業の中で不認定になった方の調査の中では、継続されている方は、半年間のうち五・七から五・二回、確かに減っていますけれども、不認定となった方は、半年間のうち五・三回から三・六回と減っているという意味では、減り幅が大きいねというのはやはり一つの特徴として言えるんだと思うんです。
その上で、同じ調査の中で就労についても何らかの調査があったと思います。やはり、難病というのは、働いて、職業生活を始めてしまってから発症する方も多いわけですよね。それで、合理的配慮があれば働けるのにという要望も強いわけです。
そういう意味で、その実態調査の中身を教えていただけますか。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
難病患者の生活実態調査におきましては、ただいま御指摘いただきましたような合理的配慮に関する内容については調査していないと承知してございます。
また、先ほど申しましたように、現時点ではまだ最終的な報告を受けていないため確定的なことは申し上げられませんが、平成二十九年度分の調査におきまして、難病患者の就労の有無や就労している場合の雇用形態等について調査を行ってございますので、平成三十年度も同様の調査を行っているものと承知してございます。
○高橋(千)委員 中間報告でもできないということですか。資料をいただいていますけれども。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
平成二十九年度の研究班からの報告書によりますと、これは経過措置終了前の調査として、調査票を配付した八県の医療受給者証所持者約三万人中、平成三十年一月までに返送された調査票の一部計二千五百六十二票の単純集計でございますが、その結果、調査時点で、就業中の患者さんは約半数の四五・二%であったということでございます。
現時点で得られているのは、この一時点の調査結果のみでございますため、改善状況等については現時点においてはお答えできないところでございます。
○高橋(千)委員 調査の中間報告を説明すること自体をなぜためらうのかな、何かその報告が、えっ、こんなにひどいのというのが出てきているわけじゃないんだから、どうして普通に報告できないのかなと思うんです。
だから、そこから何を読み取るのか、あるいは、もっと何を読み取らなきゃいけないのか、そういう議論をしようとしているのに、何で一々そういう条件をつけて言うのかなと非常に残念に思うわけです。
やはり言ったように、働いていた方が圧倒的に多くて、今も働いている方が多いんです。その中で、雇用枠で働いている方は一四・六%であったということで、それが、普通にあるんだけれども、難病なんだけれども、ほかの人と同じように別に問題なく働いているんだというのが全体としての結果であれば、それは一向に問題がないと思うんです。でも、そうじゃないから、いろいろな方から要望になっている。
逆に、雇用率の対象とならないがために、障害があって必ず病院に定期的に行かなきゃいけない、定期的に行かなければ、今は軽症で寛解状態ではあるけれども悪化することもあるよね、そういうときに面倒くさいし、しかも、要するに、採用しても雇用率にカウントされないから得でもない。そうなって、逆の意味で差別が起きるんですよ、なかなか採用されない。
そういう実態を見てほしいということで、大臣に最後質問するつもりでしたが、しゃべり過ぎて終わってしまいましたので、次までにまた用意をしていただきたいということで、きょうは終わります。
ありがとうございました。