国会質問

質問日:2011年 4月 22日 第177国会 厚生労働委員会

被災中小企業の再建支援

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、水曜日の委員会であえて触れなかったし、きょうも通告をしなかった問題でありますが、今議論になったことですので一言意見を述べたいと思います。質問ではありません。

 大臣が、前回から私が質問をしていました出張労働相談、こうした問題について、民間の職業紹介事業、いわゆる先ほど議論になった人材サービス関係の業者の皆さんに要請を行って、できるように要件を緩和するという通知を出していらっしゃるわけであります。

 私は、民間職業紹介についてはもう既にかなり定着をしているわけでありますけれども、しかし、本当に緊急な事態だから、仕事がないのだから派遣でもいいのではないかという議論でこれがやすきに流れるということは、やはり慎重であるべきだと思っております。

 派遣法の審議が今、残念ながらとまっております。しかし、この間、いろいろ与野党の意見が違っていても積み上げられてきた議論というのは、雇用の形態が間接的な雇用であるがために、例えば労働災害のような、労働者の安全を守るという点で責任の所在があいまいではないか、不安定雇用が繰り返されるのではないか、そうしたことが議論がありまして、やはり正社員が望ましい、雇用の安定化が望ましいということは、いろいろあっても一致してきたことではなかったか、そういう点で法改正を目指してきたのではなかったかなと思うわけであります。

 ですから、こうした扱いについてやっぱり本当に慎重であるべきではないかということを、重ねて私は今一言だけ意見を述べておきたいと思います。

 そうした点で、きょうは、雇用の安定に資するという立場から議論をしていきたいと思うんですけれども、中小企業業者の対策に絞って質問したいと思います。

 今回の震災は、ライフラインが大規模にやられ、直接的被害のなかった地域にまで混乱と不便をもたらし、被災地の早期救援にも障害となりました。

 そうした中で、店内が真っ暗でも店頭に在庫を並べて販売をするドラッグストアやコンビニの皆さん、津波をかぶったガソリンスタンドで手動でガソリンを供給するスタンドの皆さん、本当にみずからも被災しながら頑張っている中小企業業者の姿をたくさん目にしてきました。

 先日も宮城県塩竈市の加工団地に行きましたけれども、停電で笹かまぼこの製造がストップをしてしまったと。ですから、途中のものは全部だめにしてしまったわけですけれども、製品になっていたものは全部避難所へ提供したといいます。また、その数日後、テレビで名取市の笹かまぼこの工場が再開というニュースをやっていました。そして、製品の第一号ができた、やっぱり避難所へ届ける、こういうふうに報道していたわけです。

 阪神大震災のときも、業者の皆さんは、あのときは非常に大きな火災がありましたので、消火するのに水が出ない、そのときに売り物のジュースを放出した、こういう話も聞きました。

 まさに救援においても大きな役割を果たし、今も雇用を維持して事業を再開したいと頑張っている業者の皆さんがいらっしゃいます。その割に、中小企業対策というのは融資が中心で、ずっと課題であったのではないか。やはり、この未曾有の災害に当たって、この点でも大きく前進をさせたい、中小企業対策で大きく枠を打ち破りたい、このように思っております。

 そこで、まず被災地の中小企業の現状と中小企業の再生に向けて、その意義や取り組みについて経済産業省の認識を伺いたいと思います。

○豊永政府参考人 お答えさせていただきます。

 今般の震災におきまして、地震、津波によりまして甚大な影響を受けた沿岸地域を中心とする被災地でございますけれども、みずからの工場や店舗を失われ、また道路や港湾などの産業基盤が壊れ、地域コミュニティーそのものが基本的機能を失いつつある中で、中小企業の方々は大変甚大な影響を受けておられると認識しております。今お話がありましたけれども、私自身も三月の末に石巻、塩竈などにお邪魔し、その悲惨さを目の当たりにしてまいりました。

 一方で、中小企業の被害の方々は、この直接の被災地にとどまらないと考えてございます。原材料の調達や商品配送の停滞、消費マインドの低下、旅行等の自粛などにより、製造業、サービス業など広範な業種にわたりまして、全国的な規模でその影響が広がっているとも考えてございます。

 私どもといたしましては、中小企業の支援が被災地域を初めとする我が国経済社会全体の早期の復旧復興にも資するという観点から極めて重要な課題だと認識しておりまして、今後とも全力を挙げて取り組みたいと考えております。

