年金 委託業者のデータ入力ミス / 委託推進見直し要求
高橋氏「職員自身がやれる」
日本共産党の高橋千鶴子議員は28日の衆院厚生労働委員会で、日本年金機構がデータ入力を委託した業者が中国の業者に再委託していた問題について「外部委託推進という(年金機構の)基本計画そのものを見直せ」とただしました。
年金機構は、委託業者のSAY企画による入力ミスや入力漏れ、再委託が発覚した後も2月5日まで4回約18万人のデータ入力を委託していました。高橋氏は「情報流出や二次被害の恐れを想像しなかったのか」と質問。加藤勝信厚労相は「そこまで頭が回っていなかった」と認めました。
高橋氏は、2013年に外部委託した約500万件の入力データの半数以上を、委託業者の習熟度に不安を感じた職員が処理していたと会計検査院から指摘されていたとして、逆に「職員自身がやれる。無理して外部委託する必要はないことを示している」と強調しました。加藤厚労相は「話のあった点も含め議論しなければならない」との認識を示しました。
高橋氏は、社会保険庁を分限免職された後も「まちかど年金相談」などで年金の啓発に取り組んでいる元職員もいるとして「経験ある職員を採用すべきだ」と提案しました。加藤厚労相は新採用の予定がないと答弁。高橋氏は「人材確保こそ安心の年金につながる」と重ねて求めました。
(しんぶん赤旗2018年3月29日付より)
――議事録――
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
きょうは、年金問題の集中審議ということで、午前からの委員と一部ダブるところがあるかもしれませんが、整理の上、質問させていただきたい、このように思います。
日本年金機構が年金受給者の扶養親族等申告書に記載されたデータ入力業務を委託していた業者がその一部を中国の業者に再委託していたということが発表されたのは、今月二十日でした。この問題について大臣は、一月十日にその事実を報告されて、大臣の方から、実態をきちんと把握をして、中国まで足を運んで調査するように指示したということが、委員会の答弁の中でされております。
ただ、既に委員会で何度も指摘されたように、この業者に対して、二月五日まで四回、約十八万件のデータをその後も委託をしていたわけで、大臣は、実態を把握し、一定の説明ができる状態になって公表するべきだと考えたというのはわかるんですけれども、結局その間も同じ業者に委託が続いていたことを承知していたのか。もし承知していたら、また二次被害のようなことになるのではないか、あるいは情報の流出になるのではないかということを当然恐れるべきだし、そのままでよかったのかということが疑問になるわけです。そこをお答えください。
○加藤国務大臣 今委員御指摘のように、委託業者が契約に違反して中国の関連事業者に再委託ということで、一月十日に、まず第一報みたいな形でありました。私の方から、まさに今この委員会でも御議論がありますけれども、まさに個人情報でありますから、それが漏えいしたら大変なことになる、しっかりと現地にも足を運んで、そういうことがどうなっているのか、しっかり確認をして報告をするようにという指示をして、一月の終わりから二月にかけて行ったところでございます。
二つあって、その公表のタイミングをどこでというのは、先ほどからも御議論がありました。戻ってきた、ちょうど私にあったその報告と、そして同時に、この入力漏れ、入力ミスみたいなものが出てきた、一連の同じ会社であり、同じ契約だということなので、まずこれに全体的にきちんと対応し、そして、その全体が整ったところで公表すべきというふうに考えたところでございます。
それから、今委員御指摘の、引き続きSAY企画に入力業務の委託というお話がございました。これは、私自身もそこまで全部頭が回っていなかったということもありますし、また、正直言って、誰のせいということではありませんが、そういった業務が続いているからどうしましょうか、そうした報告も残念ながらなかったということでございますので。私は、正直言って、そういったことが行われているということに頭が回らなかった、こういうことでございます。
○高橋(千)委員 この点は率直にお答えいただいたのかなと思って、その時点では知らなかった、報告を受けてからその後も続いていたことを知らなかったということでよろしいということですね。
それでは、続きますけれども、再委託について、私は何度も年金個人情報の流出問題を取り上げ、これは禁止すべきだと求めてきました。今回の契約は、再委託は禁止されているのにというふうな報道がされておりますし、委員会でも何度も質疑がされている。だけれども、厳密に言うと、再委託は条件付で限定的に認めています。
