○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
このたびの東日本大震災で犠牲になられた皆さんに心から哀悼の意を表するとともに、家族や大切な方を亡くされた皆さん、被災された皆さんに心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
今なお、約二万人もの方が行方不明となり、身元のわからない御遺体も多く残されております。余りにも大きな災害であり、私たち政治家が果たすべき役割も本当に問われていると思います。私は、日本共産党の現地対策本部長として、各被災地を歩き、被災者と行政の声を国政に届け、救援と復興のために微力ながら力を尽くしているところであります。
今回の災害は、広範な地域である上、小さな集落が点在していること、また、大規模な停電や通信が途絶えていること、また、津波想定区域による予定していた避難所を乗り越えてしまったために、さらに高台に逃れなければならなかった。そうしたさまざまな事情があって、お寺ですとか個人宅など自発的につくられた避難所も数多くあります。原発事故による他県への避難も余儀なくされるなど、これまでにない特徴があると思います。
最初に、大臣に、通告していませんが、一言伺います。
災害救助法は、救助を必要とする人を救助する、これが大原則であります。所管する厚労省として、こうした実態の把握と、情報や救援が得られない地域がないように全力を尽くすべきだと思いますが、どうでしょうか。
○細川国務大臣 災害救助法につきましては、災害を受けた人たちを救済する、これが本来の趣旨でございますから、この災害救助法の趣旨にのっとり、今回の震災での被害を受けた皆さん方を、この法律によって、柔軟かつ幅広に適用いたしまして、生活の支援をしっかりやっていきたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 町全体が壊れた中、復興には特別立法や財源も必要で、時間がかかります。しかし、それができなければ何もできないというわけにはいかないわけです。急がれるのは、住む場所の確保と仕事起こしだと思います。
宮城県女川町では、家ごと津波に流され、早く仮設住宅をと願っているのに、一年かかると言われたそうです。陸前高田では、いち早く始まった工事現場を見てきましたが、最初は二百戸、しかし、目標は四千戸必要であります。宮城県だけで一万戸、三県で三万三千戸というオーダーにはすぐには対応できません。しかも、それは現時点であり、もっとふえるのは確実だと思います。
公営住宅、公務員住宅、雇用促進住宅など、あらゆるストックの活用とともに、民間アパートも災害救助法に基づく応急仮設住宅として借り上げることができるはずであります。また、同じように、原発災害で埼玉など県外へ避難している方にも対応できると思いますが、ただ、それはだれが責任を持ってやるのか。国が相当力を入れなければならないと思いますので、取り組み方を伺いたいと思います。
○岡本大臣政務官 今御指摘がありました民間の賃貸住宅の借り上げについてでありますけれども、応急の仮設住宅の建設はもちろん急がれるわけでありますが、地方自治体が民間の賃貸住宅を借り上げて被災者への住居を提供する場合には、これは先ほど委員から御指摘の災害救助法に基づき、その費用は国庫負担の対象となるところであります。
また、全国の都道府県においての、例えば旅館やホテルのいわゆる使用についても国庫の負担となるところでありますけれども、こういったさまざまな形態で被害を受けている皆様方がその住む場所を確保できるようにしていくということは大変重要でありますので、被災地でない都道府県を含め、全都道府県に対して改めて周知をして、積極的な被災者の救助を要請しているところでありまして、早期の民間賃貸住宅の借り上げにより、被災者の住居の確保にこれからも努めてまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 早期の借り上げに力を尽くしていきたいというお話がありました。これは、要請をしても、やはり現場はなかなか、他県の避難者を受け入れているわけですから、どういうところがあるかということを調べて、そしてまた、提供していく、また結びつけていくということをだれがやるのかということをさっき指摘したわけであります。
その点で、やはり国が思い切った支援をするべきではないか。これは、ふだんでも、できると言いながら、なかなか、被災した自治体でも手がとられてやられてこなかったということがございます。でも、住宅が建つのを待つよりは早く、しかも仮設ではない住まいが得られるわけですから、有効な手だてとして、さらに努力をしていただきたいと思います。
