国会質問

質問日:2007年 11月 9日 第168国会 災害対策特別委員会

被災者生活再建支援法改正案に対する賛成討論

 大規模な自然災害の被災者を支援する、改正被災者生活再建支援法が九日、衆参両院本会議で、全会一致で可決、成立しました。

 改正法には、被災者の願いだった住宅本体への支援が盛り込まれました。支援金の算出方法も、積み増し式から「定額渡しきり方式」となり、煩雑(はんざつ)な事務手続きが簡素化されます。

 同法の改正は、前回改正時の付帯決議にもとづくもので、政府は、来年の通常国会に法案を提出する予定でした。参院選挙後、与野党逆転の参院に民主党が改正案を提出したのをうけ与党も提案。自民、公明、民主が一本化にむけた協議をした結果、三党共同で修正案を提出していました。

 衆院の本会議に先立ちおこなわれた災害対策特別委員会では、高橋千鶴子議員が発言。「日本共産党は、今度こそ与野党共同で(住宅本体への支援を盛り込んだ)改正が実現するよう積極的に発言をしてきました。三党の提案は(支援金が)住宅再建に使えるなど被災者の要望を反映している」と歓迎したうえで、さらなる見直しとして、(1)支援対象の範囲を半壊世帯以上にし、店舗兼住宅も含めること、(2)支給限度額を引き上げること、(3)被害認定のあり方の見直し―を求めました。また、被災者への制度の周知徹底や、自治体担当者への援助もあわせて要求しました。

 付帯決議として、四年後をめどに支援限度額を見直すことなどが盛り込まれています。

(2007年11月10日(土)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 私は、日本共産党を代表し、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に賛成の立場から発言します。

 一瞬にして人生を大きく変える災害から暮らしと生業を再建させること、とりわけ個人住宅本体への支援は、阪神・淡路大震災以来の悲願でした。被災地では、十二年たった現在でも孤独死が後を絶ちません。被災直後の援護資金の返済が、今なお精神的な負担となって生活再建の足かせとなっています。二〇〇〇年鳥取県西部地震、二〇〇三年宮城県北部連続地震では、県独自で住宅再建に支援金を支給し、被災者の生活再建を後押ししました。こうした被災自治体、全国知事会の要望などが、被災者の運動や国会の取り組みと相まって、二〇〇四年の居住安定支援制度創設へとつながりました。

 しかし、改正直後から、豪雨、台風や大規模地震、竜巻など、列島はたび重なる災害に襲われ、特に住宅再建支援をめぐり、制度の不備を指摘する声が相次ぎました。そのため、多くの被災自治体が単独で住宅支援に踏み切りました。二度も大地震に見舞われた新潟県のように、被災者の生活を一刻も早く再建することは、地域の維持、再建にとって不可欠であることも明らかになりました。

 日本共産党は、二〇〇四年の野党共同提出を初め被災者とともに繰り返し改正を求めるとともに、今度こそ与野党共同で改正が実現するよう、積極的に発言をしてきました。三党提案の本改正案は、実質的に住宅再建に使えること、年齢・年収要件の撤廃、地盤災害への適用など、被災者の要望を多く反映したものとなっており、率直に評価し、歓迎するものであります。

 その上で、さらなる見直しを期待するものとして、以下三点を述べます。

 第一に、対象世帯の範囲を半壊世帯にまで拡大することです。生業あっての生活であり、個人事業所や個人商店を含めることです。

 第二は、支給限度額を引き上げることです。住宅の公共性、地域社会再建への貢献度や、実際に住宅再建に要する経費からいっても、求められています。

 第三は、被害認定のあり方の見直しです。大規模半壊以上と認定されるかどうかで大きく明暗が分かれます。地盤や浸水被害を正確に反映した認定基準とすること、専門家による的確な認定作業とそのための体制の確保は不可欠であります。

 なお、せっかくの制度が熟知されず、被災者が救済されないということがないよう、わかりやすい制度の解説や広報、自治体担当者への援助を政府に要請します。

 本改正案が多くの被災者を励まし、生活再建へとつながることを期待するとともに、なお残された課題については引き続き検討することを政府と委員各位に呼びかけまして、発言といたします。(拍手)

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