国会質問

質問日:2019年 1月 24日 第197国会 厚生労働委員会

勤労統計不正・偽装/組織的隠ぺい濃厚

高橋・倉林議員が追及/衆参厚労委閉会中審査

解明は予算審議の前提
 毎月勤労統計の不正・偽装問題をめぐって衆参両院の厚生労働委員会の閉会中審査が24日に開かれました。日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、倉林明子参院議員は「厚労省は、二重三重に統計を偽ってきた。これを組織的隠ぺいではないなどといえるわけがない」「事実解明は予算審議の前提となる」として、徹底した検証を行うよう求めました。
 (論戦ハイライト3面)

 高橋氏は、毎月勤労統計が雇用保険などの給付の基準額となるだけでなく、景気判断や今年10月の消費税10%増税など政策判断の前提となっていることを指摘。昨年12月20日に不正調査の報告を受けながら、何の報告もしないまま2019年度予算案を閣議決定した根本匠厚労相の責任をただしました。根本厚労相は「12月28日に総理に秘書官を通じて報告した」などと弁明するだけでした。
 高橋氏は「責任の重大性を受け止めているとは思えない」と厳しく批判。さらに、厚労省の特別監察委員会がわずか1週間で、組織的隠ぺいを認めない報告書をとりまとめたことについて「通常国会の開会前に(報告書を)出すよう指示があったのではないか」と追及しました。
 厚労省の定塚由美子大臣官房長は「特別監察委員会を設置したときに(根本)大臣から早く事実を解明するよう指示があった」と回答。高橋氏は「出来レースだ」と批判しました。
 倉林氏は、独自に入手した、従業員500人以上の事業所の事業主に調査期間の終了を知らせる厚労省大臣官房統計情報部長名による文書の存在(12年2月)を告発。本来、全数調査すべき500人以上の事業所を厚労省が勝手に抽出したうえ、期間を定めて、入れ替えまでしていたとして「恣意的な入れ替えはなかったのか」と追及しました。
 厚労省の大西康之政策統括官は「恣意的なことはなく、無作為抽出だ」と答えました。倉林氏は、調査対象事業所の指定を知らせる通知には厚労相の判が押されていることを指摘。抽出調査に切り替えたことを「(大臣が)知らなかったでは済まされない」として、改めて第三者機関による検証を行うよう主張しました。
( しんぶん赤旗 2019年01月25日付より  ) 

論戦ハイライト/勤労統計不正受け高橋氏が追及/重大性認め、謝罪を         政治家含めた調査必要

 高橋氏は、不正が問題となっている毎月勤労統計調査について、失業や労災などの保険給付だけでなく、年金や労働法制、消費税増税など、政策判断の前提となる重要な指標だと指摘。2019年度予算案の「修正」にとどまらず、政策判断の土台が揺らぐ重大問題だとして、徹底的な調査を求めました。

たたき台は厚労省
 高橋氏は、根本匠厚労相のもとに設置された特別監察委員会について、全体会合は17、22両日のわずか2回であり、1週間で報告が出されたと指摘。報告書は誰が書いたのかとただしました。
 高橋 報告書案は誰が作成し、いつ委員に示されたのか。
 定塚由美子大臣官房長 委員長の指示のもとで、たたき台は、事務局を務めた大臣官房人事課が整理し、委員の意見をさらに踏まえて整理した。最終的に22日の会合で議論、委員にとりまとめていただいた。
 調査の再集計に必要な2011年以前のデータの一部の存在が、確認できなかったとされていることについて、高橋氏は「紙でなくても電磁的記録媒体などは残されているのではないか」と指摘。また、3年保存とされていたが、破棄にあたって、公文書管理法に基づく内閣総理大臣の同意の存在が確認できないとした報告書の記述を挙げて、ただしました。
 高橋 毎年、3年過ぎたものを破棄していたのか。それとも、いずれかのときに、まとめて破棄したということか。
 定塚 現時点までに発見されていない。報告書では、引き続き探すよう努力するようにと指摘をいただいている。

