国会質問

質問日:2007年 3月 28日 第166国会 厚生労働委員会

戦傷病者戦没者遺族等援護法改正(中国残留孤児問題)

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 今般の戦傷病者戦没者遺族等援護法改正については、恩給の額の引き上げに準じて遺族年金等の額を引き上げるというものであり、賛成とします。

 戦争犠牲者の生活保障は国家の責任で行うべきだという立場から、我が党は、軍人恩給、戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく障害者年金、遺族年金などについては、求められる生活水準に即して引き上げをするべきだと考えております。また、一律にではなく、階級による格差を縮めるように改善を図るべきだと主張してまいりました。

 きょうは、そうした点からいって、抜本対策が急がれている中国残留孤児の問題について伺いたいと思います。

 一月三十一日、東京地裁での判決直後に安倍総理が孤児らと直接面会し、大臣自身も二月九日にお会いになりました。総理の指示を受け、夏ごろまでに新たな支援策をつくると伺っています。

 私は、昨年十二月一日の神戸地裁での勝利判決を受け、原告も弁護団も本当に感激で泣きながら、晴れがましい顔をして全身で喜びを表現していたことが忘れられません。その後の東京地裁は余りにひどい判決でした。また、三月二十三日の徳島地裁においても原告らの請求は棄却されました。

 しかし、そういう判決の中にあっても、原告ら中国残留孤児ないし中国残留婦人を生み出す原因の一つに関与したという立場や、人道上の観点から、前記のような困難な状況にある原告ら中国残留孤児ないし中国残留婦人が自立した生活等を送ることができるよう、できる限りの配慮をすべき政治的責務を負っていると明言をしたことは重要だと思っております。新聞各紙の論調を見ても、政府の早い政治判断を迫っていると思います。

 大臣に伺います。

 夏ごろまでにつくろうとする支援策は、生活保護ではなく、新たな給付金制度で生活の安定と人権の回復をかち取りたいという孤児の願いにこたえるものになるでしょうか。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

○柳澤国務大臣 一月三十日だったと思いますけれども、東京地裁の判決直後に総理からの御指示をいただきました。私としては、その方針に基づきまして、今、中国残留邦人の方々のいろいろな声をお聞かせいただくこと、その上に立って第三者の有識者の御意見を聞き、さらにまた、与党でもいろいろとPT等におきまして支援策を練ってきていただいた、そういう経緯もございますので、それらの方々の御意見も拝聴しながら支援策を考えていきたい、このように考えているところでございます。

 もともと、十九年度予算におきましても、私どもは、今の枠組みの中でそれを少しでも改善させていただくということの一環で、例えば中国に養親を訪ねるようなときに生活保護の給付が切れるというようなことについては、改善をすることでその予算化も図っているわけでございます。このようなことについては、これは予算の執行としてまた別途考えるにいたしましても、本当に中国残留邦人の方々が安心して地域で暮らすことができるよう、そういったことを一たん白紙に戻して、その支援策を夏ごろまでに考えていきたい、このように考えている次第でございます。

○高橋委員 今、具体的な検討をしていること、孤児らの意見を聞く会をやっていることや、十九年度予算での拡充されたことについて説明があったと思うんです。具体の話も少ししたいと思うんですけれども、やはりその前に、どういう立場で大臣がこの新たな支援策に臨むのかということをもう一度伺いたいと思うんですね。

 やはり、孤児らは、日本語がうまく話せない、そして、余りに長くたくさんの苦しい思いをしてきましたので、聞き出すには大変時間がかかります。辛抱強く聞いていただきたいと思います。現在、七割くらいが生活保護を受けておりますが、体を壊すまで働きづめに働いて、どうにもならなくなってとうとう保護を受けた、そういう事情があります。中国で獲得した医師や教師などのキャリアも生かせず、本当に屈辱的な思いをしてきた。

 そういう特殊な事情を政府が受けとめて、施策に生かすのかということを一点確認したいことと、先ほど、第三者、有識者からの意見を聞きたいというお話がありましたけれども、具体的に、例えばどんな方たちを、どんな役割をということを考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。

