療養病床減は、患者の「追い出し」に
「療養病床削減で患者を路頭に迷わせることはしないと約束できるのか」--。21日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員は、医療改悪法案に盛り込まれた療養病床削減による患者の病院、施設からの「追い出し」をやめるよう求めました。
法案では、現在38万床ある療養病床のうち、6年かけて6割にあたる23万床を減らします。
高橋氏は「23万床なくす根拠は何か」と質問しました。厚労省の水田邦雄保険局長は「(入院患者で)医療の必要性の低い人は老人保健施設等で対応する」と答弁しました。
高橋氏は、厚労省の「療養病床における医療提供体制に関する調査」でも、入院患者で「福祉施設や住宅によって対応できる」としたのは三割弱にすぎないことを指摘。さらに、特別養護老人ホームの待機者が38万5,000人を超えていること、全国各地の病院から「経管栄養を行っている寝たきり患者が当院に入院するには平均2~3ヶ月待機する状況」(兵庫県の病院長)などと不安と怒りの声があがっていることも紹介し、「現実には医療、介護から引き離される人は23万人よりも多いと見るべきではないか」と追及しました。
水田保険局長は、厚労省が療養病床の待機者の調査をしておらず、「具体的にどの程度かわからない」と答弁しました。病床削減の根拠のなさが明らかになりました。
高橋氏は、改悪案による高齢者の長期入院患者への食費、居住費の負担増、療養病床削減で、「病院に赤字覚悟か、患者追い出しかを迫るようなやり方はやめるべきだ」と強調。川崎二郎厚労相は「療養病床再編にあたって、入院している方々の追い出しにつながらないことが大前提だ」と答えました。
(2006年4月22日(土)「しんぶん赤旗」より転載)
小規模介護 老健施設、医師置く義務なし 厚労省が通知を追及
医療改悪法案に盛り込まれた療養病床23万床を削減する方針の中で、介護老人保健施設の運営基準を緩め、医師などの配置、調理室、洗濯室などの設置を義務づけない施設を作ることを容認しようとしていることが、明らかになりました。
21日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員がとりあげたものです。
厚労省はすでに「介護老人保健施設の人員、設備及び運営に関する基準」という文書を作成。省令にして、関係者に通知しています。
文書によれば、本体の老健施設とは別の場所で運営される定員29人以下の「サテライト型小規模」の老健施設というものをあらたに定義。医師、支援相談員、理学療法士又は作業療法士、栄養士、介護支援専門員を「配置することができる」と明記しました。また、調理室、洗濯室、汚物処理室を「有しないことができる」とし、「一定の要件を満たす場合」には「耐火・準耐火建築物要件の緩和」もするとしています。
高橋氏は「ここまで緩和してしまって、本当に安心・安全な医療、サービスが提供されるのか」と追及しました。
厚労省の磯部文雄老健局長は「御指摘の通り、本来の(老健施設の)機能の維持と兼ね合いが難しい」と認めつつも、「省けるものは省いて、本体の施設、人員を使う」と答弁しました。高橋氏は「規制緩和というのは、これまでの十分な体制をとれず、安全面でも危惧が残る」と批判し、十分な体制の整備を求めました。
(2006年4月22日(土)「しんぶん赤旗」より転載)
――― 議事録 ――――
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
きょうは、本法案の大きな柱の一つである療養病床の廃止、削減問題について伺いたいと思います。
今回、十三万床ある介護型療養病床を二〇一二年に全廃し、二十五万ある医療療養型病床も四割削減、合計三十八万床が十五万床に減らされるという提案がされました。これについては、昨年十二月に数字が出たということで、非常に唐突であり、関係者からは強い批判の声が上がっております。大臣、まず、このことについて関係者には十分な説明をされたんでしょうか、このことを伺いたいと思います。
○川崎国務大臣 済みません。ちょっと聞き落としがあって、だれに説明したと。
○高橋委員 療養病床の廃止、削減の方向について、関係者です、ですから、病院関係者もいらっしゃると思いますし、自治体関係者もいらっしゃると思います。
○川崎国務大臣 さまざまな形でお話をさせていただいていると思っております。
○高橋委員 では、局長に、そのさまざまの中身を少し具体的にお話ししていただけますか。
○磯部政府参考人 昨年の秋に、慢性期の療養病床の状態につきまして中医協で資料が出されて以降、具体的には社会保障審議会の介護報酬の給付費分科会、これには、保険者であります地方公共団体の方々、それから介護療養病床その他の介護保険施設関係の方々、それから患者あるいは患者の家族会の方々、それから保険料を支払っております労使の方々等も入っておりますが、その分科会の場におきまして、十一月以降、議論をいたしまして、十二月のたしか半ばだったと思いますが、その意見書が出されました。