年金機構とSAY企画との契約書の第十六条に、主体的部分を除く一部を第三者に委託する場合の、事前承認を得ることとして、再委託をどういうときに認めるのかというのを明記しているわけですが、その主体的部分を除く一部とは何を指すのか、お答えください。
○水島参考人 この業務委託におきましては、委託先がやむを得ない事情により業務の主体的部分を除く一部を第三者に委託することは禁止をしておりませんが、その場合には、事前に機構の承認を受けなければならないといたしております。
この主体的部分を除く一部ということでございますが、これも契約書、明らかにしてございますが、委託要領の中で、納品の際の搬送作業に限ることを明示いたしております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
委託要綱の第三の委託条件の中に今おっしゃったことがありまして、本業務において主体的部分を除く一部とは、搬送作業に限るということでございました。
私、正直、ああ、そうなんだと思ってね。つまり、搬送ということも再委託というふうに呼ぶんだなということで、逆に言うと、それ以外は全て主体的部分であり、再委託はだめだという意味だと思うんですね。
そうすると、このいただいている契約書や要綱の中にあるわけですけれども、どこどこの搬送業者でどんな、要するに資格があるのかということも、書類で承認申請をしなければならないわけなんですね。そうすると、他の入力業務の委託会社と違って、SAY企画は最初からそれすらも出していない。それすらも出していないということは、搬送も含めて全部自分でやるということになっているわけですよね。
ということは、つまり、再委託することを隠していたではなくて、そういうどこの会社も当たり前にやっていることすら届け出ていない。その時点でもう疑わなきゃいけなかったんじゃないでしょうか。
○水島参考人 今回の事案では、まず、調達手続を進める前に、業務概要を提供して、業者から、履行の可否及び所要見込み額の情報提供を依頼し、履行可能な業者が複数あることを確認した上で仕様書を作成したものでございます。
対応できると言ってまいりました事業者は、三者ございました。
御指摘のとおり、標準仕様書では、個人情報等が認識できる業務については再委託は認めておりません。
当社の搬送等について、現状をきちっと認識をいたしておりませんが、その点について届出がなかったことは事実でございます。
○高橋(千)委員 ですから、そういうところ、その時点で、委託してしまう前に気づくはずなんじゃないですかと言っています。
○水島参考人 その点についても、どのような経緯で確認をしていなかったかということについては、今後調査をしてみたいというふうに思います。
○高橋(千)委員 では、調査をしてみたいという答弁でありましたので、後日、御報告をいただきたいと思います。
次に、今の山井委員の質問にも関連すると思うんですけれども、中国の会社への再委託は親族の名前のみであるということ、それと振り仮名ですけれども、マイナンバーが渡っていないのかということは大変みんなが心配しているところなんですね。そのことをもう一度確認をしたいと思います。
○水島参考人 この氏名、振り仮名のみであるということに関しましては、当機構が委託をいたしました日本IBMの報告書によりまして、再委託事業者が取り扱った情報は、受託事業者側が暗号化して送信した氏名と振り仮名のみであった、氏名と振り仮名以外の情報は再委託先事業者に渡されていなかったと結論づけられております。
この結論に至りました経緯でございますが、これに関しましては、私どもの職員も同行をいたしておりますので、その経緯について御説明を申し上げたいというふうに思います。
SAY企画は、契約に違反しまして、ベリファイを行わないまま、OCRで読み取った後に人の目で内容をチェックする、そのような業務を行っていたことが判明をしております。
その上で、SAY企画に確認をいたしましたところ、氏名の入力については、OCRの読み取り精度が低いことから、これを補完するため再委託を実施したということであります。そのため、入力作業に必要となる申告書の漢字氏名及び仮名氏名部分を、トリミングと言っておりますが、切り取った画像を再委託事業者に提供していたということでございます。
これに関しまして、まずSAY企画側の状況でございますが、IBMと同行して監査をいたしました一月十日と十二日の特別監査でございますが、SAY企画内のファイルサーバーに保存されておりましたデータのコピーによりまして、SAY企画から再委託先事業者へ提供されたデータは、トリミング後の漢字氏名及び仮名氏名のみがクラウドサーバーへアップロードされるということを確認をいたしました。
また、申告書の氏名部分のトリミングに係る一連の作業はシステム化をされておりまして、そのことは、作成手順のヒアリング及び実際の作業の実演により確認をいたしております。