○高橋(千)委員 済みません、前段に被災地の現状ということを伺ったつもりでありますけれども、先ほど、最初の方の質疑でお話があったんですけれども、厚労省としては、沿岸部で、三県で八十四万人の従業員がいるというふうなお話がございました。中小企業庁としては、もう少し広い範囲で中小企業がどの程度いるのかということを把握されているかと思います。また、被災の状況など、どの程度把握されているのか、補っていただきたい。

○豊永政府参考人 お答え申し上げます。

 正直申し上げて、被害の正確な数字を把握してはございません。既に三回ほどでありますけれども、中山大臣政務官をヘッドとする中小企業被害対策本部を設けまして、被害の状況を商工会、商工会議所、中央会、その他、主な中小企業性の高い業種の方々から御意見、被害状況などを拝聴しております。例えば、商工会、商工会議所でありましたら全壊した施設が四十を超えるとか、それはあくまで団体のお話でございますけれども、中小企業の方々にもほぼ壊滅の被害を受けた方々が多数おられると思っております。

 実際、塩竈の例などを見ましても、一階を失われた商工会議所の会館の二階に、廊下に多数の、それこそ多数の中小企業の方々が、何にもなく失ってしまったということをおっしゃりながら、相談の窓口に並んでおられました。

 そこから推しはかるに、今先生の御指摘のありましたように、膨大な数の中小企業の方々が被害に直面されていると認識しております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。

 青森県から福島県くらいまでだけでも三十八市町村、九万社、百三十万人の従業員がいる中で、やはり圧倒的多数は中小企業ではないか、そういうことがありますので、その中での被災の状況ということを伺ったところであります。

 もう自力で既に復旧してしまっているところなどもありますので、状況をつかむのは大変だと思いますが、ぜひお願いしたいと思います。

 その上で、融資制度の枠を超えた思い切った取り組みをやってほしいと思っているわけですけれども、津波がすべてをのみ込んでしまったように思われますが、決して全部がそうではございません。石巻でも釜石でも宮古でも気仙沼でも、商店街のお店の骨格だけは残っているわけですね。あとはぐしゃぐしゃになっている。ですから、店先に車が突っ込んでいる、あるいは電柱に車がくし刺しになっている、そういうところがあるわけであります。あるいは、波をかぶった洋服を店先に出して提供しているところもありました。そういう商店街をぜひ復旧させたいと思うわけです。

 そこで、被災した商店街の復旧を支援する事業が年度末に始まって、今年度も再募集すると聞きました。しかし、上限五百万円といっているわけですけれども、そうすると、かなり少な過ぎるのかなと思うわけです。商店街は地域コミュニティーそのものであります。商売を続けるぞ、そう思えるように拡充するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○豊永政府参考人 お答え申し上げます。

 今お話がありましたように、商店街そのものは地域コミュニティーの重要な担い手と認識してございます。その復旧が一日も早く軌道に乗れるようということで、今お話がありましたような補助などをいたしております。

 これは具体的に申し上げますと、二十二年度の予算の一部を割きまして、震災後でございますけれども、補助率抜きに定額で、五百万円を上限に、九十六カ所の商店街に、瓦れきの処理、それから設備の復旧の補助をいたしました。

 この九十六カ所の中には、実は、大きな商店街は区画を分けてお受け付けするという便宜も図りましたので、一個一個は二百万だったり三百万だったりいたします。決して私どもはそれを制限したつもりはございませんけれども、結果的には、使い勝手のいい形で、迅速に、定額でございますので、使っていただけたのではないかと思っております。

 また、二十三年度の当初予算を使いましても、同様な形で施行すべく既に募集を始めてございまして、今度の補正の中でもその拡充を期待するところでございます。

○高橋(千)委員 補正の中で拡充をしたいということでしたので、よろしくお願いしたいと思います。補正を通すのは国会でもありますので、皆さんと協力をしていきたいなと思っております。

 先ほど、既に答弁の中にもあったと思うんですが、沿岸部の水産加工製造会社というのは、やはり密接なかかわりがあるわけです。例えば、気仙沼や石巻の加工業者が、塩竈で空き工場を取得して操業したいという要望がありました。市長によりますと、既に十社以上の引き合いがあった。もちろん、団体からも強く要望がございます。