○柳澤国務大臣 まず第一に、中国残留邦人の方々の立たされている状況等についてお話を伺うということを総理自身からも御指示をいただいたところでございまして、私自身も含めまして、役所全体として、これまで五回でしたか、御意見をお聞きするというか、お話を伺ったところでございます。

 その結果、帰国してから経験された御苦労として、生活保護は制約が多い、あるいは日本語教育をもっと充実させてほしいなど、中国残留邦人の方々からさまざまなお話を相当程度伺うことができたと現状考えている次第でございます。

 今後の進め方については、先ほども申し上げましたように、第三者である有識者からの御意見もいただきながら検討を進めるということを考えているわけですが、この第三者である有識者とはどういう方々かということにつきましては、先ほど武見副大臣からも御答弁させていただいておりますけれども、地方自治であるとか、あるいは社会保障の問題につきまして有識の方々ということを考えております。

 そういう方々からの御意見もいただきながら検討を進めまして、中国残留邦人の方々が、先ほども申したように安心して地域で暮らすことができるような、そういう支援策をまとめたい、このように考えております。

○高橋委員 どうも、先ほどから聞いていますと、すごく事務的に答えていらっしゃるような気がしてならないんですね。私も、とても時間の制約があるものですから、お話ができなくて苦しい思いをしているんですが、やはり大臣に、孤児の皆さんから相当程度話を聞いたと今おっしゃいましたけれども、その中で、孤児のこれまで置かれてきた思い、中国にいたときは日本人と言われ、日本に来てからは中国人と言われ、苦しみ続けてきた思いを本当に受けとめているのかということがなかなか伝わってこないなということを非常に思うわけであります。そのことを強く指摘して、繰り返し、特別給付金制度を孤児らの要望を受けた形にしていただきたいということを指摘しておきたいと思うんです。

 それで、要望しておきます。有識者の懇談会というんでしょうか、そういうものをやると今おっしゃいました。そういうときに、やはり当事者たちとの定期協議をやるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 それと、地域の支援・交流センターが二ブロックで増設することに来年度予算で提案されております。ただ、そこまで行くこと、交通費などを考えれば、やはりもっときめ細かに、地域で、県で配置されている例えば自立指導員などの身分を保障して、継続的、安定的な支援をする、そういうことがどうしても必要だと思いますが、この点を一点伺います。

○柳澤国務大臣 高橋委員は、私が何か事務的に構えているんじゃないかということを言われたんですが、私も心を持っている人間でして、私は、実際にお会いしてお話を聞いたときには、本当に心を動かされたわけです。

 それは、一つ、二つ、記憶で申し上げるとすると、私は、非常に立派だという感じがしました。代表で、特に私がお会いした人たちは非常に立派な方が多いということを感じました。経歴がすばらしいにもかかわらず、それが日本でなかなか生かされないもどかしさといったようなものも、非常に落ち着いて実情をお話しいただいて、私自身、大変感動をいたしました。

 それから、日本語が十分に話せないというか、相当難しいことを話さなくちゃなりませんので、それには少しまだ語学の力が不足していらっしゃるという方も、現に私もそのように感じましたけれども、しかし、その方々が、私どもは義務教育を受けていないんですよと。つまり、日本人として生まれたら、みんな、義務教育を全部国の費用でもって受けることができるんですね。それを、私どもは中国にいたことによって受けることができなかったんですというようなこともお訴えになられまして、私も、よく考えれば当然なんだけれども、実際に具体的にそのように訴えられて、改めて再確認するというか、そういう思いで聞いておったようなことがございます。

 いずれにいたしましても、有識者の意見を聞くようにということは総理からの御指示の中にもありましたので、大局的な観点から幅広い判断のできる方から御意見をお願いしたいというふうに考えているところでございます。中国残留邦人の事情に精通していらっしゃる方とか、あるいは地方自治だとか、あるいは社会保障だとかといったようなことを含めまして、幅広い分野での人選を考えてまいりたい、このように考えております。

 なお、おっしゃられた帰国のときの交通費の問題ですけれども、これについては支給するということで私どもの方の制度は考えておるということでございます。

 それから、自立指導員の地位といったことにつきましては、また今後、支援策を考える中で考えてまいりたい、このように思います。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

○高橋委員 よろしくお願いします。

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