また、一月三十一日から二月二日まで、大連でございますが、再委託先の実地監査を行っております。再委託先事業者のファイルサーバーの画像データは既に削除をされておりましたが、SAY企画の委託業務を行うための入力作業用の画面の提供を受け、漢字氏名及び仮名氏名のみの画像により入力を行っていたということを確認をいたしております。
さらに、再委託先事業者よりSAY企画に納品されました入力データをリスト化した紙媒体について確認をいたしましたが、その内容も漢字氏名及び仮名氏名のみの入力データであることは確認をいたしております。
SAY企画が再委託を行いました目的、これらの確認結果を総合的に考えてみますと、漢字氏名及び仮名氏名のみのデータ入力を再委託しており、もちろんマイナンバーは委託されていない、その他情報については再委託先事業者には提供されていないというふうに言えると思います。
なお、今後、このIBMの監査に関しまして、第三者による検証も現在検討中でございます。
○高橋(千)委員 大分時間を食ってしまったのであれなんですけれども、ちょっと一点だけ確認します。
IBMに対しての、SAY企画の再委託事業者に対する調査の、この調査内容というか、年金機構からの調査内容というのは、再委託先の事業者において情報セキュリティー管理体制や個人情報の取扱状況等が適切であったかどうかについて調査を実施したと書いているわけなんですね。
私、これだけだと、今おっしゃったようなことを頼んだことになるのかなと、正直わからない。報道は、流出はなかったとか、氏名と仮名だけになっていたというんだけれども、実際には、要するに、いわゆる年金機構が委託をするときの個人情報保護のあり方、それと同じルールでやっていますかというようなことをチェックしていたというのがずっと読み取れて、本当にそれが今おっしゃったようなことを確認できていたのかなというのはちょっと疑問に思ったから確認をさせていただきました。
そういう趣旨であるということでよろしいんでしょうか。理事長、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○水島参考人 この目的は、個人情報の流出がないかどうか、ないということを確認するための調査でございます。
○高橋(千)委員 だとすれば、やはり、この調査の依頼内容を見て、それは読み取れません。そして、先ほど山井委員が指摘をしたように、結論だけがあって、そこに至るプロセスがわかりません。今、第三者への委託をするというお話がありましたので、これは引き続き、重大な問題ですので、チェックをしていきたいと思います。
また、流出というのは、一度してしまえば取り返しのつかない問題なので、本当にそこは慎重にお願いしたいと思います。
それで、年金が減った方たちが大変心配をしておりますし、また、自分には扶養親族がいないから送らなかったよという方たちもいます。そういう方たちに対しての丁寧な対応をお願いしたいというんですが、きょう一点確認したいのは、マイナンバーと税制改正のために、はがきから封書に変更になったことがきっかけと聞いておりますが、マイナンバーは、本人が書きたくない場合、それでも受理していただけると思いますけれども、確認したい。これは一言でお願いします。
○高橋政府参考人 所得税法上、控除対象となる配偶者や扶養親族がいらっしゃる場合、対象者の氏名及び個人番号、マイナンバーを記入するというふうに法令上なってございます。
しかしながら、マイナンバー自体は源泉徴収税額そのものを計算するための情報ではございませんので、マイナンバーの記入がない場合でありましても、扶養親族等申告書が提出されたものとして源泉徴収税額の計算を行うこととしてございます。
このことは、日本年金機構のホームページにも掲載しているQアンドAでございますとか、コールセンターでの問合せでも回答で御説明してございます。
○高橋(千)委員 これは確認をさせていただきました。ホームページのQアンドAまでわざわざ見る人はなかなかいないと思いますので、本当に丁寧な対応をしていただきたいということを重ねて言います。
それで、同時に、きのうからフリーダイヤルが始まっているわけですけれども、これまでも相談電話がつながらないという苦情が大変多いんですね。応対する電話はどのくらい用意しているのか、また、応対業務をどこが請け負っているのか、お願いします。
○水島参考人 コールセンターは、現在、フリーダイヤルでこの案件については対応いたしておりますが、公表が二十日でございましたが、公表後、翌日、初日二十一日は休日でございまして、職員により百席で対応いたしました。そのために二五%程度の応答率で、御迷惑をおかけしたというふうに考えております。その後、平日は最大六百席で配置、対応いたしておりまして、現在、応答率は九〇%を超えた状況でございまして、ほぼ対応ができているというふうに考えております。
