○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
ようやく、社会保険病院また厚生年金病院などの受け皿をつくる法案が審議入りをいたしました。存続のための運動をされてきた行政、病院、住民の皆さんにとって、ここまでの道のりは本当に長かったと思います。
〇二年七月の健保法改正に伴い、同年十二月に「社会保険病院の在り方の見直しについて」が発表されました。各病院が三年間で経営改善計画を策定し、その後の経営状況を見て、〇七年度中に整理合理化計画をつくるとされておりました。
私は、〇七年三月、年度末まであと一週間という日に本委員会で質問をし、整理合理化計画はできたかと迫ったのですが、当然、そのときはできておりませんでした。そして、結局、その後もずっと示されませんでした。
病院の皆さんは、頑張って黒字にすれば存続できる、そういう思いで、職員も手当打ち切りや労働強化に耐え、成果を出しました。しかも、これからは自前で改修もしなさいということで、建物更新費用を毎年積んだ上で、それでも黒字化をしてきたわけであります。まさに血を流す努力をしてきた。百二十三ページという分厚い自治体からの陳情書を手に、一千二百万の患者さんを擁するこれらの病院がいかに地域の人々に信頼され必要とされているか、このことを訴えてまいりました。
その後、病院の経営が悪化したところがあったとしても、それは、先ほど来足立政務官がおっしゃるように、診療報酬の引き下げしかり、同時に、何よりも国の方針がいつまでも決まらないために、医師などの退職に歯どめがかからず、また、退職後の補充ができない、新規補充もままならない、こうしたことがあったからではないでしょうか。
だからこそ、私は、独法という器は大変問題があって、正直、余りよいとは思っておりませんけれども、ともかく、ここは法案をつくって、いいものを目指していかなければならない、こういう立場で賛成をしたいと思っております。
最初に大臣に伺いますけれども、今回の法案は、地域医療を守るため、公的病院として存続させるための法案である、この点を確認したいと思います。
○長妻国務大臣 地域において、救急医療、産科、小児科等を担う医療機能の確保が困難になっている現状をかんがみて、この法案の成立によって、地域医療を守る、地域住民にとって不可欠な医療を提供していく。そして、厚生年金病院のリハビリに代表されるように、特色のある医療というのもこれからも提供していくということであります。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
社会保険病院や厚生年金病院は、この間も、湯布院を初め、首長さんが先頭に立ち、党派を超えて運動を広げてきたと思います。私の生まれ故郷である秋田県能代市にある秋田社会保険病院は、わずか一カ月で六万名を超えて、最終的には市の人口を超える六万五千八百八十筆、その後もさらに上乗せされていると思いますが、そういう署名を集めました。
そうした住民の地域ぐるみの運動があったからこそ、第十八条「地域の実情に応じた運営」という一項が入ったのではないか。今後、この協議会のあり方が非常に重要なかぎになると思っております。
十八条の中身には、「協議会の開催等により、広く当該施設の利用者その他の関係者の意見を聴いて参考とし、当該地域の実情に応じた運営に努めなければならない。」と書いております。
この単位は施設単位なのか、また本部はどうなるのか、まず、この点を伺います。
当然、協議会メンバーには、これまで運動にかかわってきた地域住民代表なども入ると思いますけれども、確認をさせてください。
○足立大臣政務官 今、十八条の協議会のことでございますが、御指摘のとおり、各病院が、地域に根差した医療を提供するため、運営協議会の開催などにより広く関係者の意見を聞いて、地域の実情に応じた運営に努めることが求められている。これは、そのまま中期目標に盛り込むべきである、そのように私どもも考えております。
地域住民を初め、行政機関や近隣の医療介護施設などから意見を聞くことが考えられますが、今委員がおっしゃったことは、その協議会のメンバーを、各病院ごとに協議会として地域住民の方々に入っていただくかどうかという観点が入っていたと思います。その運営の方法につきましては今後検討ではありますが、中期目標にはしっかり盛り込むべきものだととらえております。
○高橋(千)委員 今の答弁は、今後検討というお話だったと思いますが、では、分けて聞きます。