そこにおきまして、厚生省の意見もなおまとめるようにということがございまして、十二月の二十一日でしたか、省内の改革本部におきまして、この方向を出し、またその結果を同じく分科会に、十二月の二十八日、それから一月にも戻しまして御議論をいただいたということでございます。
○高橋委員 今の説明は、前回の委員会でも一定あったかと思いますけれども、分科会の中でいろいろな関係者の方から意見が出て、十二月の半ばに厚労省の考え方をまとめるべきだと、それについて二十一日に示していただいたというだけで、削減や廃止の方向について検討されてきた方たちに考えを述べただけであって、それが具体的に波及する関係者の方たち、つまりこれまで議論に参加をしていなかった方たちにはほとんど説明がされていなかったということになると思うんですね。
私が聞いたさまざまというのは、大臣がさまざま説明をしたとおっしゃったので、さまざま、いろいろな方に説明したんだろう、いろいろな機会を設けたんだろうと思って局長にあえて聞いたわけです。それがこの答えだったので非常にがっかりしています。
それで、このことが現場にどんな混乱をもたらしているのかというのは、与党の方々も十分御承知で、たくさんの意見を上げてこられたと思います。
全日本民医連が、ことし三月、全国の病院長、すべての病院の院長さんにこの問題での意見を送りまして、返送されてきた病院の院長さんからの意見をまとめたものを拝見しました。
現在の入院患者が動揺しています。追い出さないでこのままこの病院で死なせてほしいと訴えています。安定はしていても常に医療を必要としている患者は大勢います。老健を併設していますが、老健には移せず、家に帰ることができない患者のため、赤字を覚悟で診療を続けるつもりです。病床は満床で減少はできません。介護難民、療養難民、看護職のリストラ、倒産等、社会問題は避けられない、などなど、もっと激しいものもございました。こういう声がたくさん寄せられております。
私たちは簡単に二十三万床という数字で言いますけれども、その二十三万床とはまさに生身の人間のことなのだということを改めて突きつけられた思いがいたします。
そこで、まず伺いますが、六年間で二十三万床をなくすという、その二十三万の数字の根拠を教えてください。
○水田政府参考人 二十三万床を減床するという療養病床の再編成の根拠でございますけれども、まず、事柄の起こりといたしましては、平成十五年三月に閣議決定をされました医療制度改革に関する基本方針、これを受けて、中医協のもとに慢性期入院医療の包括評価調査分科会というものを設置いたしました。
この分科会におきまして、療養病床を有する約九十の病院を対象にいたしまして、七千人の慢性期入院患者の実態調査を行いまして、またそのうち三千五百人につきましては、患者を対象とした医療従事者のタイムスタディー調査も実施をいたしまして、患者分類の試案を設けたわけでございます。さらに、この試案そのものの妥当性のほか、個別の患者にどの医療区分が適用されるか、そういった結果も示しまして、その妥当性についても調査を行った上で患者分類をまとめたところでございまして、医療の必要度に応じた三区分、それからADLの三区分、これらを基本にした患者分類をまとめたところでございます。
療養病床の再編成についてでございますけれども、医療の必要性の高い医療区分の二と三それから回復期リハビリテーション病棟の入院者につきましては医療療養病床で対応する一方、医療の必要性の低い医療区分一の入院者は老人保健施設等で対応することを基本として考えてございます。
ただし、老人保健施設におきましては、常勤医師が配置されておりまして、一定の医療の提供が行われるということでございますので、医療区分二の該当者の中にも一部、老人保健施設での対応が可能でありかつ適切な患者が含まれていると考えてございます。
具体的には、うつ状態でありますとか褥瘡などの状態を想定してございまして、こうしたケースを含めて全体、三十八万床のうち六割、二十三万床の入院者が介護保険に移行するとの前提を置いて積算をしたものでございます。
○高橋委員 六割という数字が出てまいりましたけれども、今、厚労省が各種の説明会で使っているデータですけれども、療養病床における医療提供体制に関する調査、医療経済研究機構が行った調査ですけれども、そこで、容体急変の可能性は低く福祉施設や住宅によって対応できるとしたのは、いずれも三割弱であります。単純に掛けると十一万床にしかすぎません。つまり、容体急変の可能性は低いけれども一定の医学的管理を要する方というのがいらっしゃって、介護型では三五・四%、医療型では三七・八%、この部分の方たちも六割の中に含まれてしまうということになるわけですよね。
では、それがどうなっていくのか。今お話しした、低いけれども一定の医学的管理を要するという方たちも十分に対応できる、受け皿があるという意味でしょうか。
○水田政府参考人 先ほど申しましたように、二十三万床の根拠として用いましたものは、より精度の高い慢性期入院医療の包括評価調査分科会におきます大規模な調査の結果を踏まえてのものでございまして、個々の患者さんの態様、それに対する診療の内容、こういうものを含めまして検討した上で、こういった二十三万床という積算を行っているところでございます。