コールセンターは、現在、機構のコールセンター全体で最大千席を有しております。それでも、年間でございますと、大体六百万件、平均でございますが、本年は、本年度と申しますかは、それの倍の千三百万件程度のコールをいただいておりまして、そういう意味で、大変御迷惑をおかけしていることがあるというふうに思っております。
現在、このような状況を踏まえまして、応答率を向上させる方法について、再生プロジェクトの一環として、例えば、より目的別の専用ダイヤルを設置していく等々の検討を進めているところでございます。より、サービスの向上に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
現在、業務を委託いたしておりますのは、富士ソフトサービスビューロ株式会社、株式会社KDDIエボルバの二社でございます。
○高橋(千)委員 予想していた業者でございました。
かなりコールセンターもふやしていくというお話でしたけれども、そのことがまた次の、消えた年金とかいろんなトラブルにつながるわけですから、この点も非常に重視をしていきたいなと思っているんです。
それで、二十日の年金機構の報告では、入力漏れが判明した約一万七千人と入力誤りが判明した約五百二十八万人については年金機構の職員が処理している、入力していないのは入力したり、チェックをしたり、こういうふうなことが報告されまして、先ほど、これは二度手間じゃないかという指摘があったわけです。
ところが、年金機構は、二〇一三年の十月に会計検査院から次のような指摘をされています。外部委託した被保険者の名前や住所の入力業務のうち、約三百五十万件を全て年金機構の職員が処理していた、それを時間に換算すると二万二千時間。すごいなと思ったんですが、職員一日八時間労働とみなせば、二千七百五十日分の仕事になると。検査院は、それは、外部委託していれば、その分削減できたと指摘をしています。
共同通信の配信ですが、二十三事務センターで外部委託した入力業務は約五百十五万件。ですから、先ほど、SAY企画に委託したデータは七百三十万件ですから、事の重大性がわかるわけですけれども、でも、五百十五万件の半分以上が、実は機構の職員で処理できていると。その理由について、機構側は、委託業者の習熟度に不安を感じたので職員が処理したと。
ですから、二〇一三年のその時点で、委託業者の習熟度に不安を感じていたと。外部委託を進める進めると言うけれども、それは本当に大丈夫かなというのを職員自身が感じていた。
そうすると、この指摘を受けて、年金機構は、契約更新に合わせて外部委託する業務を拡大するというふうに回答しています。
でも、今にして思えば、それは、時間がもったいないよねという話ではなくて、職員自身がやれるんじゃないか、しかも、それをやれる理由は、委託することの方が不安だ、二度手間になる、ミスがまた起こる、だったら無理して外部委託する必要はないんです、そういうことなんじゃないかと思う。
本当に学ぶべきことは、今や、マイナンバーの利用や求められる個人情報保護の水準が高まってきています。外部委託推進という閣議決定である基本計画そのものを見直すときではありませんか。
○加藤国務大臣 今回は、委託業者の入力漏れ、入力誤り、あるいは契約に認められていない海外事業者への再委託、こういったことでありますが、しかし、基本的においては、機構における、今委員も御指摘ありましたが、業務委託あるいは業務そのもの、これについてどうだったかということが課題なんだろうというふうに思います。
今回のような事態を二度と招かないように、機構における外部委託を含め事務処理のあり方をしっかり見直さなければならないということ、また、私からも、三月二十日に、こうした事態が二度と生じないよう措置をすることなどの指示を行ったところでございまして、先ほどから答弁させていただいていますように、機構において、四月早々にも外部の専門家による調査組織を設置する方向で現在検討中であるというふうに承知をしているところでございます。
今お話があった点も含めて、他方で、もちろん、限られた人数ですから、特に専門性の高い機構の職員の方がどういう業務に対応していただく方がいいのか、そういった点も含めて、この機会にしっかりと議論をしていかなければいけないというふうに思います。
○高橋(千)委員 その専門性の高い機構の職員の方が本当に減らされてきているんですよ。
今どうなっているのか。
年金機構の発足時の職員数は二万六千四十七人、うち正職員は一万八百八十人で、四割にすぎないんですね。正職員は二千二百三十三名減り、年金記録に対応するため、特定業務職員やアシスタント、准職員という形で補って、全体では五千百七十八人ふやしてスタートしているんですね。
