国会質問

質問日:2018年 6月 19日 第196国会 本会議

健康増進法改定案に対する反対討論

屋内完全禁煙 程遠い
健康増進法改定案可決 高橋氏が反対

 利用者の多い施設を原則禁煙とするなど受動喫煙対策を見直した健康増進法改定案が19日、衆院本会議で可決しました。日本共産党、立憲民主党、自由党、社民党、日本維新の会、希望の党は対策が不十分だと反対し、共産党の高橋千鶴子議員が討論に立ちました。
 高橋氏は、日本はたばこ規制枠組み条約を批准しながら屋内完全禁煙を義務付ける法律もなく、毎年1万5千人も受動喫煙による死者が出ていると批判。国際的にも2020年の東京五輪は「たばこフリー」が求められていると指摘しました。
 法案について、努力義務だった受動喫煙防止に罰則を設けたのは「一歩前進」と評価しつつ、「自ら掲げた『喫煙室なしの屋内完全禁煙』との目標からは程遠く、国際的責務を果たしたとは言えない」と断じました。
 具体的には(1)学校や病院で敷地内喫煙が可能で、子どもや患者の受動喫煙が避けられない(2)既存飲食店の半分以上がほぼ無期限で例外となる(3)従業員の受動喫煙防止策がない(4)加熱式たばこ専用喫煙室では飲食、読書、パチンコさえ可能で、長時間滞在で喫煙率を上げかねない―などの問題点を示しました。
 高橋氏は「本気で受動喫煙防止をいうなら、一日も早く完全禁煙に踏み出すべき」だと強調。「喫煙は、深刻な健康破壊になるだけでなく、身近な家族や誰かを苦しめる。喫煙権は幸福追求権だと主張する人がいるが、他人を不幸にしての幸福追求権など絶対にありえない」と訴えました。
(しんぶん赤旗2018年6月20日)

 

――議事録――

○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表し、健康増進法改正案の反対討論を行います。(拍手)
 まず、国民の健康に影響する本法案を、会期末が近い中、拙速に委員会採決を行ったことに抗議をするものです。
 日本は、たばこ規制枠組み条約を批准していながら、屋内完全禁煙を義務づける法律を持たず、WHOから世界最低レベルとされています。毎年一万五千人とも言われる受動喫煙による死亡者をなくすこと、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックをたばこフリーで開催することが国際的にも求められています。
 本法案は、今まで努力義務とされていた受動喫煙の防止を、罰則つきの規制を設けた点では一歩前進であるものの、みずから掲げた目標である喫煙室なしの屋内完全禁煙からはほど遠く、国際的責務を果たしたとは言えません。
 反対の理由の第一は、学校や病院等を対象とする第一種施設においても敷地内喫煙を可能とするからです。
 特定屋外喫煙場所は、煙を外に出す構造上、児童や患者の受動喫煙は避けられず、近隣住民にも影響を与えることは明白であり、設置するべきではありません。
 第二に、第二種施設に喫煙専用室を設けても、受動喫煙をなくすことはできないからです。
 既存特定飲食提供施設として全体の半分以上が例外とされ、それは無期限に等しいものです。喫煙専用室などに立入りを禁止するのは二十歳未満だけであり、従業員の受動喫煙防止策がありません。
 加熱式たばこは、WHOでも紙巻きたばこと同様の規制を求めています。ところが、加熱式たばこ専用喫煙室は、飲食や読書、パチンコさえ可能となります。長く滞在することにもなり、これでは喫煙率をむしろ上げることになりかねず、看過できません。
 加藤大臣は、繰り返し、望まない受動喫煙との言葉を使いました。受動喫煙を望む人など、いるわけがありません。本気で受動喫煙防止を言うなら、一日も早く完全禁煙に踏み出すべきです。また、国会も率先して敷地内完全禁煙にするべきです。
 喫煙は、深刻な健康破壊になるだけでなく、身近な家族や誰かを苦しめます。喫煙権は幸福追求権だと主張する人がいますが、他人を不幸にしての幸福追求権など絶対にあり得ません。
 以上、反対討論を終わります。(拍手)

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