あわせて、大臣にもう一度伺いますけれども、阪神・淡路大震災や雲仙の噴火災害のときは、被害の大きさや深刻さを勘案し、所得や資産などの資力要件についての厳格な運用は行わなかった、必要と考えられる希望者にはできる限り供与できるようにしたと思います。今回も当然そうあるべきだと思いますが、確認をいたします。
○細川国務大臣 災害で家を失い、住むところが失われた方に対して、国としては当然、その人たちに対して住居を提供させていただくということ、これを何としてもしなきゃいけない、これは私どもも委員の思いを共有いたしているところでございます。
そこで、災害救助法に基づく応急の仮設住宅、これは原則としては、住む家が全壊やあるいは流出などに遭って、みずからの資力では住宅を得ることができない方に対して提供する、こういうふうに災害救助法ではなっているわけなんです。しかし、これは原則でございます。私は、今回のような未曾有の災害に対しては、これは例外をちゃんと認めていくべきだというふうに考えております。
したがって、所得や資産等の資力要件については、これは阪神・淡路のときも厳格に適用しなかったところでございます。そういうことで、私としては、住む家を確保することができない方については、仮設住宅の提供の対象にするという方向でしっかり検討していきたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
例外として扱うということに明確な約束がいただけたと思います。
本当に、数の上で阪神を超えてしまったというだけではなくて、町が丸ごと失われてしまったという、本当に、時間があればもっともっとお話をしたいんですけれども、今まで見たことのない光景と、たくさんの命が失われた、そういう立場に立って、今の言葉を生かしていただきたいと思います。
次に、先ほど二つのことを言いましたけれども、仕事の確保について、この問題についてお話ししたいと思います。
多くの事業所が壊れ、加工業を含む水産業や農業など、町の基幹産業も壊滅的打撃を受けました。就職内定を辞退せざるを得ない学生もたくさんいます。雇用保険や労災、雇用調整助成金など、あらゆる制度の活用は当然でありますが、しかし、圧倒的な仕事起こしが求められると思います。
例えば、昨年のチリ津波などでも、被害のあった養殖施設の処理、選別などに緊急雇用対策を活用する、塩竈など、そうした取り組みが広がりました。しかし、瓦れきの撤去は危険で、だれでもできるわけではありません。
しかし、一つは、自分の道具や機械は壊れたけれども、それぞれ技術を持っている人、重機は動かせる、危険物の取り扱いができる、そういう人を活用していくべきです。ついこの間まで、岩手県宮古市では住宅リフォーム助成制度が大好評で、十万円の補助で十倍の経済効果だと、事業の継続が決まったばかりでした。そういう人たちに活躍をさせるべきなんです。
緊急雇用対策の拡充などで被災者自身を復興の担い手にしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○細川国務大臣 この大災害でございまして、仕事を失った方、たくさんおられます。そういう方に対して、生活支援のためにも緊急雇用創出事業を最大限利用していただいて、雇用の創出、仕事ができるように、ぜひ私からもお願いをしたいというふうに思っております。
そういう意味で、緊急雇用創出事業は、建設土木事業は対象となっておりませんで、専門的な技能を持つ方による重機を使った大規模な瓦れきの撤去作業というのは、まずは公共事業の中で実施をしていただく、こういうことになっております。
そこで、今委員がおっしゃられた、そういうことじゃなくて、いろいろな専門的な技術を生かせる場があるんじゃないか、私は、ぜひそういうのを利用していただいて緊急雇用創出事業をやっていただきたいというふうに思っております。被災者の皆さんが緊急雇用創出事業という中で仕事をしていただいて、生活を支えていただくということは、この事業を利用していただければ本当にいいのではないかというふうに思っておりまして、私の方からも、むしろこの事業を積極的に利用していただきたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。積極的に活用したいという決意が寄せられたと思います。
次に、もう一つ仕事に関して質問を用意しておりましたけれども、時間の関係で要望だけにしたいと思います。