時間限られ不十分
 さらに高橋氏は、監察委員会の荒井史男委員長代理の「(組織的に)意図があるとまでは認められなかった。まっしろと言い切っているわけではない」との発言を紹介。通常国会を前に、限られた時間で十分な調査ができなかったのではないかと追及しました。
 高橋 国会開会前に(報告書を)出すよう指示があったのか。
 定塚 大臣から早く事実を解明するようにと指示をいただき、委員長にも早急に、速やかにとお願いしている。
 根本厚労相 (2018年)12月20日に報告を受けてから、とにかく迅速に、スピーディーに、徹底的に調査をするようにと指示していた。監察委員会もその意味では非常に精力的に作業し、報告をまとめていただいた。
 高橋氏は「政治家も含めたヒアリングをすべきだ。今回の報告書は、厚労省の内部調査であり、第三者の検証委員会を改めてやるべきだ」と求めました。
 また、経済産業省の繊維流通統計調査の不適切処理を受けて、総務省も17年に各府省の統計調査の「一斉点検」をしたものの、厚労省の不正を見抜けなかったと批判。「同時に、厚労省は二重三重に偽り、欺いてきた。これを組織的でもない、意図的でもないなどということが認められるはずがない。引き続く調査、集中審議を求める」と述べました。

( しんぶん赤旗 2019年01月25日付より)

                                         

ー議事録ー

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 初めに、委員長にお願いします。
 今、山井委員が求めた内容については、合同ヒアリングで求めていたわけなんです。ベンチマークや入れかえがあった寄与度と、では、実質の賃金の部分の寄与度はどうなのか、その内訳をというのは求めていましたので、試算をしたということですから、理事会に提出するようにお願いいたします。

○冨岡委員長 理事会にて諮らせていただきます。

○高橋(千)委員 本題に入りますが、昨年も、労働時間等実態調査のデータ捏造問題、障害者雇用の水増し問題など、重大事案が次々と起きて、そして、まだ何も解決はしていません。これを議論している最中にも実はこの問題はわかっていたわけで、ばれなきゃいいなと思っていたんでしょうか。
 統計法第一条にあるように、公的統計は、国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報です。まして、毎月勤労統計は基幹統計の一つであり、賃金、労働時間、雇用状況などの調査を通して、雇用保険や労災保険などの給付の基準額となるだけではなくて、内閣府の月例経済報告や日銀、各企業、エコノミストの景気判断、これらをもとにした政策決定に使われる重要な指標であります。二千十五万人、七百九十五億円の追加予算、これ自体も大変重大ですが、政府はこれを労働保険特会の中でほぼ支出できるとして事態を小さく見せようとしているのではないか、私は、これは重大だと指摘をしておきたいと思います。
 そこで、まず大臣に伺いますが、昨年十二月二十日に報告を受けました。そして、何の報告もないまま、翌日、来年度の予算案が閣議決定されるわけです。結局、予算案を修正して再度閣議決定するという前代未聞の事態になった、その責任をどう受けとめているのか、また、このことを総理にはいつ報告したのか、お答えください。

○根本国務大臣 本件については、事務方から十二月二十日に事実関係の一報があったため、事務方に対して、速やかに徹底的な調査を行うよう指示いたしました。
 そして、私が受けた事実関係、これは、五百人以上規模の事業所については、調査計画では全数調査するとしていたところ、東京都において抽出調査を行っていたこと、抽出調査であった場合に統計的処理として復元すべきところを復元しなかったことであります。
 一報を受けた時点では、事案の具体的な内容や影響が明らかになっておらず、予算案との関係性を判断できる状況にはありませんでした。
 その後、十二月二十七日までに、抽出を復元しなかった結果、統計上の賃金額が低目に出ていた可能性がある、国民経済計算や経済見通し、雇用保険、労災保険給付等への影響の可能性が明らかになりましたので、総理には、十二月二十八日に秘書官を通じて報告を行いました。
 政策立案や学術研究、経営判断等の礎として、常に正確性が求められる基幹統計、こうした事態を引き起こしたことは極めて遺憾であり、国民の皆様に御迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。