 空き工場の改修、取得に補助があってもよいのではないか。いかがでしょうか。

○豊永政府参考人 お答え申し上げます。

 被災した中小企業の方々の一日も早い復旧が重要であることは論をまたないと思っております。早期の事業再開を希望されてはおられるものの、災害のために自身の施設の復旧のめどが立たない中小企業の方々は、多数おられます。

 中小企業基盤整備機構では、仮設の工場、仮設の店舗を整備して、中小企業の方々に原則無料で貸し出すという事業を開始してございます。既に、中小企業庁、中小機構の職員を、北は青森から南は千葉県まで、被災地に派遣しておりまして、これまで六県、百三十六市町村の役場や商工団体を訪問して、その実情を調査してございます。

 手前みその感がございますけれども、かなりの手ごたえを感じてございまして、現在、具体的な建設に向けての相談を始めているところでございます。また、将来的には、より本格的な貸し工場、貸し店舗などの建設、提供も予定してございます。

 なお、今、空き工場の活用のお話、取得、改修というお話がございました。すべてのケースに対応するのは正直申し上げて困難ではないかと認識しておりますけれども、深刻な被害があった地域におきまして、地域の中小企業の方々一体となって再建にお努めというような場合には、それに対して補助をする制度がつくれないかということで、今回の補正予算の中で実現を図っているところでございます。

○高橋(千)委員 今、仮設工場、仮設店舗のお話がございました。これは、これまでも何回かそういう答弁がありまして、そこまで今踏み込むのでありますから、私は大変評価したいと思うんですね。同じことじゃないか、むしろ効果的ではないかと思うんです。要するに、あるものを活用するということですから。

 仮設住宅だって同じですよね。仮設住宅の建設が今大変急がれている。でも、その一方で、公営住宅など、あるストックを活用しようじゃないかということもあわせてやって、全体としてとにかく急いで間に合わせていこうということをやっているわけですから、今ある工場がある、お互いにそれを望んでいる、要するに、工場を持つ側も必要とする側も。だったら、それは同じスキームで、むしろ予算が少なくかかるのかなと思いますので大いに前向きに検討されたいと思いますが、もし一言あれば。

○豊永政府参考人 私の承知している例としまして、例えば福島県では、九十五、六カ所だったと思いますけれども、県内の空き工場、空き店舗のようなものを情報収集されて、それを原子力事故周辺の中小企業の方々に提供するサービスを福島県はなさっていると承知しております。

 一方で、今先生のお話のありました具体例は承知しておりませんけれども、一つ一つの空き店舗、空き工場につきましては、その所有をなさっている方々がおられ、また使おうとなさっている方々がどういう使い方をなさるかということで、個々具体的に事情が異なるのではないかと承知しております。

 私が先ほど申し上げましたような仮設の店舗、工場、まず、将来的には貸し店舗、工場につきましては、市町村の協力を得たいということで話を進めてございますけれども、あくまで地域の中小企業の方々のできるだけ多くのニーズにこたえるという観点からは、基本的にではございますけれども、できるだけ多くの方々が使えるような施設の提供ということを優先的に進めていきたいと考えてございます。

○高橋(千)委員 今私がお話ししたことは、団体の方たち、加工業者の団体と市長さんから寄せられたものでありますから、障害はクリアできるのではないかということで、重ねて検討をお願いしたいと思います。

 どうもありがとうございました。

 次に、厚労省に伺います。

 今度は、厚労省が中小企業対策で何をやるかということが問われるわけですけれども、雇用調整助成金あるいは特定求職者雇用開発助成金などで中小企業に有利に制度をつくっているのは承知をしているところであります。

 気仙沼の水産加工業の社長さんが被災した工場を立て直そうと奮起する姿が、NHKで紹介されました。九工場のうち八工場までが津波で大きな損害を受け、本社も流された。しかも、テレビで映ったわけですが、役員の中からは、解雇するのが一番負担がなくていい、そういう発言があったにもかかわらず、一人も解雇しないで再開を目指しているわけです。その社長さんが、働き口がなくなると人はこの地域を去ることになる、それは地域として絶対に避けなければならない、水産加工にとって人の部分が財産なのですとおっしゃっております。

 雇用調整助成金を活用して再開までの雇用をつないだわけでありますが、同時に、社会保険料の事業主負担が重くのしかかる。社会保険料の免除については、一年間免除の方針という報道もあったわけですけれども、ぜひこのことをやるということで伺いたい、確認したいと思います。

