日本共産党の高橋千鶴子議員は15日の衆院厚生労働委員会で、共働きなどで昼間に保護者が家にいない児童が放課後を過ごす学童保育の充実についてただしました。
児童が学童保育で過ごす時間は年間1600時間にのぼり、学校にいる時間より500時間多くなっています(全国学童保育連絡協議会調べ)。子どもを標的とした凶悪犯罪が相次ぐもとで、安全対策としても期待を集めています。
高橋氏は、学童保育などの「放課後健全育成事業」を、児童館の運営などを内容とするすべての児童を対象とした「全児童対策事業」一般に解消せず、独自に拡充を図るよう主張しました。
川崎二郎厚生労働相は、学童保育の意義について、「子どもが安心して過ごす場としても重要だ」と答弁。北井久美子雇用均等・児童家庭局長は「全児童対策にすべて移行することは困難だ」と明言しました。
学童保育には、国による全国統一の設置・運営基準がありません。高橋氏らの質問主意書(2004年4月7日)への政府答弁書によると、独自の基準を持つ自治体は45にすぎず、その基準も「トイレを設けること」など貧弱です。高橋氏は、こうした事実を指摘し、部屋の広さなど独自の基準づくりをすすめ、予算措置もしている埼玉県の例を挙げ、「児童福祉法に基づいて衛生対策や安全対策など国による基準が必要だ」と求めました。
北井局長は「質問主意書後の事態もふまえ、独自の基準を作っているところの内容を調査し、少し勉強したい」と答弁しました。
(2006年3月16日(木)「しんぶん赤旗」より転載)
――― 議事録 ――――
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
昨日の参考人質疑以来、児童手当や児童扶養手当を初めとして、少子化対策全般について話し合いが進んできたかと思われます。
きょうは、その中でも保育所と学童保育の問題について伺いたいと思います。
共働きや一人親家庭にとって保育所はなくてはならないものであり、かつて私たちの先輩たちは、ポストの数ほど保育所を、これをスローガンに赤ちゃんをおんぶしながら市役所交渉などを繰り返し、現在の保育制度を充実させてきました。
昨年九月に発表された少子化と男女共同参画に関する社会環境の国際比較では、OECD加盟国の中で、労働時間、雇用機会、地域の子育て環境、家庭内役割分担、子育て費用、若者の自立可能性など、子育てに関する指標で最も日本がおくれた国になっています。
待機児童の解消と公的保育の拡充は、今なお急がれる課題であります。皮肉にも、ポストも民営化されましたが、保育所までも市場開放を迫る経済界の声に押され、大きく変質させられようとしているのではないか、このことに強い危惧を持っているものです。
最初に伺いますのは、保育所の待機児童数が幾らか、そのうち旧定義による数字とあわせて伺いたいと思います。
○北井政府参考人 お答えを申し上げます。
平成十七年四月の待機児童数は、二万三千人程度となっております。
一方、いわゆる旧定義によります待機児童数は、四万三千人程度でございます。
○高橋委員 我々としては、旧定義という問題があると思うんですけれども、依然として四万人という方が待機しているという事実があると思います。
そこで、二〇〇四年から公立保育所の運営費が一般財源化されました。昨日の参考人質疑でも、これにより民間移管が急激に進んだという指摘がございました。
この間、公立保育所から民間への移管、形はさまざまあると思いますけれども、どのくらいあるのか、伺いたいと思います。
○北井政府参考人 平成十六年度からの公立保育所運営費の一般財源化後、公立保育所から私立保育所にどれぐらい変わったかという御質問でございますが、すべての数を把握しているわけではございませんが、平成十六年四月からの一年間で、公立保育所については、民間主体に対して、第一に無償譲渡が九十七カ所、第二に有償貸与が四十六カ所、第三に業務委託が四十三カ所ということでございます。
○高橋委員 この質問をする前に、以前数字をいただいたときに、この間の数字で業務委託や財産貸与ということで五百八十八カ所ふえている、そういう数字がございましたけれども、その点、確認してよろしいですか。
○北井政府参考人 お答えを申し上げます。
十三年度から十七年度までの累計ということの数字だと思います。それは、ちなみに、民間への業務委託が累計三百九十八件、民間への公有施設の貸与、累計百九十件、民間への公有施設の譲渡、累計二百四十件という数字でございます。
○高橋委員 ありがとうございます。
三年間の数字と一年間の数字ということでお出しいただいたと思います。やはり、民営化や民間委託が進んでいるということが言えるんではないか。