○高橋(千)委員 十二月二十八日に総理に報告したと。そのときに、秘書官を通してということですから、直接ではない。御指示が何かあったんでしょうか、総理からの。

○根本国務大臣 秘書官を通じて報告をいたしました。総理の方からはしっかり取り組むようにというお話がありました。秘書官を通じてありました。

○高橋(千)委員 具体的な内容がわからなくてそこまで思い至らなかった、予算を組み替えるほどの問題ではないと思ったということですよね。だからこそ、その責任をどう考えているのかということを聞きました。遺憾というのは何か人ごとに聞こえるんですよ。もう一回お願いします。

○根本国務大臣 予算との関係では、十二月二十日に先ほど申し上げた二点を報告されました。その一報を受けた時点では、事案の具体的な内容、影響が明らかになっていませんから、予算案との関係性を判断できる状況にはなかったんですよ。
 その後、二十七日までに、抽出を復元しなかった結果、統計上の賃金額が低目に出ていた可能性がある。低目に出ていた可能性があると、雇用保険とか労災保険給付へ影響する可能性があるし、国民経済計算や経済見通しにも影響がある可能性があるということで、秘書官を通じて報告を行ったということです。
 いずれにしても、こうした事態を引き起こしたことは私も極めて遺憾であり、国民の皆様に御迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。

○高橋(千)委員 だから、今回、閉会中審査をやって、きのう、野党では、予算の集中審議も求めていますよ。やはり、一旦やって、予算を粛々と進めましょう、その姿勢がおかしいんです。だから、問題を小さく見せようとしていると指摘をしました。そのことに対して、やはり思いが至っていないし、遺憾であるという言葉では、到底その責任の重大さを受けとめているとは思えない。これを重ねて指摘をしたいと思うんです。
 例えば、二〇一六年に成立した年金カット法、あるいは昨年の働き方改革、そしてことし十月の消費税一〇%の判断、それぞれの政策判断では、前提となる経済状況を必ず検討会でやっています。消費税なら平成三十一年度の経済見通しを出しているわけです。年金は、ことしが財政検証の年でありますが、それに向けての、経済前提の、社会保障審議会年金部会の専門委員会、これをやってきた、議論を重ねてきたんです。
 毎勤統計は、その議論の中の重要な一つであるという認識はあるでしょうか。

○根本国務大臣 毎勤統計、今お話がありましたように、月々の賃金、労働時間、雇用の変化を迅速に把握することを目的とする調査であって、基幹統計とされています。政策立案、保険給付、学術研究の基盤として用いられている重要な統計であると認識しています。

○高橋(千)委員 認識しているとお話がありました。ということは、予算の修正だけにとどまらない、政策判断も立ちどまらなきゃいけない、それだけの問題なんだということを言いたいんです。
 資料の一枚目に、十一月分の確報の毎勤統計の表紙をつけました。
 例えば、先ほど山井委員が随分議論したわけですが、現金給与総額は、一般労働者が一・八%増なんだけれども、パートタイム労働者が二・九%増で、こちらの方が多いわけですよね。全体をちょっと引っ張っていると。〇・二九ポイント、パートタイム労働者の比率が高まっているということなんです。こういう形で、雇用の状況と労働時間を一体として、ちゃんと精査をしていかなきゃいけないわけです。
 資料の二枚目。これは、二十二日付の日経新聞で、日本総研の山田久氏がコメントをしているところなんですね。
 一段目のところには、大変怒りの言葉を書いています。統計を扱うプロがしっかり配置されているのか疑ってしまう、わかってやったならとんでもないことだとおっしゃっている。
 二段目に、かつてのように経済が右肩上がりの時代では今回のような調査も誤差の範囲で許されたかもしれない、それが低成長の時代になり、統計の精度がより重要になっている、構造変化に追いついていない、こう指摘をしているんです。
 だけれども、四段目になると、じゃ、四月から始まる脱時間給制度、高プロのことですよね、対象者を決める年収要件は毎勤統計をもとにしていますがと聞かれると、いやいや、実行がおくれかねないと懸念している、そもそも脱時間給制度は導入がおくれにおくれてきたから、これは冷静に峻別すべきだとおっしゃって、つまり、関係していることをわかっているからこそ、これは峻別してねと予防線を張っているんです、失礼な言い方ですけれども。
 これは、二〇一七年の十二月二十七日、第三回年金部会の経済前提の専門委員会で山田先生が、「日本の実質賃金低迷の背景」ということで、なぜずっと賃金が低迷しているのか。つまり、これは昨年の補正する前ですからね。ずっとデフレ脱却できないと田村元大臣が苦労して、転ばぬ先のつえだといって年金カット法案をつくったあの背景の前提の議論のときに、どれだけ賃金が低迷しているかということを、その理由を一生懸命議論しているんですよ。
 だけれども、その一生懸命議論しているもとになっているのが毎勤統計なんですね。だから、その毎勤統計で、これだけ一年間ずっと見ているけれども低迷しているねと議論されたと、たまらない思いをしていると思うんですよ。それだけの大きな意味があるんだということをちゃんと受けとめていただきたい。
 政策についてももう一度議論するべきだと思います。でも、これは、きょうは時間がないので、ここは指摘にとどめます。
 それで、中身に入りますが、特別監察委員会の報告についてです。先ほど大串委員からの指摘もあって、私、本当にひどいなと思ったんですが、まず単純な質問をします。この報告書の案は、誰が、厚労省のどこの部署が作成し、いつ委員の先生方に示したのでしょうか。