まず、各病院ごとにつくられる。これは地域協議会ですから当然かなと思うんですが、いかがですか。
○足立大臣政務官 今申しましたように、各病院ごとです。
○高橋(千)委員 もう一つの方、地域住民の代表。これは当然、地域協議会でありますし、文面から見ても、「当該施設の利用者その他の関係者」というふうになっておりますので、住民の代表が入るというふうに解釈してよろしいかと思いますが、どうでしょうか。
○足立大臣政務官 これは先日の阿部議員に対しても答弁で申し上げたんですけれども、意見を聞くということは、実際にそのメンバーとして入っていただくやり方と、広く意見を聞く場を設けるというようなやり方、いろいろあるんだと思います。
今、結論で申しますと、地域の協議会に住民代表とあるいは利用者代表等々、必ずメンバーとして入っていただくということを明言するのはなかなか難しいんですが、その運営の仕方等も含めて、もう十分議員の趣旨は理解しておりますので、意見の聞き方、その場をどう設けるかということをさらに検討したいと思っております。
○高橋(千)委員 おっしゃるように、例えばその委員の中に一人なり二人なり代表の方が入ったときに、その人がそれですべて地域住民の声を代表しているかと言われれば、逆に難しいこともあるかと思うんです。だから、私にしてみれば、両方やればいいと思うんです。委員にも入るし、公聴会のような住民の声を聞く会というのは絶えずやっていくべきであろうと。
公立病院改革ガイドラインを作成する過程の中で、地域住民との協議ということが落とされました。やはり、その過程で、改革と再編統合などを議論していく中では住民の賛同をなかなか得られないだろうというような議論があった。それが全体だとは、そこまでは言いませんけれども、そういう背景もあったわけですね。
ですから、ここで出だしにつまずくと、やはり、ここまで支えられて、守って、たどり着いた病院の運営がどうなっていくのかという不安材料が残ることになりますので、重ねてこれはお願いをしたい。いずれにしても、地域住民の声が反映されるということで、確認をしていきたいなと思います。
例えば、能代で昨年の六月に、文化会館大ホールをいっぱいにして、社会保険病院を守れという集会が開かれました。この中でシンポジウムが開かれているんですけれども、例えば、その土地の人たちが病院を育てていかなければならないということがパネリストから出るんですね。病院をコンビニ感覚で使っている状況がある、順番待ちをしなくてもいいかもしれないが、先生たちは御飯を食べる暇もなく忙しい、私たちの病院として、市民は医療従事者たちを必要以上に疲れさせないようにしなければならないと。こうやって、地域の病院を自分たちで育てなければならない、あるいは自分たちで守らなければならないということに、住民は当然進化していくし、また知恵もさまざま出てくると思うんです。そういうことを大事にしていただきたいと思います。
同時に、今紹介した二つ目の言葉の中にあるように、やはり職員あってこその病院であります。職員の皆さんが本当によくしてくれる、明るくしてくれる、そういう思いがあるからこそ、この病院を守りたいという住民の運動も広がったのではないかと思います。
そこで、資料の一にあるように、先行する法人、例えば独立行政法人国立病院機構、あるいは独立行政法人労働者健康福祉機構、これは労災病院の移った姿でありますけれども、これらには引き継ぎ条項があるんですが、本法案にはありません。もちろん、天下りはきっぱりやめる、これでいいんですけれども、病院を支えてきた現場の労働者の雇用が守られることが今後の病院機能にとっても絶対重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○足立大臣政務官 この点につきましては、社会保険病院等で働いている医師、看護師など病院の運営に必要な人材については、これまでそれぞれの病院において地域の医療を支えてこられた方々でありますし、引き続き機構で勤務していただくということを考えております。
しかし、先ほど来答弁で申し上げておりますように、これは、大きく分けると、全社連、厚生団、そして船保会という形がございまして、それぞれ条件が異なります。新しい機構で、やはり統一した職務規定、報酬も含め、入るんだと思いますが、その段階でその方々がどのように判断されるかということもまた重要なことだと思っておりますので、その点については、本人の判断が最優先でありますけれども、重ねて申し上げますが、病院の運営に必要な人材につきましては、引き続き機構で勤務していただくということを考えております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。確認ができたと思います。