その背景には、自治体の財政難があると思うんですね。運営費の二分の一を国が持つという、いわゆるこれまでの国の責任を明確にした負担金制度から、使途が問われない一般財源化になったことが引き金となったのではないかと思います。
そもそも、国の負担金の根拠となっていた保育費用、いわゆる補助基本額が余りにも低いのではないか。保育単価は勤続十年までしか賃上げを考慮しておりません。これでは長く働き続けると、その分、公立ですから市町村が超過負担せざるを得ない、こうした事情があったのではないか、一因ではないかと思いますけれども、局長の見解を伺います。
○北井政府参考人 保育所運営費のレベルについてはいろいろな御意見があると思いますけれども、公立保育所と民間保育所の差を埋めるために、いわゆる民改費というものがございまして、その意味で、民間保育所の賃金水準についてもある程度の担保をしているものと考えております。
○高橋委員 いろいろあるけれども、差を埋めるためにというお話でした。ですから、私たちにしてみれば、民間の方たちを公立並みに引き上げていくのがやはり本来の格差是正ということではないかと思うんですね。やはり、民営化が進むと、短期雇用、非正規雇用が拡大し、結果として保育の質の低下につながるんではないか、こういうことは当然言えると思うんですね。
今年度から、施設整備費は次世代育成支援交付金に移行して、来年度から公立保育所分はなくなりました。実際、今年度の自治体から上がってきた協議の五四%しか交付金は配分されませんでした。自治体の裁量ということをよく言われますが、現実はこうではないのか。どうやってこれで待機児童を解消していくのか、再度伺います。
○北井政府参考人 今お話しのとおり、平成十六年度から公立保育所の運営費は一般財源化し、十八年度から、この改革によりまして、公立保育所の整備費も一般財源化をすることになっております。
今の御質問は、恐らく、今年度の保育所の整備費について、当初の用意が不十分であったということではないかと思いますけれども、確かに、当初予算におきましては、地方自治体から協議が上がってまいりました整備費の要請に対して十分こたえることができませんで、そういう意味では大変御迷惑をおかけいたしましたが、平成十七年度の補正予算とそれから十八年度予算案の総額で約四百十五億円ほどの手当てができておりますので、保育所の整備につきましては、この額を最大限活用して、十分な整備を図っていただきたいと考えているところでございます。
○高橋委員 その補正については、全国の保育関係者の方から、私も宮城県の施設の皆さんなどともお願いをしましたけれども、全国からそういう声が上がって、当然配分されるものと思っていたのが何だ、これまでの施設の計画は途中でどうなってしまうのだという大きな要望があって、こう措置されたということだと思うんですね。
ただ、補正予算のメニューが、たまたま今回、耐震化ですとかアスベスト対策ですとか、メニューがあったから救われたのであって、毎度毎度同じことを繰り返していくことができないわけですよね。そういう点で、本当に担保されるのかということが問われるのではないかと思うんです。
私は、時間がないので、このことを踏まえていただいて大臣にちょっと伺いたいなと思うんですけれども、この間、待機児童対策ということで定員の弾力運用ということもやってまいりました。要するに、認可定員を超えて子供を受け入れてきた。厚労省はそれを弾力化し、三年が経過しふやした人数に変化がない場合はその人数を定員とすると。そうして結局それが、ふやしたまま定員になっちゃったわけですよね。基準緩和がどんどん進んでいる。
ですから、当時、プールや園庭をつぶした、あるいはホールや廊下を保育室に読みかえて入所児童をふやした施設もある。それがそのままの状態で定員になった、進んでしまうわけですね。ですから、きちんとした予算の措置がされない。そういう中で、さっき言ったように保育士の問題もあるわけですけれども、また待機児童の数を減らすということにだけ進むと、やはりそこは基準緩和にだけ偏ってしまうのではないか。
今、多くの保育関係者の不安は、やはり保育の市場開放を迫る声が強まる、きょう、認定こども園の話は質問できないんですけれども、次回に回したいと思うんですけれども、認定こども園の中でも、認可外保育所を地方裁量という形で認めるものだとかが今出てきます。そういう形で、待機児童対策の名のもとで規制緩和が進み、結果として保育制度、公的保育の中身を突き崩すことになるのではないかという不安があるんです。
ですから、保育所として当然備えていなければならないもの、国が決めてきた基準というものは後退させるべきではない、あるいは拡充させるべきだと思いますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