じゃ、今どうなのか。職員数の全体、正職員と有期雇用契約職員がそれぞれ何人いるのか。この間、有期労働者の無期化を頑張って図ってきたと思うんですけれども、それがどの程度か。そして、頑張って図ってきたんだけれども、それに対して雇いどめもやっている。どのようになっているか、教えてください。
○水島参考人 当機構の定員につきましては、平成二十年七月の閣議決定の基本計画によりまして、必要人員数が定められております。平成二十九年度における日本年金機構の定員数は、正規職員で一万八百八十人、有期雇用職員等で一万一千百七十九人となっております。
当機構では、平成二十三年度以降、有期雇用職員のうち希望する方について正規職員に応募できる制度を実施いたしております。また、平成二十六年度からは、無期雇用職員への転換試験制度を導入いたしまして、先行して実施をしてきているところでございます。平成二十九年度におきましては、五十三人を正規職員として登用いたしまして、六百二十八人を無期転換する予定といたしております。
また、平成二十九年度末で契約期限上限となる有期雇用職員のうち、正規職員への登用や無期雇用職員への転換が決まっていない方の予定者数は千百十三人でございます。
この内訳は、無期転換試験の年齢上の応募資格を有しない、六十歳未満を資格としておりますので、有しない方が二百五十八人、無期転換試験を受験せずに無期転換を希望しなかった方が百七十四人、無期転換試験を受験なさいましたが残念ながら採用に至らなかった方が二百六十八人、受給資格期間の短縮に係る業務の終了により退職となる方が四百十三人ということでございます。
無期転換職員につきましては、平成三十年度、二十九年度から年金相談職員という制度も設けまして、昇給制度を設けることといたしました。また、平成三十年度からは賞与の支給を検討し、処遇の改善を図っていくこととしております。
引き続き、正規登用、無期雇用への転換を進めてまいりますとともに、無期転換職員や有期雇用職員の役割を明確化し、組織の活性化を図ってまいる所存でございます。
○高橋(千)委員 有期の方も本当に誇りを持って仕事をして、頑張って無期化が図られてきた。だけれども、それを上回るくらいの雇いどめもやっている。そういう中で本当に経験が継続されていくのかということをやはり言わなければならないと思うんですね。
最後に大臣に伺いたいんですけれども、国家公務員法第三十八条の欠格条項、これで見ても、懲戒免職の処分を受けて二年間は官職につく能力を有しないと。つまり、逆を言えば、二年後は採用することもできるわけですよね。でも、社保庁を分限免職された方は、当時五百二十五人でしたけれども、七年も超過しているんです。その経験ある人を採用することだって、条件が合えば、できるんじゃないか、そういうことを考えていただきたい。
この方たちの中で、本当に、今も、街角年金相談などで、自分たちのこれまで培った経験を生かして、役に立って頑張っている、やはり年金の仕事は好きだといって頑張っている人がいるんです。そういうことをぜひ考えていただきたい。
国家公務員法に照らしても七年は余りにも長い。いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 まず、日本年金機構では、平成二十年七月閣議決定の日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画において求められている、公的年金業務を正確かつ効率的に遂行し、法令等の規律を遵守し、改革意欲と能力を持つ者を、公平公正に選考によって採用するということで対応されているというふうに承知をしております。
その上で、今委員からのお話がありましたが、厚生労働省においては、機構の業務運営のための体制整備、これを目的として新たに採用するということは、今考えを持っておりません。
○高橋(千)委員 ちょっと、極めて残念な答弁ですよね。
さっき大臣がちらっとおっしゃったように、やはり専門性が大事なんだと。外部委託だって、私も再委託は絶対だめだと言ってきたけれども、それでも、絶対だめな分野とそうじゃない分野をやはり見直そう、外部委託じゃなくて、本当に、人生四十年掛けた年金情報は大事なんだから、そこはもう内部でやっていこう、そういう議論は今始まっているわけでしょう。そういうときに、全く採用する気はありませんと。のではなくて、必要な人材をきちっと確保することこそが、やはり安心の年金制度につながっていくんだということを重ねて指摘をして、きょう、また次を言うと時間が来ちゃうので、これを一言指摘をして、ぜひ、水島理事長も含めて、この基本計画の見直しということを思い切って今やらなければ同じことが繰り返されると思いますので、よろしくお願いいたします。
終わります。