○高橋委員 より精度の高いとおっしゃいましたけれども、それが数字ではさまざま割り切れない、介護型と医療型と行ったり来たりする場合があるんだということは十分御存じだと思うんですね。だからこそ、診療報酬にも、その容体が急変というか、そういうことを盛り込んでいる、そういうことがあったかと思います。
まず、それはいいとしましょう、二十三万床の数字を今どうするか。
具体的に受け皿の問題ですね。では、特養ホームの待機者などもまだまだ多い中で、ではこれを具体的に、在宅はどのくらい、あと老健施設はどのくらいというか、そういう目安はあるんですか。
○磯部政府参考人 介護保険によって最終的には対応することになります二十三万床の転換先につきましては、療養病床の入院患者の状況あるいは医療機関の動向等によるため、一概に申し上げることは困難でございますけれども、相当数の療養病床が老健施設に変わるというような仮定に基づきまして推計いたしますと、現在の病棟の建物が活用できるよう一定期間老健施設の基準を緩和する経過措置を設けること等を踏まえまして、老健施設に十五万から十七万床程度、その他につきましては、ケアハウス等の居住系サービスや、あるいは御本人の希望があり可能な場合には在宅への移行が想定されているところでございます。
○高橋委員 今年度から既に三年間の介護事業計画がスタートをして、参酌標準の変更はできない。ですから、六年、六年とよく大臣もおっしゃいますけれども、実質三年間ではないかという指摘がございます、その標準の変更はできないから。この指摘は、実は医師会が、新しい会長さんの新しい体制のもとで最初に開いた会議の中でそういう指摘がされていて、今後十分検討するということがあっていたので、当然それは厚労省も認めているだろう、まず、そのことをどう考えるかということです。
それから、二十三万という数字、そのほかに何があるかということですよね。今、特別養護老人ホームの待機者がどのくらいかということを、先月、我が党の小池参議院議員が参議院の委員会で質問したときに、三十八万五千人という数字が出てまいりました。ただ、いろいろダブりがあるよとか、あるいは在宅以外の人は六割ですよというふうな話があったんですから、ちょっと四割掛けてみまして、それでも十五万人はいるだろうという計算になります。その方たちと、どっちが先かというか、プラスで考えなくちゃいけない。
それから、医療病床においても、では、どうでしょうか。例えば、先ほど紹介した病院長の声の中に、兵庫の方です、医療病床だが、経管栄養を行っている寝たきり患者が当院に入院するには、平均二、三カ月待機する状況、そういうことを指摘されていました。ですから、医療型の療養病床の中でも待機ということが現実にあるのではないか、そのことをどうお考えなんでしょうか。
そうすると、現実には、今の政策の中で医療、介護から引き離される人が二十三万人よりも多いと見るべきではないか、いかがですか。
○水田政府参考人 医療療養病床の利用者についてのお尋ねでございます。具体的には、待機という一つの現象でとらえたらどうかということかと存じますけれども、医療療養病床につきましては、各特別養護老人ホームとは異なりまして、具体的に各都道府県が独自に調査を行っている、このようなことがないわけでありますので、どういう状況になっているのか一概に申すことはできませんし、また、かなり地域差がございますので、これもなかなか判断が難しいところでございますけれども、特別養護老人ホームの利用率は九八%程度であるのに対しまして、療養病床の病床利用率は九三ないし九四%ということでございますので、これを踏まえますと、一般には、医療療養病床の方が、特別養護老人ホームと比較すれば逼迫はしていないのかなという気がいたします。
○高橋委員 これ、何か調査をしていますかという相談をしましたら、それはないというお話であったんですね。ただ、それを踏まえなければならないということは当然あるかと思うんです。
医療療養病床、決して固定できないですよね。結局、急性期から運ばれてきて、その後の後方支援という形でやっていく場合、それから、一般病床が在院日数が限られているので、退院また入院を繰り返している場合、そういうさまざまな事情がある。そういう中での、実際に手当てをしなければならない、この先、定員なりいろいろなことを考えなければならない、そういう方たちは実際にはもっといるだろうという、その認識では一致できますね。
○水田政府参考人 介護施設とあわせまして、そういった需要を抱えておられる高齢者の方がおられるという認識はもちろんございますけれども、具体的にどの程度かというところまでは承知はしてございません。
○高橋委員 これ、またさっきみたいにやりとりするつもりはありませんので。ただ、重大な問題でありますので、さっき読み上げたように、介護難民、療養難民という言葉が言われているわけですから、一体どういうことが起こるんだろうかというのを、単に数字で、今あるベッド数に六割掛ける、そういうやり方ではなくて、実態をよく見ていただきたい。そのことをまず指摘をしておきたいと思います。
二月二十四日の本委員会で私が指摘したように、今現在、介護の現場では、ホテルコストの導入により、介護施設を退所している方がふえております。今回、長期入院患者へのホテルコストの導入並びに医療区分による診療報酬の大幅な引き下げにより、病院は赤字覚悟か、あるいは患者追い出しかを迫られることになるのではないか、私は、このようなやり方はやめるべきだと言っておきたいと思います。