○川崎国務大臣 今数字でもお示しいただきましたけれども、都市部を中心に待機児童の解消が課題となる中で、保育所の受け入れ児童数の増加を図るため、保育の質の確保に配慮しつつ、保育所の配置主体制限の撤廃や保育所分園の導入といったさまざまな規制緩和措置を講じてまいりました。
また、面積や職員配置の基準を維持できる体制のある保育所に限り、保育所定員を超えた受け入れを一定の範囲内で認めることにより、保育所入所の円滑化を図っており、この場合においても児童福祉施設最低基準は遵守されており、適切な処遇は確保されていると考えております。
今後とも、次代を担う子供の健やかな育ちを中心に置いて、保育サービスの充実を図ってまいりたい。
一方で、三位一体の議論につきましては、地方が責任を持ってやりたいという議論の中で、私ども、いろいろな考え方がございましたけれども、今日まで進めてきた議論の中で最終決断をしたものでございますので、どうぞ御理解を賜りたいと思います。
○高橋委員 今、最低基準の確保ということはお約束いただいたと思います。
ただ、やはり規制緩和を進めていく、確保しつつも規制緩和を進めていくということでしたので、その点についてはやはり意見が分かれるところですので、今後の議論でまたお願いをしたいと思っております。
次に、学童保育、放課後児童クラブの問題で伺いたいと思います。
先ほど山井委員も、実は、学童保育というのは学校にいる時間よりも長いのだというお話をされました。まさにそうであります。五百時間も多い時間を生活の場として送っている。そういう点でも非常に大事ではないかと私たちは思っています。
また、この間、子供たちを取り巻くいろいろな事件が起こっているわけですけれども、例えば、一昨年、下校途中の小学校一年生の女児の誘拐殺人事件が発生した奈良市では、新年度から、午後五時までだった開所時間を今後最大七時まで順次延長する予定だ、そして、事件後、前年度より四百人も多い児童が学童保育に入所し百人を超えるところが出てきている。ですから、子供たちを取り巻く深刻な事件を通して、改めて学童保育に注目が寄せられている、期待も寄せられている、そういう状況があると思うんですね。
それで、私はまず大臣に、厚労省的に言うと放課後児童クラブの役割、意義について、どのようにお考えか、伺いたいと思います。
○川崎国務大臣 子供が被害者となる事件が続いている中で、放課後児童クラブは、仕事と子育ての両立支援のみならず、子供が安心して過ごせる場として重要であると考えております。
○高橋委員 ありがとうございます。
そこで、今保育で幼保一元化、さっき言った認定こども園などの問題が話題になっております。学童保育においても、全児童対策事業ということがこの間やられてきて、一緒にやればいいのではないかという話がこの間随分出されているわけです。
私は、放課後の学校の開放あるいは地域との交流が重要だという点では何も異論を挟むものではありません。ただ、児童福祉法を改正してあえて位置づけた放課後健全育成事業なるもの、それ自体をしっかり維持し、全児童対策事業などの中に解消されるべきではないと考えますが、見解を伺います。
○北井政府参考人 全児童対策と放課後児童クラブの位置づけということでございます。
いわゆる放課後児童クラブにつきましては、放課後児童クラブを利用される児童につきましては、保護者が昼間就労などで御家庭におられないといったようなことでありますので、こうした子供さんの置かれている状況に十分配慮した上で遊びや生活の場を提供する必要があると考えております。すなわち、例えば、状況に応じた開設日数や開設時間の確保が必要でございますし、保護者との日常的な連絡体制、意見交換の確保が必要でございます。また出欠の確認あるいは安全確認の徹底といったことも配慮が必要でございます。
こうしたことを十分踏まえた上で放課後児童クラブというのはやっていかなければならないものだと思っておりますので、全児童対策というのはいろいろな形がございますから、しかも、特に学校の校内でやることが多いわけでございますから、それぞれの事業のやり方あるいは人材の交流、活用といったことも含め、あるいは学校との協力といったことも含め、十分連携していかなきゃいけないと思っております。
こうした放課後児童クラブへの配慮ということも十分踏まえてやるとなると、例えば、直ちに全児童対策に全部統合してしまうということができるかどうかということになると、なかなか困難ではないかというふうに思っているところでございます。