○定塚政府参考人 お答え申し上げます。
 特別監察委員会の報告書についてでございます。
 樋口委員長の御指示のもとで、たたき台につきましては、委員会の事務局を務めさせていただきました大臣官房人事課が整理をした上で、委員の方々の意見を更に踏まえて整理をしていったという経過でございます。このような案につきまして、最終的には二十二日の会合で御議論いただき、先生方に、委員の方々に取りまとめていただいたものでございます。

○高橋(千)委員 きのうはこれを認めませんでした。
 私、当然、これは一週間ですから、事務方が案を書いて、でも、事前に先生方に見せて読み込んできてもらうと思っていたんですね。だけれども、今、そうじゃなくて、特別委員会なので先生方が書きましたとおっしゃって、それは無理でしょう、一週間ですよという議論をしていました。だけれども、今、たたき台は官房人事課が出したと。でも、当日の朝出したということですか、今の答弁では。
 やはりできレースなんですよ。先ほどの議論があったように、もう昨年から始めている内部の監察チーム、だけれども、それは、ヒアリングをやったのは、官僚自身が官僚に聞いている、そういう中でそのまま引き継いだ。ほとんどのことはでき上がっていて、監察委員会はそれを、追認と言えば大変失礼なんですが、一定の言葉を加えた程度でおさまってしまったと思うんです。
 荒井史男委員長代理、元名古屋高裁長官は、記者会見の中で、組織的に意図があるとまでは認められなかった、でも、真っ白と言い切っているわけではないとおっしゃった。これは、私、じくじたる思いがにじんでいると思うんですね。つまり、限られた時間の中で、もうそれしかできなかったという思いがにじんでいるんですよ。
 これは国会前に出すように、さっき言っているように、国会前にもう終わっちゃったとしたいという思いが、やはりそうした指示があったんじゃないんですか。

○定塚政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたように、たたき台は事務局、人事課でつくり、ワープロ作業は人事課職員がしてまいりましたけれども、もちろん、これは委員長とほかの委員の方が議論しながら、こういうことだよね、ヒアリングを聞きながらこうだよねということをおっしゃっていたことを事務方としてまとめたというものでございまして、また、人事課としても、今回、この事案が起こりました統計情報部局とは異なる部局に置くということで、官房人事課に置いたものでございます。
 そうした意味で、委員の先生の指導を受けながら、省内では、中立的な立場である官房人事課において委員の先生の意見をワープロ作業するというような形でまとめていったものというふうにお考えいただければと思います。

○高橋(千)委員 国会前に出すようにという話はどうですか。

○定塚政府参考人 この点につきましては、特別監察委員会の設置をしたときに、大臣から早く事実を解明するようにという御指示をいただきまして、委員長にも早急に速やかにということでお願いをしているところでございます。
 これは、それ以前から、この事案が発覚しましたときから、事実解明を早期に進めるようにということを野党の先生方含め各方面から言われてきたということを当然踏まえてのことと私は思っております。