そこで、一九九五年、「健康保険」三月号で、当時の厚生省健康政策局が書いた「療養型病床群とその概要」という文章がありますが、そこでは、療養型病床群の制度化のねらいについて、今後ますます高齢化が進行することを考慮すると、長期間にわたる入院生活を送る患者に対して、老人病院制度のような個別例外的な制度では十分に対応できないと考えられたため、このような病院を一つの医療施設類型として正面から位置づけるべきと考えたと説明しております。
医療提供体制の充実は厚生行政の中でも重要な目標の一つであり、医療の質的な充実と量的な充実という二つの視点があるけれども、今後注視されるのは医療の質的な充実であるとして、医療の技術的な向上もさることながら、療養環境の向上も重要であり、こうした観点から、療養型病床群の普及は非常に有意義なものであると述べられております。
個々の医療機関にとって病床転換することは大きな選択であるからこそ、税制、融資、国庫補助という形で整備を支援すると当時言っておりました。しかし、その後、また二〇〇〇年には病床区分の見直しがあり、医療機関は二〇〇三年九月一日までに、二年半で、一般病床か療養病床かの届け出をしなければならないと、ここでも大きな選択を迫られました。
この間、何か社会的な入院が何十年かの議論をされてきた、今回ついにメスを入れられた、そういう描き方がされているわけですけれども、私は、やはり、厚労省自身が療養環境こそ重要だと言ってきたこと、また、療養型病床群の制度化と病床転換への後押しをしてきた、そしてその後、療養病床、そういう背景があるからこそ、つまり、背景があるというのは政策がいろいろ二転三転してきたという意味で、転換を迫られる病院関係者が怒るのは当然ではないかと。
そういう関係者の皆さんにどう説明をするのか、また、療養環境の向上という重要性は今はないのか、それを伺いたいと思います。
○松谷政府参考人 患者さんにとって、療養環境というのは大変大事な観点だと思います。生活の質の向上ということは、在宅の医療であってもあるいは入院であっても、そして介護の施設であっても同様であるというふうに考えてございます。介護の保険ができ、介護でのいろいろな体制の整備ができた状況とかつての状況とは状況が違うというふうには思っておりますが、その時々において、しかしその基本的な考え方は変わらないというふうに認識しております。
○高橋委員 例えば病院長の中から、一般病床から資金をかけて転換し、戻さない念書もとっている、詐欺的で犯罪行為に等しい、この国に生まれたことが悲しい、そういう指摘をされた方、病室と廊下幅を拡大してやっと療養型に対応しました、一億二千万かかった、途中ではしごを外すとは不満がいっぱいだ、そういう怒りの声が寄せられております。
こうしたことに対して、政府の責任、政策に一貫性がなかったという点での責任はどのように考えていらっしゃいますか。
○磯部政府参考人 はしごを外したというようなお話でございますけれども、療養型の病床から老健施設に移行していくにつきましては、医療保険、介護保険ともに、例えば廊下幅あるいは部屋の大きさ等につきまして、暫定的なといいましょうか経過的な措置を設けるということでございまして、そうしたことによりまして、今のような御指摘は当たらないのではないかというふうに考えております。
○高橋委員 準備病床みたいな形で経過措置をとる、それで御指摘は当たらないというのであれば、それはそのまま、また病院長の皆さんたちに聞いていただきたいなと思いました。
先日、山形で老健施設などを経営している医師の話を聞いてきました。この先生も介護型の療養病床を持っていらっしゃるんですが、増床の認可を四月から申し出て、断られました。当然なんですね。もう六年で廃止になるんだから、それでもよかったらどうぞと言われたそうです。でも、その先生は赤字覚悟でもやりたいとおっしゃるんですね。なぜかというと、やはり御自身の身近であの一家心中事件が起きた、そのことにどうしてもこだわりを持って、そういう思いをもう二度としたくないということなんですね。
母親が要介護だ、息子は無職だ、父親は痴呆だ、どうやってこの先生きていくかと、行き詰まった末の事件だった。家庭で介護する条件や体制があればそれにこしたことはないけれども、現実は深刻だ、そう簡単にいかないということを知っているからこそ、赤字覚悟でも病床をふやすんだ、あるいは維持していきたいんだという声があるのではないでしょうか。
今お話しした一家心中のようなことは、最近では新聞をよくにぎわすようになり、決して珍しくなくなったと思います。ことし二月にも山形で、寝たきりの六十八歳の夫が六十二歳の妻に絞殺されました。夫を殺して自分も首をつって死のうと思った、そう答えているそうです。この夫は二〇〇四年の十一月、脳梗塞で入院し、左半身不随となり要介護三の認定を受け、昨年八月からは自宅で療養していたと地元紙が報じています。