本人の判断だというのは、それは当然なことだと思うんですね。正直、先ほどお話ししたように、国の方針が決まらない間に、とても続けていけないということで退職に至った方もいらっしゃるわけですから、そういう中で、先が見えないまま、病院を守れということで頑張ってきた職員の皆さんが、本当にこれから新しい病院で頑張ることができるように、このことは、引き続き勤務ができるのだということを確認させていただきたいと思います。
きょうは、ここまで確認をさせていただければよしとして、実は、残りの時間ですけれども、地域医療とも大いに関係しますし、先ほど来問題となっている独法の評価、これに非常にかかわることではないのかということで、国立大学法人の評価の問題について質問させていただきます。
三月二十五日付の朝日新聞、私の地元青森県に大きな衝撃を与えました。「国立大、初の順位付け」と、これは後で詳しくやりますが、資料の五枚目につけてあります。二〇〇四年に国立大学法人に移行して初の六年間の中期計画の評価が運営費交付金に反映されたということで、我が出身大学である弘前大学が最下位という大変不名誉な報道がされたわけであります。
また、今お話ししたのは文部科学省ですけれども、その一月後、今度は内閣府の方で、これも朝日新聞に報道されたんですけれども、国立大学法人の市場化テストの順位が載せられました。実は弘前大学は、ここでは八十六法人中七十二位だったわけですけれども、当初、内閣府が計算を間違えて、下から四番目と発表されたわけであります。
連続した不名誉なランキングに対し、弘前大学学長は、先月、抗議の記者会見を行いました。
例えば偏差値ですとか就職率ですとかあるいは各種試験の合格率、こうした数字で客観的にあらわれてくるというものは、これは甘んじて受け入れなければならないし、日々努力をして、その数字を引き上げるために頑張るというのは当然なことだと思うんです。ただ、今回のランキングが客観的と言えるものなのか、評価の軸がふさわしいのか、あるいは、それが交付金という金目に直接結びつくことが正しいのか、これに関しては大変疑念を持っております。事は弘前大学だけの問題ではないと思っております。
まず、内閣府から質問をさせていただきます。
資料の二枚目につけておりますけれども、官民競争入札等監理委員会の議論を踏まえ、国立大学法人の業務運営の改善を求める二十二年度の公共サービス改革基本方針を作成して、六月中にも閣議決定をすると書いております。言ってみれば、市場化テストの国立大学版と言えるのだと思いますけれども、民間開放度がランキングされている。ここで言う評価の基準は、どういうものでしょうか。
○田村大臣政務官 お答えをいたします。
委員がお配りいただいた資料にランキングもおつけいただいていて、説明しやすいのは感謝をいたします。
四枚目の資料が、公共サービス改革の一環といたしまして、国立大学法人の施設管理業務の改善の推進状況ということでランキングづけをしたものでございまして、三項目あります。
一つは、どれだけ一般競争入札を導入しているかというその割合、そしてさらに、従来、単年度が多いわけですけれども、契約自体を複数年度化しているその割合、そして三つ目は、少額の随意契約の上限の金額、その三項目を取り上げました。
それがまさに評価の基準でありまして、公共サービス改革、市場化テストというか、今回は施設管理業務を取り上げたわけでありますけれども、それについて、どれだけ民間の参入を進めているか、よりいい入札制度をとって、まさに経費節減の努力をしているかということで、やはりその三点を非常に大きな指標として考えているところでありまして、その三つを指標に挙げています。
ただ、例えばウエートを計算するとか、そういったことをいろいろすると、やはりどうしても恣意性が働くという判断をいたしまして、ある意味では、この三つ、それほど比重を変えずに単純に足し合わせているということでありますので、この順位というのも、あくまでそういう、この三つを指針に単純計算をした中での参考の順位だということであります。
○高橋(千)委員 資料にあるように、枝野行政刷新担当大臣ですか、国立大学法人評価委員会の運営費交付金にこの評価を反映するべきだと発言したと聞いておりますけれども、そのように考えているのでしょうか。