○高橋(千)委員 これは、やはり政治家も含めたヒアリングが足りないからこのような話になっちゃうと思うんですよ。早急に、速やかにというのは、その心は国会前であろう、みんなはそう思うわけですよ。だけれども、それを内部の調査でとどめているからこういうことになります。
 先ほど大串委員からも調査を撤回すべきだというお話がありました。私は、これは表紙をかえて、厚労省の内部調査であるというふうにして、第三者の検証委員会を改めてやるべきだと思います。いかがでしょうか。大臣に聞きます。

○根本国務大臣 厚労省では、私は十二月二十日に報告を受けた。ですから、徹底的に調査をしろと指示をいたしました。ですから、事務方は、ずっと作業して、実態がどうか、あるいは原因がどうか、この作業は当然事務方もしている。そして、監察チームがありますから、これは有識者ももともと入っていますから、そこの監察チームにおいて、そこは精力的に作業もしている。それは事実であります。
 そして、やはり第三者委員会、今のようなお話が指摘されますので、きちんと、要は官僚の入らない監察委員会というのを第三者委員会としてつくる。そして、統計の専門家である樋口先生にも入っていただく。この第三者委員会で、監察委員会でこれは精力的にやっていただいて、そして報告書をまとめていただいたということであります。
 やはり、私は、十二月二十日に報告を受けてから、とにかく迅速に、スピーディーに、徹底的に調査をするようにという指示をしておりましたので、監察委員会もその意味では非常に精力的に作業していただいて、報告をまとめていただいたということであります。

○高橋(千)委員 到底受け入れられるものではありません。これでは誰も納得できないと、さっきからみんなが言っているとおりであります。それで、大臣自身が答えられないのに、ちゃんと精力的にやったから、そういうことで、これで第三者的なと言ってしまえば、それは逆に言えば委員の先生方にも大変失礼なことになりますよ。改めてやるべきだと重ねて言いたいと思います。
 それで、どんどん時間がなくなるので相当問いを飛ばしますけれども、本当に二〇一一年以前のデータはないんでしょうか。紙ベースでなくても、記入済み調査票又は調査票の内容を記録した電磁的記録媒体、これは普通あるんじゃないでしょうか。これをまず聞きたい。
 それから、前までは三年保存とされていました。だけれども、三年保存であっても、それを破棄するときには内閣総理大臣の同意が必要であると公文書管理法でなっているのに、その同意が見当たらなかったというのが報告書に書いてあります。ということは、毎年毎年、三年過ぎたものを破棄していたんでしょうか。それとも、いずれかのときにまとめて破棄したということですか。どっちですか。

○大西政府参考人 委員御指摘のとおり、この特別監察委員会の報告書におきましては、平成十六年から二十三年の調査の再集計に必要な資料につきまして、三つ、現在のところ、まだ確認できていないという指摘を受けておるところでございます。
 個票データにつきましては、委員御指摘のとおり、当初三年でございましたが、その後、永年保存ということになっておりまして、現在、保存期間が満了していないわけでございますので、これが存在確認できないということは、統計法及び公文書管理法に照らしても不適切と指摘されたわけでございます。
 また、指定予定事業所名簿につきましては、廃棄に必要な公文書管理法上の内閣総理大臣の同意、こういうものが必要であるということでございますが、これにつきましては現在確認ができていない、そういう状況でございます。
 もう一つあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、存在が確認できないという、現時点で再集計ができないという事実がございますけれども、委員会の報告書におきましても、引き続き、そういったデータを確認するための努力、こういったものを継続すべき、そういう御指摘も受けているところでございます。

○高橋(千)委員 済みません、官房長、答えてください。電磁的記録媒体は本当にないのか。

○定塚政府参考人 私ども及び監察委員会の事務局である人事課、あるいはほかの部局の職員も動員いたしまして調査をしておりますけれども、現時点までにこれらのデータが発見されていないということでございます。
 なお、監察委員会の報告書の中では、この点につきましては、済みません、今、手元にないので正確に申し上げられないんですけれども、引き続き、捜すよう努力するようにという指摘をいただいているところでございます。