介護、病気、障害、そして無職、そうした幾つもの困難、一つじゃないんですね、そういう幾つもの困難を抱えた中で家族が無理心中事件を起こす。そういう状態になるほど今深刻な事態になっているということをしっかり踏まえなければならないと思うし、そうした中で必要な医療、介護を提供したい、そう思っている関係者に対して、国は感謝こそすれ、切り捨てるべきではないと私は思うんです。
そこで、大臣も最近こうした事件が相次いでいるのを御存じだと思いますから、それを踏まえて、患者を路頭に迷わせるようなことはしないとお約束いただけるでしょうか、大臣に伺います。
○川崎国務大臣 先ほどから療養病床のお話をいただいておりますので、療養病床の再編に当たっては、入院している方々の追い出しにつながらないようにすることが大前提でございます。
お話がありましたように、六年間は医療、介護、双方の病床について円滑な転換ができるよう、経過的な類型を設けることといたしております。そういった形で私どもも進む覚悟でございます。
○高橋委員 もう少し心がこもったお答えがちょっといただきたかったなと思ったんですけれども、大前提であるとおっしゃいましたので、その言葉をいただきたいと思います。
そこで、今お話しされた転換についての支援策でありますけれども、新たに盛られている医療保険財源による転換支援金とはどのようなものか。支援金は都道府県に交付されるといいますけれども、対象法人はどのようになっているのか、あるいは予算はどのくらい見込んでいるのか、伺いたいと思います。
○水田政府参考人 医療保険によります療養病床の転換の助成事業についてでございますけれども、単価等の詳細につきましては今後検討することとしてございまして、したがいまして、事業規模につきましても精査が必要でございますけれども、最大で年間約四百億円程度とする予定でございます。
この事業の財源でございますけれども、まず公費があるわけでありますが、この公費以外の部分につきましては医療保険者が納付する支援金を充てることとしてございますけれども、この趣旨は、療養病床の長期入院者の大半が後期高齢者でございまして、老人保健施設等への転換によりまして後期高齢者の医療費の適正化につながるということから、この保険料財源を活用することとしたものでございます。
それから、相手先ということでございましたけれども、まさにこれは医療施設に対しまして助成金を出す、都道府県事業として仕組んでございます。
○高橋委員 局長、実は次の質問も答えていただきまして、要するに、医療保険財源を、有料老人ホームなどいろいろあると思いますが、そういう転換のために使うのはおかしいのではないかということを伺いたかったんですが、今お答えいただいたように、医療費適正化のために必要な支出というふうな認識だったのかなと思うんですね。
医療費適正化という大目標がございますけれども、ございますというのは私の目標じゃなくて、皆さんの目標ですけれども、しかし、そうなると、二〇一二年までに介護型療養病床は廃止する、医療型も削減をする。では、そこで生まれる医療費の削減効果は幾らでしょうか。
○水田政府参考人 療養病床の見直しによります給付費への影響についてでございますけれども、一定の前提のもとでごく粗く見積もりますと、平成二十四年度、二〇一二年度ごろにおきまして約四千億円程度減少するものと考えてございます。
○高橋委員 約四千億円というお答えでした。先ほど伺った医療保険財源による転換支援金は四百億円ですので、それを支出したとしても三千六百億円なわけですね。
そうすると、路頭に迷うかどうかということが言われているさなかに経済効果としては三千六百億円というのは、医療費全体から見ては非常に小さいのではないか。私はここに、そのために今必要なのだということは余り、そこまで言わなくてもいいんじゃないのかなということを思います。これは指摘をしておきたいと思います。
そこで、もう一つの介護療養病床の機能転換について市町村交付金を使うとされております。
それで、そのモデルはどんなふうなものを考えているのかということで、資料をつけさせていただきました。これは四月十三日の厚生労働省の療養病床に関する説明会の資料で、「介護老人保健施設の人員、設備及び運営に関する基準」、基準と書いている以上は、勝手にだれかがつくるわけではないでしょうから、これは何かと聞いたら、三月に出された介護保険の省令の中にあるとおっしゃいました。
私は、こういうものが膨大な省令の中に隠れて余り知らされていないということ自体、やはり非常に問題ではないかと思っております。本来ならば、委員会の審議の中でただすべきではなかったかな、介護保険の昨年の見直しの中でただされるべきではなかったかなと思っております。それは、まず指摘しておきたい。
それで、配った資料、アンダーラインが引いてありますが、これは私が引いたのではありません。資料に最初から引いてありましたのでそれがきっと重大なんだろうと思って、そこを読ませていただきます。
小規模介護老人保健施設の人員基準の緩和。サテライト型小規模介護老人保健施設、これについては、本体施設の職員、つまり、サテライトなので近いところに本体の施設があるという意味なんですね。サテライト型小規模介護老人保健施設の入所者の処遇が適切に行われると認められるときは、医師、支援相談員、理学療法士または作業療法士、栄養士、介護支援専門員について配置しないことができると書いております。そして、施設基準の緩和のところで同じように、適切に行われると認められるときは、調理室、洗濯室または洗濯場、汚物処理室を有しないことができる云々ということで、かなりの規制緩和なんですね。