○田村大臣政務官 内閣府として、今回の発表いたしました評価結果を直ちに大学運営費交付金に反映させることを要請するということは考えておりません。
ですので、今後、基本的には、毎年かどうかはわかりませんが、定期的に各大学の経営改善の状況というものを、やはり調査を継続していくということを考えておりますので、その際に、どれだけ各大学が自主的に努力をしていらっしゃるかどうかというときには参考にさせていただくと思います。そういった意味では、今回は要請はしませんけれども、今後要請することを考えているということであります。
ただ、重ねて申し上げますけれども、順位というのは、あくまで今回のこの計算における順位でありまして、やはりどれだけ改善努力をしているかというのが重要なんだろうというふうに考えています。
○高橋(千)委員 直ちにとは考えていないという御答弁でありましたけれども、大臣が発言をされているということ、また定期的に見ていくのだということをやはり総合すれば、当然影響があるだろうと思うわけであります。
どれだけ民間参入が図られているのかが、国立大学の業務運営といいますか、その評価と直にリンクしていいのかどうかということでは、一点問題があると思うんですね。例えば身内の企業に随意契約で仕事を回し続けているとか、不透明なものや無駄遣いはきちんと洗い出していくというのは、もう当然のことだと思います。
ただ、弘大の場合は評価を落とした原因は、複数年度契約の導入率が二・四%にとどまっている、これがトータルするとがくんと落ちる原因なんですけれども、地方の大学が複数年度で契約を結べば、当然、競争入札で県外の業者に一度仕事が行くと、地元の業者に三年間仕事がない、チャンスがないということになります。あるいは、その競争に勝つためには、よほど価格を切り下げなければならない。これは中小業者にとっては死活問題で、また、低入札競争になってはならないと思うのであります。
そういう点で、地元業者にとって重要な貢献をしてきたことが評価を下げるのか、また、逆に、これが交付金にリンクするとなったら大変だ、格差を広げることにならないかという問題意識を持っているんですけれども、いかがですか。
○田村大臣政務官 確かに、それぞれの地方によってさまざまな事情が違う、そこは配慮しなければいけないというのは、公共サービス改革の観点、当方としても認識は十分に持っておりまして、今回、このランキングというのは、そもそも報告書の参考資料というか添付資料としてつけられているものでありますけれども、その本文におきましても、各地域の実情あるいは地域格差、そういったところは十分に考慮しなければいけないと。単純に、地域事情を無視して、各大学全国一律に数字だけで比較をすべきではないというようなことは、そういった趣旨のことは本文の文章にも入れているところであります。
またさらに、競争入札といいましても、単純に価格の競争ではという入札もあるんでしょうけれども、公共サービス改革でイメージをしておりますのは、やはり一定の条件は当然つけた上で、価格も大きな要素としてはありますけれども、さまざまな条件をつけた上で入札をかけるということでありますので、例えばの話ですけれども、業務契約の中に地元の中小企業の参加というものを義務づけるとかそういった、やはりその地域の中小企業に配慮した入札というのは十分に可能でありまして、競争入札イコール価格競争イコール地元の企業は入れないというわけでは決してありませんので、その点はぜひ御理解をいただきたいと思います。
○高橋(千)委員 この新聞の中にも指摘をされていますけれども、最下位の、内閣府にとっての最下位の大学が、競争入札といっても応札するのが一社しかないんだとか、そういう事情も紹介をされておりますね。本当に考慮するんだというのであれば、その考慮が具体的に伝わるように、そして、ひとり歩きをしないようにしなければならないと思うんです。
〇七年三月に、文部科学省が委託して財団法人日本経済研究所が行った「地方大学が地域に及ぼす経済効果分析報告書」がございます。これは四つの地方大学、附属病院があるなどの総合大学で、大都市圏じゃないということで、弘前大学と群馬、山口、三重の四大学が選ばれまして、四つの角度から、教育・研究の面、あるいは教職員や学生が市内で消費活動することの面、あるいは学会や病院に外来する、そういう外からの来訪者が消費する、そして施設にかかわる経費、こうしたものがもたらす生産誘発効果を試算しています。これによると、弘前大学は、二百七十九億円、県内生産に対して一・四六倍の四百七億円の波及効果があると示されました。