○根本国務大臣 今のデータの問題でありますが、報告書によって明らかになった事実関係、平成十六年から二十三年調査の再集計に必要な資料のうち、三点、存在が確認できておりません。
 一つは、平成十九年一月調査分の旧対象事業所の個票データ、平成二十一年抽出がえの旧産業分類の指定予定事業所名簿、平成十六年から平成二十二年の雇用保険の事業所別頻数データ、この三点が存在が確認できていない。
 それで、これは大事なことなので申し上げますが、一部、文書保存の基準に反する不適切な取扱いがありましたが、他方、再集計に必要なデータ等の一部は保存期間が満了していた。
 三点申し上げます。
 個票データ、これは、個票データは、作成当時は少なくとも三年保存だが、順次行政文書保存に関する規則が改正され、常用するとされており、現在まで保存期間が満了となっていない、存在が確認できないことは、統計法及び公文書管理法に照らし、不適切。
 二点目、指定予定事業所名簿は……(高橋(千)委員「やめてくださいよ」と呼ぶ)でも、これは非常に大事なことなので、事実関係として、私、申し上げておりますが。(高橋(千)委員「そんなことは聞いていない」と呼ぶ)じゃ、いいです。

○高橋(千)委員 報告書を読んで質問しているんだから、何で答弁するときに報告書を読むんですか。失礼じゃないですか。時間稼ぎにもほどがありますよ。とんでもありません。
 わからないならわからない、だけれども、それを明らかにしてくださいと言っているんです。これは、ある一時期に一遍に破棄したとしたら、それは大変な作為ですよ。そうでしょう。全く知らなくて毎年破棄していたというんだったら、それはもしかして本当に知らなかったかもしれない。だけれども、そんなはずはないですよ。そんなはずはない。電磁的記録媒体はあるはずです。それが途中で切れていたとしても、その努力をしているとちゃんと言えばいいじゃないですか。そして、もし破棄したのであれば、どういう破棄の仕方だったかをきちんと報告をしてください。
 もう答弁は要りません。委員長、理事会に諮ってください。

○冨岡委員長 ただいまの件を理事会で諮らせていただきます。
 高橋千鶴子君、もう時間になっておりますので、簡潔に。

○高橋(千)委員 時間になったのは大臣のせいなんです。今、残り時間が十分あると思って、次の質問をやるつもりだったのが、今、終了の紙が来ました。なので、指摘だけにとどめますけれども。
 この資料を見ていただきたいんですね。この資料の3が、さっき話題になった繊維流通統計調査、経産省の統計調査を受けて点検結果をやったら、公的統計の信頼を損なうような例はなかったと書いている。
 四枚目には、その点検をやったときに、このような事案が決して起こらぬよう、各府省におかれましては、徹底していただきたいと、かがみをつけて調査をやったんです。
 そして、こうした、資料の5にあるような調査票がありまして、基幹統計であれば、どういう統計なのかというのを書いて、通知と実態が異なっていないのか。そのときに、計画上は八百と書いているんだけれども、実際は千になっているとか、数字そのものを違って申告している場合も具体例として書いているんですよ。それを偽って報告をしたから、何の問題もないということになっているんでしょう。
 これが、資料の6に、最後についているのは、ことしの一斉点検の紙なんです。これは、まさに厚労省の問題を受けて、抽出かどうかとかと書いているんですよ。それで、報告と実際と違っていたらちゃんと印をつけなさいというふうになっています。これは、厚労省のことがあって、やっとこういう点検になった。そういう意味では、私は総務省の点検も甘かったと思います。
 しかし、同時に、厚労省は、二重、三重に、あるいは四重に偽ってきた。いろんな場面があったにもかかわらず欺いてきた。これを、組織的でもない、意図的でもない。こんなことが認められるはずありません。引き続き調査を、集中審議を求めて、終わりたいと思います。

                                        

―資料ー

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