しかし、介護老人保健施設としては当然備えていなければならない人的体制や施設なども、ここまで解除していいというのはいかがなものかと思うんですね。本当にこれで安全、安心なサービスが提供されるのだろうかという危惧を抱くわけですが、その背景と、安全、安心、大丈夫かということについてお答えいただきたいと思います。
○磯部政府参考人 御指摘の小規模の介護老人保健施設の創設の目的は、地域の中に立地しまして在宅に近い生活環境のもとで在宅復帰支援を行うということでございまして、できるだけ早期の在宅復帰に重点を置いたサービスの提供を行うということから、介護報酬の算定期間も百八十日間を限度としているというような性格のものでございます。
また、御指摘のとおり、サテライト型につきましては、近所に本体の老健施設がある、また、医療機関併設型はもちろん敷地内に医療機関等があるということでございまして、そういった関係で、できるだけ割愛して効率的にできる部分につきましては、人員にしろ施設にしろできるだけそれを使っていく。御指摘のとおり、なかなかここは本来の機能の維持と兼ね合いが難しいところでございますけれども、そういった観点から省けるものを省いて、それは本体の方の施設を使う、あるいは人員を使うということで対応していこうということでございます。
そうしたことで、繰り返しになりますが、百八十日という限定された期間での利用であること、それから本体施設やあるいは併設される病院、診療所との密接な連携が確保され、施設、人員を利用することによってこれらの施設の入所者の処遇が適切に行われると認められる場合に限って、こうした施設を認めていこうということでございます。
○高橋委員 スープの冷めない距離だという説明を受けたわけなんですけれども、しかし、本来の機能を維持しつつこのサービスをやっていくというためには、やはり決定的に欠けるのはマンパワーなわけですよね。
小規模な施設をサテライトとして幾つかやっていく、近いところに本体施設があるからいいじゃないかとおっしゃいますけれども、しかし、逆に言うと、それをきめ細かに見て回らなければならない、いつでも何かあったら駆けつけなければならない。それだけ、一つの施設でかかわるよりもやはり人的体制は充実させなければならない、当然そうなると思いますが、いかがですか。
○磯部政府参考人 老人保健施設につきましては、医師の配置、あるいは看護、介護職員等の配置、あるいはPT等の配置が基本的には義務づけられておるところでございます。その中で、PTあるいはOTのように、週に二回を基本として訓練をするといったものにつきまして本体施設からの派遣をする、医師につきましても同様でございます。
それに比較いたしまして、看護あるいは介護職員については、その小規模のところにおいても必置としているということで対応できるものと考えております。
○高橋委員 ですから、手厚い体制が必要だということになりますよね。それは間違いありませんね、全体としては本体とサテライトと含めて。今までのところと同じ体制の中でサテライトがふえるというわけにはいきませんよね。いいですか。
○磯部政府参考人 その意味では、本体とそれからサテライト部分を含めまして、全体として老人保健施設の人員基準、施設基準を守る必要がございます。
○高橋委員 この点は、今後どうなっていくのか非常に注意をしたいと思うんです。
保育のときも分園という形で同じような考え方が提起をされておりましたけれども、やはり待機者が非常に多い、あるいは施設が足りない、そういう中でいろいろな知恵を出して、こういう給食施設がなくてもいいじゃないかということが出てくるわけですが、でも、やはり規制緩和ということは、やはり本当の意味でこれまでの十分な体制がとれることにはならないし、あるいは安全面でも十分とれるかということには、やはり危惧は残るわけですね。この点は強く指摘をして、今後これが全国展開していくのかどうかということも含めて十分指摘をし、注目をしていきたい、次の機会にまた聞いてみたいなと思っております。
それで、きょうは、今マンパワーの話を少ししましたけれども、看護体制の充実についてぜひ伺いたいと思うんです。この間ずっと医師不足の問題が議論されてきました。私は、やはり医師も足りない、同時に看護師の問題、本当にやはり一体として充足させなければならないと思っております。
今回の診療報酬改定で、現行の二対一看護職員配置基準が一・四対一看護職員配置基準へと十八年ぶりに改定されることになりました。安全な医療提供体制を求める労働団体や病院関係者の長い間の運動が反映されたものと思っております。同時に、現場で実際の看護職員が確保できる見通しがあるかという問題では、非常に困難がございます。