○高橋委員 改めて、やはり児童福祉法に位置づけられた放課後健全育成事業の役割というのが逆に整理されたのかなというふうに、ありがたいと思っております。やはり、連携を図るけれどもきちんと位置づけは保っていくという必要があるのではないかと思うんです。
先日、北秋田市に行きましたら、地元の市会議員が学童保育を議会で何度も取り上げて実現したという手づくりのニュースを見ました。共働きで小一の子供が帰宅してもひとりぼっち、ストーブもつけられずジャンパーを二枚も着て寂しそうにしている、ある母親が涙ながらにPTAで話した一言がきっかけで、森吉町、これは合併したので旧森吉町なんですが、学童保育をつくる会が結成され運動が実った、そういうニュースでありました。
私自身も、学童保育設置を求める運動をしながら隣の学区にお世話になっておりましたが、四時閉所だったこともありまして、息子には怖い思いも寒い思いもさせた、胸のつぶれる思いでこのニュースを読みました。
三月まで保育所にお世話になっていた子供が、四月からは一人で留守番をする。急には変えられるはずがありません。先ほど来紹介されている全国学童保育連絡協議会の調査でも、保育園を卒園した子供の五割しか学童保育に入所していない、そういう調査があります。待機児童をどう把握されているでしょうか。
○北井政府参考人 放課後児童クラブを利用できなかった児童数でございますが、平成十七年五月一日現在で一万一千三百六十人でございます。
○高橋委員 今読み上げていただいた資料、厚労省の育成環境課の調査で確かに一万一千三百六十人、それから市町村の割合でいいますと八二・五%かと思います。
それで、先ほど山井委員に対して、大臣は基本的には行き渡ったとおっしゃいましたけれども、まだそこまではいかないのではないか、いかがでしょうか。
○川崎国務大臣 申し上げましたのは、各地方自治体単位で見ると、過疎、離島の自治体を除いて大体設置はできたように思う。しかし一方で、一つの自治体で学校区単位に置いていくという方針でございますから、そうした考え方からすると、あと一つ足りない、二つ足りないという御要請が私どもの方にも届いている。
そういった中で、私どもは十八年度予算案において対前年度比九百カ所の増を計上している。一万七千五百でございますけれども、何とか早く目標一万七千五百を達成できるように全力を挙げていきたい。そういう意味では、まだまだ足りないという意識は必要でございます。
○高橋委員 ありがとうございます。
まだまだ足りないという御認識をいただきましたので、頑張っていただきたいと思います。
それで、ちょっと保育の中身の話をしたいと思うんですけれども、私は、二〇〇四年の七月に山口富男元衆議院議員と連名で質問主意書を提出させていただきました。その中で、学童保育の設置・運営基準を独自に設けている自治体は全国にどれくらいあるかと質問しました。厚労省は初めて全国調査を行い、都県を含めて四十五の自治体があるという中身でありました。たった四十五かということ自体に驚いたのですが、さらに驚くのはその基準の中身であります。
大臣によく聞いていただきたいんですが、そもそも、国に基準がないため、どういう定めをするかも自治体によってばらばらであります。ロッカーが設けられていること、これ一つで基準ありと回答した自治体。トイレを設けていること、当たり前かもしれませんけれども、それ自体が基準になっている自治体もございます、ないところもあるわけですから。大変お寒い状況だと言わなければなりません。
この間、学童保育連絡協議会も、繰り返しこの点要望してきました。埼玉県がお手本になって独自に基準をつくり、そのための改良に予算もつけて重点的に取り組んでいます。石川県、千葉県、群馬県と続いています。厚労省には繰り返し国基準の検討を求めてきたところですが、改めて、国として設置・運営基準をつくるべきだと思うが、どうでしょうか。
○北井政府参考人 放課後児童クラブにつきましては、現在の実施要件は、各地域の実情に最も適した取り組みが行えるように放課後児童指導員の配置、それから遊具、図書、児童の所持品を収納するためのロッカーの設備等の配置といったようなことで、最低限の実施要件を規定するにとどめているところでございます。
国としての基準という御指摘については、昨年の青少年問題に関する特別委員会におきましても、放課後児童クラブを中心とする審議がなされました際に、さまざまな観点から御議論をいただいたところでございまして、その際にも、国が策定すべきであるという御意見もございましたが、あるいは、地方の多様な取り組みを促すために地方が策定すべきだというような御意見もあったところでございます。
厚生労働省といたしましては、各地域の多様で柔軟な事業が実施できるということを尊重しながら、国としてどのような対応が可能か、検討したいというふうに考えております。