こういう視点をちゃんと持っていたからこそ、研究もされたと思うんですね。やはり、県経済に与える影響は大きいんだ、地域経済に与える貢献度というか、当然考慮されるべきだ。
これは一言で伺います。
○田村大臣政務官 繰り返しになりますけれども、各大学、それぞれの地域での地域経済、地元の中小企業への配慮というのは当然必要でしょうし、それはあった方がいいんだろうというふうに考えていますので、入札にしても、そこは十分配慮できるだろうということもあります。
それから、重ねて申し上げますけれども、これはあくまで一つの参考数値でありまして、そういった視点をそれぞれの大学に持っていただきながら自主的な経営改善を促すということでありますし、今回は施設運営管理という、ある意味では非常にわかりやすい、規模以外は差が一番少なそうなものについて取り上げたということでありますので、そもそも施設管理業務だけの順位でありますし、そこは、今後そういった意識も持っていただくという意味での効果を考えたランキングであるということは御理解ください。
○高橋(千)委員 地域の事情を踏まえていただいてということで、きょうは文部科学副大臣鈴木さんにもおいでいただいておりますので、同じ趣旨で伺いたいと思うんです。
地域の貢献度をどう評価するかということと、今回、文部科学省に対して学長は抗議文を送っております。やはり、文科省自身はランクづけをしたつもりはないのだというのは聞いておりますけれども、しかし、こうしたことが発表されると、今後の学生募集あるいは在学生の進路などに対して影響を与える。そういうことについて、どのようにお考えでしょうか。
○鈴木副大臣 お答えを申し上げます。
もう委員よく御存じ、御理解をいただいていると思いますが、それぞれの大学の中期目標に対する達成状況の評価を行っているわけであります。すべての大学は中期目標が全部それぞれ違いますので、それに対する評価を並べるということには全く意味がないわけでありまして、そのことは、私どもはさまざまな機会で説明をしておりますし、文書にもしておりますし、報道機関にも御説明をさせていただいているわけでありますが、このような報道がされていることは大変残念ではございます。
それで、そこはこれからも引き続き、そういう趣旨のものであるということをきちっと周知していきたいというふうに思っております。きょう、こうやって御質問をいただいたことで、そのことについての御理解をこうやって広めさせていただく機会もお与えいただいて、大変感謝しております。
それから、地域貢献ですが、当然、教育と研究と並びまして、社会連携、国際交流という項目は中期目標の中にいずれの大学も入っておりまして、もちろんその大学ごとの位置づけというのは違いますけれども、入っております。特に地方の国立大学の場合は、そのウエートが非常に大事なウエートであるということは認識をしておりまして、そのような中期目標の設定になっておりまして、それについてもどれだけ達成ができたのかどうかということが今回の評価で行われているということでございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
名誉のために言っておきますけれども、例えば、インターネットで「みんなの大学事典」というサイトがございますが、その中で、十一月、二月、続いて最近の注目大学一位になっている。ですから、評価の物差しが違えばそうしたこともあるのだということを名誉のために言っておきたいと思います。
今、副大臣、並べることに意味がないとおっしゃっていただきました。ただ、同時に、確かに並べてはいないかもしれないけれども、しかし、評価が結局係数化されて、運営費交付金がリンクする。その根拠はどこにあるんですか。
○鈴木副大臣 これは、実は国立大学を法人化するときの国会でも議論がされました。当時、私ども野党でございましたが、このことを、評価はいいけれども、運営費交付金に反映するに当たっては慎重にすべきであるということも指摘をし、そして附帯決議にも残っているところでございます。
実は、国立大学運営費交付金、総額で申し上げますと一兆二千億余あるわけでありますが、評価の原資というのは十六億円ということでございますので、数百万円の影響ということになっているわけであります。