昨年の十二月二十六日、厚労省が発表した第六次看護職員需給見通しに関する検討会報告書では、看護職員の需要数が、二〇〇六年、百三十一万四千人から、二〇一〇年には百四十万六千人とされました。この需要見込みは、四年間で九万二千人、七%の伸びにとどまり、それ自体が不十分なものだと私たちは思っております。ただ、その不十分な見込みに対してさえ、二〇一〇年には一万六千人の供給不足が見込まれております。不足だということはお認めになりますね。
○松谷政府参考人 御指摘のとおり、昨年末に新たに作成をいたしました看護職員需給見通しにおきまして、平成十八年末の約百三十一万四千人から、平成二十二年末には百四十万六千人、供給見通しにつきましては、十八年末の約百二十七万二千人から、平成二十二年には約百三十九万一千人に達するものと見込んでおります。したがいまして、その需給差は、約四万二千人から一万六千人と改善が進むという状況でございます。
○高橋委員 不足をしている、そういう中でどう充実させていくかということが問われていると思うんです。
きょうは、委員の皆さんにこのリーフを配らせていただきました。これは、日本医労連が昨年行った看護職員の労働実態調査についてでございます。グラフがたくさんあって見やすいので、大変申しわけないんですが、これをこのまま使わせていただきたいとお許しを得て、配付をさせていただきました。
ちょっと開いていただきたいと思うんですが、ふえ続ける業務量、六二・七%の方が看護業務がふえたと答えております。そして、そのために休憩や年休取得がままならない状況がグラフで一目だと思います。
そういう中で何が起こっているかということで、一番を見ていただきたいと思うんですが、労働条件が一層悪化をしている、そして、これは生理休暇がとれていないとか、残業代がきちんと払われているのは四割にとどまっているとか、そういう労働条件があるわけです。
その中で、労働条件というのは、看護職員の問題であると同時に患者の問題であるという形で、二番を見ていただきたいんですけれども、三年間でミス、ニアミスがあったというのにあると答えた方が八六・一%、十分な看護はできていないと答えた方が六五・三%。その理由は、人員が少なすぎる、業務が過密になっているという方が五割を超えている。そういう状況なんですね。
そして、その後で、ではどうなっているかというと、バーンアウトが進行しているということで、六四・七%が健康不安を訴え、慢性疲労が七七・六%。まさに、本来ならば手厚い看護をしなければならない看護の現場の皆さんが、自分自身の健康が危ぶまれる、そういう状況に追い込まれ、同時に、その中で仕事をやめたいと考えた方が、いつもあった、しばしばあった、時々あった、合わせると七三・一%にも上っているんですね。
私は、このバックデータを見ていますと、中でも深刻だなと思いますのは、やめたいと思った割合が二十九歳以下が七五・七%で、全年齢の中で一番多いんですね。その次が三十歳代なんです。
ですから、若い皆さんが希望に燃えて看護の現場に入ってきたけれども、現実はそうではなかったと。本当は患者さんの声にこたえて手厚い看護をしたいんだけれども、その声にちょっと待ってねとしか言えない、ナースコールが鳴っていてもこたえてやることができない、そういうジレンマに悩みながら、仕事そのものをやめたいと思わざるを得ない、そういう状態になっているということがこのデータで本当に読み取れるのではないかと思うんです。
大臣に率直な感想を伺いたいと思います。今日の医療体制を支える看護職員の労働実態をどう認識されておりますか。また、これがどうした要因でこのような事態が起こっているか、その点について伺いたいと思います。
〔委員長退席、大村委員長代理着席〕
○川崎国務大臣 今、局長から答弁いたしましたように、全体的には足りているという判断をしているんだろうと思いますけれども、正直申し上げて、資格を持っている方々の中で看護の現場で働かれていない方が多い、どうもう一度医療の現場に戻っていただくか、こうしたものにしっかり視点を当てながらやっていかなければならないんだろう、こういう問題意識をいたしているところでございます。
個々の現場においてどのような議論がされているか、これはまさに個々の現場の話でございますけれども、まさに医療の管理者が適正な職員の仕事の実態というものを把握しながら進めてもらわなければならない、このように思っております。
○高橋委員 ちょっと今驚きました、今全体的には足りていると大臣はおっしゃいましたので。さっき淡々と聞いたんですよね、厚労省が調べた需給見通しの調査からいっても、需要と供給数で見ると足りないという数字が出た、そのまま読み上げましたよね。何で足りているという答弁になるんですか。
○川崎国務大臣 先ほど申し上げましたように、看護師の資格を持った人たちの数は足りている、しかしながら医療現場に入っていただけない方々がいらっしゃる、そういう意味ではそこに意を用いなければならない、こう申し上げたんです。
○高橋委員 病院の現場の皆さんも、資格を持っている人をもって足りているという言い方をしないでくれ、そういう声を上げているんです。
では、どうしてそういう実態になっているんですか。(発言する者あり)
○川崎国務大臣 今声が出ましたように、そこの問題を基本的には解決していかなければならないんだろう、そういう意味では、医療現場において、それぞれの責任者がきちっとした職場管理をしていかなければならないということだろうと思います。
