国会質問

質問日:2008年 12月 24日 第170国会 本会議

雇用対策関連四法案に対する賛成討論

 民主、社民、国民新の三野党提出の雇用対策関連四法案が、24日の衆院本会議で自民、公明両党の反対多数で否決されました。日本共産党、民主、社民、国民新各党は賛成しました。
 同法案は、企業の安易な雇い止め・解雇、内定取り消しを抑止することなどが目的で、19日に参院を通過したものです。
 討論にたった日本共産党の高橋ちづ子議員は、四法案に賛成の立場を表明した上で、「法案の内容は、政府の追加対策と重なる部分もある。お互いに歩み寄り、緊急に実効ある雇用対策を実らせるため、ねばり強く努力を続けるべきだった」と述べました。
 高橋氏は、深刻な雇用危機に対し国会の責任を果たすため、衆院では委員会決議に向けた調整が行われたが、それも果たされなかったと指摘。「(与党と民主党が)互いに党利党略でぶつかり合うばかりで、国会は国民の切迫した雇用・くらしに対して、結局無策であったのか。無責任のそしりを免れない」と厳しく批判しました。
 法案の採決について、22の衆院厚生労働委員会の理事会では、民主党理事が「賛成してくれ」の一点張り。「まだ審議が不十分」という与党に対し、「賛成しないなら審議しても意味がない」と主張し続け、一致できませんでした。
 しかし、24日の採決には与党も応じました。日本共産党の高橋氏は、与野党が最後まで合意を尽くすべきだとの立場から、同日医の採決に反対を表明しました。
 高橋氏が提起していた雇用に関する委員会決議については、自民党が案を作成したものの、民主党が“法案が成立しなければ決議は認められない”と反対し、協議刷らされませんでした。 
(2008年12月25日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋千鶴子君 

私は、日本共産党を代表し、民主党、社会民主党、国民新党提出の雇用対策関連四法案に対し、賛成の討論を行います。(拍手)

 非正規切りがとまりません。新卒者の採用内定取り消しも急速にふえ、今や正社員にまで解雇の波が及んでいます。年の瀬も押し迫る中、多くの働く人々が突然仕事を奪われ、それどころか、住まいも失った労働者たちは、寒空のもと、命の危険に直面しているのです。

 米国発の金融危機は、確かに深刻な影響をもたらしています。しかし、正社員を安上がりな非正規労働者に置きかえ、空前の利益を上げてきた大企業が、収益が昨年より減るからという理由で、紙切れ一枚で労働者を使い捨てにすることは断じて許されません。安易な解雇、雇いどめは、直ちに中止するべきです。

 大企業による違法な契約解除や派遣切りなど、雇用破壊の背景には、九九年労働者派遣法の原則自由化など、労働法制のたび重なる規制緩和があります。だからこそ、政治の責任でこの雇用破壊にストップをかけることが緊急に求められているのです。

 野党三党提出法案は、今日の企業による安易な雇いどめ、解雇、内定取り消し等を抑止しようとするものであり、また、雇用のセーフティーネットとして雇用保険の国庫負担をもとに戻すもので、賛成できるものであります。一方、法案の内容は、政府の追加対策と重なる部分もあることは与野党ともに認めているところです。そうであるなら、お互いに歩み寄り、緊急に実効ある雇用対策を実らせるため、粘り強く努力を続けるべきでした。

 我が党は、年を越せない労働者を一人も放置しないため、与野党を超えて一致可能な課題を成案するよう、与野党協議を行うべきだと強く主張してきました。にもかかわらず、参議院で強行採決に及んだことには強く抗議したいと思います。

 それでも、深刻な雇用危機に対し、国会の責任を果たしたい、国民に決意を示したいという立場から、衆議院では、委員会決議という形でもまとめることができないか、最後まで調整がされました。その道さえ断ち切られたことは残念でなりません。互いに党利党略でぶつかり合うばかりで、国会は国民の切迫した雇用、暮らしに対して結局無策であったのか。無責任とのそしりを免れないものです。

 終わりに、この間の議論を決して無駄にせず、あくまで国民の立場に立って、真に実効ある雇用対策へ力を合わせるべきです。このことを重ねて申し述べ、私の討論といたします。(拍手)

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