公共事業だけではなく、マンパワーも絶対的に不足をしております。八十人もの職員が犠牲になった陸前高田市や、市の職員も、医療、介護、保育、学校など、多くの担い手が犠牲になりました。今は、救援のために全国から医師、看護師、保健師、薬剤師、あらゆる専門家が、国からの派遣要請にこたえ、あるいは市民団体が自主的に組織をして被災地に入り、献身的な奮闘をしています。また、みずからも被災しながら診療に当たっているドクター、教員、仮保育所を避難所に開設して子供たちを支えている園長さんなどもいらっしゃいます。
一方、私どものところには、自分にも何かできないか、基金訓練で介護ヘルパーの訓練をしているけれども、その訓練が被災地でできればいいのに、そういう声が寄せられました。
全国的に、応援要請にこたえて頑張っている団体に委託するとか、被災地で役に立ちたいという気持ちと仕事の確保を結びつけていく手法が何かできないか、これを、求職者支援制度の前倒しですとか、そういうこともあわせて、枠を超えたことが考えられるのではないかということをきょうは提案をしておきたいと思います。次にもう一つ質問したいことがございますので。
そこで、介護の問題です。要介護者が避難所や移送先の施設で亡くなるという痛ましい事例が後を絶ちません。陸前高田市の老健施設から避難した入所者十五名が避難先の施設で亡くなったというショッキングなニュースがありました。そのちょっと前、二十日に、私、現地に行って、もうだれもいないその施設の前を通ったんですけれども、地元の議員さんによりますと、寝たきりのお年寄りが、行くところがないから、管がついたまま被災した自宅に帰された、そういう事例があったそうです。
私は、施設ばかりを責められないと思うんです。もともと、受け皿が足りない中、介護が深刻な実態だからです。厚労省は、介護保険の弾力的運用や負担の減免、移送の際の注意事項など、通達は矢継ぎ早に発出していますが、現場は追いつかない状況であります。
そこで、福祉避難所を各地に置くべきではないかと思います。宮城県厚生協会の仙台市にある老健施設は、福祉避難所を届け出て、三十ベッドをフロアに用意をいたしました。大変な決意をしてくれたと、私はありがたいと思っています。国では社協に要請をしています。それは知っていますけれども、どれほどできたのかは把握をしていないと言います。実態をつかんで、もっとつくるための支援をするべきではないか。
そしてあわせて、そういう場合でも、あるいはやむなく在宅のままでも、あるいは避難所の場合でも、介護サービスを受けているとなると、結局その介護の仕組みが維持されているんですね。だから、そうではなくて、被災者であるということを踏まえて、要介護度に基づく利用の上限を取り払い、家事援助の規制を問わないとか、思い切った対応をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○岡本大臣政務官 今御指摘になられました福祉避難所につきましては、先ほどちょっと御紹介をしたとおりでありますけれども、国庫負担でポータブルトイレや手すり、仮設スロープ等を配置して、要援護者に配慮した避難所であります。こちらにつきましては、現在、毎年、災害救助担当者全国会議等を通じて都道府県に周知をしているところでございますが、要援護者に対してこの福祉避難所の活用を図るよう、今回、災害救助法適用都道府県に対して改めてお願いをしたところでもございます。
今、そういった福祉避難所がどのくらいあるかということについては、避難所全体の確認がまだできていない状況でありますけれども、あることは確認をしておりますけれども、何カ所あるかということをここでお答えするのはちょっと難しいという状況であります。
また、介護保険におきます生活援助サービスについては、今委員からお話がありましたけれども、例えば、同居の家族がいることのみをもって提供を拒否される場合があるとの指摘もなされてきましたけれども、個々の利用者の状況に応じて判断するべきものでありまして、これまでも、同居の家族がいることをもって一律機械的に拒否することがないよう、累次、各自治体に周知を図っているところでもあります。
上限の撤廃について御提案もありましたけれども、施設に入所をしていた方がやむを得ず自宅等で介護を受けるような場合であっても、必要なサービスが確保されるようにしていきたい。指摘を受けて、検討していきたいとは思いますけれども、まずは必要なサービスが確保できるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 時間が来たので終わりますが、ぜひ続きをまたやりたいと思います。終わります。