○岡本大臣政務官 御指摘いただきましたように、既に、厚生年金や健康保険などの社会保険料の納付期限の延長や納付の猶予といった措置につきましては、資金繰りに苦慮する事業主が多く生じていることが想定されることから、開始をし、実施をしているところでございますが、今御指摘がありました、さらに踏み込みまして、事業が一時的に継続不可能となり、また従業員の賃金の支払いに著しい支障が生じて無給になる従業員が出てくるような事業所、こういった事業所が出てくることも想定をされます。

 このため、今回の震災でこういった著しい被害を受けた事業所について、企業活動の復興を支援する観点から、社会保険料の免除のための法的な特例措置を行う方向で現在検討をしているところでございます。

○高橋(千)委員 ぜひ、これは実現をお願いしたいと思います。それが、やるということがわかれば、やはり自分たちも頑張ろうということが出てきますので、ぜひ応援をしたいと思います。

 個人の事業主にとっては、やはり自分自身の国保や年金の保険料も非常に厳しいところがございます。ただ、これ自体は、被災して事業を一たん休まざるを得なくなれば、当然免除になると思うわけですね。問題は、社会保険であれば傷病手当や休業手当があります、しかし個人事業主にはそういうものがないわけで、まさに自分の体一つが資本である。そういう中で、これまでも課題となってきたわけですけれども、やはり国保にも休業手当を検討するべき、そういう時期に来ているのではないかと思いますが、これは大臣に伺いたいと思います。

○細川国務大臣 自営業とかの皆さんにも、いろいろな形で国の支援をしながら、ぜひとも早く立ち直っていただきたい、このように私自身、心から思っているところでございます。

 そこで、被用者保険では、委員が言われるように、従業員の休業が傷病に起因する場合には傷病手当金、こういう制度があるわけなんですけれども、この制度は、休業すれば賃金が支払われないということから、これを一定程度補てんして、生活の保障を図るということを目的として給付をされているものでございます。

 他方、自営業や農林漁業などの個人の事業主、無職の方などが加入をいたしております国民健康保険におきましては、制度上は、市町村の判断によりまして傷病手当金を給付することができるということになっております。

 しかし、自営業者などは、被用者と違いまして、休業期間といっても一体どういうのが休業期間かとか、あるいは収入の減少の状況もまちまちであるということがございます。そしてまた、国民健康保険では、所得に応じて加入者全員が保険料を負担いたしておりますが、個人事業主の方に対してのみこの傷病手当金を給付する、こういうことになりますと、無職の方などとのバランスを欠く、こういうことにもなるわけでございます。

 そういうことから、実際には、給付を行っている市町村はございません。これは、費用を負担する保険者の意向をよく踏まえる必要があるのではないかというふうに私も思うところでございます。

○高橋(千)委員 これはぜひ、いろいろ研究をしてほしいと思います。きょうは最初ですので、いきなりよい回答が出るとは思ってはおりません。

 また、大前提として、国保の財政が非常に脆弱であること、そしてその国保の加入者の状態、無職の方が非常に多いということ、そうしたことからくる困難性であろうと。しかし、実態からいうと、やはり何らかのこうした手当てが必要ではないかということは御理解いただけるのではないかと思います。大いに提案をしていきたいので、研究していただきたいということを要望したいと思います。

 あわせて、これも長年の課題であるわけですけれども、きょうは内閣府にも来ていただいておりますが、被災者生活再建支援法、これは、あくまでも被災した個人に対する支援であります。しかし、個人に対しても、やはり個人の住宅の支援ができないのかということが、それこそ阪神のときからずっと、我が党やいろいろな団体の皆さん、そして党派を超えた皆さんが声を上げて、〇七年の改正ということになったわけです。

 ですから、そのときに、先ほど来議論されているように、地域のコミュニティーの主役であるそういう個人の事業主、ほとんど家族経営の商店とか、そうした人たちがやはり立ち直っていくためには、この被災者生活再建支援法の対象に入れてもよいのではないかということをぜひ伺いたいんですが。

○小田政府参考人 被災者生活再建支援制度、今先生御指摘のとおりでございまして、被災地における速やかな復興に資することを目的とした制度でございますが、自立した生活再建を支援するということから、全壊や大規模半壊など、住宅に重大な被害を受けた世帯を対象としてございます。