これはそもそも、平成十四年の三月二十六日に「新しい「国立大学法人」像について」の調査検討会議が行われておりまして、そこで、次期以降の中期目標期間における運営費交付金等の算定に反映させるということが決まって、そのルールに基づいて、少なくともこの中期目標期間は各大学がそのルールで走ってまいりました。
したがいまして、途中でそのルールを変更するということは、中期目標の達成にそれぞれに御尽力をいただいてきた大学の運営ということに影響がありますので、一たん決まったルールで走っている以上、一応それで、この期間の終了時には決めたとおりのことをするということで、今回はこのような対応をしているということでございます。
○高橋(千)委員 言ってみれば、前政権が決めたことを引き継ぐのだ、一言で言えばそういうことになるのではないかと思うんですね。せっかく、今副大臣おっしゃったように、国会の総意の中で附帯決議をしたわけですから、思い切って見直すこともあっていいのではないかと思うんです。
さっき言ったように、自己評価なんだとおっしゃいましたよね。項目はそれぞれの大学によって違うんだと。だからこそ、それが客観的に係数化できるか、そしてそれが交付金に結びついていいのかということがあるわけですよ。
一応、五段階で自己評価するんですけれども、良好、おおむね良好だけれども、一つだけ不十分があることによって、全体として不十分という形で評価ががくんと下がってしまったんです。しかも、その中身を見ますと、例えば、大学院の充足率九〇%、目標になっていない、だから不十分だと言われるんですけれども、六三%を八一%まで伸ばしてきているんです。ここまで伸ばしてきて、あと少しだから、良好、おおむね良好でもいいんじゃないかというのに対して、目標は目標だからだめですというのが評価委員会の評価なんです。
こういう形でやられて、全部、ほとんどいいんだけれども、トータルすると平均点よ、五割よということで、交付金が七百万円削られてしまった。こういうことが本当にいいのかということは、やはり指摘をしなければならないと思うんですね。
今回、トップは奈良先端科学技術大学院大学で、どちらもトップです、内閣府から見ても文部科学省から見ても。文部科学省がスーパー産学官連携本部のモデル事業として推奨している大学ですので、いい成果を上げているだろうと思うんです。ただ、それをみんながやれというのは大変息苦しいことであります。
今回、額でいうと一番多いのは二千五百万円の東京大学なんですけれども、東大はもともと外部資金も六百億円ということで、断トツのトップです。ほかの大学とはけた違いに違います。そうすると、外部資金の獲得もトップでお金があるところが、潤沢なところが交付金も潤沢で、つまり、どんどん差がついていく、強いところが強いというふうになっていく。まさにこれは小泉改革路線そのものである。それを丸々引き継がなくたっていいじゃないか、見直したっていいじゃないかということを言っているのであります。
一言、もしあったら。もう時間ですので。
○鈴木副大臣 まず一点。これは自己評価ではございませんで、中期目標に対する第三者評価でございます。
それから、大学の弁明の機会も、弁明といいますか説明の機会も十分与えております。それも、きちっと決めたルールですべての大学がそれぞれにやってきたわけであります。
もちろん、すべての評価はその目的がありますから、その大学のトータルを見ているわけではありませんで、そこのところはもちろん十分きちっと御説明を、あるいは皆様方に御理解を深めていただかなきゃいけないということはおっしゃるとおりでございます。
奈良先端大が両方になったのは、まさにたまたまといいますか、それぞれの観点から評価をやってみた独立の二つのものが、奈良先端大がこれはたまたまトップであったということでありますが、これは、二位以下を見てみますと、非常にある意味でおもしろいといいますか、地方大学でも相当健闘をしていただいているところもありますし、それから弘前大学でも、例えば教育学部などは大変な健闘をしていただいておりまして、中期目標に対する達成率も大変高い評価であり、かつ、私も大変すばらしい試みだというふうに思っております。
もちろん、評価というのは、評価するフレームワークあるいはその目的ということをやはり不断に見直していって、より大学のガバナンス、そしてそれぞれの大学が果たすミッションということをきちっと踏まえながら、さらなるいいガバナンスが行われるように評価を見直していきたいという思いは、新しい政権下できちっとレビューはしていきたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 終わります。