○高橋委員 議事録で後で見ると中身がわからなくなりますから、毎年やめているという今の声があったのに対してそのとおりだと大臣がおっしゃいましたので、やめていることはわかっているということですよね。
それですが、やはり労働の実態が当然あるわけですよね。診療報酬の引き下げの問題がございます。あるいは夜勤配置の改善など、まだまだ労働条件をもっと改善していかなければならない、そこにこたえてほしいと。だからこそ、今読み上げたような実態を紹介させていただいたんです。
国が看護師の確保に責任を持っている、これは平成四年に法律をつくったわけですから、それはもう揺るぎのないことだと思うんですね。その責任をどのように果たそうと考えていますか。
○川崎国務大臣 現実の話として、看護師資格を持ちながら医療に従事されていない人たちが多い。ここに対して、例えば医療現場から離れた時間が長うございますから、もう一回研修を行う、そういうようなことも当然やっております。
また、各県において、現実にどういう方々が医療現場から離れてどういう状態にあるか、しっかり掌握しながらやっていかなきゃならない。医師会等からそういう情報をくれというお話もございますけれども、個人情報をある団体にお渡しするということについては余りいい話ではないだろう、したがって、そこのところはやはり、ハローワークというものを兼ね合わせながらやっていかなければならないだろう、このように思っております。
○高橋委員 個人情報云々の話じゃないんです。
中には、いろいろな条件があって一たんは休んでいるけれども、復活したいと思っている方がいらっしゃるかもしれない。そういう方に応援するのは当然やっていただきたい。しかし、やはり今言っているように、二十代、三十代の方が最も仕事をやめたいと思っているような状況、そこに歯どめをかけなかったら、絶対この先ふやす方法はないわけですよ。
そこで、労働条件の確保だとか、サービスがきちんと確保できる診療報酬だとか、そういうことを見直していくと言ってくださらなければ、やはりそれは解決できないんだろう。そういう個人情報云々、そんな話にしないでいただきたいと思うんです。
さて、私は、ちょっと時間がなくなるともったいないので、紹介したいことがございます。
医療費適正化云々ということが盛んに言われて、在院日数の短縮が打ち出されています。しかし、同時にそのことが、入退院が余りにも頻繁に繰り返される、そのために看護師さんの業務量をふやしているという実態もございます。
まずそのことを指摘しておいて、二〇〇六年の「厚生労働」二月号の中で、聖路加国際病院理事長、名誉院長の日野原先生、御長寿で大変元気で有名な先生ですが、この日野原先生が厚生労働審議官の辻さんと対談をされている記事がございます。この中で、先生の聖路加病院というのは平均在院日数が九日だという、非常に短い、それはなぜかということを先生が紹介しておりまして、看護師の数が国立の大学病院の看護師数の約二倍いるんだと言っているんです。
看護する時間が短くなればなるほど、単に入院させるというだけではなく、検査やさまざまな処置を行い、つまり手厚い看護ができるということだと思うんですね、手術後、早く退院していただくためのさまざまな指導ができます。そういうことをお話しされて、在院日数が長くなるのは看護師が少ないところなんですとまで指摘をしています。
同時に、それは在宅ケアにおいても同じだと。医師だけではなく看護師の、しっかりしたチームを組んで役割を果たすことによって、在宅ケアもしっかりと体制がとれるということを紹介されているのに対して、厚生労働省の辻審議官は、看護師が果たす役割は非常に大切だということだと思いますと答えていらっしゃいます。厚労省が言っていることですからね。そういう立場に立って、やはり看護師の役割は非常に重要だ、それを確保するために頑張っていくということをもう一言いただけますか。
○川崎国務大臣 先日も看護協会の幹部の方とお話をする機会を得ました。もう少し看護師の資格制度を上げて、広い分野で看護師が働くようにしていった方が医療現場全体としていいことではないだろうか。医師また看護師、また、例えば放射線技師や麻酔を専門にされる方々、そういう方々のチーム医療の時代を迎えている。したがって、あらゆる現場で看護師の職域というものがもう少し広がっていくよう、もう少し教育のレベルを上げていきたい、こういうお話をいただきました。全体的には、私自身もそうであろうと思っております。
一方で、私の頭の概念にありますのは、看護師が足りないから外国から入れろという大変強い圧力がございます。しかし、それについては、やはりしっかりとした日本での資格を取っていただいた上でないと、そういうものに私はこたえるわけにはいかないねというお話をいたしているところでございます。
そういった意味で、看護師資格を持ちながら残念ながら医療の現場で働いていない方々に、どう働きかけをしながら医療現場で働いてもらえるような体系をつくっていくか、これが一番今日の大きな課題であろう、このように思っております。
○高橋委員 日野原先生の貴重なアドバイスをしっかり受けとめて、国の責任を果たしていただきたいということを要望して、終わります。
ありがとうございました。