○高橋委員 私は、自治体が独自につくる細かい基準というのは、それは当然あるだろう、でも、多様だとかそういうレベルの話じゃないと思うんですね。そもそも、ロッカーがあればいいとか、その程度しか基準がないわけですから。先ほど全児童との関係で伺ったときに、出席をとって、出席をとるというのは非常に大事なことなわけですね、一人一人の子供がきょうは出ているか、それがどうなっているか。そういうことも踏まえて、やはり子供たちの安全確保ということが期待されている以上は、それだけの役割を果たさなければいけない。だけれども、それを担保するものがないということですね。
児童福祉法施行令第一条には、「児童福祉法第六条の二第十二項に規定する放課後児童健全育成事業は、これを利用する児童の健全な育成が図られるよう、衛生及び安全が確保された設備を備える等により、適切な遊び及び生活の場を与えて実施されなければならない。」こう書かれております。しかし、これだけなんです。幾ら何でも貧弱過ぎます。
衛生及び安全対策をどうやって確保するのか。適切な遊び及び生活の場をどうやって確保するのか。何らの基準がないというのはいかがなものか。大臣に伺いたいと思います。
○川崎国務大臣 これについては、正直言ってなかなか難しい議論でございまして、私ども、いつも責められるのは、国で規則をぎりぎりに縛った補助金をつけて地方に全部やらせるのか、こういう御批判をいただく。一方で、委員のように、しっかり基準をつくって国でウオッチしながらやれ、この二つの意見がございます。一方で、衆議院の青少年問題に関する特別委員会、そこでも議員同士の御議論をいただいたと思っております。
そういう意味では、今議論は半々なのかな、地方の自由な裁量に任せろという考え方と、国でもう少しルールづくりをしていった方がいいんではなかろうか、そういった御意見を賜っておりますけれども、よく皆さん方の御議論を賜りながら、最終的な意見集約に向けて頑張ってまいりたいと思います。
○高橋委員 補助金の使い方で国の基準ががんじがらめになって問題だということが、三位一体の議論が起こってきた背景にあるわけですね。それと一緒にしちゃ困るんです。児童福祉法に基づいて児童の安全を守るということをしっかり書いている、それに対して担保するものが何もないじゃないかと言っているんですから、裁量だとかそういうものと一緒にしないでほしい。そういうふうに考えていただきたい。
では、認可外の保育施設の指導監督基準というものがあります。認可外の保育施設には、御存じのように、いわゆる補助金のようなものは出ていませんね、運営費にかかわるものは出ていません。
しかし、自治体が監査をしますので、最低限の基準がございます。保育に従事する者の数は二人を下回ってはならないこと、保育室の面積は、おおむね乳幼児一人当たり一・六平米以上であること、あるいは、先ほど火災の話も出ましたけれども、非常災害に対する措置、消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備が設けられていること、いっぱい読みたいんですけれども、たくさんございます。
そういうふうに、たとえ補助金が十分に出ていなくても、当然それは子供さんを預かる施設として、これだけの基準は守ってくださいよと言っている。それすらも、これに見合うものすらもないのか。いかがですか。
○北井政府参考人 昨年の御審議でもそういう御意見もございまして、私もガイドラインというようなことについて少し研究してみたいということをお答え申し上げました。
現状でございますが、私どもで、先ほど御指摘いただきました自治体の数字も前の資料になりますので、もう一度新たに自治体に、独自の基準のようなものをつくっておられるかどうか、どういう内容なのかというのを協力依頼をいたしまして、そうした内容について調査をして、それで今精査をしようとしているところでございます。
そうしたようなことから始めて、少し勉強していきたいというふうに考えております。
○高橋委員 調査、勉強していきたいというお答えをいただきましたので、前向きな答弁だと受けとめて、頑張っていただきたいというふうに述べたいと思います。
昨年の十二月五日に、「児童館・放課後児童健全育成事業における児童の安全確保について(依頼)」という通知が出されています。改めて子供の安全対策における放課後児童クラブの役割を厚労省として認識して、また、自治体にもお願いをしている、そういう経過がございます。
だからこそ、それを担保するために国も責任を負うべきだということでお願いをして、終わりたいと思います。
ありがとうございました。