 したがいまして、工場及び店舗といった事業用資産を被災者生活再建支援制度の支給対象とするというのは、この制度の趣旨からは困難なところでございます。

○高橋(千)委員 ですから、それはもうとっくにわかっている話なわけですね、何度も議論してきましたから。ですから、そういうことではなくて、個人の住宅に支援をするということが実際に可能になってきた過程においては、やはりそれが、再建ができなければ地域が壊れてしまうのだと。再生ができなくなって、個人の住宅全体として、町であり、公共性があるのだという議論を重ねてきて、国土交通省の検討会ですとか、今総務大臣をされている片山さんの知事時代の議論ですとか、そうしたことを重ねてやられてきたわけです。

 ですから、私が今回言ったのは、あえて工場、店舗とおっしゃいましたけれども、家族経営の商店、まさに個人の住宅と一緒に並び立っているようなところですよ。そういう商店や事業所まで、事業所はもう同じなんだという形で対象に入れてもよい、私はそうするべきだと思います。どうですか。

○小田政府参考人 店舗や工場と、それから住宅とが一つの棟になっているという場合には、住宅部分の損壊状況に着目してこの支援制度の対象にはなってございます。

○高橋(千)委員 それは上と下の関係でしょう。店舗が被災しているがために居住部分まで暮らせなくなってしまったら対象になる、それはもう何年も前に私が質問したことに答えたことなんです。それからさらに踏み出せということを言っておりますので、きょう、全体の議論を聞いていただいたと思いますから、さらに検討していただきたい、課題としたい、皆さんと共有したいと思っております。

 さて、残りの時間で申しわけないんですが、「日本はひとつ」しごとプロジェクト、フェーズ1が発表されました。基金による雇用創出事業は、介護、環境などの重点分野のほかに震災対応分野も、雇用期間が一年以上延長されるといいます。既に岩手県で五千人など、また先ほどの答弁を聞いていますと、二万人、基金事業が始まったと承知をしております。

 ただ、震災分野のメニューといいますと、見守りや安全パトロール、瓦れき仕分けなどが提起されておりまして、これでは一年もやる仕事ではないし、やってはいけないんですよね。つまり、避難所が一年もあっては困るし、一年たってもまだ瓦れきが残っている状態はやはりまずいわけであります。ですから、もっと長く続く仕事というふうに考えなければならない。

 そこで、小宮山副大臣に伺いますけれども、震災分野を狭く考えないということ、既存の基金事業であっても延長できるものはもうやってしまう、そういうことで、なるべく安定雇用を目指すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山副大臣 委員の御指摘、もっともだというふうに思います。その瓦れきの撤去とかパトロールのほかに、例えば、保育士の資格を持って保育をするとか、あるいは介護福祉士の資格を持って介護をするということは、今の中でも読めることだというふうに思うんですが、おっしゃいますように、多くの方に雇用をつくろうということがこの趣旨ですので、可能な限り広い範囲で、特に、阪神・淡路のときよりもいろいろな資格を持っていらっしゃる、技能を持っていらっしゃる方がふえているという特徴もございますので、なるべく広く適用できるように考えていきたいと思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。広くとらえてということでお話があったと思います。

 やはり、もともと被災者というのは、イコール要援護者ではないわけですよね。働きたいと思っているわけで、手に職を持っている人でもある。ですから、やはりそういう人たちの経験を生かしていく必要があると思います。

 今お話があったように、保育、介護、あるいは看護師さん、一方では、職場を失っている被災者、でも一方では、労働者を失っている事業所もあるわけです。ですから、外から雇用を探すのではなくても、被災地の中でお互いをマッチングして、本当に必要なところで仕事をしてもらうということが大事だと思うんです。

 この間、山形の避難所に行ったときにキッズルームがあって、新人の保育士さん、市が雇った方、そして園長のOBがセットで運営しているんです。そうすると、それ自体が大変いい研修になりますよね。そういう形で経験者を生かして、被災者自体が経験者だったりするわけですから、そういう形で訓練を使ったり、あるいは被災した事業所の復興とあわせて雇用に結びつけていく、そういう想像力をうんと働かせていくということが大事だと思います。

 もう一言あったらお願いいたします。

○小宮山副大臣 想像力を働かせてと、本当にそのとおりだと思いますので、マッチングするためにはやはり人手も必要ですので、全国から今応援体制も組んでおりますので、なるべく心の通い合うような、しっかりとした対応をしたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 終わります。よろしくお願いいたします。

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